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公開番号
2025027705
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-02-28
出願番号
2023132760
出願日
2023-08-17
発明の名称
固相反応によるフッ化物の合成法
出願人
信越化学工業株式会社
代理人
個人
主分類
C01F
11/22 20060101AFI20250220BHJP(無機化学)
要約
【課題】低エネルギーで毒性が低い原料を用いてフッ化物を合成できるフッ化物合成法を提供する。
【解決手段】フッ化物の合成法では、アルカリ金属化合物及び/又はアルカリ土類金属化合物の原料粉末を用意し、フッ化アンモニウム、フッ化ナトリウム、及びフッ化カリウムの少なくとも一つから選択されたフッ化剤を用意する。さらに、原料粉末にフッ化剤を接触させ、原料粉末を固相反応させることでフッ化物を得る。接触工程の前又は後に少量の水を添加し、原料粉末と該水とを共存させる。水を共存させる工程では、原料粉末とフッ化剤との合計重量を1.0とした場合に、添加すべき前記水の重量を0.001以上、1.0以下に設定する。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
アルカリ金属化合物及び/又はアルカリ土類金属化合物の原料粉末を用意する工程と、
フッ化アンモニウム、フッ化ナトリウム、及びフッ化カリウムの少なくとも一つから選択されたフッ化剤を用意する工程と、
前記原料粉末に前記フッ化剤を接触させ、該原料粉末を固相反応させてフッ化物を得る工程と、
前記接触工程の前又は後に少量の水を添加し、前記原料粉末と該水とを共存させる工程と、
を含み、かつ、
前記水を共存させる工程では、前記原料粉末と前記フッ化剤との合計重量を1.0とした場合に、添加すべき前記水の重量を0.001以上、1.0以下に設定する、
ことを特徴とするフッ化物の合成法。
続きを表示(約 480 文字)
【請求項2】
前記原料粉末が、リチウム、ナトリウム、カルシウム、及びマグネシウムの少なくとも一つから選択される金属化合物である、
ことを特徴とする請求項1に記載のフッ化物の合成法。
【請求項3】
前記原料粉末が、炭酸塩化合物及び水酸化化合物の少なくとも一つから選択される金属化合物である、
ことを特徴とする請求項1に記載のフッ化物の合成法。
【請求項4】
前記原料粉末と前記水とを共存させる工程後に前記原料粉末と前記フッ化剤との混合物を密閉又は半密閉の容器に収容し、かつ、該容器内の温度を30℃~250℃に設定して前記混合物を加熱する工程をさらに含む、
ことを特徴とする請求項1に記載のフッ化物の合成法。
【請求項5】
前記フッ化物の合成法が、光学レンズ、蛍石レンズ、窓板用光学材料、セラミックスフィラー、プラズマ耐性表面保護膜、フラックス、及び、フッ酸原料のいずれかの用途のフッ化物を得るための合成法である、
ことを特徴とする請求項1に記載のフッ化物の合成法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明はフッ化物の合成法に関し、具体的には、室温雰囲気下での固相反応によるフッ化物の合成法に関するものである。
続きを表示(約 1,600 文字)
【背景技術】
【0002】
代表的なフッ化物の一つであるCaF
2
は蛍石として天然に存在するが、蛍石は天然物であるがゆえに不純物を含む問題がある。そのため、高純度で品位の安定した人工のCaF
2
を合成する試みがなされている。これまでに、炭酸カルシウムにフッ酸を反応させる方法(特許文献1を参照)や炭酸カルシウムと水酸化カルシウムとの混合物をフッ化水素ガス、フッ素ガスなどの気体で反応させる方法(特許文献2を参照)が提案されている。
【0003】
しかしながら、以上のように合成したCaF
2
は高純度で光学レンズ、蛍石レンズ、窓板用光学材料などの光学用途に最適な素材であるが、毒性が極めて強いフッ酸やフッ化水素ガスを使用するため、製造、排出処理などが困難であるとの欠点を有する。
【0004】
また、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)やその他フッ素樹脂を水酸化ナトリウムとともに500℃に高温加熱してフッ化ナトリウムを合成し、この物質をフッ化カルシウムに置換する方法も提案されている(非特許文献1を参照)。この先行技術は毒性が強いフッ酸やフッ化水素ガスを使用しないことから安全性が改善されているが、高温での加熱が必要であり、エネルギー消費が大きく、炭酸ガスの排出に懸念がある。
【0005】
また、非特許文献2には、アルカリ土類金属水酸化物とフッ化アンモニウムとの反応からアルカリ土類金属フッ化物を合成することが記載されている。しかしながら、この先行技術は固体状の原料同士を混ぜ合わせる(固相反応)だけであり、反応速度が遅く、反応のバラツキが生じ、安定したフッ化物の製造が出来ないなどの問題が懸念される。
【0006】
なお、セラミックスの低温合成法として適度な水分を添加して室温或いは低温加熱下で合成する方法が知られている(特許文献3)。しかし、フッ化物の合成は報告されていない。
【0007】
以上のように、従来のフッ化物合成方法では、一般に、毒性が強いフッ酸やフッ化水素ガスを用いて合成している。また、フッ酸やフッ化水素ガスを用いない従来の製造方法では高温加熱が必要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特開2004-123417号公報
特許6407604号公報
特許6382030号公報
【非特許文献】
【0009】
Naohisa Yanagihara, Takahiro katoh, “Mineralization of polytetrafluoroethylene and other fluoropolymers by molten sodium hydroxide”, Green Chemistry, (2022)
Gudrun Scholz, Klas Meyer, Andre Duvel , Paul Heitjans, and Erhard Kemnitz, “Fast Ion Conducting Nanocrystalline Alkaline Earth Fluorides Simply Prepared by Mixing or Manual Shaking”, Z. Anorg. Allg. Chem. (2013)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は上記事情に鑑み、低エネルギーで毒性が低い原料(例えば、フッ化アンモニウムやフッ化ナトリウム)を用いてフッ化物を合成できるフッ化物合成法を提供することを目的とする。
(【0011】以降は省略されています)
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