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公開番号
2025034132
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-03-13
出願番号
2023140320
出願日
2023-08-30
発明の名称
燃料電池システム
出願人
国立大学法人金沢大学
,
株式会社ジェイテクト
代理人
弁理士法人あいち国際特許事務所
主分類
H01M
8/043 20160101AFI20250306BHJP(基本的電気素子)
要約
【課題】リフレッシュ運転時の燃料電池への非可逆的なダメージや電極劣化を抑制するとともに、リフレッシュ運転による出力低下の回復量を増加させることができる燃料電池システムを提供する。
【解決手段】燃料電池システム1では、制御装置により、外部負荷Cに電力を出力する通常運転と、燃料電池10の出力低下を回復するリフレッシュ運転とを1サイクルとして繰り返すように燃料電池の動作状態を制御する。そして、リフレッシュ運転では、液体燃料の供給を停止して外部負荷Cへの出力を停止した状態で燃料電池を放電させる放電動作に加え、放電動作の終了後に、燃料電池10への液体燃料及び酸化剤の供給を停止することにより、外部負荷Cへの出力と燃料電池10の放電を停止する全供給停止動作を行うことができるように構成されている。
【選択図】図3
特許請求の範囲
【請求項1】
液体燃料と酸化剤とを反応させることによって電極反応により電力を出力可能に構成された燃料電池と、
前記燃料電池から外部負荷に電力を出力する通常運転と、前記燃料電池の出力低下を回復するリフレッシュ運転とを1サイクルとして繰り返すように前記燃料電池の動作状態を制御する制御装置と、
を備える燃料電池システムであって、
前記リフレッシュ運転では、
前記燃料電池への液体燃料の供給を停止するとともに前記燃料電池への酸化剤の供給を行うことにより、前記外部負荷への出力を停止した状態で前記燃料電池を放電させる放電動作に加え、
前記放電動作の終了後に、前記燃料電池への液体燃料の供給停止を継続するとともに前記燃料電池への酸化剤の供給を停止することにより、前記外部負荷への出力及び前記燃料電池の放電を停止する全供給停止動作を行うことができるように構成されている、燃料電池システム。
続きを表示(約 780 文字)
【請求項2】
前記制御装置は、特定のサイクルにおけるリフレッシュ運転では前記放電動作と前記全供給停止動作とを行うとともに、その他のサイクルにおけるリフレッシュ運転では前記放電動作のみを行う、請求項1に記載の燃料電池システム。
【請求項3】
前記特定のサイクルを実施するタイミングは、前記放電動作による出力低下回復量の低下度と、前記全供給停止動作による出力低下回復量の増加度とに基づいて決定される、請求項2に記載の燃料電池システム。
【請求項4】
前記制御装置は、全サイクルにおけるリフレッシュ運転で前記放電動作と前記全供給停止動作とを行う、請求項1に記載の燃料電池システム。
【請求項5】
前記放電動作の継続時間は、前記燃料電池のインピーダンスに基づいて決定される、請求項1~4のいずれか一項に記載の燃料電池システム。
【請求項6】
前記制御装置は、前記全供給停止動作の継続時間又は前記全供給停止動作を行うタイミングを調整することにより、前記外部負荷からの要求電力を満たすように制御する、請求項1~4のいずれか一項に記載の燃料電池システム。
【請求項7】
リフレッシュ運転において、前記放電動作の継続時間は所定時間に固定されており、前記全供給停止動作の継続時間は可変となっている、請求項6に記載の燃料電池システム。
【請求項8】
前記通常運転の継続時間が所定時間に固定されている、請求項7に記載の燃料電池システム。
【請求項9】
前記全供給停止動作の継続時間は、予め設定された範囲内で設定される、請求項7に記載の燃料電池システム。
【請求項10】
前記液体燃料はギ酸である、請求項1~4のいずれか一項に記載の燃料電池システム。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料電池システムに関する。
続きを表示(約 2,300 文字)
【背景技術】
【0002】
液体燃料を用いた固体高分子型の燃料電池は、一般に、電解質膜の一方の面にアノード触媒層及びアノード側拡散層が積層され、他方の面にカソード触媒層及びカソード側拡散層が積層されており、アノード側拡散層を介してアノード触媒層に液体燃料が直接供給され且つカソード側拡散層を介してカソード触媒層に酸化剤が外部から供給されることにより電極反応が生じて発電される。このような固体高分子型の燃料電池では、電極反応によりアノード側ではガスが発生して燃料供給が阻害されることや使用による劣化のため、連続運転を行うと徐々に出力が低下する。特許文献1には、運転途中で燃料電池の出力及びアノード側への燃料の供給を停止し、アノード-カソード間をショートすることにより強制的に放電を行うリフレッシュ運転制御を行って出力低下を回復する構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2004-146209号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示の構成では、リフレッシュ運転制御による放電中、アノード側ではアノード側拡散層に残存していた液体燃料の分解反応によって発生した二酸化炭素によりアノード側拡散層が気体状態となり、カソード側拡散層も通常運転時に供給された空気により気体状態となっているため、ショート時間が長いと電解質膜が乾燥して非可逆的なダメージを受ける。また、リフレッシュ運転時は燃料供給が停止されているため、アノード側拡散層に残存していた燃料が消費され尽くした後もリフレッシュ運転制御による放電が継続されると、アノード側電極が腐食されてアノード側電極に非可逆的な劣化が生じることとなる。
【0005】
また、特許文献1に開示の構成では、通常運転及びリフレッシュ運転を継続して行うと、アノード側電極触媒に被毒物質が蓄積することによりリフレッシュ運転による出力低下の回復量が減少する。これにより、リフレッシュ運転を行っても十分な回復量が得られなくなる。その結果、当該リフレッシュ運転は出力低下を抑制する程度の効果しか期待できなくなるため、改善の余地がある。
【0006】
本発明は、リフレッシュ運転時の燃料電池への非可逆的なダメージや電極劣化を抑制するとともに、リフレッシュ運転による出力低下の回復量を増加させることができる燃料電池システムを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様は、
液体燃料と酸化剤とを反応させることによって電極反応により電力を出力可能に構成された燃料電池と、
前記燃料電池から外部負荷に電力を出力する通常運転と、前記燃料電池の出力低下を回復するリフレッシュ運転とをサイクルして運転する制御装置と、
を備える燃料電池システムであって、
前記リフレッシュ運転では、
前記燃料電池への液体燃料の供給を停止するとともに前記燃料電池への酸化剤の供給を行うことにより、前記外部負荷への出力を停止した状態で前記燃料電池を放電させる放電動作に加え、
前記放電動作の終了後に、前記燃料電池への液体燃料の供給停止を継続するとともに前記燃料電池への酸化剤の供給を停止することにより、前記外部負荷への出力及び前記燃料電池の放電を停止する全供給停止動作を行うことができるように構成されている、燃料電池システムにある。
【発明の効果】
【0008】
上記態様の燃料電池システムによれば、リフレッシュ運転において全供給停止動作を行うことにより、電極触媒における被毒物質の除去を促進することができる。これにより、リフレッシュ運転による出力低下の回復量を増加させることができる。また、全供給停止動作は、リフレッシュ運転における放電動作の終了後に行われるため、放電動作による燃料電池への非可逆的なダメージや電極劣化を抑制することができる。
【0009】
以上のごとく、上記態様によれば、リフレッシュ運転時の燃料電池への非可逆的なダメージや電極劣化を抑制するとともに、リフレッシュ運転による出力低下の回復量を増加させることができる燃料電池システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
実施形態1における、燃料電池システムの構成を示す概念図。
実施形態1における、燃料電池の構成を示す概念断面図。
実施形態1における、制御装置の構成を示すブロック図。
実施形態1における、(a)通常運転と、放電動作及び全供給停止動作を含むリフレッシュ運転とのサイクルを説明する概念図、(b)通常運転と、放電動作を含むリフレッシュ運転とのサイクルを説明する概念図。
実施形態1における、リフレッシュ運転直前の通常運転時の出力電圧のサイクルごとの変化を示す概念図。
実施形態1における、燃料電池を放電させたときの燃料電池における(a)インピーダンスに基づくパラメータの時間変化を示す概念図、(b)同パラメータの変化割合の絶対値の時間変化を示す概念図。
実施形態1における、全供給停止動作開始後の燃料電池の内部抵抗の時間変化を示す図。
実施形態1における、燃料電池システム1の運転制御を説明するフロー図。
変形形態における、燃料電池システム1の運転制御を説明するフロー図。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)
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