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公開番号
2025077176
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-05-19
出願番号
2023189174
出願日
2023-11-06
発明の名称
機械学習方法およびそれを用いる物質分析方法、ならびにデータ処理装置およびそれを備える物質分析システム
出願人
公立大学法人大阪
代理人
弁理士法人深見特許事務所
主分類
G16C
20/70 20190101AFI20250512BHJP(特定の用途分野に特に適合した情報通信技術)
要約
【課題】振動分光法または質量分析法を用いて物質の種類を高精度に推定する。
【解決手段】第1のステップは、複数種類の物質について、種類ごとに、物質の振動分光または質量分析により取得される例題データと、物質の種類を示す正解データとが対応付けられた教師データを準備するステップである。第2のステップは、教師データを用いた機械学習により、分析対象とする対象物質の振動分光または質量分析により取得される対象スペクトルを入力とし、対象物質の種類を示すデータを出力とする学習済みモデルを生成するステップである。教師データを準備するステップは、複数種類の物質からそれぞれ取得される、機械学習用の複数のスペクトルに対する前処理を実行するステップを含む。前処理を実行するステップは、波数ごとの、複数のスペクトル間の強度の標準偏差を示す標準偏差スペクトルを算出するステップを含む。
【選択図】図11
特許請求の範囲
【請求項1】
複数種類の物質について、種類ごとに、物質の振動分光または質量分析により取得される例題データと、前記物質の種類を示す正解データとが対応付けられた教師データを準備するステップと、
前記教師データを用いた機械学習により、分析対象とする対象物質の振動分光または質量分析により取得される対象スペクトルを入力とし、前記対象物質の種類を示すデータを出力とする学習済みモデルを生成するステップとを含み、
前記教師データを準備するステップは、前記複数種類の物質からそれぞれ取得される、機械学習用の複数のスペクトルに対する前処理を実行するステップを含み、
前記前処理を実行するステップは、波数ごとの、前記複数のスペクトル間の強度の標準偏差を示す標準偏差スペクトルを算出するステップを含む、機械学習方法。
続きを表示(約 1,600 文字)
【請求項2】
前記複数のスペクトルは、含有する2種類以上の物質の種類が同じである一方で前記2種類以上の物質の含有比率が互いに異なる複数のサンプルから取得される、請求項1に記載の機械学習方法。
【請求項3】
前記標準偏差スペクトルは、前記複数のスペクトルの強度が正規化された複数の正規化スペクトルに基づいて算出される、請求項2に記載の機械学習方法。
【請求項4】
前記前処理を実行するステップは、前記標準偏差スペクトルに加えて、複数の正規化スペクトルと、複数の標準化スペクトルとのうちの少なくとも一方を含む2種類以上のスペクトルを算出するステップを含み、
前記複数の正規化スペクトルの各々は、前記複数のスペクトルの強度を正規化することによって算出されるスペクトルであり、
前記複数の標準化スペクトルの各々は、波数ごとに、強度から当該スペクトルの平均強度を差し引いた値を、当該スペクトルの強度の標準偏差によって除算することによって算出されるスペクトルであり、
前記学習済みモデルを生成するステップは、
前記2種類以上のスペクトルをそれぞれ入力として生成される複数のモデルを生成するステップと、
前記複数のモデルのうち前記正解データに対する正答率が高いモデルを前記学習済みモデルとして決定するステップとを含む、請求項1または2に記載の機械学習方法。
【請求項5】
前記学習済みモデルを生成するステップは、
複数の機械学習アルゴリズムに従ってそれぞれ生成される複数のモデルを生成するステップと、
前記複数のモデルのうち前記正解データに対する正答率が高いモデルを前記学習済みモデルとして決定するステップとを含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の機械学習方法。
【請求項6】
前記複数の機械学習アルゴリズムは、サポートベクターマシン(SVM:Support Vector Machine)、主成分分析-サポートベクターマシン(PCA(Principal Component Analysis)-SVM)、線形判別分析法(LDA:Linear Discriminant Analysis)、決定木(DT:Decision Tree)および多層パーセプトロン(MLP:Multilayer Perceptron)のうちの少なくも1つの機械学習アルゴリズムを含む、請求項5に記載の機械学習方法。
【請求項7】
前記学習済みモデルを生成するステップは、説明可能AI(XAI:Explainable Artificial Intelligence)の技術を用いて、波数域ごとの物質推定への貢献度を定量化し、前記貢献度が高い波数域を機械学習の対象波数域として決定するステップを含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の機械学習方法。
【請求項8】
前記貢献度は、SHAP(SHapley Additive exPlanations)値である、請求項7に記載の機械学習方法。
【請求項9】
前記前処理を実行するステップは、前記標準偏差スペクトルを算出するステップに先立ち、前記複数のスペクトルのデータセットの量および分布を拡張するためのデータ拡張処理を実行するステップをさらに含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の機械学習方法。
【請求項10】
前記複数のスペクトルは、複数の表面増強ラマン散乱(SERS:Surface Enhanced Raman Scattering)スペクトルであり、
前記学習済みモデルは、SERSスペクトルと、当該SERSスペクトルを取得する際に用いられたSERS基板とを入力として生成される、請求項1~3のいずれか1項に記載の機械学習方法。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本開示は、機械学習方法およびそれを用いる物質分析方法、ならびにデータ処理装置およびそれを備える物質分析システムに関する。
続きを表示(約 2,400 文字)
【背景技術】
【0002】
国際公開第2014/027652号(特許文献1)は、生体分子の解析装置を開示する。当該解析装置は、ラマン分光と質量分析とを組み合わせることによって生体分子を特定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
国際公開第2014/027652号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
振動分光法および質量分析法は、サンプル中に含まれる物質の種類の推定(同定)に広く用いられている。これらの手法はサンプル中に複数種類の物質が含まれる場合にも好適に適用可能である。振動分光法または質量分析法によって物質の種類を高精度に推定する技術に対する要望が常に存在する。
【0005】
本開示は上記課題を解決するためになされたものであり、本開示の目的の1つは、振動分光法または質量分析法を用いて物質の種類を高精度に推定可能な技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の第1局面に係る機械学習方法は、第1および第2のステップを含む。第1のステップは、複数種類の物質について、種類ごとに、物質の振動分光または質量分析により取得される例題データと、物質の種類を示す正解データとが対応付けられた教師データを準備するステップである。第2のステップは、教師データを用いた機械学習により、分析対象とする対象物質の振動分光または質量分析により取得される対象スペクトルを入力とし、対象物質の種類を示すデータを出力とする学習済みモデルを生成するステップである。教師データを準備するステップは、複数種類の物質からそれぞれ取得される、機械学習用の複数のスペクトルに対する前処理を実行するステップを含む。前処理を実行するステップは、波数ごとの、複数のスペクトル間の強度の標準偏差を示す標準偏差スペクトルを算出するステップを含む。
【0007】
本開示の第2局面に係るデータ処理システムは、記憶装置と、プロセッサとを備える。記憶装置は、複数種類の物質の振動分光または質量分析により取得される教師データを用いた機械学習により生成された学習済みモデルを格納する。プロセッサは、分析対象とする対象物質の振動分光または質量分析により取得される対象スペクトルを学習済みモデルに入力することによって対象物質の種類を推定する。教師データは、標準偏差スペクトルを含む。標準偏差スペクトルは、波数ごとの、複数種類の物質からそれぞれ取得される複数のスペクトル間の強度の標準偏差を示すスペクトルである。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、振動分光法または質量分析法を用いて物質の種類を高精度に推定できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本開示の実施の形態1に係る物質分析システムの全体構成の一例を示す図である。
表面増強ラマン分光法(SERS:Surface-Enhanced Raman Spectroscopy)基板の構成の一例を示す斜視図である。
プラズモニック結晶の構成の代表的な2つの例を模式的に示す拡大斜視図である。
本実施の形態において分析対象とされる物質の具体例を説明するための図である。
自己組織化単分子膜(SAM:Self-Assembled Monolayers)試薬のSERSスペクトルを示す図である。
物質分析システムの利用時(推論フェーズ)における処理手順の一例を示すフローチャートである。
金属薄膜の厚みの影響の評価結果の一例を示す図である。
スペクトル分析装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
推論フェーズにおけるスペクトル分析装置の機能ブロック図である。
学習フェーズにおけるスペクトル分析装置の機能ブロック図である。
実施の形態1におけるスペクトル分析装置の機械学習時(学習フェーズ)における全体処理手順の一例を示すフローチャートである。
学習フェーズにおける第1学習処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
学習フェーズにおける第2学習処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
データ拡張処理の概念図である。
標準偏差スペクトルを説明するための図である。
第1サンプルグループから得られたSERSスペクトルに対する前処理の結果の一例を示す図である。
第2サンプルグループから得られたSERSスペクトルに対する前処理の結果の一例を示す図である。
第1サンプルグループから得られた標準偏差スペクトルおよびSHAP値を示す図である。
第2サンプルグループから得られた標準偏差スペクトルおよびSHAP値を示す図である。
第1サンプルグループから得られた標準偏差スペクトルのピーク波数およびピーク強度を示す図である。
第2サンプルグループから得られた標準偏差スペクトルのピーク波数およびピーク強度を示す図である。
第1サンプルグループについて、5つのモデル間で推定精度を比較した図である。
第2サンプルグループについて、5つのモデル間で推定精度を比較した図である。
実施の形態2におけるスペクトル分析装置1の機械学習時(学習フェーズ)における処理手順の一例を示すフローチャートである。
15個の物質推定モデルの推定精度の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付して、その説明は繰り返さない。
(【0011】以降は省略されています)
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