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公開番号
2024178483
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-12-25
出願番号
2021185397
出願日
2021-11-15
発明の名称
ウイルス阻害分子とストレプトアビジン変異体との融合タンパク質
出願人
国立大学法人 東京大学
,
サヴィッド・セラピューティックス株式会社
代理人
弁理士法人特許事務所サイクス
主分類
C07K
19/00 20060101AFI20241218BHJP(有機化学)
要約
【課題】ウイルス疾患の治療において使用するための、ウイルス阻害分子とストレプトアビジン変異体との融合タンパク質を提供すること。
【解決手段】配列番号1に記載のアミノ酸配列(但し、C末端のPro-Ser-Ala-Ala-Ser-His-His-His-His-His-Hisからなるアミノ酸配列は一部又は全部が欠失していてもよい)の、N末端側及び/又はC末端側に、リンカー配列を介して、分子量20,000以下のウイルス阻害分子が結合している、融合タンパク質。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
配列番号1に記載のアミノ酸配列(但し、C末端のPro-Ser-Ala-Ala-Ser-His-His-His-His-His-Hisからなるアミノ酸配列は一部又は全部が欠失していてもよい)の、N末端側及び/又はC末端側に、リンカー配列を介して、分子量20,000以下のウイルス阻害分子が結合している、融合タンパク質。
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【請求項2】
N末端側からC末端側に、分子量20,000以下の分子量20,000以下のウイルス阻害分子と、リンカー配列と、配列番号1に記載のアミノ酸配列(但し、C末端のPro-Ser-Ala-Ala-Ser-His-His-His-His-His-Hisからなるアミノ酸配列は一部又は全部が欠失していてもよい)とをこの順に有する、請求項1に記載の融合タンパク質。
【請求項3】
ウイルス阻害分子がペプチドである、請求項1又は2に記載の融合タンパク質。
【請求項4】
ウイルス阻害分子が、コロナウイルスを阻害する分子である、請求項1から3の何れか一項に記載の融合タンパク質。
【請求項5】
ウイルス阻害分子が、SARS-CoV-2 receptor binding domain に結合する分子である、請求項1から4の何れか一項に記載の融合タンパク質。
【請求項6】
ウイルス阻害分子が、配列番号2又は配列番号6に記載のアミノ酸配列を有する、請求項1から5の何れか一項に記載の融合タンパク質。
【請求項7】
リンカー配列が、グリシン残基及びセリン残基からなり、アミノ酸残基の数が5から25個である、請求項1から6の何れか一項に記載の融合タンパク質。
【請求項8】
リンカー配列が、[(Gly)
m
-Ser]
n
(式中、mは1~10の整数を示し、nは1~5の整数を示す)で示されるアミノ酸配列である、請求項1から7の何れか一項に記載の融合タンパク質。
【請求項9】
配列番号3又は配列番号8に記載のアミノ酸配列(但し、C末端のPro-Ser-Ala-Ala-Ser-His-His-His-His-His-Hisからなるアミノ酸配列は一部又は全部が欠失していてもよい)を有する、請求項1から8の何れか一項に記載の融合タンパク質。
【請求項10】
配列番号3又は配列番号8に記載のアミノ酸配列(但し、C末端のPro-Ser-Ala-Ala-Ser-His-His-His-His-His-Hisからなるアミノ酸配列は一部又は全部が欠失していてもよい)を有する融合タンパク質をコードする核酸。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウイルス阻害分子とストレプトアビジン変異体との融合タンパク質、並びにその利用に関する。
続きを表示(約 3,800 文字)
【背景技術】
【0002】
アビジンとビオチン、あるいはストレプトアビジンとビオチンの間の親和性は非常に高く(Kd=10
-15
から10
-14
M)、生体二分子間の相互作用としては、最も強い相互作用の一つである。現在、アビジン/ストレプトアビジン-ビオチン相互作用は、生化学、分子生物学、あるいは医学の分野で広く応用されている。アビジン/ストレプトアビジンとビオチンの高い結合能と抗体分子とを組み合わせたドラッグデリバリーの方法およびプレターゲティング法が考案されている。これらの研究に関連し、特許文献1には、天然ビオチンに対する親和性を低減させたストレプトアビジン変異体、並びにこの天然ビオチンに対する低親和性のストレプトアビジン変異体に対して高い親和性を有するビオチン改変二量体が報告されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
国際公開WO2015/125820
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、ウイルス疾患の治療において使用するための、ウイルス阻害分子とストレプトアビジン変異体との融合タンパク質を提供することを解決すべき課題とした。さらに本発明は、上記した融合タンパク質を含む抗ウイルス剤を提供することを解決すべき課題とした。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者は上記課題を解決するために鋭意検討した結果、ウイルス阻害分子として分子量が抗体より小さい分子を選択し、上記分子と、ストレプトアビジン変異体との融合タンパク質を調製した。そして、上記の融合タンパク質により、ウイルス活性を中和できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】
即ち、本発明によれば、以下の発明が提供される。
<1> 配列番号1に記載のアミノ酸配列(但し、C末端のPro-Ser-Ala-Ala-Ser-His-His-His-His-His-Hisからなるアミノ酸配列は一部又は全部が欠失していてもよい)の、N末端側及び/又はC末端側に、リンカー配列を介して、分子量20,000以下のウイルス阻害分子が結合している、融合タンパク質。
<2> N末端側からC末端側に、分子量20,000以下の分子量20,000以下のウイルス阻害分子と、リンカー配列と、配列番号1に記載のアミノ酸配列(但し、C末端のPro-Ser-Ala-Ala-Ser-His-His-His-His-His-Hisからなるアミノ酸配列は一部又は全部が欠失していてもよい)とをこの順に有する、<1>に記載の融合タンパク質。
<3> ウイルス阻害分子がペプチドである、<1>又は<2>に記載の融合タンパク質。
<4> ウイルス阻害分子が、コロナウイルスを阻害する分子である、<1>から<3>の何れか一に記載の融合タンパク質。
<5> ウイルス阻害分子が、SARS-CoV-2 receptor binding domain に結合する分子である、<1>から<4>の何れか一に記載の融合タンパク質。
<6> ウイルス阻害分子が、配列番号2又は配列番号6に記載のアミノ酸配列を有する、<1>から<5>の何れか一に記載の融合タンパク質。
<7> リンカー配列が、グリシン残基及びセリン残基からなり、アミノ酸残基の数が5から25個である、<1>から<6>の何れか一に記載の融合タンパク質。
<8> リンカー配列が、[(Gly)
m
-Ser]
n
(式中、mは1~10の整数を示し、nは1~5の整数を示す)で示されるアミノ酸配列である、<1>から<7>の何れか一に記載の融合タンパク質。
<9> 配列番号3又は配列番号8に記載のアミノ酸配列(但し、C末端のPro-Ser-Ala-Ala-Ser-His-His-His-His-His-Hisからなるアミノ酸配列は一部又は全部が欠失していてもよい)を有する、<1>から<8>の何れか一に記載の融合タンパク質。
<10> 配列番号3又は配列番号8に記載のアミノ酸配列(但し、C末端のPro-Ser-Ala-Ala-Ser-His-His-His-His-His-Hisからなるアミノ酸配列は一部又は全部が欠失していてもよい)を有する融合タンパク質をコードする核酸。
<11> <1>から<9>の何れか一に記載の融合タンパク質を含む、抗ウイルス剤。
【発明の効果】
【0007】
本発明によるウイルス阻害分子とストレプトアビジン変異体との融合タンパク質を用いることにより抗ウイルス活性を発揮することができ、これによりウイルス疾患を治療することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1は、pHの値を4.0, 5.0, 5.5, 6.0 に調製した0.4Mのアルギニンを含むリフォールディングバッファー 1mLを1.5 mL チューブに分注し、25 μLの変性意識状態のLCB1-Cupidを添加し24時間4℃にてインキュベーションしたのちの4量体形成をSDS-PAGEで解析した結果を示す。75 kDaマーカ付近に現れる4量体分子と25 kDaマーカ付近に現れる単量体分子のバンドを比較するとpH 5.5において4量体分子のバンドの比率が最も高い。
図2は、リフォールディングを行ったLCB1-Cupidの濃縮を行い、溶媒をPBSに置換した後の純度をSDS-PAGEで解析した結果を示す。図1で見えていた25 kDaマーカ付近に現れる単量体分子のバンドが消失して、高純度化されている。
図3は、LCB1-CupidのSARS-CoV-2 RBD (receptor binding domain)への結合による ACE 2 タンパク質との結合阻害を解析した結果を示す。PBSで希釈したAnti-RBD miniproteinは、濃度依存的にSARS-CoV-2 RBD (receptor binding domain)への結合が増加し、ACE 2 タンパク質とSARS-CoV-2 RBDとの結合を阻害している一方で、SARS-CoV-2 RBDへの結合能を有しないz HER2は、濃度依存的な中和活性を示さなかった。
図4は、巻き戻しを検討した3回の結果を示している。レーン1は、濃縮物(4.4 mg/mL)を10μLとサンプルバッファーを10μL混合し他ものを10μLレーンにアプライした。レーン2は、濃縮物を1mg/mL になるようにPBSで希釈したものを10μLとサンプルバッファーを10μL混合したものを10μLレーンにアプライした。
図5は、LCB3-CupidのSARS-CoV-2 RBD (receptor binding domain)への結合による ACE 2 タンパク質との結合阻害を解析した結果を示す。PBSで希釈したLCB3-Cupid (Anti-RBD miniproteinと表記)は、濃度依存的にSARS-CoV-2 RBD (receptor binding domain)への結合が増加し、ACE 2 タンパク質とSARS-CoV-2 RBDとの結合を阻害している一方で、SARS-CoV-2 RBDへの結合能を有しないz HER2は、濃度依存的な中和活性を示さなかった。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明について更に詳細に説明する。
本発明の融合タンパク質は、配列番号1に記載のアミノ酸配列(但し、C末端のPro-Ser-Ala-Ala-Ser-His-His-His-His-His-His(配列番号5)からなるアミノ酸配列は一部又は全部が欠失していてもよい)の、N末端側及び/又はC末端側に、リンカー配列を介して、分子量20,000以下のウイルス阻害分子が結合している、融合タンパク質である。配列番号1に記載のアミノ酸配列(但し、C末端のPro-Ser-Ala-Ala-Ser-His-His-His-His-His-Hisからなるアミノ酸配列は一部又は全部が欠失していてもよい)の、N末端側及びC末端側に、リンカー配列を介して、分子量20,000以下のウイルス阻害分子が結合している場合、当該ウイルス阻害分子は同一でも異なるものでもよい。
【0010】
好ましくは、本発明の融合タンパク質は、N末端側からC末端側に、分子量20,000以下の分子量20,000以下のウイルス阻害分子と、リンカー配列と、配列番号1に記載のアミノ酸配列(但し、C末端のPro-Ser-Ala-Ala-Ser-His-His-His-His-His-Hisからなるアミノ酸配列は一部又は全部が欠失していてもよい)とをこの順に有する融合タンパク質である。
(【0011】以降は省略されています)
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