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公開番号
2024176828
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-12-19
出願番号
2023095648
出願日
2023-06-09
発明の名称
水素貯蔵燃料及びその製造方法
出願人
兵庫県公立大学法人
,
サンアロイ工業株式会社
代理人
個人
主分類
C01B
3/00 20060101AFI20241212BHJP(無機化学)
要約
【課題】
取り扱いの安全性を向上し、しかも、貯蔵、運搬に適した形態とした水素貯蔵燃料を提供する。
【解決手段】
不可避不純物として、アンモニア水和物(NH
3
(H
2
O))及びアンモニアボラン(NH
3
BH
3
)が混入され、常温常圧下で固体とされたアンモニア(NH
3
)を主体として構成された水素貯蔵燃料である。
この水素貯蔵燃料を構成するアンモニア(NH3(cr))は、アンモニア(NH
3
)を溶解した水溶液にホウ酸(B
3
O
2
)を混合した混合水溶液を凍結して凍結固化体を作製し、この凍結固化体を凍結乾燥することにより、不可避不純物として、アンモニア水和物(NH
3
(H
2
O))及びアンモニアボラン(NH
3
BH
3
)を混入して結晶固体として製造される。
【選択図】 図1
特許請求の範囲
【請求項1】
固体の水素貯蔵燃料であって、
不可避不純物として、アンモニア水和物(NH
3
(H
2
O))及びアンモニアボラン(NH
3
BH
3
)が混入され、常温常圧下で固体とされたアンモニア(NH
3
)からなる
ことを特徴とする水素貯蔵燃料。
続きを表示(約 670 文字)
【請求項2】
アンモニア(NH
3
)を溶解した水溶液にホウ酸(B
3
O
2
)を混合して混合水溶液を作製し、
次いで、前記混合水溶液を凍結して凍結固化体を作製し、
その後、前記凍結固化体を凍結乾燥し、前記凍結固化体中に気体として含有された水蒸気(H
2
O(g))と、気体として含有されたホウ素化合物(BH、B
2
H
6
、B
2
O
3
)を排出し、前記凍結固化体中のアンモニア(NH
3
)を濃縮して固体とした
ことを特徴とする水素貯蔵燃料を製造する方法。
【請求項3】
前記凍結固化体中のアンモニア(NH
3
)は、不可避不純物として、アンモニア水和物(NH
3
(H
2
O))及びアンモニアボラン(NH
3
BH
3
)が混入されて固化された
ことを特徴とする請求項2記載の水素貯蔵燃料を製造する方法。
【請求項4】
前記混合水溶液は、液体窒素により冷却されて凍結固化体とされたことを特徴とする請求項2又は請求項3記載の水素貯蔵燃料を製造する方法。
【請求項5】
前記凍結固化体は、液体窒素により冷却された状態で、減圧処理されて凍結乾燥されることを特徴とする請求項2-4のいずれか1項に記載の水素貯蔵燃料を製造する方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、水素含有化合物であるアンモニアを用いた水素貯蔵燃料及びこの水素貯蔵燃料を製造する方法に関する。
続きを表示(約 1,000 文字)
【背景技術】
【0002】
従来、環境破壊を抑制するエネルギー源として水素が注目され、体積あたり、質量あたりの含有密度が高く、燃焼時に二酸化炭素(CO
2
)を排出しない水素含有化合物であるアンモニア(NH
3
)が、内燃機関や発電システムの燃料として注目されている。
【0003】
水素含有化合物としてのアンモニアは、ハーバーボッシュ法により工業レベルで大量に製造されている。このハーバーボッシュ法は、400―600℃、200-1000気圧の条件下で、鉄を触媒に用いて、水素と窒素を直接反応させることで、アンモニアを生産している。
【0004】
ハーバーボッシュ法は、電気エネルギーを大量に使用する等の問題点を有するため、ハーバーボッシュ法に代わるアンモニアの合成方法が提案されている(特許文献1)。
【0005】
そして、アンモニアを燃料とするアンモニアエンジンシステムとして、特許文献2に開示されたものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
国際公開第2014/115582号パンフレット
国際公開第2010/058807号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、アンモニアは、常温常圧で気体である。気体であるアンモニアは、生体内に容易に吸入され、呼吸器官の粘膜を刺激し、そのショックで呼吸停止を誘発するおそれがある。また、生体内に吸引されることにより、生体の血中アンモニア濃度を高め、意識障害を生じさせるおそれがある。
【0008】
このように、気体のアンモニアは、生体に対し極めて有害な物質であり、保管管理や搬送に困難を伴うため、広く一般に汎用して利用な可能なエネルギーキャリアとして用いることが困難である。
【0009】
また、アンモニアは、20℃、8.46気圧で液化することから、加圧ボンベに加圧した状態で充填することで、液体として保管することができる。しかし、液体のアンモニアは、生体の目に入ると失明に至るおそれもある。さらに、液体のアンモニアは、加圧状態で加圧ボンベに充填して保管する必要があり、保管や搬送に困難が伴う。
【0010】
なお、アンモニアは、常圧の雰囲気下において、-78℃以下に冷却することにより、安定な形態である固体とすることができる。
(【0011】以降は省略されています)
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