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公開番号2024172296
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-12
出願番号2023089911
出願日2023-05-31
発明の名称積層体の製造方法、電子部品の製造方法および積層体
出願人個人
代理人個人
主分類C01B 21/064 20060101AFI20241205BHJP(無機化学)
要約【課題】 大面積で高品質な二次元材料同士の積層体を安定して製造する。
【解決手段】 本開示の積層体の製造方法は、表面に結合部および非結合部を有する剥離部材と、原子膜を含むバルク材と、を準備する工程と、前記剥離部材の前記結合部及び前記非結合部と、前記バルク材と、を接触させる工程と、前記バルク材から前記原子膜を剥離する工程と、前記原子膜のうち前記非結合部上に位置する部分を、二次元材料基体に直接転写する工程と、を含む。
【選択図】 図1
特許請求の範囲【請求項1】
表面に結合部および非結合部を有する剥離部材と、原子膜を含むバルク材と、を準備する工程と、
前記剥離部材の前記結合部及び前記非結合部と、前記バルク材と、を接触させる工程と、
前記バルク材から前記原子膜を剥離する工程と、
前記原子膜のうち前記非結合部上に位置する部分を、二次元材料基体に直接転写する工程と、
を含む、積層体の製造方法。
続きを表示(約 680 文字)【請求項2】
前記剥離部材は、前記表面に複数の孔部または凹部を有するメッシュ状の部材である、請求項1に記載の積層体の製造方法。
【請求項3】
前記孔部または前記凹部は、内側に支持体を有する、請求項2に記載の積層体の製造方法。
【請求項4】
前記原子膜のうち前記非結合部上に位置する部分は、前記二次元材料基体との間の結合力よりも、前記支持体との間の結合力の方が小さい、請求項3に記載の積層体の製造方法。
【請求項5】
前記剥離部材は、金、銀、プラチナ、銅コバルトまたはニッケルからなる、請求項1に記載の積層体の製造方法。
【請求項6】
前記転写する工程において、前記原子膜のうち前記非結合部上に位置する部分は、前記二次元材料基体に転写されない、請求項1に記載の積層体の製造方法。
【請求項7】
前記二次元材料基体は、転写部材上に樹脂材料で固定されている、請求項1に記載の積層体の製造方法。
【請求項8】
前記樹脂材料は、ポリ塩化ビニルからなる、請求項7に記載の積層体の製造方法。
【請求項9】
前記二次元材料基体と前記樹脂材料との結合力よりも、前記二次元材料基体と前記剥離部材との結合力の方が小さい、請求項7に記載の積層体の製造方法。
【請求項10】
前記転写する工程において、前記原子膜のうち前記非結合部上に位置する部分は、前記樹脂材料に接触しない、請求項7に記載の積層体の製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、グラフェンシート、六方晶窒化ホウ素(hBN)または遷移金属ダイカルコゲナイド(TMD)等の二次元材料の積層体の製造方法に関するものである。
続きを表示(約 2,700 文字)【背景技術】
【0002】
原子膜の積層体の製造方法として、例えば、化学気相成長法(CVD)、分子線エピタキシー法(MBE)、液相エピタキシー法(LPE)等が知られている。一方、これらの製法は、成長条件によって原子が規則的に配列しないおそれがあり、二次元材料そのものの品質に課題があった。また、ケミカルエッチングやウェット転写などの転写工程から、二次元材料の品質が低下し、高品質化が困難である等のデメリットがあった。
【0003】
これらの課題を解決する別の手法として、例えば特許文献1(特開2022-137690)には、ジメチルポリシロキサン等の剥離基材を用いて対象材料の高品質な層状バルク体(単結晶層状バルク材)から二次元材料からなる原子膜を剥離し、転写基板に転写する方法(以下、SAP法ともいう)が開示されている。しかしながら、ジメチルポリシロキサンを用いた原子膜の剥離方法には原子膜の吸着力に課題があり、また、その吸着力に起因した、得られる原子膜の面積が小さいといった課題があり、近年、高品質でより大面積、かつ安定した収率で原子膜を剥離する方法が求められている。更に、剥離した原子膜を、ダメージを与えることなく二次元材料基体に転写する方法が求められていた。そして、産業応用などの社会実装を見据えた際には、これまでの製造方法では、原子膜を得た後に、得られた原子膜リソグラフィ技術等により形状をデザインするため、その工程から原子膜表面にレジストなどの有機不純物やウェット工程から水などのコンタミネーションを起因とした電気特性や発行特性の低下に繋がっていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2022-137690号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のとおり、二次元材料の積層体の製造方法として、高品質で大面積な原子膜を安定してバルクから剥離し、異なる二次元材料基体に転写する方法が求められていた。また、得られた原子膜の形状をデザインする際に、表面にレジストなどの付着を起因とした材料特性の低下を抑制する方法が求められていた。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の積層体の製造方法は、
表面に結合部および非結合部を有する剥離部材と、原子膜を含むバルク材と、を準備する工程と、
前記剥離部材の前記結合部及び前記非結合部と、前記バルク材と、を接触させる工程と、
前記バルク材から原子膜を剥離する工程と、
前記原子膜のうち前記非結合部上に位置する部分を、二次元材料基体に直接転写する工程と、
を含む。
【発明の効果】
【0007】
本開示の積層体の製造方法によれば、高品質で大面積な原子膜を安定してバルクから剥離し、二次元材料基体に転写することができ、高品質な二次元材料の積層体を安定して製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本開示の一実施形態における積層体の製造方法の一例を示すフローチャートである。
図2は、本開示の一実施形態における積層体の製造方法のうちの工程の一例を示す模式図である。
図3は、本開示の一実施形態における積層体の製造方法のうちの工程の一例を示す模式図である。
図4は、本開示の一実施形態における積層体の製造方法のうちの工程の一例を示す模式図である。
図5は、本開示の一実施形態における積層体の製造方法のうちの工程の一例を示す模式図である。
図6は、本開示の一実施形態における積層体の製造方法のうちの工程の一例を示す模式図である。
図7は、本開示の一実施形態における積層体の製造方法のうちの工程の一例を示す模式図である。
図8は、本開示の一実施形態における積層体の製造方法のうちの工程の一例を示す断面図である。
図9は、本開示の一実施形態における積層体の製造方法のうちの工程の一例を示す断面図である。
図10は、本開示の一実施形態における積層体の製造方法のうちの工程の一例を示す断面図である。
図11は、本開示の一実施形態における積層体の製造方法のうちの工程の一例を示す断面図である。
図12は、本開示の一実施形態における積層体の製造方法のうちの工程の一例を示す断面図である。
図13は、本開示の一実施形態における積層体の製造方法のうちの工程の一例を示す断面図である。
図14(A)は、本開示の一実施形態における剥離部材の一例を示す断面図である。図14(B)は、本開示の一実施形態における剥離部材の他の例を示す断面図である。図14(C)は、本開示の一実施形態における剥離部材の他の例を示す断面図である。
図15は、本開示の一実施形態における製造方法を用いて製造された電子部品を示す断面図である。
図16(A)は、実施例1の剥離工程において剥離された原子層を示すPLマッピング像である。図16(B)は、実施例1により得られた積層体の光学顕微鏡像である。図16(C)は、実施例1により得られた積層体のラマンスペクトルである。図16(D)は、実施例1により得られた積層体のPLスペクトルである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(積層体の製造方法)
本開示の積層体100の製造方法は、図1に示すように、表面に結合部11および非結合部12を有する剥離部材1と、原子膜3を含むバルク材2と、を準備する工程(準備工程S10)と、前記剥離部材1の前記結合部11及び前記非結合部12と、前記バルク材2と、を接触させる工程(接触工程S20)と、前記バルク材2から原子膜3を剥離する工程(剥離工程S30)と、前記原子膜3のうち前記非結合部12上に位置する部分(転写部31)を、二次元材料基体4に直接、転写する工程(転写工程S40)と、を含む。更に任意でその他の工程を含んでいてもよい。
【0010】
<準備工程S10>
準備工程S10は、図2および図8に示すように、表面に結合部11および非結合部12を有する剥離部材1と、バルク材2と、を準備する工程である。なお、図2から図7に対応する断面図が図8から図13である。分かりやすさのためにx方向、y方向、z方向を規定しているが、本開示の発明の実施態様を限定するものではない。
(【0011】以降は省略されています)

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