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公開番号
2024168700
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-12-05
出願番号
2023085592
出願日
2023-05-24
発明の名称
コロイダルシリカ及びその製造方法
出願人
信越化学工業株式会社
代理人
弁理士法人牛木国際特許事務所
主分類
C01B
33/141 20060101AFI20241128BHJP(無機化学)
要約
【課題】高濃度においても低粘度であり、長期保存における粘度上昇が少ないコロイダルシリカ及びその製造方法の提供。
【解決手段】
シリカ粒子、
酸無水物構造を有する基、酸無水物が加水分解した構造を有する基又はその両方を有するオルガノポリシロキサンからなる分散剤
並びに
水
を含有するコロイダルシリカ。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
シリカ粒子、
酸無水物構造を有する基、酸無水物が加水分解した構造を有する基又はその両方を有するオルガノポリシロキサンからなる分散剤
並びに
水
を含有するコロイダルシリカ。
続きを表示(約 1,200 文字)
【請求項2】
シリカ粒子が、下式(II)で表される3官能性シラン化合物により表面処理されたゾルゲルシリカ粒子である請求項1に記載のコロイダルシリカ。
R
2
Si(OR
3
)
3
(II)
(式中、R
2
は置換又は非置換の炭素原子数1~20の1価炭化水素基を表し、R
3
は、独立に、炭素原子数1~6の1価炭化水素基を表す。)
【請求項3】
シリカ粒子の動的光散乱法によるZ平均粒子径が、5~300nmである請求項1に記載のコロイダルシリカ。
【請求項4】
分散剤が、下記一般式(1)で表されるオルガノポリシロキサン及び下記一般式(2)で表されるオルガノポリシロキサンから選ばれる1種以上である請求項1に記載のコロイダルシリカ。
TIFF
2024168700000024.tif
29
133
(式中、R
4
は、独立に、置換もしくは非置換の炭素原子数1~4のアルキル基または下記式(3)もしくは下記式(4)で表される基であり、R
4
のうち2つ以上は下記式(3)または下記式(4)で表される基である。kは、0~150の整数である。)
TIFF
2024168700000025.tif
44
132
(式中、R
6
は、独立に、置換又は非置換の炭素原子数1~4のアルキル基を表し、R
5
は、独立に、下記式(3)または下記式(4)で表される基であり、mは、2~5の整数であり、nは、0~3の整数であり、かつ、m及びnの合計は4または5である。シロキサン単位の配列順は任意である。)
TIFF
2024168700000026.tif
53
142
(式中、波線を付した線は、結合手を表す。)
【請求項5】
分散剤の量が、シリカ粒子に対し10~3000質量ppmである請求項1に記載のコロイダルシリカ。
【請求項6】
金属不純物の濃度が0~1質量ppmである請求項1に記載のコロイダルシリカ。
【請求項7】
親水性有機溶媒の濃度が0~1質量%である請求項1に記載のコロイダルシリカ。
【請求項8】
固形分濃度が30~50質量%である請求項1に記載のコロイダルシリカ。
【請求項9】
25℃における動粘度が1~100mm
2
/sである請求項1に記載のコロイダルシリカ。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか1項に記載のコロイダルシリカを含む化学的機械的研磨液。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、コロイダルシリカ及びその製造方法に関する。
続きを表示(約 3,300 文字)
【背景技術】
【0002】
昨今の半導体デバイスの著しい微細化に伴い、シリコンウェハー研磨、半導体デバイスの化学的機械的研磨(Chemical Mechanical Polishing、以下、「CMP」と記す)プロセス等にシリカ粒子が小さいコロイダルシリカが用いられている。
【0003】
CMPプロセス用コロイダルシリカとして、シリコンウェハー等の汚染を防止する理由から、金属不純物の極めて少ない高純度コロイダルシリカが求められている。特許文献1では、金属不純物の含有量が少ない、カチオン性基を有するシランカップリング剤で変性したコロイダルシリカの製造方法が開示されている。しかしながら、シリカ表面にカチオン性基が存在することにより、カチオン性基とシラノール基との間で水素結合が生じたり、カチオン性基がシラノール基同士の縮合触媒として作用することでシリカ同士の凝集を引き起こす場合があった。
【0004】
また、シリカ濃度が高いコロイダルシリカを製造することは、製造効率の向上を図るだけでなく、貯蔵運搬効率を向上させたり、研磨に用いられる研磨剤の配合を自由に調節ができ、配合自由度を高めることができるということからも好ましい。
一方、コロイダルシリカをCMPプロセスに使用する際、再使用するとコロイダルシリカの粘度上昇が生じるため、研磨剤としての効能を充分に発揮できないという問題があった。それ故、高濃度であり、且つ、長期にわたり粘度の上昇が少ないコロイダルシリカが望まれている。
【0005】
そこで、特許文献2、3では、高濃度のコロイダルシリカの分散性を向上させるため、硫酸、硝酸、クエン酸のような無機酸又は有機酸系の分散剤をコロイダルシリカに添加する方法が開示されている。これらの分散剤を用いることで金属不純物の混入を防ぎつつコロイダルシリカの分散性を向上させることが可能であるが、長期保存においてpH値の変化によりシリカ同士の凝集や粘度上昇が起こる場合があった。
【0006】
特許文献4では、親水性有機溶媒の存在下でゾルゲル法により得られた水分散コロイダルシリカ表面の一部を3官能性シラン化合物等で処理した後、分散媒を水で置換することによって、金属不純物及び分散剤を含まず、高濃度であり、長期に渡って粘度上昇が少ない水分散表面処理コロイダルシリカの製造方法が開示されているが、シリカの表面処理を必要とするため、より簡便な方法が求められていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2005-162533号公報
特許第5270344号公報
特開2019-172558号公報
特開2023-5414号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従って、本発明は、高濃度においても低粘度であり、長期保存における粘度上昇が少ないコロイダルシリカを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者は、上記目的を達成するため鋭意研究を行った結果、分散剤として酸無水物構造を有する基、酸無水物が加水分解した構造を有する基又はその両方を有するオルガノポリシロキサンを用いることによって、シリカの表面処理を行わなくても、高濃度においても低粘度であり、長期保存における粘度上昇が少ないコロイダルシリカを得られることを見出し、本発明を完成した。
【0010】
即ち、本発明は、下記のコロイダルシリカ及びコロイダルシリカの製造方法を提供するものである。
[1]
シリカ粒子、
酸無水物構造を有する基、酸無水物が加水分解した構造を有する基又はその両方を有するオルガノポリシロキサンからなる分散剤
並びに
水
を含有するコロイダルシリカ。
[2]
シリカ粒子が、下式(II)で表される3官能性シラン化合物により表面処理されたゾルゲルシリカ粒子である[1]に記載のコロイダルシリカ。
R
2
Si(OR
3
)
3
(II)
(式中、R
2
は置換又は非置換の炭素原子数1~20の1価炭化水素基を表し、R
3
は、独立に、炭素原子数1~6の1価炭化水素基を表す。)
[3]
シリカ粒子の動的光散乱法によるZ平均粒子径が、5~300nmである[1]又は[2]に記載のコロイダルシリカ。
[4]
分散剤が、下記一般式(1)で表されるオルガノポリシロキサン及び下記一般式(2)で表されるオルガノポリシロキサンから選ばれる1種以上である[1]~[3]のいずれか1項に記載のコロイダルシリカ。
TIFF
2024168700000001.tif
29
133
(式中、R
4
は、独立に、置換もしくは非置換の炭素原子数1~4のアルキル基または下記式(3)もしくは下記式(4)で表される基であり、R
4
のうち2つ以上は下記式(3)または下記式(4)で表される基である。kは、0~150の整数である。)
TIFF
2024168700000002.tif
44
132
(式中、R
6
は、独立に、置換又は非置換の炭素原子数1~4のアルキル基を表し、R
5
は、独立に、下記式(3)または下記式(4)で表される基であり、mは、2~5の整数であり、nは、0~3の整数であり、かつ、m及びnの合計は4または5である。シロキサン単位の配列順は任意である。)
TIFF
2024168700000003.tif
53
142
(式中、波線を付した線は、結合手を表す。)
[5]
分散剤の量が、シリカ粒子に対し10~3000質量ppmである[1]~[4]のいずれか1項に記載のコロイダルシリカ。
[6]
金属不純物の濃度が0~1質量ppmである[1]~[5]のいずれか1項に記載のコロイダルシリカ。
[7]
親水性有機溶媒の濃度が0~1質量%である[1]~[6]のいずれか1項に記載のコロイダルシリカ。
[8]
固形分濃度が30~50質量%である[1]~[7]のいずれか1項に記載のコロイダルシリカ。
[9]
25℃における動粘度が1~100mm
2
/sである[1]~[8]のいずれか1項に記載のコロイダルシリカ。
[10]
[1]~[9]のいずれかに記載のコロイダルシリカを含む化学的機械的研磨液。
[11]
下記工程(A1)、(A3’)及び(A4’)を有する[1]、[3]~[9]のいずれか1項に記載のコロイダルシリカの製造方法。
工程(A1):下式(I)で表される4官能性シラン化合物、その部分加水分解縮合物又はこれらの混合物を、塩基性物質の存在下、親水性有機溶媒及び水を含む混合液中で加水分解縮合することによってコロイダルシリカ(A1)を得る工程
Si(OR
1
)
4
(I)
(式中、R
1
は、独立に、炭素原子数1~6の一価炭化水素基を表す。)
工程(A3’):工程(A1)で得られたコロイダルシリカ(A1)に、酸無水物構造を有する基、酸無水物が加水分解した構造を有する基又はその両方を有するオルガノポリシロキサンからなる分散剤を添加し、分散剤含有コロイダルシリカ(A3’)を得る工程
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)
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