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公開番号2024175866
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-19
出願番号2023093927
出願日2023-06-07
発明の名称半導体装置、半導体装置の製造方法、および車両
出願人ローム株式会社
代理人個人,個人
主分類H01L 23/28 20060101AFI20241212BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】 封止樹脂から露出する金属層の周縁において形成される樹脂バリの発生を抑制することが可能な半導体装置を提供する。
【解決手段】 半導体装置A10は、絶縁層11、導電層12、第1金属層13、半導体素子および封止樹脂50を備える。第1金属層13は、封止樹脂50の第1面521から露出する第1裏面131を有する。封止樹脂50には、凸部55が設けられている。凸部55の第2面522は、第1方向zにおいて第1裏面131よりも第1面521から遠くに位置する。さらに封止樹脂50には、第1方向zにおいて第1面521が向く側とは反対側に凹む溝部56が設けられている。溝部56は、第1方向zに視て第1裏面131と凸部55との間に位置する。第1方向zにおける溝部56の寸法dは、第1方向zおよび溝部56が延びる方向の各々に対して直交する方向における溝部56の寸法wよりも大きい。
【選択図】 図9
特許請求の範囲【請求項1】
絶縁層と、
前記絶縁層の第1方向の一方側に接合された導電層と、
前記絶縁層を基準として前記導電層とは反対側に位置するとともに、前記絶縁層に接合された第1金属層と、
前記導電層に接合された半導体素子と、
前記導電層および前記半導体素子を覆う封止樹脂と、を備え、
前記封止樹脂は、前記第1方向において前記絶縁層を基準として前記第1金属層が位置する側を向く第1面を有し、
前記第1金属層は、前記第1面から露出する第1裏面を有し、
前記封止樹脂には、前記第1面から突出する凸部が設けられており、
前記凸部は、前記第1方向において前記第1面と同じ側を向くとともに、前記第1方向において前記第1裏面よりも前記第1面から遠くに位置する第2面を有し、
前記封止樹脂には、前記第1方向に視て前記第1裏面と前記凸部との間に位置するとともに、前記第1方向において前記第1面が向く側とは反対側に凹む溝部が設けられており、
前記第1方向における前記溝部の寸法は、前記第1方向および前記溝部が延びる方向の各々に対して直交する方向における前記溝部の寸法よりも大きい、半導体装置。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記溝部は、前記第1裏面を囲んでいる、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記第1金属層は、前記第1方向に対して直交する方向を向く端面を有し、
前記溝部から前記端面が露出している、請求項2に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記封止樹脂は、前記第1方向において前記第1面と同じ側を向くとともに、前記溝部の一部を規定する第3面を有し、
前記第3面は、前記第1方向において前記第1面と前記第1裏面との間に位置する、請求項3に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記第3面の表面粗さは、前記第1面の表面粗さよりも大きい、請求項4に記載の半導体装置。
【請求項6】
前記溝部は、前記第1裏面を基準として互いに反対側に位置する第1溝および第2溝を含み、
前記第2溝の前記第1方向の寸法は、前記第1溝の前記第1方向の寸法と異なる、請求項3に記載の半導体装置。
【請求項7】
絶縁層と、
前記絶縁層の第1方向の一方側に接合された導電層と、
前記絶縁層を基準として前記導電層とは反対側に位置するとともに、前記絶縁層に接合された第1金属層と、
前記導電層に接合された半導体素子と、
前記導電層および前記半導体素子を覆う封止樹脂と、を備え、
前記封止樹脂は、前記第1方向において前記絶縁層を基準として前記第1金属層が位置する側を向く第1面を有し、
前記第1金属層は、前記第1面から露出する第1裏面を有し、
前記封止樹脂には、前記第1面から突出する凸部が設けられており、
前記凸部は、前記第1方向において前記第1面と同じ側を向くとともに、前記第1方向において前記第1裏面よりも前記第1面から遠くに位置する第2面を有し、
前記凸部は、前記第1裏面に接している、半導体装置。
【請求項8】
前記凸部は、前記第1面から突出する基部と、前記基部から前記第1方向に対して直交する方向に延びる張出部と、を有し、
前記張出部は、前記第1裏面に接している、請求項7に記載の半導体装置。
【請求項9】
前記張出部の前記第1方向の寸法は、前記基部の前記第1方向の寸法よりも小さい、請求項8に記載の半導体装置。
【請求項10】
前記凸部は、前記第1裏面を囲んでいる、請求項1ないし9のいずれかに記載の半導体装置。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、半導体装置およびその製造方法と、当該半導体装置が搭載された車両とに関する。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
特許文献1には、MOSFETが搭載された半導体装置の一例が開示されている。当該半導体装置は、電源電圧が印加されるドレイン端子と、MOSFETに電気信号を入力するためのゲート端子と、当該電源電圧に対応した電力が当該電気信号に基づき変換された後、変換された電力が出力されるソース端子とを備える。MOSFETは、ドレイン端子に導通するドレイン電極と、ソース端子に導通するソース電極と、ゲート端子に導通するゲート電極とを有する。ドレイン電極は、ダイパッド(タブ)に導電接合されている。ドレイン端子は、ダイパッドと一体となっている。ソース電極は、金属クリップに導電接合されている。さらに金属クリップは、ソース端子にも導電接合されている。これにより、当該半導体装置に、より大きな電流を流すことが可能となっている。
【0003】
特許文献1に開示されている半導体装置は、ダイパッド一部を覆う封止樹脂をさらに備える。当該半導体装置においては、ダイパッドの裏面が封止樹脂から露出している。この場合において、当該半導体装置が具備する封止樹脂を形成する工程では、ダイパッドの裏面の周縁において樹脂バリが形成されることがある。樹脂バリの範囲や大きさが過多になると、当該半導体装置をヒートシンクに取り付ける際の支障となる。このため、樹脂バリの発生を抑制するための方策が望まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2016-192450号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示は上記事情に鑑み、封止樹脂から露出する金属層の周縁において形成される樹脂バリの発生を抑制することが可能な半導体装置を提供することをその課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の第1の側面によって提供される半導体装置は、絶縁層と、前記絶縁層の第1方向の一方側に接合された導電層と、前記絶縁層を基準として前記導電層とは反対側に位置するとともに、前記絶縁層に接合された第1金属層と、前記導電層に接合された半導体素子と、前記導電層および前記半導体素子を覆う封止樹脂とを備える。前記封止樹脂は、前記第1方向において前記絶縁層を基準として前記第1金属層が位置する側を向く第1面を有する。前記第1金属層は、前記第1面から露出する第1裏面を有する。前記封止樹脂には、前記第1面から突出する凸部が設けられている。前記凸部は、前記第1方向において前記第1面と同じ側を向くとともに、前記第1方向において前記第1裏面よりも前記第1面から遠くに位置する第2面を有する。前記封止樹脂には、前記第1方向に視て前記第1裏面と前記凸部との間に位置するとともに、前記第1方向において前記第1面が向く側とは反対側に凹む溝部が設けられている。前記第1方向における前記溝部の寸法は、前記第1方向および前記溝部が延びる方向の各々に対して直交する方向における前記溝部の寸法よりも大きい。
【0007】
本開示の第2の側面によって提供される半導体装置は、絶縁層と、前記絶縁層の第1方向の一方側に接合された導電層と、前記絶縁層を基準として前記導電層とは反対側に位置するとともに、前記絶縁層に接合された第1金属層と、前記導電層に接合された半導体素子と、前記導電層および前記半導体素子を覆う封止樹脂とを備える。前記封止樹脂は、前記第1方向において前記絶縁層を基準として前記第1金属層が位置する側を向く第1面を有する。前記第1金属層は、前記第1面から露出する第1裏面を有する。前記封止樹脂には、前記第1面から突出する凸部が設けられている。前記凸部は、前記第1方向において前記第1面と同じ側を向くとともに、前記第1方向において前記第1裏面よりも前記第1面から遠くに位置する第2面を有する。前記凸部は、前記第1裏面に接している。
【0008】
本開示の第3の側面によって提供される半導体装置の製造方法は、絶縁層の第1方向の両側に個別に接合された導電層および第1金属層の各々を形成する工程と、前記導電層に半導体素子を接合する工程と、前記第1方向において前記絶縁層を基準として前記第1金属層が位置する側を向く第1面を有するとともに、前記導電層および前記半導体素子を覆う封止樹脂を形成する工程と、前記第1方向において前記第1面が向く側とは反対側に凹む溝部を前記封止樹脂に形成する工程とを備える。前記封止樹脂を形成する工程では、前記第1方向において前記第1面と同じ側を向く前記第1金属層の第1裏面を前記第1面から露出させる工程と、前記第1面から突出する凸部を前記封止樹脂に形成する工程とを含む。前記凸部は、前記第1方向において前記第1面と同じ側を向くとともに、前記第1方向において前記第1裏面よりも前記第1面から遠くに位置する第2面を有する。前記溝部を形成する工程では、前記第1方向に視て前記第1裏面と前記凸部との間に位置するように前記溝部が形成される。前記第1方向における前記溝部の寸法は、前記第1方向および前記溝部が延びる方向の各々に対して直交する方向における前記溝部の寸法よりも大きい。
【0009】
本開示の第4の側面によって提供される車両は、駆動源と、半導体装置とを備える。前記半導体装置は、前記駆動源に導通している。前記半導体装置は、本開示の第1の側面によって提供される半導体装置、および本開示の第2の側面によって提供される半導体装置に対して、これらの半導体装置が具備する半導体素子に導通する端子をさらに備える。前記半導体素子および前記端子の各々は、本開示の第1の側面によって提供される半導体装置、および本開示の第2の側面によって提供される半導体装置が具備する導電層に導電接合されている。
【発明の効果】
【0010】
本開示にかかる半導体装置が具備する構成によれば、封止樹脂から露出する金属層の周縁において形成される樹脂バリの発生を抑制することが可能となる。
(【0011】以降は省略されています)

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