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公開番号2025001801
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-09
出願番号2023101492
出願日2023-06-21
発明の名称キャップトレッドゴム
出願人横浜ゴム株式会社
代理人清流国際弁理士法人,個人,個人
主分類B60C 1/00 20060101AFI20241226BHJP(車両一般)
要約【課題】複数のゴムで構成されたキャップトレッドゴムにおいて、各ゴムの物性に基づく効果を発揮しながら、これらゴム間のクラック発生を抑制し、且つ、耐摩耗性能および低燃費性能を改善することを可能にしたキャップトレッドゴムを提供する。
【解決手段】第一トレッドゴムおよび第二トレッドゴムからなるキャップトレッドゴムにおいて、第一トレッドゴムおよび第二トレッドゴムがそれぞれタイヤ周方向に連続して延在するようにタイヤ接地面を構成し、第一トレッドゴムを、イソプレン系ゴムを60質量%以上含有するジエン系ゴム100質量部に対して、シリカを40質量%以上含有する充填剤50質量部~70質量部を配合して構成し、第二トレッドゴムを、ゴム成分100質量部に対して、カーボンブラック40質量部以上を配合して構成し、且つ未加硫の押出物の状態における発泡率が6%以下であるようにする。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
第一トレッドゴムおよび第二トレッドゴムからなるキャップトレッドゴムであって、
前記第一トレッドゴムおよび前記第二トレッドゴムはそれぞれタイヤ周方向に連続して延在するようにタイヤ接地面を構成し、
前記第一トレッドゴムは、イソプレン系ゴムを60質量%以上含有するジエン系ゴム100質量部に対して、シリカを40質量%以上含有する充填剤50質量部~70質量部を配合してなり、
前記第二トレッドゴムは、ゴム成分100質量部に対してカーボンブラック40質量部以上を配合してなり、且つ未加硫の押出物の状態における発泡率が6%以下であることを特徴とするキャップトレッドゴム。
続きを表示(約 590 文字)【請求項2】
前記第一トレッドゴムが加硫促進剤としてグアニジン系加硫促進剤を含有し、前記グアニジン系加硫促進剤の配合量が前記ジエン系ゴム100質量部に対して0.1質量部以上であることを特徴とする請求項1に記載のキャップトレッドゴム。
【請求項3】
前記第一トレッドゴムにおける前記シリカの配合量が前記ジエン系ゴム100質量部に対して50質量部以上であることを特徴とする請求項1または2に記載のキャップトレッドゴム。
【請求項4】
前記第二トレッドゴムの硬度が62以上であることを特徴とする請求項1または2に記載のキャップトレッドゴム。
【請求項5】
前記第二トレッドゴムがプロセスオイルを含有し、前記プロセスオイルの配合量が前記ゴム成分100質量部に対して10質量部以上であることを特徴とする請求項1または2に記載のキャップトレッドゴム。
【請求項6】
請求項1または2に記載のキャップトレッドゴムをキャップトレッド層に用いたことを特徴とするタイヤ。
【請求項7】
前記第二トレッドゴムが前記第一トレッドゴムのタイヤ幅方向の一部に局所的に配置され、タイヤ子午線断面における前記第二トレッドゴムの断面積が前記キャップトレッド層の断面積の0.1%~3%であることを特徴とする請求項6に記載のタイヤ。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、主として重荷重タイヤのトレッド部を構成するキャップトレッドゴムに関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
トラックやバス等の車両に使用されるタイヤ(重荷重タイヤ)は、乗用車用タイヤに比べてタイヤに負荷される荷重が大きいため、耐摩耗性能に優れることが重要視される。その一方で、地球環境問題への関心の高まりに伴い、重荷重用タイヤにおいても環境規制が厳しくなっており、低燃費性能の更なる改善が求められている。そのため、例えば特許文献1は、天然ゴムを主体とするゴム成分にシリカを配合し、且つ、特定のシランカップリング剤を配合することでシリカの分散を良好にして、耐摩耗性能に加えて低燃費性能を改善することを提案している。
【0003】
一方で、タイヤ接地面を構成するキャップトレッドゴムの一部を物性の異なる他のゴムに置き換えて、他のゴムの物性に基づくタイヤ性能を付加することが試みられている。例えば特許文献2は、キャップトレッドのタイヤ幅方向の一部に、キャップトレッドを貫通してタイヤ接地面に露出する導電ゴムからなる所謂アーストレッドが設けられている。このようなアーストレッドを備えたタイヤは、車両走行時に車両に発生する静電気を、ベルト層からアーストレッドを介して路面に放出し、車両の帯電を抑制することができる。
【0004】
しかしながら、上述のようにキャップトレッドゴムの一部を物性の異なる他のゴムに置き換える場合、キャップトレッドゴムの主要部を構成するゴムと他のゴムとの間の接着性が確保できないと、これらゴムの界面にクラックが発生して外観異常が生じやすくなったり、タイヤの耐久性が低下する虞がある。そのため、前述の重荷重タイヤにおいてキャップトレッドゴムの一部を物性の異なる他のゴム(例えばアーストレッド)に置き換えながら、重荷重タイヤに求められる優れた耐摩耗性能を確保することは困難であった。従って、複数のゴムで構成されたキャップトレッドゴムにおいて、各ゴムの物性に基づく効果を発揮しながら、これらゴム間のクラック発生を抑制し、且つ、耐摩耗性能および低燃費性能を改善するための対策が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2019‐056068号公報
特開2019‐018725号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、複数のゴムで構成されたキャップトレッドゴムにおいて、各ゴムの物性に基づく効果を発揮しながら、これらゴム間のクラック発生を抑制し、且つ、耐摩耗性能および低燃費性能を改善することを可能にしたキャップトレッドゴムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成する本発明のキャップトレッドゴムは、第一トレッドゴムおよび第二トレッドゴムからなるキャップトレッドゴムであって、前記第一トレッドゴムおよび前記第二トレッドゴムはそれぞれタイヤ周方向に連続して延在するようにタイヤ接地面を構成し、前記第一トレッドゴムは、イソプレン系ゴムを60質量%以上含有するジエン系ゴム100質量部に対して、シリカを40質量%以上含有する充填剤50質量部~70質量部を配合してなり、前記第二トレッドゴムは、ゴム成分100質量部に対して、カーボンブラック40質量部以上を配合してなり、且つ未加硫の押出物の状態における発泡率が6%以下であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明のキャップトレッドゴムは、上述のように第一トレッドゴムおよび第二トレッドゴムで構成され、これら第一トレッドゴムおよび第二トレッドゴムが上述の配合および物性を有するため、第一トレッドゴムによる優れた耐摩耗性および低燃費性を確保しながら、第二トレッドゴムによる帯電抑制効果を発揮し、且つ、これら第一トレッドゴムおよび第二トレッドゴムの界面におけるクラック発生を抑制し、タイヤの外観異常を防止することができる。
【0009】
本発明のキャップトレッドゴムにおいては、第一トレッドゴムが加硫促進剤としてグアニジン系加硫促進剤を含有し、グアニジン系加硫促進剤の配合量がジエン系ゴム100質量部に対して0.1質量部以上であることが好ましい。このように第一トレッドゴムが特定の加硫促進剤を十分に含むことで、耐摩耗性と低燃費性能を改善するには有利になる。
【0010】
本発明のキャップトレッドゴムにおいては、第一トレッドゴムにおけるシリカの配合量がジエン系ゴム100質量部に対して50質量部以上であることが好ましい。このように第一トレッドゴムがシリカを十分に含むことで、低燃費性能の更なる改善を図ることができる。
(【0011】以降は省略されています)

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