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公開番号2025022436
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-02-14
出願番号2023127003
出願日2023-08-03
発明の名称アシアロGM1に結合活性を有するウサギモノクローナル抗体
出願人ヤマサ醤油株式会社
代理人
主分類C07K 16/28 20060101AFI20250206BHJP(有機化学)
要約【課題】マウス・ラットへの投与により、in vivoで確実にNK活性を低下させることができる抗ASGM1モノクローナル抗体および/または、NK細胞を検出するための免疫学的アッセイに有用なIgG型の抗ASGM1モノクローナル抗体を得る。
【解決手段】ASGM1を免疫した齧歯目に属さない動物のリンパ球からモノクローナル抗体を作製することにより、マウスに投与した際、in vivoで強いNK活性抑制作用を示すIgG型のウサギ抗ASGM1モノクローナル抗体を、きわめて高い効率で取得することができる。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
アシアロGM1に結合活性を有し、かつ齧歯目に属さない動物に由来するモノクローナル抗体。
続きを表示(約 730 文字)【請求項2】
齧歯目に属さない動物がウサギである、請求項1に記載のモノクローナル抗体。
【請求項3】
IgGモノクローナル抗体である、請求項1または2に記載のモノクローナル抗体。
【請求項4】
マウスまたはラットに投与したとき、NK活性抑制作用を示す、請求項1記載の抗アシアロGM1モノクローナル抗体。
【請求項5】
マウスに100μg/匹を投与したとき、投与3日後の脾細胞のNK活性が、投与なしコントロールの20%以下となる、請求項4記載のモノクローナル抗体。
【請求項6】
マウスに20μg/匹を投与したとき、投与3日後の脾細胞のNK活性が、投与なしコントロールの20%以下となる、請求項4記載のモノクローナル抗体。
【請求項7】
マウスに4μg/匹を投与したとき、投与3日後の脾細胞のNK活性が投与なしコントロールの20%以下となる、請求項4記載のモノクローナル抗体。
【請求項8】
ASGM1と反応し、ASGM2,ASGM3,GM2,GM3,GD1aおよびGD1bと実質的に反応しない、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載のモノクローナル抗体。
【請求項9】
ASGM1と反応し、ASGM2,ASGM3,GM1,GM2,GM3,GD1aおよびGD1bと実質的に反応しない、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載のモノクローナル抗体。
【請求項10】
請求項1から請求項9のいずれか1項に記載のモノクローナル抗体を投与することによる、マウスまたはラットのNK活性を抑制する方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、アシアロGM1 (以下、「ASGM1」と記載する場合がある) に反応性を有するウサギモノクローナル抗体、並びにマウス・ラットに投与した際にin vivoで強いNK活性抑制作用を有する抗ASGM1モノクローナル抗体、および当該抗体の取得方法に関する。
続きを表示(約 1,700 文字)【背景技術】
【0002】
ナチュラルキラー細胞(以下、「NK細胞」と記載する場合がある)は自然免疫に関与しており、ウイルス感染細胞やがん細胞の除去に重要な役割を担っている。NK細胞は、事前の免疫なしに、様々ながん細胞を自発的に攻撃することができる。
【0003】
ASGM1はマウス・ラットのNK細胞表面などに存在する糖脂質であり、NK細胞のマーカーとされている。従来、ASGM1に対するウサギ抗血清やポリクローナル抗体が取得され、フローサイトメトリー、免疫組織化学的検査などの免疫学的手法によるNK細胞の検出アッセイに使用されている。
【0004】
また、当該ASGM1に対する抗血清やポリクローナル抗体は、マウス・ラットに対しNK活性抑制作用を有することが知られている。「NK活性」とは、NK細胞が有する細胞障害活性のことを指し、その活性の値は、NK細胞と、YAC-1細胞のようなNK細胞の標的細胞を同居させ、あらかじめ放射性物質などで標識しておいた標的細胞から遊離する標識物質を定量したり、障害された標的細胞から漏出した乳酸脱水素酵素(LDH)の活性を測定したりすること等により、測定することができる。
【0005】
例えば、SCIDマウスなどの免疫不全マウスにおいて、異種の臓器やがん細胞を移植した際には、NK活性によって、当該移植した臓器や細胞の定着率が低下してしまうが、抗ASGM1ウサギ抗血清をこれらのマウスに投与すると、NK活性が抑制され、定着率が向上する。このことなどから、ASGM1に対するウサギ抗血清やポリクローナル抗体は、NK細胞研究やモデル動物におけるNK活性抑制などに用いられてきた。
【0006】
こうしたアッセイやNK細胞研究には、従来ASGM1に対するウサギ抗血清やポリクローナル抗体が用いられてきた。しかしながら、抗血清やポリクローナル抗体は、ASGM1以外にも、モノシアロガングリオシド(GM1)など関連した分子構造を持つ糖脂質への交差反応がみられるだけでなく、抗体のロット間差が存在するなどの問題があり、製造・供給の継続性にも不安があった。
【0007】
一方、上記課題を解決すべく、主にマウスを使用したNK活性抑制作用を持つ抗ASGM1モノクローナル抗体の作製が試みられてきた。
【0008】
しかしながら、マウスやラットでは、ASGM1は正常の組織および細胞表面に元来存在するため、マウス・ラットにとってASGM1は自己抗原であり、これらの動物から結合力の高いIgG型抗ASGM1抗体は得ることができなかった。したがって、従来の抗ASGM1モノクローナル抗体は、IgG型ではなく、マウスIgMに限られていた。一般にIgM型抗体は、IgG型抗体と比べてアフィニティが低いことから、ASGM1の検出においては、IgG型モノクローナル抗体が存在しないことも課題となっていた。また下記に詳述するように、これらの従来取得されたIgM型抗ASGM1マウスモノクローナル抗体は、実際にマウス・ラットに投与してNK活性抑制作用を示すものとは言えなかった。
【0009】
従来、抗ASGM1マウスモノクローナル抗体を取得した例として、ASGM1を免疫した自己免疫マウスから作製したIgMモノクローナル抗体がある(特許文献1)。特許文献1には、得られた抗体4クローンをin vitroで補体と共にマウス脾細胞に作用させた場合、脾細胞のを無処理細胞の75-38%までしか低下させることができなかったと記載されている。
【0010】
また、同じグループからの報告では、ASGM1を免疫した自己抗体マウスから5クローンのIgMモノクローナル抗体を作製し、in vitroの実験系で当該抗体を補体と共に作用させたところ、腹水3倍希釈(この腹水中の抗体濃度は1.0-1.9mg/mLと記載されているので、333-633μg/mLに相当する)でコントロールの最大26.2%までしか低下させることができなかったと報告されている。(非特許文献1)
(【0011】以降は省略されています)

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