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公開番号2025066575
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-04-23
出願番号2023176275
出願日2023-10-11
発明の名称負極活物質及びその製造方法
出願人信越化学工業株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類H01M 4/38 20060101AFI20250416BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】 電池特性を維持しつつ、容量を増加可能な負極活物質を提供する。
【解決手段】 負極活物質粒子を有する負極活物質であって、前記負極活物質粒子は、多孔質炭素の構造体を含み、前記多孔質炭素の構造体の内部にシリコン及びシリコンの酸化物が分散されており、前記多孔質炭素の構造体の内部のうち、少なくとも表層部分に、アモルファス状の低価数ナノシリコン酸化物が分散されており、前記低価数ナノシリコン酸化物は、SiOx:x<1.0であり、前記多孔質炭素の構造体の内部のうち、少なくとも前記低価数ナノシリコン酸化物より深層部分に、結晶構造を有するナノシリコンが分散されているものであることを特徴とする負極活物質。
【選択図】 図1
特許請求の範囲【請求項1】
負極活物質粒子を有する負極活物質であって、
前記負極活物質粒子は、多孔質炭素の構造体を含み、
前記多孔質炭素の構造体の内部にシリコン及びシリコンの酸化物が分散されており、
前記多孔質炭素の構造体の内部のうち、少なくとも表層部分に、アモルファス状の低価数ナノシリコン酸化物が分散されており、
前記低価数ナノシリコン酸化物は、SiOx:x<1.0であり、
前記多孔質炭素の構造体の内部のうち、少なくとも前記低価数ナノシリコン酸化物より深層部分に、結晶構造を有するナノシリコンが分散されているものであることを特徴とする負極活物質。
続きを表示(約 830 文字)【請求項2】
前記負極活物質粒子の粒子中心から表層までの距離をtとしたとき、
前記結晶構造を有するナノシリコンは、粒子中心から1/2t~粒子中心から2/3tの範囲に存在することを特徴とする請求項1に記載の負極活物質。
【請求項3】
前記結晶構造を有するナノシリコンは、少なくともその一部に塩素を含むことを特徴とする請求項1に記載の負極活物質。
【請求項4】
前記結晶構造を有するナノシリコンは、多結晶構造であることを特徴とする請求項1に記載の負極活物質。
【請求項5】
前記低価数ナノシリコン酸化物は、断面TEM図で画像処理して求めた粒径が、平均50nm以下であることを特徴とする請求項1に記載の負極活物質。
【請求項6】
前記低価数ナノシリコン酸化物は、実質的に1価から2価の状態のものであることを特徴とする請求項1に記載の負極活物質。
【請求項7】
前記多孔質炭素の構造体は、少なくとも一部に炭素-炭素間二重結合を有するものであることを特徴とする請求項1に記載の負極活物質。
【請求項8】
前記多孔質炭素の構造体の、前記負極活物質粒子全体における割合は、38質量%以上63質量%以下であることを特徴とする請求項1に記載の負極活物質。
【請求項9】
前記負極活物質粒子は、ラマンスペクトルで得られるG/D比が0.85~1.15の範囲であり、Si/G比が0.25以上0.5以下であることを特徴とする請求項1に記載の負極活物質。
【請求項10】
前記多孔質炭素の構造体は、IUPAC分類においてI型が支配的なものであり、その表面積は1400m

/g以上、細孔容積は1cm

/g以上であることを特徴とする請求項1に記載の負極活物質。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、負極活物質及びその製造方法に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
近年、モバイル端末などに代表される小型の電子機器が広く普及しており、さらなる小型化、軽量化及び長寿命化が強く求められている。このような市場要求に対し、特に小型かつ軽量で高エネルギー密度を得ることが可能な二次電池の開発が進められている。この二次電池は、小型の電子機器に限らず、自動車などに代表される大型の電子機器、家屋などに代表される電力貯蔵システムへの適用も検討されている。
【0003】
その中でも、リチウムイオン二次電池は小型かつ高容量化が行いやすく、また、鉛電池、ニッケルカドミウム電池よりも高いエネルギー密度が得られるため、大いに期待されている。
【0004】
上記のリチウムイオン二次電池は、正極、負極、及び、セパレータと共に電解液を備えており、負極は充放電反応に関わる負極活物質を含んでいる。
【0005】
この負極活物質としては、炭素系活物質が広く使用されている一方で、最近の市場要求から電池容量のさらなる向上が求められている。電池容量向上のために、負極活物質材としてケイ素を用いることが検討されている。なぜならば、ケイ素の理論容量(4199mAh/g)は黒鉛の理論容量(372mAh/g)よりも10倍以上大きいため、電池容量の大幅な向上を期待できるからである。負極活物質材としてのケイ素材の開発はケイ素単体だけではなく、合金、酸化物に代表される化合物などについても検討されている。また、活物質形状は、炭素系活物質では標準的な塗布型から、集電体に直接堆積する一体型まで検討されている。
【0006】
しかしながら、負極活物質としてケイ素を主原料として用いると、充放電時に負極活物質が膨張及び収縮するため、主に負極活物質表層近傍で割れやすくなる。また、活物質内部にイオン性物質が生成し、負極活物質が割れやすい物質となる。負極活物質表層が割れると、それによって新表面が生じ、活物質の反応面積が増加する。この時、新表面において電解液の分解反応が生じるとともに、新表面に電解液の分解物である被膜が形成されるため電解液が消費される。このためサイクル特性が低下しやすくなる。
【0007】
これまでに、電池初期効率やサイクル特性を向上させるために、ケイ素材を主材としたリチウムイオン二次電池用負極活物質材料、電極構成についてさまざまな検討がなされている。
【0008】
具体的には、良好なサイクル特性や高い安全性を得る目的で、気相法を用いケイ素及びアモルファス二酸化ケイ素を同時に堆積させている(例えば特許文献1参照)。また、高い電池容量や安全性を得るために、ケイ素酸化物粒子の表層に炭素材(電子伝導材)を設けている(例えば特許文献2参照)。さらに、サイクル特性を改善するとともに高入出力特性を得るために、ケイ素及び酸素を含有する活物質を作製し、かつ、集電体近傍での酸素比率が高い活物質層を形成している(例えば特許文献3参照)。また、サイクル特性を向上させるために、ケイ素活物質中に酸素を含有させ、平均酸素含有量が40at%以下であり、かつ集電体に近い場所で酸素含有量が多くなるように形成している(例えば特許文献4参照)。
【0009】
また、初回充放電効率を改善するためにSi相、SiO

、M

O金属酸化物を含有するナノ複合体を用いている(例えば特許文献5参照)。また、サイクル特性改善のため、SiO

(0.8≦x≦1.5、粒径範囲=1μm~50μm)と炭素材を混合して高温焼成している(例えば特許文献6参照)。また、サイクル特性改善のために、負極活物質中におけるケイ素に対する酸素のモル比を0.1~1.2とし、活物質、集電体界面近傍におけるモル比の最大値、最小値との差が0.4以下となる範囲で活物質の制御を行っている(例えば特許文献7参照)。また、電池負荷特性を向上させるため、リチウムを含有した金属酸化物を用いている(例えば特許文献8参照)。また、サイクル特性を改善させるために、ケイ素材表層にシラン化合物などの疎水層を形成している(例えば特許文献9参照)。
【0010】
また、サイクル特性改善のため、酸化ケイ素を用い、その表層に黒鉛被膜を形成することで導電性を付与している(例えば特許文献10参照)。特許文献10において、黒鉛被膜に関するRAMANスペクトルから得られるシフト値に関して、1330cm
-1
及び1580cm
-1
にブロードなピークが現れるとともに、それらの強度比I
1330
/I
1580
が1.5<I
1330
/I
1580
<3となっている。また、高い電池容量、サイクル特性の改善のため、二酸化ケイ素中に分散されたケイ素微結晶相を有する粒子を用いている(例えば、特許文献11参照)。また、過充電、過放電特性を向上させるために、ケイ素と酸素の原子数比を1:y(0<y<2)に制御したケイ素酸化物を用いている(例えば特許文献12参照)。
(【0011】以降は省略されています)

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