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公開番号2024168769
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-05
出願番号2023085700
出願日2023-05-24
発明の名称炭酸カルシウムの製造方法及び製造システム
出願人出光興産株式会社
代理人弁理士法人大谷特許事務所
主分類C01F 11/18 20060101AFI20241128BHJP(無機化学)
要約【課題】二酸化炭素を固定しつつ、カルシウム含有物からのカルシウム回収率を高めることができ、しかも高純度の炭酸カルシウムを製造することのできる、炭酸カルシウムの製造方法を提供する。
【解決手段】カルシウム含有物、酸、及び水を接触させて、カルシウムイオンを含む第1溶液(A1)を調製する第1工程(S1)と、前記第1溶液(A1)中の二酸化炭素を脱気して第2溶液(A2)を調製する第2工程(S2)と、前記第2溶液(A2)の水素イオン指数(pH)を、炭酸カルシウムが析出し得る水素イオン指数(pH1)よりも高く且つ水酸化カルシウムが析出し得る水素イオン指数(pH2)よりも低く調整して不溶化物を分離し、第3溶液(A3)を調製する第3工程(S3)と、前記第3溶液(A3)と二酸化炭素吸収液(B1)とを接触させて、炭酸カルシウムを生成する第4工程(S4)とを含む、炭酸カルシウムの製造方法とした。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
カルシウム含有物、酸、及び水を接触させて、カルシウムイオンを含む第1溶液(A1)を調製する第1工程(S1)と、
前記第1溶液(A1)中の二酸化炭素を脱気して第2溶液(A2)を調製する第2工程(S2)と、
前記第2溶液(A2)の水素イオン指数(pH)を、炭酸カルシウムが析出し得る水素イオン指数(pH

)よりも高く且つ水酸化カルシウムが析出し得る水素イオン指数(pH

)よりも低く調整して不溶化物を分離し、第3溶液(A3)を調製する第3工程(S3)と、
前記第3溶液(A3)と二酸化炭素吸収液(B1)とを接触させて、炭酸カルシウムを生成する第4工程(S4)と、
を含む、炭酸カルシウムの製造方法。
続きを表示(約 970 文字)【請求項2】
前記カルシウム含有物が、廃コンクリート、セメント、モルタル、鉄鋼スラグ、石灰石、カルシウム含有岩石、廃石膏、製紙スラッジ、生コンスラッジ、石炭流動床ボイラー燃焼灰、及びごみ焼却灰からなる群から選択される1種以上である、請求項1に記載の炭酸カルシウムの製造方法。
【請求項3】
前記酸が、塩酸、硝酸、及び硫酸からなる群から選択される1種以上の無機強酸である、請求項1又は2に記載の炭酸カルシウムの製造方法。
【請求項4】
前記二酸化炭素吸収液(B1)を、二酸化炭素を含むガス、塩基、及び水を接触させて調製する、請求項1~3のいずれか1項に記載の炭酸カルシウムの製造方法。
【請求項5】
前記第4工程(S4)において前記炭酸カルシウムを生成する際に生じる液相を電気透析して、前記酸と前記塩基とを再生する第5工程(S5)をさらに含む、請求項4に記載の炭酸カルシウムの製造方法。
【請求項6】
カルシウム含有物、酸、及び水を接触させて、カルシウムイオンを含む第1溶液(A1)を調製するカルシウムイオン抽出槽と、
前記第1溶液(A1)中の二酸化炭素を脱気して第2溶液(A2)を調製する脱気装置と、
前記第2溶液(A2)の水素イオン指数(pH)を、炭酸カルシウムが析出し得る水素イオン指数(pH

)よりも高く且つ水酸化カルシウムが析出し得る水素イオン指数(pH

)よりも低く調整して不溶化物を分離し、第3溶液(A3)を調製する水素イオン指数調整装置と、
前記第3溶液(A3)と二酸化炭素吸収液(B1)とを接触させて、炭酸カルシウムを生成する反応槽と、
を少なくとも備える、炭酸カルシウムの製造システム。
【請求項7】
前記二酸化炭素吸収液(B1)を、二酸化炭素を含むガス、塩基、及び水を接触させて調製する二酸化炭素吸収槽をさらに備える、請求項6に記載の炭酸カルシウムの製造システム。
【請求項8】
前記炭酸カルシウムを生成する際に生じる液相を電気透析して、前記酸と前記塩基とを再生する電気透析装置をさらに備える、請求項7に記載の炭酸カルシウムの製造システム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、炭酸カルシウムの製造方法及び製造システムに関する。詳述すると、本発明は、二酸化炭素を固定しつつ、炭酸カルシウムを製造する方法及びシステムに関する。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
地球温暖化の原因物質と言われている温室効果ガスの中でも、特に影響が大きいのが二酸化炭素(炭酸ガス)であり、大気中の二酸化炭素濃度の増大を防止することが地球温暖化抑制手段の1つとなり得る。そのため、化石資源の利用を制限して大気中への二酸化炭素の放出量を削減する技術についての研究が行われている。また、既に放出した大気中の二酸化炭素を吸収・固定する技術や、化石資源を燃焼した二酸化炭素を大気中に放出させることなく、あるいは大気中への放出を抑えつつ吸収・固定する技術について、日本を含む多くの国で盛んに研究されている。
【0003】
近年、二酸化炭素を吸収・固定する方法の1つとして、二酸化炭素を化学反応により炭酸塩として固定するというアイディアが提案されている。例えば、特許文献1では、第2族元素を含む被溶解物(廃コンクリートや鉄鋼スラグ等の廃材又は岩石等)を硝酸で溶解して第2族元素の硝酸塩溶液と生成し、二酸化炭素を水酸化ナトリウムに吸収させて炭酸ナトリウム溶液を生成し、第2族元素の硝酸塩溶液と炭酸ナトリウム溶液とを接触させて第2族元素の炭酸塩を生成することで、二酸化炭素の固定化を行うようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2012-096975号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、第2族元素の炭酸塩の中でも、炭酸カルシウムは、建材、セメント、製紙、プラスチック、ゴム、食品、及び医薬品等といった幅広い分野で有用である。そこで、上記のような二酸化炭素の固定化技術において、カルシウム含有物からのカルシウム回収率を高めつつ、高純度の炭酸カルシウムを製造することのできる方法の確立が望まれている。
しかしながら、特許文献1に記載の技術においては、カルシウム含有物からのカルシウム回収率を高めることや、高純度の炭酸カルシウムを製造することについては、十分に検討されていない。
【0006】
そこで、本発明は、二酸化炭素を固定しつつ、カルシウム含有物からのカルシウム回収率を高めることができ、しかも高純度の炭酸カルシウムを製造することのできる、炭酸カルシウムの製造方法及び製造システムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によれば、下記[1]~[2]が提供される。
[1] カルシウム含有物、酸、及び水を接触させて、カルシウムイオンを含む第1溶液(A1)を調製する第1工程(S1)と、
前記第1溶液(A1)中の二酸化炭素を脱気して第2溶液(A2)を調製する第2工程(S2)と、
前記第2溶液(A2)の水素イオン指数(pH)を、炭酸カルシウムが析出し得る水素イオン指数(pH

)よりも高く且つ水酸化カルシウムが析出し得る水素イオン指数(pH

)よりも低く調整して不溶化物を分離し、第3溶液(A3)を調製する第3工程(S3)と、
前記第3溶液(A3)と二酸化炭素吸収液(B1)とを接触させて、炭酸カルシウムを生成する第4工程(S4)と、
を含む、炭酸カルシウムの製造方法。
[2] カルシウム含有物、酸、及び水を接触させて、カルシウムイオンを含む第1溶液(A1)を調製するカルシウムイオン抽出槽と、
前記第1溶液(A1)中の二酸化炭素を脱気して第2溶液(A2)を調製する脱気装置と、
前記第2溶液(A2)の水素イオン指数(pH)を、炭酸カルシウムが析出し得る水素イオン指数(pH

)よりも高く且つ水酸化カルシウムが析出し得る水素イオン指数(pH

)よりも低く調整して不溶化物を分離し、第3溶液(A3)を調製する水素イオン指数調整装置と、
前記第3溶液(A3)と二酸化炭素吸収液(B1)とを接触させて、炭酸カルシウムを生成する反応槽と、
を少なくとも備える、炭酸カルシウムの製造システム。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、二酸化炭素を固定しつつ、カルシウム含有物からのカルシウム回収率を高めることができ、しかも高純度の炭酸カルシウムを製造することのできる、炭酸カルシウムの製造方法及び製造システムを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本実施形態の炭酸カルシウムの製造方法の一例を示すフロー図である。
本実施形態の炭酸カルシウムの製造システムの一例を示す概略構成図である。
本実施形態の炭酸カルシウムの製造方法の他の例を示すフロー図である。
本実施形態の炭酸カルシウムの製造システムの他の例を示す概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本明細書に記載された数値範囲の上限値及び下限値は任意に組み合わせることができる。例えば、数値範囲として「A~B」及び「C~D」が記載されている場合、「A~D」及び「C~B」の数値範囲も、本発明の範囲に含まれる。
また、本明細書に記載された数値範囲「下限値~上限値」は、特に断りのない限り、下限値以上、上限値以下であることを意味する。
また、本明細書において、実施例の数値は、上限値又は下限値として用いられ得る数値である。
(【0011】以降は省略されています)

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