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公開番号
2024178102
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-12-24
出願番号
2024060163
出願日
2024-04-03
発明の名称
積層体
出願人
株式会社ダイセル
,
国立大学法人大阪大学
代理人
弁理士法人有古特許事務所
主分類
B32B
15/092 20060101AFI20241217BHJP(積層体)
要約
【課題】高温環境下で長期信頼性を有する積層体及びこの積層体の製造に用いる熱硬化性組成物の提供。
【解決手段】積層体は、金属部材と、この金属部材に積層する樹脂層とを含む。樹脂層は、熱硬化性組成物の硬化物である。熱硬化性組成物は、脂環式エポキシ基を有する熱硬化性化合物を含有している。200℃、1000時間経過後の樹脂層に対し、X線光電子分光装置(XPS)を用いて深さ方向の元素分析をおこなうとき、この樹脂層の、金属部材との接触面からの深さ100nmにおける金属含有率は、1atomic%以下である。熱硬化性組成物の硬化物の塩素含有量は1000ppm以下であり、硫黄含有量は1000ppm以下である。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
金属部材と、この金属部材に積層する樹脂層とを含み、
上記樹脂層が、熱硬化性組成物の硬化物であり、
上記熱硬化性組成物が、脂環式エポキシ基を有する熱硬化性化合物を含有しており、
上記樹脂層は、以下の測定方法で求められる200℃、1000時間経過後の金属含有率が、上記金属部材との接触面からの深さ100nmにおいて1atomic%以下である、積層体。
(測定方法:コンプレッション成形(温度175℃、圧力3MPa)をおこなって、金属部材に積層した樹脂層(厚み1.3mm)を有する積層体を準備し、この積層体を温度200℃で1000時間保存した後、金属部材から剥離した樹脂層に対して、X線光電子分光装置(XPS)を用いて深さ方向の元素分析をおこない、金属元素、炭素及び酸素の原子数を測定し、この樹脂層の、金属部材との接触面からの深さ100nmにおける、炭素、酸素及び金属元素の原子数の合計に対する金属元素の原子数の比率を、金属含有率(atomic%)として算出する。)
続きを表示(約 980 文字)
【請求項2】
上記金属部材の材質が銅であり、
上記樹脂層は、以下の測定方法で求められる200℃、1000時間経過後の銅含有率が、上記金属部材との接触面からの深さ100nmにおいて1atomic%以下である、請求項1に記載の積層体。
(測定方法:コンプレッション成形(温度175℃、圧力3MPa)をおこなって、金属部材に積層した樹脂層(厚み1.3mm)を有する積層体を準備し、この積層体を温度200℃で1000時間保存した後、金属部材から剥離した樹脂層に対して、X線光電子分光装置(XPS)を用いて深さ方向の元素分析をおこない、銅、炭素及び酸素の原子数を測定し、この樹脂層の、金属部材との接触面からの深さ100nmにおける、炭素、酸素及び銅の原子数の合計に対する銅の原子数の比率を銅含有率(atomic%)として算出する。)
【請求項3】
温度200℃で240時間保存後における上記樹脂層と上記金属部材との接合面のシェア強度が、上記保存前のシェア強度に対して50%以上である、請求項1に記載の積層体。
【請求項4】
上記熱硬化性化合物は、塩素含有量が1000ppm以下である、請求項1に記載の積層体。
【請求項5】
上記熱硬化性化合物は、エポキシ当量が200g/eq以下である、請求項1に記載の積層体。
【請求項6】
上記熱硬化性化合物は、下記式(1)で示される化合物である、請求項1に記載の積層体。
TIFF
2024178102000013.tif
22
170
(式(1)中、Xは単結合又は連結基を示す。)
【請求項7】
上記熱硬化性組成物が硬化剤をさらに含む、請求項1に記載の積層体。
【請求項8】
上記熱硬化性組成物の硬化物のガラス転移温度Tgが130℃以上250℃以下である、請求項1に記載の積層体。
【請求項9】
上記熱硬化性組成物の硬化物は、塩素含有量が1000ppm以下である、請求項1に記載の積層体。
【請求項10】
上記熱硬化性組成物の硬化物は、硫黄含有量が1000ppm以下である、請求項1に記載の積層体。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本開示は、積層体に関する。
続きを表示(約 2,500 文字)
【背景技術】
【0002】
半導体パワーパッケージ及びパワーモジュールは、金属フレーム、半導体チップ、ダイボンド材、ボンディングワイヤー、封止樹脂(モールド樹脂)等、異なる材質からなる複数の部材が接合又は接着されることにより構成されている。半導体パッケージの封止樹脂には、半田実装時の半田リフロー温度(260℃)における耐熱性が求められる。耐熱性の高い封止樹脂として、従来、熱硬化性樹脂が用いられている。一般的には、ビスフェノールA型を原料とするエポキシ樹脂が多用されてきた。
【0003】
また、封止樹脂は、外部環境から内部を保護するために用いられる。例えば、金属フレームと封止樹脂との界面において剥離が生じると、この剥離箇所を起点としてダイボンド材との接合部に亀裂が進展して、半導体チップの熱特性及び電気特性が低下する場合がある。そのため、最も接着面積の大きい金属フレームと封止樹脂との密着性は、特に重要である。使用環境下で樹脂層と金属部材との剥離が生じない、信頼性の高い積層体が求められている。さらに、近年では、半導体パッケージの自動車部品への適用にともなって、200℃を超える高温条件、-55℃~175℃の温度サイクル条件、高温高湿条件(121℃、100%RH、2atm)等における高い信頼性が求められている。
【0004】
例えば、金属部材との剥離が抑制された封止樹脂として、金属(例えば、銅)と同程度の線膨張係数を有し、ガラス転移温度200℃を超える樹脂が開発されている。また、金属部材に近似した線膨張係数を達成するために、封止樹脂に、約70~80%のシリカフィラーが配合されている。しかし、このような樹脂を使用しても、前述した高温条件においては、金属部材との剥離を完全には抑制できず、長期信頼性が得られないという問題があり、そのメカニズムも未だ解明されていない。
【0005】
非特許文献1は、ポリイミド樹脂、ポリカーボネート樹脂等のポリマー中への金属拡散について報告している。非特許文献2には、銅と樹脂が接触すると、金属イオンがポリマーの自動酸化反応を促進させる触媒的な作用により、ポリマー類を劣化させることが記載されている。非特許文献3には、エポキシ樹脂に銅を混ぜると、エポキシ樹脂の高温での劣化が加速する結果が示されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
Franz Faupel, Ralf Willecke, Axel Thran, Materials Science and Engineering, R22(l998) 1-55
大武義人、空気調和・衛生工学 80 (1), 69-75 (2006)
Hong, S. G., & Wang, T. C., Journal of applied polymer science, 52(9), 1339-1351 (1994)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
樹脂層と金属部材との接着強度が高く、かつ、高温環境下において、初期の接着強度が維持されて、金属部材との界面における剥離が抑制される積層体は未だ提案されていない。本開示の目的は、高温環境下で長期信頼性を有する積層体の提供にある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示者らは、鋭意検討の結果、高温環境下において、金属部材に起因する金属元素が樹脂層に拡散することに着目した。そして、金属部材との接触界面のごく近傍における樹脂中の金属濃度を制御することで、接着強度の低下が抑制されることを見出し、上記課題を解決するに到った。
【0009】
即ち、本開示の積層体は、金属部材と、この金属部材に積層する樹脂層とを含む。樹脂層は、熱硬化性組成物の硬化物である。熱硬化性組成物は、脂環式エポキシ基を有する熱硬化性化合物を含有している。この樹脂層は、以下の測定方法で求められる200℃、1000時間経過後の金属含有率が、上記金属部材との接触面からの深さ100nmにおいて1atomic%以下である。
(測定方法:コンプレッション成形(温度175℃、圧力3MPa)をおこなって、金属部材に積層した樹脂層(厚み1.3mm)を有する積層体を準備し、この積層体を温度200℃で1000時間保存した後、金属部材から剥離した樹脂層に対して、X線光電子分光装置(XPS)を用いて深さ方向の元素分析をおこなって、金属元素、炭素及び酸素の原子数を測定し、この樹脂層の、金属部材との接触面からの深さ100nmにおける、炭素、酸素及び金属元素の原子数の合計に対する金属元素の原子数の比率を、金属含有率(atomic%)として算出する。)
【0010】
他の観点から、本開示は、前述の積層体を製造するための熱硬化性組成物に関する。この熱硬化性組成物は、脂環式エポキシ基を有する熱硬化性化合物を含有している。この熱硬化性組成物の硬化物は、塩素含有量が1000ppm以下であり、硫黄含有量が1000ppm以下である。この熱硬化性組成物の硬化物は、以下の測定方法で求められる200℃、1000時間経過後の金属含有率が、金属部材との接触面からの深さ100nmにおいて1atomic%以下である。
(測定方法:コンプレッション成形(温度175℃、圧力3MPa)をおこなって、金属部材に積層した熱硬化性組成物の硬化物からなる樹脂層(厚み1.3mm)を有する積層体を準備し、この積層体を温度200℃で1000時間保存した後、金属部材から剥離した樹脂層に対して、X線光電子分光装置(XPS)を用いて深さ方向の元素分析をおこない、金属元素、炭素及び酸素の原子数を測定し、この樹脂層の、金属部材との接触面からの深さ100nmにおける、炭素、酸素及び金属元素の原子数の合計に対する金属元素の原子数の比率を、金属含有率(atomic%)として算出する。)
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)
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