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公開番号
2025160972
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-10-24
出願番号
2024063754
出願日
2024-04-11
発明の名称
トランスフェリンレセプターを認識する物質を含む治療剤の用法用量
出願人
学校法人東海大学
,
国立大学法人金沢大学
,
国立大学法人広島大学
,
株式会社ペルセウスプロテオミクス
代理人
弁理士法人特許事務所サイクス
主分類
A61K
45/00 20060101AFI20251017BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約
【課題】悪性腫瘍の治療剤を提供することである。
【解決手段】赤芽球に発現する標的を認識する物質を含む、治療剤であって、投与期間中において、治療剤が投与された対象における前記物質の血清中濃度が、投与後の最高値から10%以上が維持されるように、前記治療剤が投与される、治療剤。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
赤芽球に発現する標的を認識する物質を含む、治療剤であって、投与期間中において、治療剤が投与された対象における前記物質の血清中濃度が、投与後の最高値から10%以上が維持されるように、前記治療剤が投与される、治療剤。
続きを表示(約 930 文字)
【請求項2】
赤芽球に発現する標的を認識する物質の血中半減期が、ヒトに0.25mg/kg単回投与した場合において24時間以下である、請求項1に記載の治療剤。
【請求項3】
投与期間中において、治療剤が投与された対象における前記物質の血清中濃度が、100ng/mL以上に維持されるように、前記治療剤が投与される、請求項1に記載の治療剤。
【請求項4】
連続する7日間のうち2日以上の各日において1回以上投与される、請求項1に記載の治療剤。
【請求項5】
赤芽球に発現する標的を認識する物質の1回当たりの投与量が0.5mg/kg以上である、請求項1に記載の治療剤。
【請求項6】
1週間の合計投与量が、2.5mg/kg以上である、請求項1に記載の治療剤。
【請求項7】
赤芽球に発現する標的を認識する物質の1回当たりの投与量が0.5mg/kgであり、連続する7日間のうち5日以上の各日において1回以上投与される、請求項1に記載の治療剤。
【請求項8】
合計投与量が40mg/kg以下である、請求項1に記載の治療剤。
【請求項9】
以下の(1)~(3)の何れかの投与方法で投与される、<1>に記載の治療剤。
(1)0.5mg/kgで5日間の連続投与と2日間の休薬期間からなる第1クールと、1.0mg/kgで5日間の連続投与と2日間の休薬期間からなる第2クールと、2.0mg/kgで5日間の連続投与と2日間の休薬期間からなる第3クール以降とを含む投与方法;
(2)1.0mg/kgで5日間の連続投与と2日間の休薬期間からなる第1クールと、2.0mg/kgで5日間の連続投与と2日間の休薬期間からなる第2クール以降とを含む投与方法;または
(3)2.0mg/kgで5日間の連続投与と2日間の休薬期間からなる第1クール以降を含む投与方法;
【請求項10】
赤芽球に発現する標的を認識する物質が、トランスフェリンレセプターを認識する物質である、請求項1に記載の治療剤。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、トランスフェリンレセプターを認識する物質を含む治療剤の用法用量に関する。
続きを表示(約 3,900 文字)
【背景技術】
【0002】
トランスフェリン受容体(Transferrin receptor;TfR)は、トランスフェリン(Tf)と結合した鉄を細胞内に取り込むための細胞膜構造として、最初網状赤血球上にあると同定された。その後、TfRは、赤芽球、胎盤の栄養膜細胞、活性化されたリンパ球、更にさまざまな腫瘍細胞などに発現していることが分かっている。例えば、乳がん、前立腺がん、肺がん、膵臓がん、大腸がん、胃がん、膀胱癌、肝癌、子宮頸がん、脳腫瘍、慢性リンパ性白血病、非ホジキンリンパ腫、成人T細胞白血病におけるTfRの高発現が報告されていた。また、TfRは様々な癌細胞表面に高発現し、正常細胞における発現が低いため、がん治療の分子標的と認識されている。例えば、特許文献1には、トランスフェリン受容体を特異的に認識できる抗体、及び上記抗体を用いた抗がん剤が記載されている。
【0003】
一方、NK細胞腫瘍としては、アグレッシブNK細胞白血病(aggressive NK-cell leukemia:ANKL)、節外性NK/T細胞リンパ腫,鼻型(extranodal NK/T-cell lymphoma, nasal type:ENKL)、および慢性NK細胞増多症(chronic lymphoproliferative disorders of NK cells:CLPD-NK)の3病型が知られている。アグレッシブNK細胞白血病は、免疫細胞の一種であるNK(ナチュラルキラー)細胞に由来する悪性リンパ腫(血液がん)である。アグレッシブNK細胞白血病は、発症すると急激に病態が悪化する、劇症型の難治性造血系悪性疾患である。発症例はアジア及び中南米の一部と地域限定的である上、日本における新規発症者数は年間数十人程度という超希少疾患であるため、その発症原因は解明されておらず、効果的な標準治療法の早期確立が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
国際公開WO2014/073641号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ANKL患者由来細胞を移植したPDXマウスに抗トランスフェリン受容体(TfR)抗体を投与した所、極めて高い効果が得られた(PCT/JP2023/15337)。しかしながら、抗TfR抗体は、ヒトやサルに投与するとクリアランスが極めて速く、全く暴露が稼げないという問題がある。本発明は、対象において抗TfR抗体への十分な暴露を達成できるような治療剤の用法用量を規定することを解決すべき課題とした。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは上記課題を解決するために検討した結果、ヒト安全性試験(Ph1治験)のPKデータを基に動態シミュレーション式を構築し、このシミュレーションで暴露が一定以上になるような用法用量を設定し、設定した用法用量で実際にサルに抗TfR抗体を投与してみたところ、一定の暴露維持をもたらす最適な用法用量を見出し、本発明を完成した。
【0007】
即ち、本発明によれば、以下の発明が提供される。
<1> 赤芽球に発現する標的を認識する物質を含む、治療剤であって、投与期間中において、治療剤が投与された対象における前記物質の血清中濃度が、投与後の最高値から10%以上が維持されるように、前記治療剤が投与される、治療剤。
<2> 赤芽球に発現する標的を認識する物質の血中半減期が、ヒトに0.25mg/kg単回投与した場合において24時間以下である、<1>に記載の治療剤。
<3> 投与期間中において、治療剤が投与された対象における前記物質の血清中濃度が、100ng/mL以上に維持されるように、前記治療剤が投与される、<1>に記載の治療剤。
<4> 連続する7日間のうち2日以上の各日において1回以上投与される、<1>に記載の治療剤。
<5> 赤芽球に発現する標的を認識する物質の1回当たりの投与量が0.5mg/kg以上である、<1>に記載の治療剤。
<6> 1週間の合計投与量が、2.5mg/kg以上である、<1>に記載の治療剤。
<7> 赤芽球に発現する標的を認識する物質の1回当たりの投与量が0.5mg/kgであり、連続する7日間のうち5日以上の各日において1回以上投与される、<1>に記載の治療剤。
<8> 合計投与量が40mg/kg以下である、<1>に記載の治療剤。
<9> 以下の(1)~(3)の何れかの投与方法で投与される、<1>に記載の治療剤。
(1)0.5mg/kgで5日間の連続投与と2日間の休薬期間からなる第1クールと、1.0mg/kgで5日間の連続投与と2日間の休薬期間からなる第2クールと、2.0mg/kgで5日間の連続投与と2日間の休薬期間からなる第3クール以降とを含む投与方法;
(2)1.0mg/kgで5日間の連続投与と2日間の休薬期間からなる第1クールと、2.0mg/kgで5日間の連続投与と2日間の休薬期間からなる第2クール以降とを含む投与方法;または
(3)2.0mg/kgで5日間の連続投与と2日間の休薬期間からなる第1クール以降を含む投与方法;
<10> 赤芽球に発現する標的を認識する物質が、トランスフェリンレセプターを認識する物質である、<1>に記載の治療剤。
<11> NK細胞腫瘍の治療剤である、<1>に記載の治療剤。
<12> NK細胞腫瘍が、アグレッシブNK細胞白血病、または節外性NK/T細胞リンパ腫,鼻型(extranodal NK/T-cell lymphoma,nasal type:ENKL)である、<11>に記載の治療剤。
<13> トランスフェリンレセプターを認識する物質が、トランスフェリンレセプターを認識する抗体である、<10>に記載の治療剤。
<14> トランスフェリンレセプターを認識する抗体が、ヒトトランスフェリンレセプターを認識する抗体である、<13>に記載の治療剤。
<15> ヒトトランスフェリンレセプターを認識する抗体が、ヒトトランスフェリンレセプターの629番目~633番目のアミノ酸を認識する抗体、又はヒトトランスフェリンレセプターの629番目~633番目のアミノ酸への他の抗体の結合を阻害する抗体である、<13>に記載の治療剤。
<16> 前記抗体が、重鎖第1相補性決定領域(VH CDR1)、重鎖第2相補性決定領域(VH CDR2)、重鎖第3相補性決定領域(VH CDR3)がそれぞれ配列番号1、2、3であり、及び軽鎖第1相補性決定領域(VL CDR1)、軽鎖第2相補性決定領域(VL CDR2)、軽鎖第3相補性決定領域(VL CDR3)がそれぞれ配列番号4、5、6である抗体である、<13>に記載の治療剤。
<17> 前記抗体が、重鎖が配列番号7を有し、軽鎖が配列番号8を有する抗体である、<13>に記載の治療剤。
<18> 抗体がヒト抗体又はヒト化抗体である、<13>に記載の治療剤。
<19> 抗体が、Fab、Fab'、F(ab')
2
、一本鎖抗体(scFv)、多重特異性抗体、ジスルフィド安定化V領域(dsFv)およびCDRを含むペプチドからなる群から選ばれる抗体断片である、<13>に記載の治療剤。
【0008】
(A) 赤芽球に発現する標的を認識する物質を、治療を必要とする対象に投与することを含む、治療方法であって、投与期間中において、治療剤が投与された対象における前記物質の血清中濃度が、投与後の最高値から10%以上が維持されるように、前記治療剤が投与される、方法。
(B) NK細胞腫瘍などの治療において使用するための、赤芽球に発現する標的を認識する物質であって、投与期間中において、治療剤が投与された対象における前記物質の血清中濃度が、投与後の最高値から10%以上が維持されるように、前記治療剤が投与される物質。
(C) NK細胞腫瘍などのための治療剤の製造のための、赤芽球に発現する標的を認識する物質の使用であって、投与期間中において、治療剤が投与された対象における前記物質の血清中濃度が、投与後の最高値から10%以上が維持されるように、前記治療剤が投与される、使用。
【発明の効果】
【0009】
本発明の治療剤は、赤芽球に発現する標的を認識する物質への十分な暴露を達成することができ、NK細胞腫瘍などの治療において有用である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1は、サルに抗体を複数回投与した毒性試験の結果を示す。
図2は、ヒトに単回投与した際の安全性試験の結果を示す。
図3は、TfR436抗体を5日間連続投与した時の血中濃度推移をシミュレートした結果を示す。
図4は、TfR436抗体を2日に1回投与した時の血中濃度推移をシミュレートした結果を示す。
図5は、サルPK試験データを示す。
図6は、PK実測データと動態シミュレーション値の比較を示す。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)
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