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公開番号2025013036
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-24
出願番号2023116309
出願日2023-07-14
発明の名称半導体素子の観測装置、半導体素子の観測方法
出願人公立大学法人大阪
代理人個人,個人,個人,個人
主分類G01R 31/265 20060101AFI20250117BHJP(測定;試験)
要約【課題】ダイオードやLEDを駆動させた際に発生するホールや電子等の電子状態を直接、スペクトルの時間変化として計測できる半導体素子の観測装置及び半導体素子の観測方法を提供する。
【解決手段】ダイオード又は発光ダイオードを駆動させる電源2と、駆動状態のダイオード又は発光ダイオードに白色光を照射する光源3と、ダイオード又は発光ダイオードを透過した白色光を任意の波長の光に分光する分光器4と、分光器4によって分光された任意の波長の光の強度を計測する第1の検出器5と、白色光の照射によってダイオード又は発光ダイオードから発生した電界発光の強度を計測する第2の検出器6と、第1の検出器5によって計測された任意の波長の光の強度に関する電気信号及び第2の検出器6によって計測された電界発光の強度に関する電気信号の時間変化を観測するオシロスコープ7と、を備える半導体素子の観測装置1。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
ダイオードまたは発光ダイオードを駆動させる電源と、
駆動状態のダイオードまたは発光ダイオードに白色光を照射する光源と、
前記ダイオードまたは前記発光ダイオードを透過した白色光を任意の波長の光に分光する分光器と、
前記分光器によって分光された前記任意の波長の光の強度を計測する第1の検出器と、
白色光の照射によって、前記ダイオードまたは前記発光ダイオードから発生した電界発光の強度を計測する第2の検出器と、
前記第1の検出器によって計測された前記任意の波長の光の強度に関する電気信号、および前記第2の検出器によって計測された前記電界発光の強度に関する電気信号の時間変化を観測するオシロスコープと、
を備える、半導体素子の観測装置。
続きを表示(約 680 文字)【請求項2】
電界効果トランジスタを駆動させる電源と、
駆動状態の電界効果トランジスタに白色光を照射する光源と、
前記電界効果トランジスタを透過した白色光を任意の波長の光に分光する分光器と、
前記分光器によって分光された前記任意の波長の光の強度を計測する検出器と、
前記検出器によって計測された前記任意の波長の光の強度に関する電気信号の時間変化を観測するオシロスコープと、
を備える、半導体素子の観測装置。
【請求項3】
駆動状態のダイオードまたは発光ダイオードに白色光を照射する工程と、
前記ダイオードまたは前記発光ダイオードを透過した白色光を任意の波長の光に分光する工程と、
分光された前記任意の波長の光の強度を計測する工程と、
白色光の照射によって、前記ダイオードまたは前記発光ダイオードから発生した電界発光の強度を計測する工程と、
計測された前記任意の波長の光の強度に関する電気信号、および計測された前記電界発光の強度に関する電気信号の時間変化を観測する工程と、
を有する半導体素子の観測方法。
【請求項4】
駆動状態の電界効果トランジスタに白色光を照射する工程と、
前記電界効果トランジスタを透過した白色光を任意の波長の光に分光する工程と、
分光された前記任意の波長の光の強度を計測する工程と、
計測された前記任意の波長の光の強度に関する電気信号の時間変化を観測する工程と、
を有する半導体素子の観測方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ダイオードやLEDを駆動させた際に発生するホールや電子等の電子状態を観測する半導体素子の観測装置および半導体素子の観測方法に関する。
続きを表示(約 3,700 文字)【背景技術】
【0002】
一般に、半導体の代表例であるダイオードが動作する際には、電極からのキャリヤ注入が生じ、そこから電気伝導を経る。キャリヤ注入の発生は、ダイオードへの直流電圧の印加に伴って発生する電流の計測や、ダイオードへの交流電圧の印加に対するインピーダンスの計測によって評価することができる(例えば、非特許文献1参照)。また、発光ダイオード(LED)における再結合の過程では、前記の電流の計測や前記のインピーダンスの計測と、発光強度とから、キャリヤ注入の発生を評価することができる(例えば、非特許文献2参照)。
【0003】
上記のような電気信号等の評価では、有用な知見が得られる場合がある。しかしながら、半導体素子の駆動時に、キャリヤトラップの発生や素子の劣化等の望ましくない過程が生じた際に、その電気系送信号のみからキャリヤに関する詳細な情報を引き出すことは難しい。LEDにおける再結合や半導体素子の劣化等の過程は、ダイオードの電子状態の変化を伴うため、ダイオードの電子状態の評価と組み合わせることが望ましい。ダイオードの電子状態は、例えば、光電子分光法によって評価することができる。光電子分光法による評価では、ダイオードに紫外光やX線を照射した際の光電効果による電子信号から、ダイオードの電子状態を評価することが知られている。光電子分光法による評価は、半導体の動作と組わせられることも知られている(例えば、非特許文献3参照)。
【0004】
しかしながら、半導体の動作と組わせた光電子分光法による評価では、半導体を動作させている状態から光電子分光信号を得ることが容易ではなく、さらに、キャリヤの電子準位を示す信号を得ることが難しい。なぜならば、この評価では、そもそも半導体を動作させた際に生じるキャリヤが、分子全体の一部から得られているに過ぎないからである。また、ダイオードに紫外光やX線を照射すると、半導体素子が劣化する可能性がある。さらに、光電子分光法による評価では、時間分解計測の方法が十分に確立されていない。そのため、半導体素子の動作に伴うホールや電子等の電子状態の時間変化そのものを計測することが難しい。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
H.C.F.Martens,W.F.Pasveer,H.B.Brom,J.N.Huiberts and P.W.M.Blom,“Crossover from space-charge-limited to recombination-limited transport in polymer light-emitting diodes”,PHYSICAL REVIEW B, VOLUME 63,125328(2001).
M.Takata,K.Takagi,T.Nagase,T.Kobayashi,and H.Naito,“Effects of Bimolecular Recombination on Impedance Spectra in Organic Semiconductors: Analytical Approach”,Journal of Nanoscience and Nanotechnology,Vol.16,3322-3326,2016.
S.Jiang,Q.Dai,J.Guo,and Y.Li,“In-situ/operando characterization techniques for organic semiconductors and devices”,Journal of Semiconductors(2022)43(4),04110.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ダイオードやLEDの開発現場では、半導体素子の性能を電流や発光輝度等の計測により評価することが多いが、半導体素子の性能向上や劣化条件改善に向けては、ダイオードの動作に伴うホールや電子等の電子状態の時間変化の評価を併用して行うことが有効である。
【0007】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、ダイオードやLEDを駆動させた際に発生するホールや電子等の電子状態を直接、スペクトルの時間変化として計測することができる半導体素子の観測装置および半導体素子の観測方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、以下の態様を有する。
[1]ダイオードまたは発光ダイオードを駆動させる電源と、
駆動状態のダイオードまたは発光ダイオードに白色光を照射する光源と、
前記ダイオードまたは前記発光ダイオードを透過した白色光を任意の波長の光に分光する分光器と、
前記分光器によって分光された前記任意の波長の光の強度を計測する第1の検出器と、
白色光の照射によって、前記ダイオードまたは前記発光ダイオードから発生した電界発光の強度を計測する第2の検出器と、
前記第1の検出器によって計測された前記任意の波長の光の強度に関する電気信号、および前記第2の検出器によって計測された前記電界発光の強度に関する電気信号の時間変化を観測するオシロスコープと、
を備える、半導体素子の観測装置。
[2]電界効果トランジスタを駆動させる電源と、
駆動状態の電界効果トランジスタに白色光を照射する光源と、
前記電界効果トランジスタを透過した白色光を任意の波長の光に分光する分光器と、
前記分光器によって分光された前記任意の波長の光の強度を計測する検出器と、
前記検出器によって計測された前記任意の波長の光の強度に関する電気信号の時間変化を観測するオシロスコープと、
を備える、半導体素子の観測装置。
[3]駆動状態のダイオードまたは発光ダイオードに白色光を照射する工程と、
前記ダイオードまたは前記発光ダイオードを透過した白色光を任意の波長の光に分光する工程と、
分光された前記任意の波長の光の強度を計測する工程と、
白色光の照射によって、前記ダイオードまたは前記発光ダイオードから発生した電界発光の強度を計測する工程と、
計測された前記任意の波長の光の強度に関する電気信号、および計測された前記電界発光の強度に関する電気信号の時間変化を観測する工程と、
を有する半導体素子の観測方法。
[4]駆動状態の電界効果トランジスタに白色光を照射する工程と、
前記電界効果トランジスタを透過した白色光を任意の波長の光に分光する工程と、
分光された前記任意の波長の光の強度を計測する工程と、
計測された前記任意の波長の光の強度に関する電気信号の時間変化を観測する工程と、
を有する半導体素子の観測方法。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ダイオードやLEDを駆動させた際に発生するホールや電子等の電子状態を直接、スペクトルの時間変化として計測することができる半導体素子の観測装置および半導体素子の観測方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本発明の一実施形態に係る半導体素子の観測装置を示す模式図である。
本発明の一実施形態に係る半導体素子の観測装置を示す模式図である。
実験例1において、ダイオードや発光ダイオードを駆動するための方形波電圧の時間変化を示した波形に関する図である。
実験例1において、駆動電圧印加後の半導体素子の吸収スペクトルを示す図である。
実験例2において、電圧を印加しない状態での半導体素子の吸収スペクトルと半導体素子の電界発光スペクトルを示す図である。
実験例3において、半導体素子をヨウ素ガスで化学酸化したときの吸収スペクトルを示す図である。
実験例4において、半導体素子をカルシウム電極で挟んだ状態で電圧を印加したときの半導体素子の吸収スペクトルを示す図である。
実験例5において、半導体素子の電流電圧特性と、電界発光の強度と電圧との関係とを測定した結果を示す図である。
実験例6において、半導体素子に印加する電圧を0.8Vから2Vに増加させたときの半導体素子の吸収スペクトルの時間による変化を測定した結果を示す図である。
実験例7において、電界効果トランジスタの動作中に半導体層にて発生するキャリヤを、ゲートバイアス印加と同期させて計測したした結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する

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