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公開番号
2025075903
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-05-15
出願番号
2023187402
出願日
2023-11-01
発明の名称
燃料電池システム
出願人
国立大学法人金沢大学
,
株式会社ジェイテクト
代理人
弁理士法人あいち国際特許事務所
主分類
H01M
8/04858 20160101AFI20250508BHJP(基本的電気素子)
要約
【課題】直列接続された複数のセルを含む燃料電池の出力低下の抑制を図ることができる燃料電池システムを提供する。
【解決手段】燃料電池システム1は、複数のセル10a~10cが直列接続されてなる燃料電池10を備え、各セル10a~10cに通電状態を切替可能な放電回路40a~40bが設けられており、セル10a~10cのそれぞれの電流及び電圧を検出する検出部45a~45cを備える。そして、制御装置50によりセル10a~10cが同一タイミングで外部負荷Cに電力を出力する通常運転と、セル10a~10cのそれぞれと放電回路40a~40bとを通電状態にしてセル10a~10cの出力低下を回復するリフレッシュ運転とを1サイクルとして繰り返す。そして、制御装置50は複数のセル10a~10cのうち出力低下を回復するための適正放電時間が最も長い最長適正放電時間T’に到達するまでリフレッシュ運転を継続するように制御する。
【選択図】図3
特許請求の範囲
【請求項1】
液体燃料と酸化剤とを反応させることによって電極反応により電力を出力可能に構成された複数のセルが直列接続されてなる燃料電池と、
前記複数のセルのそれぞれに通電状態を切替可能に設けられた放電回路と、
前記複数のセルのそれぞれの電流及び電圧を検出する検出部と
前記複数のセルが同一タイミングで、前記セルから外部負荷に電力を出力する通常運転と、前記外部負荷への出力を停止するとともに前記放電回路に接続した状態で液体燃料の供給を停止するとともに酸化剤の供給を行うことにより放電させて前記セルの出力低下を回復する放電動作を含むリフレッシュ運転とを1サイクルとして繰り返すように、前記セルの動作状態を制御する制御装置と、
を備え、
前記制御装置は、繰り返される前記サイクルにおいて、前記リフレッシュ運転を、前記複数のセルのうち前記セルの出力低下を回復するための適正放電時間が最も長い最長適正放電時間に到達するまで継続するように制御する、燃料電池システム。
続きを表示(約 1,000 文字)
【請求項2】
前記複数のセルのうち出力低下度が最も大きいものを前記適正放電時間が最も長いセルとする、請求項1に記載の燃料電池システム。
【請求項3】
前記セルの出力低下度は、前記セルのIV特性における傾きのサイクル間での変化割合に基づいて算出される、請求項2に記載の燃料電池システム。
【請求項4】
前記IV特性における傾きは、前記通常運転の開始直後のIV特性の値と、前記通常運転の開始から所定時間経過後のIV特性の値との変化量から算出される、請求項3に記載の燃料電池システム。
【請求項5】
前記リフレッシュ運転において、
前記複数のセルのうち前記適正放電時間が最も長いセルについては、前記最長適正放電時間に到達するまで前記放電動作を継続し、
前記複数のセルのうち前記適正放電時間が最も長いセル以外のセルについては、前記最長適正放電時間に到達するよりも早い時間まで前記放電動作を継続した後、液体燃料の供給停止を継続するとともに前記燃料電池への酸化剤の供給を停止することにより前記外部負荷への出力及び前記セルの放電を停止する全供給停止動作を前記最長適正放電時間に到達するまで継続する、請求項1~4のいずれか一項に記載の燃料電池システム。
【請求項6】
前記複数のセルのうち前記適正放電時間が最も長いセル以外のセルにおける前記放電動作の継続時間はそれぞれの出力低下度に応じて個別に設定される、請求項5に記載の燃料電池システム。
【請求項7】
前記リフレッシュ運転において、前記複数のセルのすべてについて、前記放電動作を前記最長適正放電時間に到達するまで継続する、請求項1~4のいずれか一項に記載の燃料電池システム。
【請求項8】
前記適正放電時間は、前記セルのインピーダンスに基づいて決定される、請求項1~4のいずれか一項に記載の燃料電池システム。
【請求項9】
前記リフレッシュ運転において、前記放電動作として前記最長適正放電時間よりも長い暫定継続時間を設定し、前記暫定継続時間が経過する前に前記適正放電時間が最も長いセルの電流及び電圧がゼロであることを検出した時間を前記最長適正放電時間に決定する、請求項1~4のいずれか一項に記載の燃料電池システム。
【請求項10】
前記液体燃料はギ酸である、請求項1~4のいずれか一項に記載の燃料電池システム。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料電池システムに関する。
続きを表示(約 2,400 文字)
【背景技術】
【0002】
液体燃料を用いた固体高分子型の燃料電池は、一般に、電解質膜の一方の面にアノード触媒層及びアノード側拡散層が積層され、他方の面にカソード触媒層及びカソード側拡散層が積層されており、アノード側拡散層を介してアノード触媒層に液体燃料が直接供給され且つカソード側拡散層を介してカソード触媒層に酸化剤が外部から供給されることにより電極反応が生じて発電する単一のセルを備える。このような固体高分子型の燃料電池では、電極反応によりアノード側ではガスが発生して燃料供給が阻害されることや使用による劣化のため、連続運転を行うと徐々に出力が低下する。特許文献1には、運転途中で燃料電池の出力及びアノード側への燃料の供給を停止し、アノード-カソード間をショートすることにより強制的に放電を行うリフレッシュ運転制御を行って出力低下を回復する構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2004-146209号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、直列接続された複数のセルを含む燃料電池では、複数のセルにおける初期の電池性能が揃っていたとしても、使用に伴ってセル毎に生じる劣化の度合には個体差があるため、劣化による出力低下の程度は複数のセル間で異なる。そして、リフレッシュ運転による出力の回復に要する時間(適正放電時間)は劣化度に応じて長期化するため、複数のセルからなる燃料電池を、単一セルからなる燃料電池と同様に複数のセル全体でリフレッシュ運転を行うと、劣化度の高いセルはリフレッシュ運転による出力の回復が十分に行われず、セル間の出力のバラツキが一層顕著となる。その結果、燃料電池全体として出力回復が十分に行えないだけでなく、燃料電池全体としての出力低下を招くこととなる。
【0005】
本発明は、直列接続された複数のセルを含む燃料電池の出力低下の抑制を図ることができる燃料電池システムを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、
液体燃料と酸化剤とを反応させることによって電極反応により電力を出力可能に構成された複数のセルが直列接続されてなる燃料電池と、
前記複数のセルのそれぞれに通電状態を切替可能に設けられた放電回路と、
前記複数のセルのそれぞれの電流及び電圧を検出する検出部と
前記複数のセルが同一タイミングで、前記セルから外部負荷に電力を出力する通常運転と、前記外部負荷への出力を停止するとともに前記放電回路に接続した状態で液体燃料の供給を停止するとともに酸化剤の供給を行うことにより放電させて前記セルの出力低下を回復する放電動作を含むリフレッシュ運転とを1サイクルとして繰り返すように、前記セルの動作状態を制御する制御装置と、
を備え、
前記制御装置は、繰り返される前記サイクルにおいて、前記リフレッシュ運転を、前記複数のセルのうち前記セルの出力低下を回復するための適正放電時間が最も長い最長適正放電時間に到達するまで継続するように制御する、燃料電池システム。
にある。
【発明の効果】
【0007】
上記態様の燃料電池システムによれば、複数のセルを含む燃料電池を備えるとともに、リフレッシュ運転を複数のセルにおいて出力低下を回復するのに必要な適正放電時間が最も長い最長適正放電時間に到達するまで継続する。そのため、劣化度が進行して適正放電時間が長くなったセルについても、リフレッシュ運転による出力の回復が十分に行われることとなり、セル間の出力のバラツキが拡大することが防止される。複数のセルにおいて、通常運転とリフレッシュ運転のタイミングを一致させることができる。その結果、燃料電池全体として出力回復を十分に行うことができ、燃料電池全体としての出力低下を抑制することができる。
【0008】
以上のごとく、上記態様によれば、直列接続された複数のセルを含む燃料電池の出力低下の抑制を図ることができる燃料電池システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
実施形態1における、燃料電池システムの構成を示す概念図。
実施形態1における、制御装置の構成を示すブロック図。
実施形態1における、通常運転とリフレッシュ運転におけるセルの電圧と電流の時間変化を表した概念図。
実施形態1における、通常運転開始直後と所定時間経過後におけるセルのIIV特性を示す概念図。
実施形態1における、出力正常セルと出力低下セルのリフレッシュ運転時の電圧変化を表す概念図。
実施形態1における、燃料電池システムの運転制御を説明するフロー図。
実施形態2における、燃料電池システムの運転制御を説明するフロー図。
実施形態2における、放電時間と電圧低下量との関係を示す概念図。
実施形態3における、制御装置の構成を示すブロック図。
実施形態3における、燃料電池システムの運転制御を説明するフロー図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(実施形態1)
1.燃料電池システム1の構成
実施形態1では、図1に示すように燃料電池システム1は、燃料電池10と制御装置50とを備える。そして、燃料電池10は、複数のセルとして第1セル10a、第2セル10b、第3セル10cを備えている。なお、セルの数はこれに限定されず2個以上であればよく、要求される出力に応じてセルの数を適宜変更することができる。
(【0011】以降は省略されています)
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