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公開番号
2024177837
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-12-24
出願番号
2023096199
出願日
2023-06-12
発明の名称
有機発光素子
出願人
株式会社Kyulux
代理人
弁理士法人特許事務所サイクス
主分類
C07D
403/14 20060101AFI20241217BHJP(有機化学)
要約
【課題】発光特性が優れた有機発光素子を提供すること。
【解決手段】有機発光素子に下記一般式の化合物とホウ素化合物を用いる。R
1
~R
5
はH、D、アルキル基、アリール基、非縮環カルバゾール-9-イル基、Ar
3
とAr
4
で置換されたトリアジニル基等であり、R
2
またはR
3
は前記トリアジニル基等で、R
1
~R
5
のうちの1個以上は非縮環カルバゾール-9-イル基であり;X
1
~X
3
のうちの1~3個はN、残りはC(R
6
)であり;Ar
1
~Ar
4
はアリール基である。
<com:Image com:imageContentCategory="Drawing"> <com:ImageFormatCategory>JPEG</com:ImageFormatCategory> <com:FileName>2024177837000089.jpg</com:FileName> <com:HeightMeasure com:measureUnitCode="Mm">42</com:HeightMeasure> <com:WidthMeasure com:measureUnitCode="Mm">167</com:WidthMeasure> </com:Image> 【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
下記一般式(1)で表される化合物およびホウ素原子を有する発光材料(ただしホウ素錯体は除く)を含む有機発光素子。
JPEG
2024177837000085.jpg
47
153
[一般式(1)において、R
1
~R
5
は、各々独立に水素原子、重水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、重水素原子とアルキル基とアリール基からなる群より選択される1個または2個以上を組み合わせた基で置換されていてもよい非縮環カルバゾール-9-イル基、または下記一般式(2)で表される基を表す。また、R
2
またはR
3
は下記一般式(2)で表される基であり、R
1
~R
5
のうちの少なくとも1個は前記非縮環カルバゾール-9-イル基である。X
1
~X
3
のうちの少なくとも1個はNであり、残りはC(R
6
)を表す。R
6
は水素原子、重水素原子または置換基を表す。Ar
1
およびAr
2
は、各々独立に置換もしくは無置換のアリール基を表す。
JPEG
2024177837000086.jpg
35
159
一般式(2)において、X
4
~X
6
のうちの少なくとも1個はNであり、残りはC(R
7
)を表す。R
7
は水素原子、重水素原子または置換基を表す。Ar
3
およびAr
4
は各々独立に置換もしくは無置換のアリール基を表す。L
1
は、単結合または2価の連結基を表す。*は結合位置を表す。]
続きを表示(約 600 文字)
【請求項2】
R
2
が前記一般式(2)で表される基である、請求項1に記載の有機発光素子。
【請求項3】
R
3
が前記一般式(2)で表される基である、請求項1に記載の有機発光素子。
【請求項4】
R
1
~R
5
のうちの2個以上が前記非縮環カルバゾール-9-イル基である、請求項1に記載の有機発光素子。
【請求項5】
R
1
~R
5
のうちの3個が前記非縮環カルバゾール-9-イル基である、請求項1に記載の有機発光素子。
【請求項6】
X
1
~X
3
の2個以上がNである、請求項1に記載の有機発光素子。
【請求項7】
X
4
~X
6
の2個以上がNである、請求項1に記載の有機発光素子。
【請求項8】
L
1
が単結合である、請求項1に記載の有機発光素子。
【請求項9】
R
1
が水素原子である、請求項1に記載の有機発光素子。
【請求項10】
重水素原子を少なくとも1つ有する、請求項1に記載の有機発光素子。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、窒素原子を含む複数の複素芳香環がベンゼン環に結合した骨格を有する化合物を用いた有機発光素子に関する。
続きを表示(約 3,600 文字)
【背景技術】
【0002】
有機エレクトロルミネッセンス素子(有機EL素子)などの発光材料を開発する研究が盛んに行われている。発光材料として、古くから蛍光材料やリン光材料や蛍光材料が知られているが、蛍光材料には発光効率が低いという課題があり、リン光材料には希少金属を含むため高価で深青色の発光が困難であるという課題があった。近年、これらの課題に対処した発光材料として遅延蛍光材料が開発されている。
【0003】
遅延蛍光材料は、励起状態において、励起三重項状態から励起一重項状態への逆項間交差を生じた後、その励起一重項状態から基底状態へ戻る際に蛍光を放射する材料である。こうした経路による蛍光は、基底状態から直接生じた励起一重項状態からの蛍光(通常の蛍光)よりも遅れて観測されるため、遅延蛍光と称されている。ここで、例えば、発光性化合物をキャリアの注入により励起した場合、励起一重項状態と励起三重項状態の発生確率は統計的に25%:75%であるため、直接生じた励起一重項状態からの蛍光のみでは、発光効率の向上に限界がある。一方、遅延蛍光材料では、励起一重項状態のみならず、励起三重項状態も上記の逆項間交差を介した経路により蛍光発光に利用することができるため、通常の蛍光材料に比べて高い発光効率が得られることになる。
【0004】
このような原理が明らかにされて以降、様々な研究により種々の遅延蛍光材料が発見されるに至っている。その中には、ベンゼン環にドナー性基とアクセプター性基が置換した化合物が多数含まれている。例えば、ベンゼン環にドナー性基であるカルバゾール-9-イル基とアクセプター性基であるシアノ基と置換トリアジニル基が置換した骨格を有する化合物が提案されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
WO2022/270600A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
一方、遅延蛍光を放射する材料であっても、その特性が極めて良好であって、実用面における課題がないものはこれまでに提供されるに至っていない。また、有機エレクトロルミネッセンス素子などの有機発光素子に利用する際にも、使用態様を工夫しなければ性能が優れた素子を提供することはできない。このため、遅延蛍光材料の改良や有機発光素子の性能向上が長年の課題となっているが、これらの課題に対する改善策はいまだ試行錯誤で見出している段階にある。
このような状況下において本発明者らは、発光特性が優れた有機発光素子を提供することを目的として鋭意検討を進めた。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するために鋭意検討を進めた結果、本発明者らは、特定の条件を満たす構造を有する化合物と別の条件を満たす化合物を組み合わせて用いることにより、有機発光素子の発光特性を向上させ得ることを見いだした。本発明は、こうした知見に基づいて提案されたものであり、具体的に、以下の構成を有する。
[1] 下記一般式(1)で表される化合物およびホウ素原子を有する発光材料(ただしホウ素錯体は除く)を含む有機発光素子。
JPEG
2024177837000001.jpg
48
143
[一般式(1)において、R
1
~R
5
は、各々独立に水素原子、重水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、重水素原子とアルキル基とアリール基からなる群より選択される1個または2個以上を組み合わせた基で置換されていてもよい非縮環カルバゾール-9-イル基、または下記一般式(2)で表される基を表す。また、R
2
またはR
3
は下記一般式(2)で表される基であり、R
1
~R
5
のうちの少なくとも1個は前記非縮環カルバゾール-9-イル基である。X
1
~X
3
のうちの少なくとも1個はNであり、残りはC(R
6
)を表す。R
6
は水素原子、重水素原子または置換基を表す。Ar
1
およびAr
2
は、各々独立に置換もしくは無置換のアリール基を表す。
JPEG
2024177837000002.jpg
35
150
一般式(2)において、X
4
~X
6
のうちの少なくとも1個はNであり、残りはC(R
7
)を表す。R
7
は水素原子、重水素原子または置換基を表す。Ar
3
およびAr
4
は各々独立に置換もしくは無置換のアリール基を表す。L
1
は、単結合または2価の連結基を表す。*は結合位置を表す。]
[2] R
2
が前記一般式(2)で表される基である、[1]に記載の有機発光素子。
[3] R
3
が前記一般式(2)で表される基である、[1]に記載の有機発光素子。
[4] R
1
~R
5
のうちの2個以上が前記非縮環カルバゾール-9-イル基である、[1]~[3]のいずれか1つに記載の有機発光素子。
[5] R
1
~R
5
のうちの3個が前記非縮環カルバゾール-9-イル基である、[1]~[3]のいずれか1つに記載の有機発光素子。
[6] X
1
~X
3
の2個以上がNである、[1]~[5]のいずれか1つに記載の有機発光素子。
[7] X
4
~X
6
の2個以上がNである、[1]~[6]のいずれか1つに記載の有機発光素子。
[8] L
1
が単結合である、[1]~[7]のいずれか1つに記載の有機発光素子。
[9] R
1
が水素原子である、[1]~[8]のいずれか1つに記載の有機発光素子。
[10] 重水素原子を少なくとも1つ有する、[1]~[9]のいずれか1つに記載の有機発光素子。
[11] 前記ホウ素原子を有する発光材料が、下記一般式(3)で表される化合物である、[1]~[10]のいずれか1つに記載の有機発光素子。
JPEG
2024177837000003.jpg
66
158
[一般式(3)において、X
1
およびX
2
は、一方が窒素原子であり、他方がホウ素原子である。R
1
~R
【発明の効果】
【0008】
本発明の有機発光素子は発光特性に優れている。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下において、本発明の内容について詳細に説明する。以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様や具体例に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様や具体例に限定されるものではない。なお、本明細書において「~」を用いて表される数値範囲は、「~」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。また、本発明に用いられる化合物の分子内に存在する水素原子の一部または全部は重水素原子(
2
H、デューテリウムD)に置換することができる。本明細書の化学構造式では、水素原子はHと表示しているか、その表示を省略している。例えばベンゼン環の環骨格構成炭素原子に結合する原子の表示が省略されているとき、表示が省略されている箇所ではHが環骨格構成炭素原子に結合しているものとする。本明細書にて「置換基」という用語は、水素原子および重水素原子以外の原子または原子団を意味する。一方、「置換もしくは無置換の」という用語は、水素原子が重水素原子または置換基で置換されていてもよいことを意味する。
【0010】
[一般式(1)で表される化合物]
下記一般式(1)で表される化合物について説明する。
JPEG
2024177837000005.jpg
48
150
(【0011】以降は省略されています)
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