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公開番号2025016854
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-02-05
出願番号2023119602
出願日2023-07-24
発明の名称2,7-ジブロモ-9-フルオレノンおよびその製造方法
出願人帝人株式会社
代理人個人
主分類C07C 49/697 20060101AFI20250129BHJP(有機化学)
要約【課題】反応性および色相が改善された高純度の2,7-ジブロモ-9-フルオレノンおよびその製造方法を提供する。
【解決手段】
5%のテトラヒドロフラン溶液にしたときの500nmにおける透過率が85%以上であり、且つ下記方法で得られた処理水の導電率が1.0mS/m以下であることを特徴とする2,7-ジブロモ-9-フルオレノン。
処理水の導電率;2,7-ジブロモ-9-フルオレノン5gを蒸留水50gに加えて30分間超音波照射し、2,7-ジブロモ-9-フルオレノンを濾別した蒸留水の導電率(mS/m)-蒸留水そのものの導電率(mS/m)
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
5%のテトラヒドロフラン溶液にしたときの500nmにおける透過率が85%以上であり、且つ下記方法で得られた処理水の導電率が1.0mS/m以下であることを特徴とする2,7-ジブロモ-9-フルオレノン。
処理水の導電率;2,7-ジブロモ-9-フルオレノン5gを蒸留水50gに加えて30分間超音波照射し、2,7-ジブロモ-9-フルオレノンを濾別した蒸留水の導電率(mS/m)-蒸留水そのものの導電率(mS/m)
続きを表示(約 430 文字)【請求項2】
HPLC純度が98面積%以上である請求項1に記載の2,7-ジブロモ-9-フルオレノン。
【請求項3】
請求項1に記載の2,7-ジブロモ-9-フルオレノンの製造方法において、少なくとも下記工程1および工程2を含んでなることを特徴とする2,7-ジブロモ-9-フルオレノンの製造方法。
工程1:9-フルオレノンを水中下で臭素と反応させ、粗2,7-ジブロモ-9-フルオレノンを製造する工程
工程2:工程1で製造された粗2,7-ジブロモ-9-フルオレノンを、アルコール水溶液中で一定の時間加熱還流撹拌し精製する工程
【請求項4】
工程2で使用されるアルコールは、エタノールまたは2-プロパノールである請求項3に記載の2,7-ジブロモ-9-フルオレノンの製造方法。
【請求項5】
芳香族ジアルコール化合物の原料として用いられる請求項1に記載の2,7-ジブロモ-9-フルオレノン。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、2,7-ジブロモ-9-フルオレノンおよびその製造方法に関する。
続きを表示(約 1,600 文字)【背景技術】
【0002】
2,7-ジブロモ-9-フルオレノンは農薬、医薬、高機能性高分子(高機能性樹脂)、染料、顔料、感光剤などの原料として有用な化合物であり、近年、特に高機能性樹脂用の原料として使用されている。
【0003】
高機能性樹脂の例として挙げられるポリカーボネート、ポリエステル、ポリエステルカーボネートなどの熱可塑性樹脂は、光学特性、耐熱性、成形性などに優れることから、光学レンズ、光学シートなどの光学部材として注目され、特に、光学レンズ用に開発されたポリエステルカーボネート樹脂は、透明性、耐熱性、屈折率、複屈折など樹脂の光学特性の改良を目的としてフルオレン環の2,7位に置換基を持つ芳香族ジアルコール化合物が使用されており、その芳香族ジアルコール化合物には2,7-ジブロモ-9-フルオレノンが原料として用いられている。
【0004】
例えば、特許文献1には、9,9-ビス[4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル]フルオレン(BPEF)のフルオレン環の2,7位にフェニル基や2-ナフチル基を有する芳香族ジアルコール化合物が開示され、特許文献2では、9,9-ビス[6-(2-ヒドロキシエトキシ)-2-ナフチル]フルオレン(BNEF)のフルオレン環の2,7位にフェニル基を有する芳香族ジアルコール化合物が開示されている。ところが、これら原料に使用される2,7-ジブロモ-9-フルオレノンの品質によっては、光学レンズ用途で必要な透明性や色相悪化を引き起こし、当該用途に用いる原料としては不適となる。
【0005】
従来より知られている2,7-ジブロモフルオレンから2,7-ジブロモ-9-フルオレノンを製造する方法(特許文献3)では、相間移動触媒としてアンモニウム塩が用いられるため、そのアンモニウム塩の僅かな残存により目的とする芳香族ジアルコール化合物やそれを用いた高機能性樹脂の色相や透明性を損なう可能性がある。
【0006】
一方、9-フルオレノンから臭素を用いて2,7-ジブロモ-9-フルオレノンを製造する方法(非特許文献1)では、無触媒であるものの水を使った不均一反応であるため、スケールアップした場合に反応後の無機塩(例えば中和塩)が2,7-ジブロモ-9-フルオレノンの結晶内に取り込まれてしまい、それを原料とした目的の芳香族ジアルコール化合物を合成する際に反応速度が低下したり目的化合物の色相が低下してしまい高機能性樹脂の色相や透明性を損なうことがあるため、工業的に製造するにはまだ改善の余地がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
国際公開第2019/044214号
特開2020-186220号公報
特開2004-115385号公報
【非特許文献】
【0008】
Synthetic Communications,39,3804,(2009)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、反応性および色相が改善された2,7-ジブロモ-9-フルオレノンおよびその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、上記従来技術の問題点を解決するために検討した結果達成されたものであって、色相や反応性に優れ、高品質を有する、芳香族ジアルコール化合物の原料として優れた2,7-ジブロモ-9-フルオレノンとその製造方法を提供することである。具体的には、本発明は、以下[1]~[5]項に示す2,7-ジブロモ-9-フルオレノンおよびその製造方法に関する。
(【0011】以降は省略されています)

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