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公開番号
2025132453
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-09-10
出願番号
2024030033
出願日
2024-02-29
発明の名称
ガス吸着フィルム
出願人
三菱ケミカル株式会社
,
公立大学法人大阪
代理人
弁理士法人特許事務所サイクス
主分類
B32B
5/18 20060101AFI20250903BHJP(積層体)
要約
【課題】本発明は、高湿環境下において十分なガス吸着能を発揮するガス吸着フィルムを提供することを課題とする。
【解決手段】本発明は、基材層(A)、多孔性金属錯体層(B)及び保護層(C)をこの順で備え、保護層(C)の自由体積半径が0.265~0.400nmである、ガス吸着フィルムに関する。ガス吸着フィルムはエチレン吸着フィルムであることが好ましく、青果物包装用として好適である。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
基材層(A)、多孔性金属錯体層(B)及び保護層(C)をこの順で備え、
前記保護層(C)の自由体積半径が0.265~0.400nmである、ガス吸着フィルム。
続きを表示(約 830 文字)
【請求項2】
前記保護層(C)の表面粗さRaが、0.5以下である、請求項1に記載のガス吸着フィルム。
【請求項3】
前記多孔性金属錯体層(B)の厚みが0.1~10μmである、請求項1又は2に記載のガス吸着フィルム。
【請求項4】
前記基材層(A)と前記多孔性金属錯体層(B)の間に、アンカー層(D)をさらに有する、請求項1又は2に記載のガス吸着フィルム。
【請求項5】
前記アンカー層(D)が、極性基含有ポリマー又は有機オニウム化合物を含む、請求項4に記載のガス吸着フィルム。
【請求項6】
前記アンカー層(D)の算術平均高さSaが0.1~20μmである、請求項4に記載のガス吸着フィルム。
【請求項7】
前記保護層(C)が、低密度ポリエチレンを含む、請求項1又は2に記載のガス吸着フィルム。
【請求項8】
前記多孔性金属錯体層(B)が、HKUST-1(Cu/1,3,5-ベンゼントリカルボン酸)、Mg-MOF-74(Mg/2,5-ジヒドロキシテレフタル酸)、MOF-505/GO(Cu/3,3,5,5,-ビフェニルテトラカルボン酸)、MOF-5/G(Zn/1,4-ベンゼンジカルボン酸)、Zr-MOF(Zr/1,4-ナフタレンジカルボン酸)、MIL-101(Cr/1,4-ベンゼンジカルボン酸)、Co-MOF74(Co/2,5-ジヒドロキシテレフタル酸)及びNi-MOF-74(Ni/2,5-ジヒドロキシテレフタル酸)よりなる群から選択される少なくとも1種の多孔性金属錯体を含む、請求項1又は2に記載のガス吸着フィルム。
【請求項9】
エチレン吸着フィルムである、請求項1又は2に記載のガス吸着フィルム。
【請求項10】
青果物包装用である、請求項1又は2に記載のガス吸着フィルム。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガス吸着フィルム及びその応用に関する。
続きを表示(約 2,700 文字)
【背景技術】
【0002】
従来、食品や医薬品、電子部品、精密機械、記録材料等の分野において、有害ガスによる品質劣化を防ぐ目的で、ガス吸着剤を包装体や保管容器内に含有させることが行われている。有害ガスとしては、例えば、アンモニアや二酸化硫黄に加えて、アセトンやベンゼンなどの有機溶剤に由来する有機ガスが知られている。
【0003】
有害ガスの一種であるエチレンは、果物や野菜で作られるガスであり、成熟と植物組織の老化を促進させる植物ホルモンの一つとして知られている。果物等を収穫した後、保管や運送の間に、果物等の鮮度が落ちてしまうのは、このエチレンの発生が大きな原因であると考えられている。このため、果物や野菜の鮮度を保つために、エチレンを除去もしくは分解し、収穫された果物等に接触させないことが重要となる。
【0004】
エチレンを除去もしくは分解する方法として、種々の方法が検討されている。例えば、特許文献1には、青果物等生鮮品の劣化を抑制することにより青果物等生鮮品の鮮度を維持する鮮度維持材の組成物であって、シクロデキストリンを含有する組成物が開示されている。また、特許文献2には、エチレンを表面に付着可能なプラスチック製の機能性フィルムであって、エチレンを二酸化炭素と水に分解し、フィルムの一方の面から他方の面に排出可能は触媒機能を有する物質を含む機能性フィルムが開示されている。
【0005】
脱臭や、ガスの分離・精製には活性炭やシリカゲル、ゼオライト、多孔性金属錯体といった多孔質材料が用いられる場合があり、エチレンの除去にもこのような材料を使用することが検討されている。例えば、特許文献3には、パラジウムをイオン交換法により担持し、SiO
2
/Al
2
O
3
の比が10以上の合成ゼオライト粉末または成形体からなることを特徴とするエチレン吸着剤が開示されている。また、特許文献4には、金属イオンと、金属イオンに結合可能な有機配位子によって多孔構造を構成している多孔性金属錯体と、有機繊維を含む吸着シートが開示されている。さらに、特許文献5には、[Cu(C
10
H
8
N
4
)]
n
を基本構成単位とする化学構造を有する多孔質配位高分子錯体からなることを特徴とするエチレンガス吸着剤が開示されており、特許文献6には、多孔性金属錯体、または金属担持無機多孔体を含むエチレンガス吸着剤が開示されている。なお、特許文献4に開示された吸着シートは、湿式抄紙法により形成された繊維シートであり、特許文献3及び5に開示されたエチレン吸着剤は粉末である。また、特許文献6に開示されたエチレンガス吸着剤においては、エチレンガス吸着剤は熱可塑性樹脂中に混在、分散されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2019-170368号公報
国際公開第2017/135433号
特開平10-043583号公報
国際公開第2013/115033号
特開2004-322005号公報
特開2022-001357号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述したように、ゼオライトや多孔性金属錯体等にエチレン等のガスを吸着させることで、有害ガスを除去する方法が検討されている。しかしながら、従来のガス吸着フィルムは、特に高湿環境下において十分なガス吸着能を発揮できない場合があり、改良が求められていた。
【0008】
そこで本発明者らは、このような従来技術の課題を解決するために、高湿環境下において十分なガス吸着能を発揮するガス吸着フィルムを提供することを目的として検討を進めた。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の具体的な態様の例を以下に示す。
【0010】
[1] 基材層(A)、多孔性金属錯体層(B)及び保護層(C)をこの順で備え、
保護層(C)の自由体積半径が0.265~0.400nmである、ガス吸着フィルム。
[2] 保護層(C)の表面粗さRaが、0.5以下である、[1]に記載のガス吸着フィルム。
[3] 多孔性金属錯体層(B)の厚みが0.1~10μmである、[1]又は[2]に記載のガス吸着フィルム。
[4] 基材層(A)と多孔性金属錯体層(B)の間に、アンカー層(D)をさらに有する、[1]~[3]のいずれかに記載のガス吸着フィルム。
[5] アンカー層(D)が、極性基含有ポリマー又は有機オニウム化合物を含む、[4]に記載のガス吸着フィルム。
[6] アンカー層(D)の算術平均高さSaが0.1~20μmである、[4]又は[5]に記載のガス吸着フィルム。
[7] 保護層(C)が、低密度ポリエチレンを含む、[1]~[6]のいずれかに記載のガス吸着フィルム。
[8] 多孔性金属錯体層(B)が、HKUST-1(Cu/1,3,5-ベンゼントリカルボン酸)、Mg-MOF-74(Mg/2,5-ジヒドロキシテレフタル酸)、MOF-505/GO(Cu/3,3,5,5,-ビフェニルテトラカルボン酸)、MOF-5/G(Zn/1,4-ベンゼンジカルボン酸)、Zr-MOF(Zr/1,4-ナフタレンジカルボン酸)、MIL-101(Cr/1,4-ベンゼンジカルボン酸)、Co-MOF74(Co/2,5-ジヒドロキシテレフタル酸)及びNi-MOF-74(Ni/2,5-ジヒドロキシテレフタル酸)よりなる群から選択される少なくとも1種の多孔性金属錯体を含む、[1]~[7]のいずれかに記載のガス吸着フィルム。
[9] エチレン吸着フィルムである、[1]~[8]のいずれかに記載のガス吸着フィルム。
[10] 青果物包装用である、[1]~[9]のいずれかに記載のガス吸着フィルム。
[11] [1]~[10]のいずれかに記載のガス吸着フィルムを用いて青果物を被覆する青果物を包装する方法であって、保護層(C)が内側になるように青果物を包装する方法。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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