TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
10個以上の画像は省略されています。
公開番号2025004983
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-16
出願番号2023104932
出願日2023-06-27
発明の名称薬物依存症の予防及び/又は治療組成物
出願人国立大学法人金沢大学
代理人個人,個人,個人
主分類A61K 31/404 20060101AFI20250108BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約【課題】薬物依存症(特に、ストレスに起因するコカイン依存症)の予防及び/又は治療組成物を提供することである。
【解決手段】ストレスによる薬物欲求増大に関与するmPFC内アドレナリンα1受容体のサブタイプを特定して、さらに、該サブタイプの阻害剤は薬物依存症(特に、ストレスに起因するコカイン依存症)の治療に効果があることを見出して、本発明を完成した。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
アドレナリンα1A受容体阻害活性を有する化合物を有効成分として含む、薬物依存症の予防及び/又は治療組成物。
続きを表示(約 670 文字)【請求項2】
前記アドレナリンα1A受容体阻害活性を有する化合物が、1-(3-ヒドロキシプロピル)-5-[(2R)-2-({2-[2-(2,2,2-トリフルオロエトキシ)フェノキシ]エチル}アミノ)プロピル]-2,3-ジヒドロ-1H-インドール-7-カルボキサミド若しくは1-(4-アミノ-6,7-ジメトキシ-2-キナゾリニル)-4-(2-フラニルカルボニル)ピペラジン塩酸塩又はそれらの薬学的に許容される塩である、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記アドレナリンα1A受容体阻害活性を有する化合物が、5-{(2R)-2-[2-(2-エトキシフェノキシ)エチルアミノ]プロピル}-2-メトキシベンゼンスルホンアミド一塩酸塩若しくは4-アミノ-2-[4-(テトラヒドロ-2-フロイル)-1-ピペラジニル]-6,7-ジメトキシキナゾリン塩酸塩二水和物又はそれらの薬学的に許容される塩である、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
前記薬物はコカインである、請求項1~3のいずれか1に記載の組成物。
【請求項5】
前記薬物依存症はストレスに起因する薬物依存症である、請求項4に記載の組成物。
【請求項6】
1-(3-ヒドロキシプロピル)-5-[(2R)-2-({2-[2-(2,2,2-トリフルオロエトキシ)フェノキシ]エチル}アミノ)プロピル]-2,3-ジヒドロ-1H-インドール-7-カルボキサミドを含む、経鼻投与用薬物依存症の予防及び/又は治療組成物。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、薬物依存症の予防及び/又は治療組成物、特に、コカイン依存症の予防及び/又は治療組成物に関する。
続きを表示(約 2,500 文字)【0002】
(薬物依存)
コカイン、覚醒剤(メタンフェタミン、アンフェタミン)、合成麻薬MDMA(3,4-メチレンジオキシメタンフェタミン)、ヘロイン、ニコチン、アルコール、フェンサイクリジン、ケタミン、大麻、危険ドラッグなどの物質の繰り返し使用は、ヒトにおいて、依存を形成し、様々な精神障害及び神経障害を引き起こすことから、世界中で社会問題となっている。
日本では、危険ドラッグの使用に関連する事故や事件が大きな社会問題になっている。また、ラット、マウスなどの動物に覚醒剤を連続投与すると、惹起される異常行動が投与と共に増大する行動感作が観察される。覚醒剤を繰り返し投与すると、ヒトでは強い精神依存及び覚醒剤精神病を生じ、断薬後もストレス、飲酒や1回の薬物摂取により、覚醒剤精神病が再燃する。
これら依存性薬物の繰り返し投与により生じる薬物依存や精神症状の治療薬としては、現在、精神科領域で使用されている抗精神病薬、抗うつ薬などが使用されるが、一部の症状を抑えるだけであり、根本的に治療できる薬剤は無い。現在のところ、薬物依存症に有効な治療法は確立されていない。
【0003】
(ストレスによる薬物欲求増大のメカニズム)
本発明者らは、ストレスによってなぜ薬物(コカイン)に対する欲求が増大するのかを明らかにしている(参照:非特許文献1)。
麻薬や覚醒剤などによる薬物依存症の治療を困難にしているのは、一旦止めても再び薬物を摂取してしまう再燃である。再燃は、さまざまなきっかけによって引き起こされるが、ストレスはその重要な一因であることが分かっている。しかし、ストレスがなぜ再燃を引き起こすのか、つまり、ストレスによってなぜ薬物に対する欲求が増大するのかは従来分かっていなかった。
【0004】
本発明者らは、薬物欲求に関与することが示唆されている内側前頭前野(medialprefrontal cortex, mPFC)とストレスホルモンとも呼ばれるノルアドレナリン(noradrenaline, NA)に着目し、mPFC神経細胞での情報伝達と細胞の活動に対するNAの影響を調べたところ、NAは興奮性の神経情報伝達を顕著に増大させ,神経活動を上昇させることを発見した。さらに、マウスを用いてストレス負荷によってコカインに対する欲求が増大するモデルを作製し、このマウスのmPFCでNAの作用をブロックしたところ、ストレスによって増大したコカイン欲求が顕著に抑制されることが明らかになった。ストレスにより遊離されたNAがmPFCの過剰な興奮を引き起こし、これにより、コカインに対する欲求が増大されることを示した。
【0005】
アドレナリンα1A受容体阻害活性を有する化合物がコカイン依存性の治療に効果があることは知られていない。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
Neuropharmacology Volume166, April 2020,107968
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の課題は、薬物依存症(特に、ストレスに起因するコカイン依存症)の予防及び/又は治療組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上記課題を解決するために、本発明者らが見出した知見(拘束ストレスによって放出されたNA(ノルアドレナリン)はアドレナリンα1受容体を介して内側前頭前野(mPFC)5層錐体細胞への興奮性神経伝達を促進し、拘束ストレスによるコカイン欲求増大に関与すること)を基にして、ストレスによる薬物欲求増大に関与するmPFC内アドレナリンα1受容体のサブタイプを特定して、さらに、該サブタイプの阻害剤は薬物依存症(特に、ストレスに起因するコカイン依存症)の治療に効果があることを見出して、本発明を完成した。
【0009】
本発明は以下の通りである。
1.アドレナリンα1A受容体阻害活性を有する化合物を有効成分として含む、薬物依存症の予防及び/又は治療組成物。
2.前記アドレナリンα1A受容体阻害活性を有する化合物が、1-(3-ヒドロキシプロピル)-5-[(2R)-2-({2-[2-(2,2,2-トリフルオロエトキシ)フェノキシ]エチル}アミノ)プロピル]-2,3-ジヒドロ-1H-インドール-7-カルボキサミド若しくは1-(4-アミノ-6,7-ジメトキシ-2-キナゾリニル)-4-(2-フラニルカルボニル)ピペラジン塩酸塩又はそれらの薬学的に許容される塩である、前項1に記載の組成物。
3.前記アドレナリンα1A受容体阻害活性を有する化合物が、5-{(2R)-2-[2-(2-エトキシフェノキシ)エチルアミノ]プロピル}-2-メトキシベンゼンスルホンアミド一塩酸塩若しくは4-アミノ-2-[4-(テトラヒドロ-2-フロイル)-1-ピペラジニル]-6,7-ジメトキシキナゾリン塩酸塩二水和物又はそれらの薬学的に許容される塩である、前項1に記載の組成物。
4.前記薬物はコカインである、前項1~3のいずれか1に記載の組成物。
5.前記薬物依存症はストレスに起因する薬物依存症である、前項4に記載の組成物。
6.1-(3-ヒドロキシプロピル)-5-[(2R)-2-({2-[2-(2,2,2-トリフルオロエトキシ)フェノキシ]エチル}アミノ)プロピル]-2,3-ジヒドロ-1H-インドール-7-カルボキサミドを含む、経鼻投与用薬物依存症の予防及び/又は治療組成物。
【発明の効果】
【0010】
本発明の治療組成物は、ストレスに起因するコカイン依存症の治療効果を有する。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する
Flag Counter

関連特許

国立大学法人金沢大学
半導体装置
4か月前
国立大学法人金沢大学
ギ酸燃料電池
5か月前
国立大学法人金沢大学
キラルセンサー
3か月前
国立大学法人金沢大学
xCT機能診断薬
5か月前
国立大学法人金沢大学
燃料電池システム
3か月前
国立大学法人金沢大学
異種接合体の分離方法
3か月前
国立大学法人金沢大学
SGLT機能画像診断薬
5か月前
国立大学法人金沢大学
聴覚器官のための測定装置
4か月前
国立大学法人金沢大学
放射性同位体標識診療薬剤
5か月前
国立大学法人金沢大学
歪センサ及び歪の検知方法
1か月前
国立大学法人金沢大学
酸化物膜のパターン形成方法
5か月前
国立大学法人金沢大学
黄砂の飛来状態判定システム
19日前
国立大学法人金沢大学
燃料電池用電極触媒及び燃料電池
2か月前
株式会社西部技研
ガス濃縮装置
26日前
国立大学法人金沢大学
FOXO阻害剤、及び医薬組成物
7日前
国立大学法人金沢大学
走査型イオンコンダクタンス顕微鏡
5か月前
住友ゴム工業株式会社
水質浄化装置
2か月前
国立大学法人金沢大学
薬物依存症の予防及び/又は治療組成物
6か月前
国立大学法人金沢大学
薬物依存症の予防及び/又は治療組成物
27日前
国立大学法人金沢大学
異種接合体の製造方法及びその分離方法
2か月前
国立大学法人金沢大学
膜電極接合体、その製造方法及び燃料電池
3か月前
国立大学法人金沢大学
悪性グリオーマ再発マーカー及びその使用
4か月前
国立大学法人金沢大学
がんの有機アニオン系輸送体機能画像診断薬
4か月前
国立大学法人金沢大学
膜電極接合体の製造方法及び燃料電池の製造方法
5か月前
国立大学法人金沢大学
酸化亜鉛薄膜の製造方法および太陽電池の製造方法
4か月前
国立研究開発法人物質・材料研究機構
磁気冷凍装置
5か月前
国立大学法人金沢大学
放射性同位元素含有化合物、及びそれを含む骨用医薬
5か月前
トヨタ紡織株式会社
振動刺激装置及び振動刺激方法
6日前
国立大学法人金沢大学
筋線維状組織の製造方法及び筋線維状組織の製造装置
2か月前
国立大学法人金沢大学
3次元印刷方法、力センサの製造方法及び3次元印刷装置
1か月前
国立大学法人金沢大学
膵臓がん抗原に対するVHH抗体及び膵臓がん細胞検出方法
5か月前
国立大学法人金沢大学
プラスチック生分解性評価システム及びプラスチック生分解性評価方法
6か月前
国立大学法人金沢大学
車両方位角推定方法、プログラム、車両方位角推定装置、及び自律移動体
3か月前
国立大学法人金沢大学
腹膜機能評価マーカー、腹膜機能評価キット、及び腹膜透析排液の測定方法
23日前
国立大学法人金沢大学
X線CT検査における被曝線量実測値をCT画像を援用して解析するシステム
4か月前
株式会社小松製作所
作業車両、作業車両を含むシステムおよび作業車両の制御方法
26日前
続きを見る