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公開番号
2024165424
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-11-28
出願番号
2023081618
出願日
2023-05-17
発明の名称
四塩化チタンの製造方法
出願人
東邦チタニウム株式会社
代理人
アクシス国際弁理士法人
主分類
C01G
23/02 20060101AFI20241121BHJP(無機化学)
要約
【課題】四塩化チタンの製造中、炉内における液体四塩化チタン供給パイプの突起部の損耗を抑制して、流動層に液体四塩化チタンを比較的長期間にわたって供給することができる四塩化チタンの製造方法を提供する。
【解決手段】四塩化チタンの製造方法であって、炉内に突き出た突起部121を有する液体四塩化チタン供給パイプ120を炉頂部112に備えた塩化炉100を用い、チタン鉱石とコークスと塩素ガスとを含む流動層160を形成し、四塩化チタンガスを生成する塩化工程を含み、液体四塩化チタン供給パイプ120の突起部121の外表面125は、セラミックスの被覆層122を有する。
【選択図】図2
特許請求の範囲
【請求項1】
炉内に突き出た突起部を有する液体四塩化チタン供給パイプを炉頂部に備えた塩化炉を用い、チタン鉱石とコークスと塩素ガスとを含む流動層を形成し、四塩化チタンガスを生成する塩化工程を含み、
前記液体四塩化チタン供給パイプの前記突起部の外表面は、セラミックスの被覆層を有する、四塩化チタンの製造方法。
続きを表示(約 170 文字)
【請求項2】
前記塩化工程は、前記流動層に向かって液体四塩化チタンを供給する温度制御ステップを有する、請求項1に記載の四塩化チタンの製造方法。
【請求項3】
前記セラミックスは、アルミナ、窒化ケイ素、ジルコニア及び炭化ケイ素から選ばれる1種以上を80質量%以上含む、請求項1又は2に記載の四塩化チタンの製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、四塩化チタンの製造方法に関する。
続きを表示(約 2,600 文字)
【背景技術】
【0002】
四塩化チタンは、スポンジ状の固体金属チタン(以下、「スポンジチタン」と称する。)の製造原料のみならず、酸化チタンや触媒あるいは医薬の分野に幅広く利用されている。四塩化チタンは、コークスと、酸化チタンを含有するチタン鉱石と、塩素ガスとを高温にて反応させることにより製造されている。
【0003】
四塩化チタンの生成は、耐火物構造の塩化炉内にてチタン鉱石とコークスを含む原料を塩素ガスで流動化した流動層で行われる。四塩化チタンを生成する塩化反応は、発熱反応であるために、四塩化チタンの製造量を増やすほど流動層の温度は高くなってしまい、四塩化チタンの製造効率が低下することがある。そのため、四塩化チタンの生成では、流動層の温度制御が重要である。なお、流動層内温度が所望の反応温度に達した後は外部からの加熱は不要となり、自発的に反応が進行する。上記塩化炉内の分散盤上ではチタン鉱石やコークスを含む原料が塩素ガスにより流動化されており、チタン鉱石やコークス等のキャリーオーバーがあるため、概して塩化炉の内部は高温下で激しい摩耗環境にも曝されている。このような環境下において、流動層の温度を制御する技術としては、例えば特許文献1に記載されたものがある。
【0004】
特許文献1には、「チタン鉱石の塩素化反応により四塩化チタンを製造する塩化炉における温度制御方法であって、上記塩化炉内に保持されたチタン鉱石およびコークスに対して上記塩化炉底部から塩素ガスを供給してこれらの流動層を形成し、上記塩化炉頂部から上記流動層に対して液体四塩化チタンを供給し、上記液体四塩化チタンは、上記塩化炉頂部から上記流動層まで連続した液柱状であることを特徴とする塩化炉の温度制御方法。」が開示されている(特許文献1の請求項1参照)。また、温度制御するための四塩化チタンの供給手段としては、塩化炉の頂部に設けた四塩化チタン供給ノズルから流動層に向けて四塩化チタンを供給することが開示されている(特許文献1の段落0033参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2010-77014号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、塩化炉では、四塩化チタンを長期間製造すると、炉頂部に付着物が堆積する。この付着物は、未反応のチタン鉱石やコークス、チタン鉱石中のチタン以外の金属成分を含有する金属塩化物等の混合物と考えられる。
また、特許文献1に記載されているように、流動層に液体四塩化チタンを供給して流動層の温度を制御するため、炉頂部に設けられ炉内に突き出るように配置された突起部を有する液体四塩化チタン供給パイプを備えた塩化炉では、その操業に伴い液体四塩化チタン供給パイプが損耗して短くなることがある。この理由は必ずしも定かではないが、塩素ガスによって液体四塩化チタン供給パイプの突起部が腐食したこと、液体四塩化チタン供給パイプの突起部の外表面がチタン鉱石やコークスの繰り返しの衝突によって摩耗したこと、等が考えられる。
以上を踏まえ、図1に示すように、塩化炉500の炉頂部512では、液体四塩化チタン供給パイプ520の突起部521が、上記の付着物の堆積層DM内に埋もれ、流動層に液体四塩化チタンを供給できなくなることがある。この場合、流動層の高温化を抑えるため、四塩化チタンの生産量を減らすこと等が必要になる。
【0007】
また、炉頂部における付着物の堆積層DMは、炉内で生成された四塩化チタンガスを回収するための四塩化チタンガス回収パイプ570の炉頂部512側の開口を閉塞させることもある。これは、液体四塩化チタン供給パイプ520の突起部521が堆積層DMに埋もれると液体四塩化チタンが堆積層DMの表面を伝って流れてしまうことに由来すると考えられる。さらに説明すると、炉頂部512で成長した堆積層DMの表面を伝って液体四塩化チタンが流れると堆積層DMの表面が付着物を吸着しやすくなり、さらに表面が冷却されて堆積層DMの成長が促され、これらが続くと炉頂部512において炉内に向けて厚い堆積層DMが形成されて四塩化チタンガス回収パイプ570の炉頂部512側の開口を閉塞させると考えられる。
【0008】
このような流動層への液体四塩化チタンの供給不良に基づく不具合の発生を抑制するため、特許文献1に記載の技術を改良することが望まれる。
【0009】
そこで、本発明の一実施形態においては、四塩化チタンの製造中、炉内における液体四塩化チタン供給パイプの突起部の損耗を抑制して、流動層に液体四塩化チタンを比較的長期間にわたって供給することができる四塩化チタンの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者は鋭意検討した結果、塩化工程において用いる塩化炉の炉頂部に備わる液体四塩化チタン供給パイプであって、炉内に突き出た突起部の外表面はセラミックスの被覆層を有することで、前記突起部の損耗を抑制して、炉内の流動層に液体四塩化チタンを比較的長期間にわたって供給できることを見出した。本発明は上記知見に基づき完成されたものであり、以下に例示される。
[1]
炉内に突き出た突起部を有する液体四塩化チタン供給パイプを炉頂部に備えた塩化炉を用い、チタン鉱石とコークスと塩素ガスとを含む流動層を形成し、四塩化チタンガスを生成する塩化工程を含み、
前記液体四塩化チタン供給パイプの前記突起部の外表面は、セラミックスの被覆層を有する、四塩化チタンの製造方法。
[2]
前記塩化工程は、前記流動層に向かって液体四塩化チタンを供給する温度制御ステップを有する、[1]の四塩化チタンの製造方法。
[3]
前記セラミックスは、アルミナ、窒化ケイ素、ジルコニア及び炭化ケイ素から選ばれる1種以上を80質量%以上含む、[1]又は[2]の四塩化チタンの製造方法。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)
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