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公開番号
2024166938
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-11-29
出願番号
2023083376
出願日
2023-05-19
発明の名称
異種接合体の製造方法及びその分離方法
出願人
国立大学法人金沢大学
,
公立大学法人大阪
代理人
個人
,
個人
主分類
B05D
3/12 20060101AFI20241122BHJP(霧化または噴霧一般;液体または他の流動性材料の表面への適用一般)
要約
【課題】必要に応じて異種接合体を分離できるように、金属体と樹脂体の分離制御が可能な異種接合体の製造方法及びその分離方法の提供を目的とする。
【解決手段】金属体に粗面を形成する工程と、前記粗面に刺激発泡型高分子を塗布する工程と、前記刺激発泡型高分子を塗布した粗面に対して樹脂体を成形して接合する工程とを備える、異種接合体の製造方法。
【選択図】 図1
特許請求の範囲
【請求項1】
金属体に粗面を形成する工程と、前記粗面に刺激発泡型高分子を塗布する工程と、前記刺激発泡型高分子を塗布した粗面に対して樹脂体を成形して接合する工程とを備える、異種接合体の製造方法。
続きを表示(約 440 文字)
【請求項2】
前記刺激発泡型高分子は、光酸発生剤と化学発泡剤で構成される、請求項1に記載の異種接合体の製造方法。
【請求項3】
前記刺激発泡型高分子は、溶媒に光酸発生剤と化学発泡剤を溶解してあり、
前記粗面に刺激発泡型高分子を塗布した後、さらに揮発防止剤を塗布する工程を有して、前記刺激発泡型高分子及び揮発防止剤を塗布した粗面に対して樹脂体を成形して接合する、請求項2に記載の異種接合体の製造方法。
【請求項4】
請求項1~3のいずれかに記載の製造方法を用いて製造された異種接合体から、前記金属体と樹脂体とを分離する異種接合体の分離方法であって、
前記異種接合体を光照射するステップと、前記光照射した異種接合体を加熱するステップとを備える、異種接合体の分離方法。
【請求項5】
前記光照射するステップは、前記樹脂体を透過して前記刺激発泡型高分子を発泡させる波長の光を照射する、請求項4に記載の異種接合体の分離方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属体と樹脂体で構成される異種接合体を製造する方法と、その金属体と樹脂体を分離する方法に関する。
続きを表示(約 1,700 文字)
【背景技術】
【0002】
特許文献1に、金属表面にレーザー光を照射して凹凸を形成し、凹凸形成部位に直接樹脂等を射出成形する電気電子部品の製造方法が開示されている。
これは、金属表面に凹凸を形成してアンカー効果を高めている。
特許文献2には、金属成形体の接合面に対してレーザー光を連続照射して粗面化し、樹脂成形体との接合強度をより高めた複合成形体の製造方法が開示されている。
【0003】
特許文献1、2に開示するような接合体は、接合界面が強固に安定化され、その分解が容易ではない。
しかし、近年は、資源循環型社会実現への貢献が必要不可欠であり、廃棄時等に異種接合体を金属体と樹脂体とに分離して、各々をリサイクルできることが望まれている。
すなわち、使用時等では接合体が脆弱でない一方で、廃棄時等では安定な接合界面を分解して接合体を解体できることが求められており、本発明者らは、両者を両立可能な技術の開発を試みた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開平10-294024号公報
特開2015-142960号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、必要に応じて異種接合体を分離できるように、金属体と樹脂体の分離制御が可能な異種接合体の製造方法及びその分離方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る異種接合体の製造方法は、金属体に粗面を形成する工程と、前記粗面に刺激発泡型高分子を塗布する工程と、前記刺激発泡型高分子を塗布した粗面に対して樹脂体を成形して接合する工程とを備えることを特徴とする。
【0007】
本発明は、金属体の粗面に樹脂体が入り込んだ状態となって接合する機械的接合(アンカー効果)の際に、金属体と樹脂体の接合界面に刺激発泡型高分子層を形成しておく。
機械的接合にて金属体と樹脂体の接合界面を安定化するので、刺激発泡型高分子は接着性を有する必要がない。
異種接合体を廃棄等する際に刺激発泡型高分子を発泡させることで、金属体と樹脂体の接合強度を低下させて、両者が易剥離しやすくなる。
【0008】
本発明において、前記刺激発泡型高分子は、光酸発生剤と化学発泡剤で構成されることが好ましい。
複数の刺激(例えば、光及び熱刺激)によって刺激発泡型高分子が発泡することで、使用時等に異種接合体が偶発的に分離するような脆弱となる事態を防止できる。
例えば、光酸発生剤は光照射により酸を発生させ、化学発泡剤は酸触媒下の加熱により気体分子を発生させる。
【0009】
本発明において、前記刺激発泡型高分子は、溶媒に光酸発生剤と化学発泡剤を溶解してあり、前記粗面に刺激発泡型高分子を塗布した後、さらに揮発防止剤を塗布する工程を有して、前記刺激発泡型高分子及び揮発防止剤を塗布した粗面に対して樹脂体を成形して接合するものであってもよい。
このように刺激発泡型高分子を塗布した後、さらに揮発防止剤を塗布することで、粗面に刺激発泡型高分子層を形成しやすく、金属体と樹脂体とを分離する際に、例えば、金属体表面に残留する樹脂体の割合が低くなるように剥離しやすい。
揮発防止剤は、例えば、樹脂体と同一成分の樹脂で構成されることで、リサイクル性に優れる。
【0010】
また、本発明に係る異種接合体の分離方法は、上記製造方法を用いて製造された異種接合体から、前記金属体と樹脂体とを分離する異種接合体の分離方法であって、前記異種接合体を光照射するステップと、前記光照射した異種接合体を加熱するステップとを備えることを特徴とする。
前記光照射するステップは、前記樹脂体を透過して前記刺激発泡型高分子を発泡させる波長の光を照射することが好ましく、これにより、樹脂体側から光を照射することで、容易に樹脂体と金属体の間に位置する刺激発泡型高分子を光照射できる。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)
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