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公開番号2025057913
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-04-09
出願番号2023167748
出願日2023-09-28
発明の名称窒化物半導体積層構造体前駆体、窒化物半導体積層構造体、半導体装置、窒化物半導体積層構造体前駆体の製造方法、窒化物半導体積層構造体の製造方法
出願人公立大学法人大阪,国立大学法人東北大学
代理人個人,個人,個人,個人
主分類H01L 21/02 20060101AFI20250402BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】ダイヤモンド基板と半導体層の接合性に優れ、放熱性および耐熱性に優れる半導体積層構造体を得るための半導体積層構造体前駆体、半導体積層構造体、半導体装置、半導体積層構造体前駆体の製造方法、および半導体積層構造体の製造方法を提供する。
【解決手段】炭素からなる基板10と、窒化ガリウムからなる半導体層20と、基板10と半導体層20との間に位置する中間層30とを有し、基板10と半導体層20は中間層30に接している窒化物半導体積層構造体前駆体1であって、中間層30は、炭素および窒化ガリウムの少なくとも一方と化合物を形成する金属Mを含む、窒化物半導体積層構造体前駆体1。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
炭素からなる基板と、窒化ガリウムを含む窒化物半導体からなる半導体層と、前記基板と前記半導体層との間に位置する中間層とを有し、
前記基板と前記半導体層は前記中間層に接している窒化物半導体積層構造体前駆体であって、
前記中間層は、前記炭素および前記窒化ガリウムの少なくとも一方と化合物を形成する金属Mを含む、窒化物半導体積層構造体前駆体。
続きを表示(約 910 文字)【請求項2】
前記金属Mは、アルミニウム、マンガン、マグネシウムまたはリチウム、および、前記アルミニウム、前記マンガン、前記マグネシウムまたは前記リチウムを含む合金である、請求項1に記載の窒化物半導体積層構造体前駆体。
【請求項3】
炭素からなる基板と、窒化ガリウムを含む窒化物半導体からなる半導体層とが、前記炭素および前記窒化ガリウムの少なくとも一方と化合物を形成する金属Mを含む中間層を介して接合された窒化物半導体積層構造体であって、
前記中間層は、前記金属Mと前記炭素の化合物Aおよび前記金属Mと前記窒化ガリウムの化合物Bの少なくとも一方を含み、
前記基板と前記中間層の間に形成された前記化合物A、および、前記中間層と前記半導体層の間に形成された前記化合物Bのうち少なくとも一方を含む、窒化物半導体積層構造体。
【請求項4】
前記金属Mは、アルミニウム、マンガン、マグネシウムまたはリチウム、および、前記アルミニウム、前記マンガン、前記マグネシウムまたは前記リチウムを含む合金である、請求項3に記載の窒化物半導体積層構造体。
【請求項5】
前記化合物Aは三炭化四アルミニウム、前記化合物Bは窒化アルミニウムガリウムである、請求項4に記載の窒化物半導体積層構造体。
【請求項6】
請求項3~5のいずれか1項に記載の窒化物半導体積層構造体を有する、半導体装置。
【請求項7】
炭素からなる基板の一方の面の少なくとも一部に、前記炭素および窒化ガリウムの少なくとも一方と化合物を形成する金属Mを堆積して中間層を形成する堆積工程と、
前記中間層の表面に、窒化ガリウムを含む窒化物半導体からなる半導体層を形成する半導体層形成工程と、を有する、窒化物半導体積層構造体前駆体の製造方法。
【請求項8】
請求項7に記載の窒化物半導体積層構造体前駆体の製造方法で窒化物半導体積層構造体前駆体を得、前記窒化物半導体積層構造体前駆体を500℃以上で熱処理を施す熱処理工程を有する、窒化物半導体積層構造体の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、窒化物半導体積層構造体前駆体、窒化物半導体積層構造体、半導体装置、窒化物半導体積層構造体前駆体の製造方法、窒化物半導体積層構造体の製造方法に関する。
続きを表示(約 3,300 文字)【背景技術】
【0002】
近年、半導体デバイス(半導体装置)の高出力化、高速化、高集積化に伴い、熱伝導率が高い半導体装置形成用基板が要望されている。このような半導体装置形成用基板として、500W/mK以上の高い熱伝導率を有するダイヤモンド基板が注目されている。一般に、ダイヤモンド基板の表面は粗く、半導体層と接合しにくいという問題がある。
【0003】
このような問題に対し、例えば、窒化物半導体素子の製造において、窒化ガリウム(GaN)とダイヤモンドを接合するする方法が検討されている。
窒化ガリウムとダイヤモンドを接合する方法としては、例えば、窒化ガリウムとダイヤモンドの接合面にケイ素(Si)を堆積し、Si層を介して、GaNとダイヤモンドを接合する方法が知られている(例えば、非特許文献1参照)。
また、窒化物半導体が結晶成長された炭化ケイ素(SiC)基板を50μmまで薄層化し、厚さ10nmのチタン(Ti)層を介して、前記SiC基板とダイヤモンドを接合する方法が知られている(例えば、非特許文献2参照)。
また、水素がイオン注入されたSiC基板をダイヤモンドと接合し、熱処理により厚さ1μm~30μmのSiC層をダイヤモンド上に形成し、さらに、SiC層の上に窒化物半導体層を結晶成長する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2016-139655号公報
【非特許文献】
【0005】
Z.Cheng, et al., “Interfacial Thermal Conductance across Room-Temperature Bonded GaN-Diamond Interfaces for GaN-on-Diamond Devices,” ACS Appl. Mater. Interfaces 12, pp. 8376-8384 (2020).
Yuichi Minoura, et al., “Surface activated bonding of SiC/diamond for thermal management of high-output power GaN HEMTs,” Jpn. J. Appl. Phys. 59, SGGD03 (2020).
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、非特許文献1に記載の方法では、高温の熱処理によりSiとGaNが反応(メルトバック)し、SiとGaNの接合界面に空隙が生ずる。そのため、この方法には、半導体素子の製造に必要な熱処理を適用することができないという課題があった。
また、非特許文献2、特許文献1に記載の方法では、SiCがSiよりも硬いため、ダイヤモンドの表面の凹凸を、SiCによって吸収し、窒化物半導体層とダイヤモンドを強固に接合することができないという課題があった。
【0007】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、ダイヤモンド基板と半導体層の接合性に優れ、放熱性および耐熱性に優れる窒化物半導体積層構造体を得るための窒化物半導体積層構造体前駆体、窒化物半導体積層構造体、半導体装置、窒化物半導体積層構造体前駆体の製造方法、および窒化物半導体積層構造体の製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は以下の態様を有する。
[1]炭素からなる基板と、窒化ガリウムを含む窒化物半導体からなる半導体層と、前記基板と前記半導体層との間に位置する中間層とを有し、
前記基板と前記半導体層は前記中間層に接している窒化物半導体積層構造体前駆体であって、
前記中間層は、前記炭素および前記窒化ガリウムの少なくとも一方と化合物を形成する金属Mを含む、窒化物半導体積層構造体前駆体。
[2]前記金属Mは、アルミニウム、マンガン、マグネシウムまたはリチウム、および、前記アルミニウム、前記マンガン、前記マグネシウムまたは前記リチウムを含む合金である、[1]に記載の窒化物半導体積層構造体前駆体。
[3]炭素からなる基板と、窒化ガリウムを含む窒化物半導体からなる半導体層とが、前記炭素および前記窒化ガリウムの少なくとも一方と化合物を形成する金属Mを含む中間層を介して接合された窒化物半導体積層構造体であって、
前記中間層は、前記金属Mと前記炭素の化合物Aおよび前記金属Mと前記窒化ガリウムの化合物Bの少なくとも一方を含み、
前記基板と前記中間層の間に形成された前記化合物A、および、前記中間層と前記半導体層の間に形成された前記化合物Bのうち少なくとも一方を含む、窒化物半導体積層構造体。
[4]前記金属Mは、アルミニウム、マンガン、マグネシウムまたはリチウム、および、前記アルミニウム、前記マンガン、前記マグネシウムまたは前記リチウムを含む合金である、[3]に記載の窒化物半導体積層構造体。
[5]前記化合物Aは三炭化四アルミニウム、前記化合物Bは窒化アルミニウムガリウムである、[4]に記載の窒化物半導体積層構造体。
[6][3]~[5]のいずれかに記載の窒化物半導体積層構造体を有する、半導体装置。
[7]炭素からなる基板の一方の面の少なくとも一部に、前記炭素および窒化ガリウムの少なくとも一方と化合物を形成する金属Mを堆積して中間層を形成する堆積工程と、
前記中間層の表面に、窒化ガリウムを含む窒化物半導体からなる半導体層を形成する半導体層形成工程と、を有する、窒化物半導体積層構造体前駆体の製造方法。
[8][7]に記載の窒化物半導体積層構造体前駆体の製造方法で窒化物半導体積層構造体前駆体を得、前記窒化物半導体積層構造体前駆体を500℃以上で熱処理を施す熱処理工程を有する、窒化物半導体積層構造体の製造方法。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ダイヤモンド基板と半導体層の接合性に優れ、放熱性および耐熱性に優れる窒化物半導体積層構造体を得るための窒化物半導体積層構造体前駆体、窒化物半導体積層構造体、半導体装置、窒化物半導体積層構造体前駆体の製造方法、および窒化物半導体積層構造体の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本発明の一実施形態に係る窒化物半導体積層構造体前駆体を模式的に示す断面図である。
本発明の一実施形態に係る窒化物半導体積層構造体を模式的に示す断面図である。
本発明の一実施形態に係る半導体装置を模式的に示す断面図である。
実施例において、窒化物半導体積層構造体前駆体の厚さ方向における断面の透過型電子顕微鏡像である。
実施例において、窒化物半導体積層構造体前駆体の厚さ方向における断面のエネルギー分散型X線分析の結果を示す図である。
実施例において、600℃で熱処理後の窒化物半導体積層構造体の厚さ方向における断面の透過型電子顕微鏡像である。
実施例において、600℃で熱処理後の窒化物半導体積層構造体の厚さ方向における断面のエネルギー分散型X線分析の結果を示す図である。
実施例において、1000℃で熱処理後の窒化物半導体積層構造体の厚さ方向における断面の透過型電子顕微鏡像である。
実施例において、1000℃で熱処理後の窒化物半導体積層構造体の厚さ方向における断面のエネルギー分散型X線分析の結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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