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公開番号2025170296
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-11-18
出願番号2025134826,2023509169
出願日2025-08-13,2022-03-22
発明の名称触媒、触媒の製造方法、並びにα,β-不飽和アルデヒド、α,β-不飽和カルボン酸、及びα,β-不飽和カルボン酸エステルの製造方法
出願人三菱ケミカル株式会社
代理人弁理士法人秀和特許事務所
主分類B01J 23/888 20060101AFI20251111BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約【課題】本発明は、α,β-不飽和アルデヒドやα,β-不飽和カルボン酸等の目的生成物の収率が高い触媒を提供する。
【解決手段】少なくともモリブデンを含有する触媒であって、前記触媒のCOD(化学的酸素要求量)が300ppmを超え、11000ppm未満である触媒、により課題を解決する。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
少なくともモリブデンを含有する触媒の製造方法であって、下記の工程(i)~(v)を含む、触媒の製造方法。
(i)少なくともモリブデン原料を溶媒と混合し、スラリー(A液)を得る工程と、
(ii)前記A液を、前記溶媒の沸点より1~30℃低い温度で20~90分攪拌して、スラリー(B液)を得る工程と、
(iii)前記B液を、前記工程(ii)の温度より2℃以上高い温度で10分~10時間攪拌して、スラリー(C液)を得る工程と、
(iv)前記C液を乾燥して乾燥物を得る工程と、
(v)前記乾燥物を焼成して触媒を得る工程。
続きを表示(約 830 文字)【請求項2】
前記工程(i)において、前記溶媒全体の50質量%以上が水である、請求項1に記載の触媒の製造方法。
【請求項3】
前記工程(iii)における温度が、前記溶媒の沸点より1~20℃高い温度である、請求項1又は2に記載の触媒の製造方法。
【請求項4】
前記工程(iii)において、前記B液を90分~10時間撹拌して前記C液を得る、請求項1~3のいずれか一項に記載の触媒の製造方法。
【請求項5】
前記工程(v)において、前記乾燥物を酸素含有ガス流通下で焼成する、請求項1~4のいずれか一項に記載の触媒の製造方法。
【請求項6】
アルケン、アルコール又はエーテルから、α,β-不飽和アルデヒド及び/又はα,β-不飽和カルボン酸を製造する際に用いられる触媒を製造する、請求項1~5のいずれか一項に記載の触媒の製造方法。
【請求項7】
α,β-不飽和アルデヒドからα,β-不飽和カルボン酸を製造する際に用いられる触媒を製造する、請求項1~5のいずれか一項に記載の触媒の製造方法。
【請求項8】
請求項1~6のいずれか一項に記載の製造方法により製造された触媒を用いて、アルケン、アルコール又はエーテルから、α,β-不飽和アルデヒド及び/又はα,β-不飽和カルボン酸を製造する、α,β-不飽和アルデヒド及び/又はα,β-不飽和カルボン酸の製造方法。
【請求項9】
請求項1~5及び7のいずれか一項に記載の製造方法により製造された触媒を用いて、α,β-不飽和アルデヒドから、α,β-不飽和カルボン酸を製造する、α,β-不飽和カルボン酸の製造方法。
【請求項10】
請求項8に記載の製造方法で製造したα,β-不飽和アルデヒドからα,β-不飽和カルボン酸を製造する、α,β-不飽和カルボン酸の製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、触媒、触媒の製造方法、並びにα,β-不飽和アルデヒド、α,β-不飽和カルボン酸、及びα,β-不飽和カルボン酸エステルの製造方法に関する。
続きを表示(約 4,000 文字)【背景技術】
【0002】
α,β-不飽和アルデヒドやα,β-不飽和カルボン酸等の有機化合物の製造プロセスでは、モリブデンを含有する触媒が多く用いられる。該触媒はその物性によって触媒性能が変化することが知られており、物性を制御する検討が多くなされている。
特許文献1には、オレフィン及び/又はアルコールを原料とする不飽和アルデヒドの製造において、モリブデン、ビスマス、鉄、コバルト及びランタノイド元素を含有し、Fe
2+
/(Fe
2+
+Fe
3+
)の比を制御した触媒を用いることが記載されている。
【0003】
特許文献2には、モリブデン、ビスマス及び鉄を含有する複合酸化物からなる不飽和アルデヒド及び/又は不飽和カルボン酸製造用触媒について、還元性物質の存在下に焼成してその際の質量減少率を制御することで、機械的強度に優れた触媒が得られることが記載されている。
特許文献3には、水溶性へテロポリ酸及び水難溶性ヘテロポリ酸塩を含むメタクリル酸製造用のヘテロポリ酸系触媒について、触媒の水溶性へテロポリ酸及び水難溶性ヘテロポリ酸塩の還元度を制御することで、メタクリル酸の生産性の高い触媒が得られることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2014-161775号公報
特開2009-274034号公報
特開2008-284439号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら特許文献1~3に記載された触媒では、α,β-不飽和アルデヒドの収率やα,β-不飽和カルボン酸の収率は、必ずしも十分ではなかった。そこでさらなる触媒性能の向上の観点から、触媒物性を制御することが求められている。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、α,β-不飽和アルデヒドやα,β-不飽和カルボン酸等の目的生成物の収率が高い触媒を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは上記目的を達成するために鋭意検討を進めた。その結果、モリブデン含有触媒において、触媒の酸化還元状態を示すCOD(化学的酸素要求量)という指標が触媒性能に大きな影響を与え、CODを一定範囲に制御することで目的生成物の収率が高い触媒が得られることを見出し、本発明を完成させた。
【0007】
すなわち本発明は、以下のものを含む。
[1]:少なくともモリブデンを含有する触媒であって、前記触媒のCOD(化学的酸素要求量)が300ppmを超え、11000ppm未満である触媒。
[2]:前記COD(ppm)の値を、前記触媒の比表面積S(m

/g)の値で割った値(COD/S)が、43μg/m

を超え、3600μg/m

以下である、[1]
に記載の触媒。
[3]:アルケン、アルコール又はエーテルから、α,β-不飽和アルデヒド及び/又はα,β-不飽和カルボン酸を製造する際に用いられる、[1]又は[2]に記載の触媒。
[4]:下記式(1)で表される組成を有する、[1]~[3]のいずれかに記載の触媒。
Mo
a1
Bi
b1
Fe
c1

d1

e1

f1
Si
g1
(NH


h1

i1
(1)
(前記式(1)中、Mo、Bi、Fe、Si、NH

及びOは、それぞれ、モリブデン、ビスマス、鉄、ケイ素、アンモニウム根及び酸素を示す。Mはコバルト及びニッケルからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素を示す。Xは亜鉛、クロム、鉛、マンガン、カルシウム、マグネシウム、ニオブ、銀、バリウム、スズ、タンタル、タングステン、アンチモン、リン、ホウ素、硫黄、セレン、テルル、セリウム及びチタンからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素を示す。Yはリチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム及びタリウムからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素を示す。a1、b1、c1、d1、e1、f1、g1、h1及びi1は、各成分のモル比率を示し、a1=12のとき、b1=0.01~3、c1=0~8、d1=0~12、e1=0~8、f1=0.001~2、g1=0~20、h1=0~30であり、i1は前記各成分の価数を満足するのに必要な酸素のモル比率である。)
[5]:前記CODが300ppmを超え、2000ppm以下である、[3]又は[4]に記載の触媒。
[6]:前記CODが400~1500ppmである、[3]~[5]のいずれかに記載の触媒。
[7]:前記COD/Sが50~500μg/m

以下である、[3]~[6]のいずれかに記載の触媒。
[8]:α,β-不飽和アルデヒドからα,β-不飽和カルボン酸を製造する際に用いられる、[1]又は[2]に記載の触媒。
[9]:下記式(2)で表される組成を有する、[1]、[2]及び[8]のいずれかに記載の触媒。

a2
Mo
b2

c2
Cu
d2

e2

f2

g2
(NH


h2

i2
(2)
(前記式(2)中、P、Mo、V、Cu、NH

及びOは、それぞれ、リン、モリブデン、バナジウム、銅、アンモニウム根及び酸素を示す。Aはアンチモン、ビスマス、砒素、ゲルマニウム、ジルコニウム、テルル、銀、セレン、ケイ素、タングステン及びホウ素からなる群から選択される少なくとも1種の元素を示す。Eは鉄、亜鉛、クロム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、タンタル、コバルト、ニッケル、マンガン、バリウム、チタン、スズ、鉛、ニオブ、インジウム、硫黄、パラジウム、ガリウム、セリウム及びランタンからなる群より選択される少なくとも1種類の元素を示す。Gはリチウム、ナトリウム、ルビジウム、カリウム、セシウム及びタリウムからなる群から選択される少なくとも1種の元素を示す。a2、b2、c2、d2、e2、f2、g2、h2及びi2は各成分のモル比率を示し、b2=12のとき、a2=0.5~3、c2=0.01~3、d2=0.01~2、e2=0~3、f2=0~3、g2=0~5、h2=0~30、i2は前記各成分の価数を満足するのに必要な酸素のモル比率である。)
[10]:前記CODが2500ppm以上、11000ppm未満である、[8]又は[9]に記載の触媒。
[11]:前記CODが2600~10000ppmである、[8]~[10]のいずれかに記載の触媒。
[12]:前記COD/Sが100~3000μg/m

である、[8]~[11]のいずれかに記載の触媒。
[13]:少なくともモリブデンを含有する触媒の製造方法であって、下記の工程(i
)~(v)を含む、触媒の製造方法。
(i)少なくともモリブデン原料を溶媒と混合し、スラリー(A液)を得る工程と、
(ii)前記A液を、前記溶媒の沸点より1~30℃低い温度で20~90分攪拌して、スラリー(B液)を得る工程と、
(iii)前記B液を、前記工程(ii)の温度より2℃以上高い温度で10分~10時間攪拌して、スラリー(C液)を得る工程と、
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、目的生成物の収率が高い触媒を提供できる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明に係る実施形態について以下に説明するが、本発明は以下に限定されるものではない。また、数値範囲を表す「XX以上YY以下」や「XX~YY」の記載は、特に断りのない限り、端点である下限及び上限を含む数値範囲を意味する。数値範囲が段階的に記載されている場合、各数値範囲の上限及び下限は任意に組み合わせることができる。
【0010】
[触媒]
本発明に係る触媒は、少なくともモリブデンを含有し、該触媒のCOD(化学的酸素要求量)が300ppmを超え、11000ppm未満である。このような触媒を用いることにより、原料から高い収率で目的生成物を製造することができる。
本発明に係る触媒は、目的生成物の収率の観点から、酸化触媒であることが好ましく、α,β-不飽和アルデヒド及び/又はα,β-不飽和カルボン酸を製造するための触媒であることがより好ましい。具体的には、アルケン、アルコール又はエーテルから、α,β-不飽和アルデヒド及び/又はα,β-不飽和カルボン酸を製造するための触媒、又はα,β-不飽和アルデヒドからα,β-不飽和カルボン酸を製造するための触媒であることが好ましい。なお「α,β-不飽和アルデヒド及び/又はα,β-不飽和カルボン酸を製造」とは、α,β-不飽和アルデヒドとα,β-不飽和カルボン酸のうち、一方を製造してもよく、両方を製造してもよいことを表す。
(【0011】以降は省略されています)

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