TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
10個以上の画像は省略されています。
公開番号2025003424
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-09
出願番号2024100809
出願日2024-06-21
発明の名称尿素化合物の製造方法
出願人公立大学法人大阪
代理人個人,個人,個人,個人
主分類C07C 273/18 20060101AFI20241226BHJP(有機化学)
要約【課題】有機触媒を用いた二酸化炭素活性化に基づく効率的な尿素化合物の製造方法を提供する。
【解決手段】有機触媒の存在下で、アミン化合物と二酸化炭素とを反応させる、尿素化合物の製造方法であり、前記有機触媒が、リンのオキソ酸のエステルおよびホスフィンオキシドからなる群から選ばれる少なくとも1種のリン有機触媒を含み、前記アミン化合物のアミノ基100モルに対する前記有機触媒の割合が、0モル超100モル未満である、尿素化合物の製造方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
有機触媒の存在下で、アミン化合物と二酸化炭素とを反応させる、尿素化合物の製造方法であり、
前記有機触媒が、リンのオキソ酸のエステルおよびホスフィンオキシドからなる群から選ばれる少なくとも1種のリン有機触媒を含み、
前記アミン化合物のアミノ基100モルに対する前記有機触媒の割合が、0モル超100モル未満である、尿素化合物の製造方法。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
前記アミン化合物が、1級アミン、2級アミン、ジシリルアミンおよびモノシリルアミンからなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1に記載の尿素化合物の製造方法。
【請求項3】
前記アミン化合物が、下記式(1)で表される化合物および下記式(2)で表される化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1に記載の尿素化合物の製造方法。


-NH-R

・・・(1)


-NR

-SiR





・・・(2)
ただし、R

は置換若しくは無置換の1価炭化水素基を示し、R

は水素原子、または置換若しくは無置換の1価炭化水素基を示し、


は置換若しくは無置換の1価炭化水素基を示し、R

はSiR





、または置換若しくは無置換の1価炭化水素基を示し、R

、R

およびR

はそれぞれ独立にアルキル基を示す。
【請求項4】
前記アミノ基100モルに対する前記有機触媒の割合が、10~30モルである請求項1に記載の尿素化合物の製造方法。
【請求項5】
前記アミン化合物と前記二酸化炭素とを反応させる際の圧力が常圧である請求項1に記載の尿素化合物の製造方法。
【請求項6】
前記アミン化合物と前記二酸化炭素とを反応させる際の温度が80~140℃である請求項1に記載の尿素化合物の製造方法。
【請求項7】
前記有機触媒および添加剤の存在下で前記アミン化合物と前記二酸化炭素とを反応させる請求項1に記載の尿素化合物の製造方法。
【請求項8】
前記有機触媒および極性溶媒の存在下で前記アミン化合物と前記二酸化炭素とを反応させる請求項1に記載の尿素化合物の製造方法。
【請求項9】
前記アミン化合物と前記有機触媒と前記極性溶媒とを含む混合液を調製し、前記混合液と二酸化炭素含有ガスとを気液接触させることで、前記アミン化合物と前記二酸化炭素とを反応させる請求項8に記載の尿素化合物の製造方法。
【請求項10】
前記混合液が添加剤をさらに含む請求項9に記載の尿素化合物の製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、尿素化合物の製造方法に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
温室効果ガスの1つとして知られている二酸化炭素は、地球上に豊富に存在し、安価でかつ毒性が低く、不燃性であることから利用価値の高い資源である。さらに、二酸化炭素を炭素源として活用することができれば、石油資源の浪費の低減に有効であると期待されている。そのため、二酸化炭素を再生可能な炭素源として利用し、高付加価値な有機化合物を合成する手法の開発が近年注目されている。
【0003】
尿素化合物は、除草剤、農薬、薬剤、樹脂の原料などに広く利用されている有用な化合物である。これまでの工業的な尿素化合物の合成法では、反応剤としてホスゲンや一酸化炭素、または縮合剤としてカルボニルジイミダゾールなどの試薬が用いられていた(Scheme 1(a))。しかし、ホスゲンや一酸化炭素は毒性が高く、カルボニルジイミダゾールなどの縮合剤は高価な試薬であることから、これらに替わる炭素源が求められてきた。
そこで、アミンと二酸化炭素を原料として用いた尿素化合物の合成法が注目されている(Scheme 1(b))。この手法は、炭素源として有毒な試薬や高価な試薬を用いない尿素化合物の合成として期待されており、これまでに様々な金属触媒の設計が行われてきた。しかし、この手法は、反応に高温高圧を要するという課題がある。また、触媒として使用されてきた金属の多くは、希少かつ高価であることに加え、酸素や水に不安定であり空気中での取り扱いが難しいという課題がある。
【0004】
TIFF
2025003424000001.tif
44
170
【0005】
環境問題が危惧されている今日では「グリーンケミストリー」の観点を踏まえた触媒が求められており、環境への負荷や取り扱いに注意を要する金属触媒を代替する触媒の開発が検討されている。有機触媒は、環境調和・元素戦略などの観点から期待されている触媒の一つである。有機触媒による二酸化炭素活性化に基づく尿素化合物の合成も検討されている。しかし、有機触媒は一般に、長い反応時間を要する、高用量を要する、といった欠点がある。
【0006】
非特許文献1には、ジアザビシクロウンデセン(DBU)と三酸化硫黄-トリメチルアミン錯体を用いて、二酸化炭素とアニリンとを反応させることでジフェニル尿素を合成したことが報告されている(Scheme 2)。しかし、この反応は、強力な塩基である化学量論量のDBUと化学量論量以上の三酸化硫黄-トリメチルアミン錯体を使用している。つまり基質のアミノ基100モルに対してDBUを100モル以上の割合、基質のアミノ基100モルに対して三酸化硫黄-トリメチルアミン錯体を500モル以上の割合で使用している。また、反応は、基質適応範囲が狭い、という問題もある。
【0007】
TIFF
2025003424000002.tif
41
170
【0008】
非特許文献2には、亜リン酸ジフェニル(HP(=O)(OPh)

)を用いて、常圧の二酸化炭素とアニリンとをピリジン溶媒中で反応させることで、1,3-ジフェニルウレアを85%の収率で合成したことが報告されている(Scheme 3)。しかし、この方法は、化学量論量の亜リン酸ジフェニルを使用している。また、基質適応範囲が狭いという問題がある。
【0009】
TIFF
2025003424000003.tif
33
170
【0010】
非特許文献3には、トリフェニルホスフィン(PPh

)、四塩化炭素(CCl

)、トリエチルアミン(Et

N)の存在下、シクロヘキシルアミン(Cy-NH

)と二酸化炭素をジクロロメタン中で反応させ、高収率で、対応する尿素化合物を合成したことが報告されている(Scheme 4)。しかし、この方法は、化学量論量のトリフェニルホスフィンを使用している。また、活性化剤として用いられている四塩化炭素に毒性がある、基質適応範囲が狭い、という問題がある。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する
Flag Counter

関連特許

高砂香料工業株式会社
香料組成物
3日前
小野薬品工業株式会社
GCL阻害剤
1か月前
トヨタ自動車株式会社
メタン製造装置
23日前
日産化学株式会社
ピリジン化合物の製造方法
20日前
ダイキン工業株式会社
シラン化合物
19日前
ダイキン工業株式会社
シラン化合物
2か月前
田岡化学工業株式会社
多環芳香族化合物の製造方法
1か月前
JNC株式会社
ジアミンおよびこれを用いた重合体
20日前
東ソー株式会社
1,2-ジクロロエタンの製造方法
2日前
株式会社クラレ
メタクリル酸メチルの製造方法
4日前
株式会社トクヤマ
ベンジルヒドラジン誘導体の製造方法
1か月前
日本曹達株式会社
エチルメチルスルホンの製造方法
4日前
個人
希土類有機錯体及びその製造方法並び応用
1か月前
三井金属鉱業株式会社
金属化合物含有物
20日前
株式会社半導体エネルギー研究所
有機金属錯体、発光デバイス
2か月前
大正製薬株式会社
MMP9阻害作用を有するインドール化合物
3日前
住友化学株式会社
芳香族複素環化合物の製造方法
23日前
東ソー株式会社
アデノ随伴ウイルス結合性タンパク質の精製方法
1か月前
株式会社フラスク
含ホウ素化合物および有機EL素子
16日前
株式会社半導体エネルギー研究所
有機化合物、および発光デバイス
1か月前
グリーンケミカルズ株式会社
4-ヒドロキシ安息香酸組成物
1か月前
日本化薬株式会社
イソシアヌレート環を有する多官能アミン化合物
9日前
東亞合成株式会社
ペプチドフラグメント及びその利用
2か月前
公立大学法人大阪
尿素化合物の製造方法
1か月前
ユニマテック株式会社
フェノチアジン誘導体化合物の精製方法
3日前
サンアプロ株式会社
金属錯塩色素
2か月前
株式会社Kyulux
有機発光素子
1か月前
興和株式会社
新規ニコチンアミド化合物
2か月前
学校法人甲南学園
鉛イオン結合用アフィニティ固相
17日前
積水メディカル株式会社
アルギニン誘導体
1か月前
積水化学工業株式会社
オレフィン系化合物の製造装置
1か月前
京都府公立大学法人
抗体模倣分子
3日前
三光株式会社
化合物、屈折率向上剤及び重合体
10日前
国立大学法人群馬大学
糖リン脂質の製造方法
3日前
寿本舗株式会社
アブラナ科植物の利用
10日前
株式会社豊田中央研究所
ギ酸回収方法
25日前
続きを見る