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公開番号2024126444
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-20
出願番号2023034825
出願日2023-03-07
発明の名称フォトクロミック組成物及びその利用
出願人公立大学法人大阪,三菱ケミカル株式会社
代理人個人,個人,個人,個人,個人,個人,個人
主分類C09K 9/02 20060101AFI20240912BHJP(染料;ペイント;つや出し剤;天然樹脂;接着剤;他に分類されない組成物;他に分類されない材料の応用)
要約【課題】固体の状態でも退色反応が反応速度論に従い線形性を示すフォトクロミック組成物を提供することを課題とする。
【解決手段】フォトクロミック化合物と、異なるTgを有するポリマーによるブロック共重合体とを組み合わせることにより、課題を解決する。
【選択図】図6B
特許請求の範囲【請求項1】
(i) 下記一般式(I)で表されるジアリールエテン化合物
JPEG
2024126444000015.jpg
41
73
(式(I)中、Aは、ヘテロ原子や置換基を含んでいてもよい、環を形成している炭素数3~7の二価の炭化水素基であり、
Y
1
及びY
2
は互いに独立して、炭素原子(C)又は窒素原子(N)であり、
3つのR
1
及びR
2
は互いに独立して、置換基を有していてもよい、アルキル基又は芳香族基であり、
R
3
は、Y
1
がCである場合には、水素原子(H)、置換基を有していてもよい、フェニル基、アルキル基、アルコキシ基もしくはシアノ基、又はR
4
と互いに結合して環構造を形成しており、Y
1
がNである場合には、電子対であり、
R
4
は、H、置換基を有していてもよい、フェニル基、アルキル基、アルコキシ基もしくはシアノ基、又はR
3
と互いに結合して環構造を形成しており、
R
5
は、Y
2
がCである場合には、H、置換基を有していてもよい、フェニル基、アルキル基、アルコキシ基もしくはシアノ基、又はR
6
と互いに結合して環構造を形成しており、Y
2
がNである場合には、電子対であり、
R
6
は、H、置換基を有していてもよい、フェニル基、アルキル基、アルコキシ基もしくはシアノ基、又はR
5
と互いに結合して環構造を形成し、
前記置換基は、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、ニトロ基、シアノ基、並びに、炭素数4までの、ハロゲン原子で置換されていてもよい、直鎖若しくは分岐のアルキル基、アルコキシ基及びカルボキシ基からなる群より選択される)と、
(ii) α-β-α型及び/又はα-β型のブロック共重合体、
(ただし、αは、Tgが40℃以上のポリマーであり、βは、Tgが-10℃以下のポリマーである)
とを含む、フォトクロミック組成物。
続きを表示(約 2,100 文字)【請求項2】
前記αのTgが80℃以上であり、前記βのTgが-30℃以下である、請求項1に記載のフォトクロミック組成物。
【請求項3】
前記αが、ポリメタクリル酸エステル系ポリマーであり、前記βが、ポリアクリル酸エステル系ポリマーである、請求項1に記載のフォトクロミック組成物。
【請求項4】
前記ジアリールエテン化合物が下記式(II)で表される、
JPEG
2024126444000016.jpg
40
75
(式(II)中、6つのZは互いに独立して、H又はハロゲンであり、
3つのR
1
及びR
2
は互いに独立して、アルキル基又は芳香族基であり、
R
3
は、H、フェニル基、アルキル基、アルコキシ基もしくはシアノ基、又はR
4
と互いに結合して環構造を形成しており、
R
5
は、H、フェニル基、アルキル基、アルコキシ基もしくはシアノ基、又はR
6
と互いに結合して環構造を形成しており、
R
4
は、H、フェニル基、アルキル基、アルコキシ基もしくはシアノ基、又はR
3
と互いに結合して環構造を形成しており、
R
6
は、H、フェニル基、アルキル基、アルコキシ基もしくはシアノ基、又はR
5
と互いに結合して環構造を形成している)
請求項1に記載のフォトクロミック組成物。
【請求項5】
前記R
1
及びR
2
が、炭素数1~4のアルキル基である、請求項4に記載のフォトクロミック組成物。
【請求項6】
前記Zがフッ素原子(F)であり、前記R
3
及びR
5
がHであり、前記R
4
及びR
6
がフェニル基である、請求項4に記載のフォトクロミック組成物。
【請求項7】
前記ジアリールエテン化合物が下記一般式(III)
JPEG
2024126444000017.jpg
38
70
(式中、TMSはSi(CH
3
)
3
である)
で表される、請求項1~6のいずれか1項に記載のフォトクロミック組成物。
【請求項8】
請求項1~6のいずれか1項に記載のフォトクロミック組成物を含む、温度センサー。
【請求項9】
請求項1~6のいずれか1項に記載のフォトクロミック組成物を含む、識別コード。
【請求項10】
(i) 上記一般式(I)で表されるジアリールエテン化合物(式(I)中、Aは、ヘテロ原子や置換基を含んでいてもよい、環を形成している炭素数3~7の二価の炭化水素基であり、
Y
1
及びY
2
は互いに独立して、炭素原子(C)又は窒素原子(N)であり、
3つのR
1
及びR
2
は互いに独立して、置換基を有していてもよい、アルキル基又は芳香族基であり、
R
3
は、Y
1
がCである場合には、水素原子(H)、置換基を有していてもよい、フェニル基、アルキル基、アルコキシ基もしくはシアノ基、又はR
4
と互いに結合して環構造を形成しており、Y
1
がNである場合には、電子対であり、
R
4
は、H、置換基を有していてもよい、フェニル基、アルキル基、アルコキシ基もしくはシアノ基、又はR
3
と互いに結合して環構造を形成しており、
R
5
は、Y
2
がCである場合には、H、置換基を有していてもよい、フェニル基、アルキル基、アルコキシ基もしくはシアノ基、又はR
6
と互いに結合して環構造を形成しており、Y
2
がNである場合には、電子対であり、
R
6
は、H、置換基を有していてもよい、フェニル基、アルキル基、アルコキシ基もしくはシアノ基、又はR
5
と互いに結合して環構造を形成し、
前記置換基は、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、ニトロ基、シアノ基、並びに、炭素数4までの、ハロゲン原子で置換されていてもよい、直鎖若しくは分岐のアルキル基、アルコキシ基及びカルボキシ基からなる群より選択される) と、
(ii) α-β-α型及び/又はα-β型のブロック共重合体
(ただし、αは、Tgが40℃以上のポリマーであり、βは、Tgが-10℃以下のポリマーである)
とを混合することを特徴とする、フォトクロミック組成物の製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、フォトクロミック組成物、フォトクロミック組成物を含む光機能素子、識別コード、フォトクロミック組成物の製造方法、前駆液、インジケータ組成物及び物品の管理方法に関する。
続きを表示(約 2,900 文字)【背景技術】
【0002】
近年、低温保存技術、低温輸送技術の発達と普及により、多くの食品や医薬品などの物品が冷凍、又は冷蔵の状態で市場などにおいて流通するようになってきている。ここで、冷凍、又は冷蔵の状態の物品の品質や安全性を保つためには、流通過程や貯蔵過程における物品の温度管理が重要になる。しかし、物品が管理温度以上の条件下に曝されたか否かを判断するのは、物品を見ただけでは容易には判別し難い。
【0003】
そのため、フォトクロミズムの技術を利用して物品の温度を管理することが試みられている。フォトクロミズムとは光によって単一の化学種が変化し、色の変わる現象であり、そのような性質を有する化合物をフォトクロミック化合物という。このフォトクロミック化合物を応用して物品の温度管理を行うことが試みられている。例えば、国際公開WO2007/105699号(特許文献1)には、紫外光の照射により着色し、不可逆的に消色するフォトクロミック材料が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
国際公開WO2007/105699号
特願2018-535728号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明者は、これまでに、スイッチング機能(紫外光照射による着色)、着色状態の可視光下での優れた安定性、低温環境下(例えば室温以下)での温度上昇による再生不可能な消色という機能を兼ね備えたフォトクロミック化合物(ジアリールエテン化合物)を見いだしている(特許文献2)。本発明者は、このフォトクロミック化合物をポリマーに混合し、溶媒を除去して固体の状態にした組成物において、液体の状態では色彩の経時変化が反応速度論に従うにもかかわらず、固体の状態では色彩の経時変化が反応速度論に従わないことがあることを新たに発見した。そのため、そのようなフォトクロミック化合物であっても、固体の状態で退色反応が一次反応の反応速度論に従い、時間tに対して着色物の濃度の自然対数をプロットすると、線形性を示すフォトクロミック組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、フォトクロミック化合物と、異なるTgを有するポリマーによるブロック共重合体とを組み合わせることにより、退色反応が一次反応の反応速度論に従い、時間tに対して着色物の濃度の自然対数をプロットすると、線形性を示すフォトクロミック組成物を得ることができることを見いだし、本発明に到った。よって、本発明は、以下の[実施形態1]~[実施形態13]の発明を提供する。
【0007】
[実施形態1]
(i) 下記一般式(I)で表されるジアリールエテン化合物
JPEG
2024126444000002.jpg
41
73
(式(I)中、Aは、ヘテロ原子や置換基を含んでいてもよい、環を形成している炭素数3~7の二価の炭化水素基であり、
Y
1
及びY
2
は互いに独立して、炭素原子(C)又は窒素原子(N)であり、
3つのR
1
及びR
2
は互いに独立して、置換基を有していてもよい、アルキル基又は芳香族基であり、
R
3
は、Y
1
がCである場合には、水素原子(H)、置換基を有していてもよい、フェニル基、アルキル基、アルコキシ基もしくはシアノ基、又はR
4
と互いに結合して環構造を形成しており、Y
1
がNである場合には、電子対であり、
R
4
は、H、置換基を有していてもよい、フェニル基、アルキル基、アルコキシ基もしくはシアノ基、又はR
3
と互いに結合して環構造を形成しており、
R
5
は、Y
2
がCである場合には、H、置換基を有していてもよい、フェニル基、アルキル基、アルコキシ基もしくはシアノ基、又はR
6
と互いに結合して環構造を形成しており、Y
2
がNである場合には、電子対であり、
R
6
は、H、置換基を有していてもよい、フェニル基、アルキル基、アルコキシ基もしくはシアノ基、又はR
5
と互いに結合して環構造を形成し、
前記置換基は、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、ニトロ基、シアノ基、並びに、炭素数4までの、ハロゲン原子で置換されていてもよい、直鎖若しくは分岐のアルキル基、アルコキシ基及びカルボキシ基からなる群より選択される)と、
(ii) α-β-α型及び/又はα-β型のブロック共重合体、
(ただし、αは、Tgが40℃以上のポリマーであり、βは、Tgが-10℃以下のポリマーである)
とを含む、フォトクロミック組成物。
【0008】
[実施形態2]
前記αのTgが80℃以上であり、前記βのTgが-30℃以下である、[実施形態1]に記載のフォトクロミック組成物。
【0009】
[実施形態3]
前記αが、ポリメタクリル酸エステル系ポリマーであり、前記βが、ポリアクリル酸エステル系ポリマーである、[実施形態1]又は[実施形態2]に記載のフォトクロミック組成物。
【0010】
[実施形態4]
前記ジアリールエテン化合物が下記式(II)で表される、
JPEG
2024126444000003.jpg
40
75
(式(II)中、6つのZは互いに独立して、H又はハロゲンであり、
3つのR
1
及びR
2
は互いに独立して、アルキル基又は芳香族基であり、
R
3
は、H、フェニル基、アルキル基、アルコキシ基もしくはシアノ基、又はR
4
と互いに結合して環構造を形成しており、
R
5
は、H、フェニル基、アルキル基、アルコキシ基もしくはシアノ基、又はR
6
と互いに結合して環構造を形成しており、
R
4
は、H、フェニル基、アルキル基、アルコキシ基もしくはシアノ基、又はR
3
と互いに結合して環構造を形成しており、
R
6
は、H、フェニル基、アルキル基、アルコキシ基もしくはシアノ基、又はR
5
と互いに結合して環構造を形成している)
[実施形態1]~[実施形態3]のいずれか1つに記載のフォトクロミック組成物。
(【0011】以降は省略されています)

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