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公開番号2025150661
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-09
出願番号2024051670
出願日2024-03-27
発明の名称脂肪酸アルキルエステルの製造方法および製造システム
出願人公立大学法人大阪,株式会社万立
代理人弁理士法人朝日奈特許事務所
主分類C07C 67/02 20060101AFI20251002BHJP(有機化学)
要約【課題】バイオディーゼル燃料に用いる脂肪酸アルキルエステルを短時間で、効率的に、低コストで製造する新規な製造方法を提供する。
【解決手段】メチルエチルケトン、ジエチルケトン、およびこれらの混合物から選択される有機溶媒を添加した均一相系で、触媒の存在下、原料油をメタノールおよび/またはエタノールからなる低級アルキルアルコールとエステル交換反応を行うことによる脂肪酸アルキルエステルの製造方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
触媒の存在下で、原料油をメタノールおよび/またはエタノールからなる低級アルキルアルコールとエステル交換反応を行うことによる脂肪酸アルキルエステルの製造方法であって、
前記エステル交換反応を、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、およびこれらの混合物から選択される有機溶媒を添加して均一相系で行う、脂肪酸アルキルエステルの製造方法。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記原料油が植物油である、請求項1に記載の脂肪酸アルキルエステルの製造方法。
【請求項3】
前記触媒が、アルカリ触媒、酸触媒、酵素、およびイオン交換樹脂からなる固体触媒のいずれかである、請求項1に記載の脂肪酸アルキルエステルの製造方法。
【請求項4】
前記エステル交換反応は、原料油と有機溶媒とを含む溶液と、低級アルキルアルコールと触媒とを含む溶液とを混合する混合工程により行われる、請求項1に記載の脂肪酸アルキルエステルの製造方法。
【請求項5】
前記混合工程が低級アルキルアルコールと触媒を含む溶液の多段階添加で行われる、請求項4に記載の脂肪酸アルキルエステルの製造方法。
【請求項6】
前記混合工程後に反応溶液を静置し、脂肪酸アルキルエステルと低級アルキルアルコールと有機溶媒とを含む脂肪酸アルキルエステル相と、グリセリン相とに分離する分離工程を含む、請求項1に記載の脂肪酸アルキルエステルの製造方法。
【請求項7】
前記脂肪酸アルキルエステル相から、低級アルキルアルコールと有機溶媒とを回収する回収工程を含む、請求項1に記載の脂肪酸アルキルエステルの製造方法。
【請求項8】
前記回収した低級アルキルアルコールと有機溶媒とを、原料油と有機溶媒とを含む溶液に加える、請求項7に記載の脂肪酸アルキルエステルの製造方法。
【請求項9】
メチルエチルケトン、ジエチルケトン、およびこれらの混合物から選択される有機溶媒を加えた均一相系で、触媒の存在下で、原料油とメタノールおよび/またはエタノールからなる低級アルキルアルコールとの間でエステル交換反応を行い、脂肪酸アルキルエステルを生成する脂肪酸アルキルエステル生成手段と、
前記生成した脂肪酸アルキルエステルと有機溶媒と低級アルキルアルコールを含む脂肪酸アルキルエステル相と、グリセリン相を静置分離する分離手段と、
を有する脂肪酸アルキルエステルの製造システム。
【請求項10】
前記分離手段で分離された脂肪酸アルキルエステル相から、有機溶媒と低級アルキルアルコールとを回収する回収手段を含む、請求項9に記載の脂肪酸アルキルエステルの製造システム。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、バイオディーゼル燃料に用いる脂肪酸アルキルエステルを短時間で、効率的に、低コストで製造する新規な製造方法および製造システムに関する。
続きを表示(約 1,600 文字)【背景技術】
【0002】
近年、地球温暖化防止や資源循環、環境対策などの観点から、パーム油などの植物由来油や、廃棄食物油等を原料とするバイオディーゼル燃料を導入する動きがある。
【0003】
バイオディーゼル燃料は、油脂の主成分であるモノグリセリド、ジグリセリド、またはトリグリセリドを、メタノール、エタノールのような低級アルキルアルコールとエステル交換反応を行うことにより製造される。例えば特許文献1では、廃食用油から水酸化ナトリウムの存在下にメタノールを用いてエステル交換を行う方法が記載されている。また関連する先行技術文献として、特許文献2~4も知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開平7-197047号公報
特開2004-156022号公報
特開2009-40979号公報
国際公開第2010/106985号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に記載された方法では、エステル交換反応を加熱下で攪拌しながら約1日行う必要があり、このため製造コストが高くなるという問題がある。また、水酸化ナトリウムを用いるため、副反応により脂肪酸ナトリウム塩、すなわち石けんが生じる。石けんができると、バイオディーゼル燃料と副産物であるグリセリンとの分離に約一日の時間を要する。さらに、一旦石けんができると、本来商品価値のあるグリセリンと石けんを廃棄する必要がある。このため、新たな環境問題を生ずるという問題がある。
【0006】
このような問題を解決するために、本発明者らは、エステル交換反応を超音波で攪拌しながら行い、バイオディーゼル燃料とグリセリンを超音波で分離する方法を提案した(例えば、特許文献2参照)。この方法によれば、エステル交換反応に加熱の必要がなく反応時間が従来法に比べて短くすみ、また添加するアルカリ触媒の量が少なくても反応が進み、石けんができにくいなどの特徴がある。
【0007】
しかし、この方法では、超音波攪拌・分離をするための装置が必要で、製造コストがかかる。さらに、バイオディーゼル燃料とグリセリンの分離時間はそれまでの製造方法より短いものの、石けんは生成するため、高品質なグリセリンが得られないという問題がある。
【0008】
このような問題を解決するために、反応系に溶媒を加えた均一相系におけるエステル交換反応が試みられている。例えば、特許文献3では、反応系にジメチルエーテルを加え、エステル交換反応の反応速度を向上させる方法が記載されている。
【0009】
しかし、ジメチルエーテルを反応系に加えると、未反応の低級アルキルアルコールがグリセリンに溶解しやすくなり、エステル交換反応の進行が阻害され、脂肪酸アルキルエステルの収率が低くなるという問題が生じる。また、低級アルキルアルコールが脂肪酸アルキルエステル相と、グリセリン相のいずれにも溶解するため、脂肪酸アルキルエステル相とグリセリン相との分離に時間を要し、また分離までの間に石けんが生じる。さらに、ジメチルエーテルは、沸点が-23.6℃と極めて低く、このため反応系の中にとどまらせるためには、耐圧セルなど特別な装置が必要となる。
【0010】
また、特許文献4には、均一相系のエステル交換反応において、反応系にアセトンやイソプロパノールを加える方法が記載されている。この方法によれば、脂肪酸アルキルエステルの収率を高めることができ、また、脂肪酸アルキルエステル相とグリセリン相の分離が短時間に進む。さらにアセトンやイソプロパノールは常温で液体であるため、ジメチルエーテルのような特殊な設備を必要としないという利点がある。
(【0011】以降は省略されています)

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