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公開番号
2024179722
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-12-26
出願番号
2023098779
出願日
2023-06-15
発明の名称
ナノ粒子、DDS用担体、経皮吸収製剤、及び化粧品
出願人
公立大学法人大阪
代理人
弁理士法人G-chemical
主分類
C08F
22/38 20060101AFI20241219BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約
【課題】短時間で表皮、角質層、真皮層からなる積層構造を透過可能であり、親水性成分であっても、疎水性成分であっても経皮透過させることが可能なナノ粒子を提供する。
【解決手段】本発明のナノ粒子は親水性基及び疎水性基を表面に備えるポリマー部を有し、n-オクタノール/水分配係数が1以下の少なくとも1つの溶媒に分散可能であることを特徴とする。また、前記親水性基としてアミド基を有し、前記疎水性基としてメチル基を有し、下記式(1)で表される疎水性度(R)が1.80~3.00であることが好ましい。
疎水性度(R)=前記ポリマー部を形成するポリマー中のメチル基の数/前記ポリマー部を形成するポリマー中のアミド基の数 (1)
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
親水性基及び疎水性基を表面に備えるポリマー部を有し、
n-オクタノール/水分配係数が1以下の少なくとも1つの溶媒に分散可能なナノ粒子。
続きを表示(約 680 文字)
【請求項2】
前記親水性基としてアミド基を有し、前記疎水性基としてメチル基を有し、
下記式(1)で表される疎水性度(R)が1.80~3.00である請求項1に記載のナノ粒子。
疎水性度(R)=前記ポリマー部を形成するポリマー中のメチル基の数/前記ポリマー部を形成するポリマー中のアミド基の数 (1)
【請求項3】
前記ポリマー部を形成するポリマーが親水性基と疎水性基の両方を有する重合性モノマー由来の構造部を含む請求項1又は2に記載のナノ粒子。
【請求項4】
さらに前記ポリマー部を形成するポリマーがN-(4-(アミノイミノメチル)フェニル)-2-プロペンアミド由来の構造部を有する請求項1又は2に記載のナノ粒子。
【請求項5】
外部刺激により構造変化することができる請求項1又は2に記載のナノ粒子。
【請求項6】
基材と前記基材を覆う前記ポリマー部とを備え、
前記基材として金ナノ粒子を含む請求項1又は2に記載のナノ粒子。
【請求項7】
平均粒子径が1~500nmである請求項1又は2に記載のナノ粒子。
【請求項8】
前記親水性基に親水性成分を吸着する請求項1又は2に記載のナノ粒子。
【請求項9】
前記疎水性基に疎水性成分を吸着する請求項1又は2に記載のナノ粒子。
【請求項10】
表皮、角質層、及び真皮層を透過可能である請求項1又は2に記載のナノ粒子。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナノ粒子、DDS用担体、経皮吸収製剤、及び化粧品に関する。
続きを表示(約 1,100 文字)
【背景技術】
【0002】
医薬品や化粧品の機能を効果的に発揮するために,体内の薬物分布を量的・空間的・時間的に制御する薬物伝達システム(DDS)が広く研究開発されている。従来検討されてきたDDSの多くはカプセル型キャリアに薬物や有効成分を内包させ注射や経口によって体内に取り入れている形態のものであった。
【0003】
近年では注射や経口ではなく、皮膚を通過させて薬物や有効成分を体内に取り入れる経皮DDSが注目を浴びている。経皮DDSは非侵襲(皮膚に塗る、貼る)であるため、注射に比べ安全かつ簡便、消化管・肝臓を通過しない等のメリットがある。
【0004】
一方で、経皮DDSでは、親水性の表皮及び真皮層、疎水性の角質層の積層構造を透過する必要があった。このような積層構造を透過可能な経皮DDSとしては、例えば特許文献1が知られていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
国際公開第2005/097182号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1のような従来の経皮DDSでは角質層を透過させるために、細胞と同じ分子構造を有するリン脂質を有するリポソームを形成する必要があった。
【0007】
しかしながら、このようなリポソームを使用した場合、カプセル構造を維持したまま薬物や有効成分を配合することが困難であった。また、カプセル内に親水性の成分を閉じ込めることが困難であるという問題や、皮膚浸透するのにも時間がかかってしまうため、カプセル内で内包した成分が変質してしまうという問題もあった。
【0008】
本発明は上記の課題を解決するものであり、短時間で表皮、角質層、真皮層からなる積層構造を透過可能であり、親水性成分であっても、疎水性成分であっても経皮透過させることが可能なナノ粒子を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意努力した結果、親水性基及び疎水性基を表面に備えるポリマー部を有し、特定の溶媒に分散可能なナノ粒子であれば、短時間で表皮、角質層、真皮層からなる積層構造を透過可能であり、親水性成分であっても、疎水性成分であっても経皮透過させることが可能となることを見出した。本発明はこれらの知見に基づいて完成されたものである。
【0010】
すなわち、本発明は親水性基及び疎水性基を表面に備えるポリマー部を有し、n-オクタノール/水分配係数が1以下の少なくとも1つの溶媒に分散可能なナノ粒子を提供するものである。
(【0011】以降は省略されています)
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