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公開番号2025054987
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-04-08
出願番号2023164259
出願日2023-09-27
発明の名称塗料調色方法
出願人トヨタ自動車東日本株式会社
代理人個人
主分類B05D 1/36 20060101AFI20250401BHJP(霧化または噴霧一般;液体または他の流動性材料の表面への適用一般)
要約【課題】内板塗装によるダストを起因とする外観不良を抑制可能な塗料調色方法を提供する。
【解決手段】
本発明にかかる塗料調色方法は、使用予定の外板塗料と内板塗料とを用いて各々塗装し、光沢度計(角度20°)により各塗装面のGs(20°)を測定する工程と、Gs(20°)の測定結果および所定のしきい値に基づいて外板に外観不良が現れるかを予測する工程と、外観不良が現れると判断した場合に光沢度計(角度60°)により各塗装面のGs(60°)を測定して内板Gs(60°)と外板Gs(60°)の比率を算出する工程と、外板塗装による塗装面の明度に基づいて外板反射率を算出する工程と、外板反射率および上記比率に基づいて内板反射率を算出する工程と、内板反射率に基づいて内板明度を算出する工程と、内板明度となるように内板塗料の色調を調色する工程とを含む。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
電着塗装後に、外板に外板用中塗り塗料による外板塗装を行い着色し、さらに、内板に内板用中塗り塗料による内板塗装を行い外板塗装と同一色に着色し、その後、内板および外板にクリア塗装を行う自動車の塗装において、事前に内板用中塗り塗料の色調を調色する塗料調色方法であって、
前記自動車の塗装に使用する予定の外板用中塗り塗料と内板用中塗り塗料とを用いてそれぞれ塗装を行い、光沢度計を使用して、角度20°の設定で各塗装面の光沢度(Gs(20°))を測定する第1の光沢度測定工程と、
前記各塗装面のGs(20°)の測定結果、および過去の実績から予め求めておいた外観不良予測のためのしきい値に基づいて、前記自動車の塗装を実施後の外板の表面に外観不良が現れるかどうかを予測する外観不良予測工程と、
前記外観不良予測工程において外観不良が現れるものと判断した場合に、光沢度計を使用して、角度60°の設定で前記各塗装面の光沢度(Gs(60°))を測定する第2の光沢度測定工程と、
前記各塗装面のGs(60°)の測定結果に基づいて、内板用中塗り塗料による塗装面の光沢度である内板Gs(60°)と外板用中塗り塗料による塗装面の光沢度である外板Gs(60°)の比率を算出する比率算出工程と、
測色計を使用して、外板用中塗り塗料による塗装面のL





色空間を測定し、この測定により得られた明度指数である外板明度に基づいて、外板用中塗り塗料による塗装面の反射率である外板反射率を算出する外板反射率算出工程と、
前記外板反射率および前記比率に基づいて、外観不良を抑制するように修正された反射率である内板反射率を算出する内板反射率算出工程と、
前記内板反射率に基づいて、外観不良を抑制するように修正された明度指数である内板明度を算出する内板明度算出工程と、
前記内板明度となるように、前記自動車の塗装に使用する予定の内板用中塗り塗料の色調を調色する調色工程と、
を含む、
ことを特徴とする塗料調色方法。
続きを表示(約 370 文字)【請求項2】
前記外観不良は、内板塗装による塗料飛沫であるダストを起因とする外観不良である、
ことを特徴とする請求項1に記載の塗料調色方法。
【請求項3】
過去の実績から、外観不良が現れるときの前記各塗装面のGs(20°)の差を、前記しきい値として予め求めておき、
前記外観不良予測工程では、前記しきい値に基づいて外観不良が現れるかどうかを予測する、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の塗料調色方法。
【請求項4】
前記外観不良予測工程において外観不良が現れないと判断した場合には、前記自動車の塗装に使用する予定の内板用中塗り塗料を新たに調色することなく、現状の色調の内板用中塗り塗料を前記自動車の塗装に使用する、
ことを特徴とする請求項3に記載の塗料調色方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、内板塗料の色調を調色する塗料調色方法に関する。
続きを表示(約 1,600 文字)【背景技術】
【0002】
自動車の塗膜は、図4に断面図を模式的に示すように、被塗物1の上に、主に防錆のための電着塗装によるプライマー塗膜(電着膜)2と、中塗り塗膜3と、上塗り塗膜4とを順次積層することによって形成されている。また、上塗り塗膜4は、発色のための顔料を含むベース塗膜(発色塗膜)5と、その上のクリア塗膜6で構成される。
【0003】
上記のように構成される自動車の塗膜において、中塗り塗膜3には、プライマー塗膜2と上塗り塗膜4の密着性の向上や、平滑性の向上の目的の他、耐光劣化性、耐チッピング性および発色性を高めるといった目的もある。特に、エポキシ系カチオン電着塗料によって形成したプライマー塗膜2は、紫外線が大量に照射されると、その表層部が劣化し、その上側の塗膜が剥離することになる。そのため、中塗り塗膜3によってプライマー塗膜2を紫外線から保護し、耐光劣化性を高めることが、従来から行われている。
【0004】
たとえば、下記特許文献1には、プライマー塗膜と中塗り塗膜と上塗り塗膜とを順次積層する自動車の積層塗膜形成方法の一例として、電着塗膜と中塗り塗膜とソリッドカラー塗膜(上塗り塗膜に相当)からなる自動車の塗膜を形成するための塗装方法が開示されている。
【0005】
具体的にいうと、この塗装方法においては、電着膜の上に中塗り塗装を行うことにより中塗り塗膜を形成し、その後、内板に内板専用ソリッドカラー塗料を塗布して内板ソリッドカラー塗膜を形成(内板塗装)し、最後に、外板に外板用ソリッドカラー塗料を塗布して外板ソリッドカラー塗膜を形成(外板塗装)することが記載されている。そして、下記引用文献1には、この塗装方法の実施により外板側に内板塗装による塗料飛沫(ダスト)が塗着すること、さらには、この塗料飛沫により外板側においてボケあるいはツヤボケと呼ばれる凸凹のある塗膜欠陥が現れること、が記載されている。
【0006】
また、近年では、プライマー塗膜上に発色塗膜およびクリア塗膜を順次積層する場合において、たとえば、被塗物(外板および内板)に対してプライマー塗膜(電着膜)を形成後に、外板に中塗り塗装(外板塗装)を行い着色し、さらに内板に中塗り塗装(内板塗装)を行い外板塗装と同一色に着色し、その後、パネル全体(外板、内板)にクリア塗装を行う、積層塗膜形成方法が実施されている。これにより、中塗り塗装工程内において一度も塗料を乾燥させることなく、発色塗膜(中塗り塗膜)が形成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2006-95418号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述した中塗り塗装により着色を行う積層塗膜形成方法において、中塗り塗装工程では、電着塗装後の外板に中塗り塗装(外板塗装)を行い着色し、さらに、内板に中塗り塗装(内板塗装)を行い外板塗装と同一色に着色することにより、内板および外板に中塗り塗膜を形成する。
【0009】
しかしながら、この積層塗膜形成方法の実施により、外板側には内板塗装によるダスト(内板ダストと呼ぶ)が塗着し、内板ダストが塗着した外板にクリア塗装を実施すると、積層塗膜形成後(自動車の塗装を実施後)の外板の表面には内板ダストを起因とする「まだら模様」の外観不良が現れる。
【0010】
本発明は、上記のような課題に鑑みてなされたものであって、内板塗装によりダストが塗着した外板にクリア塗装を実施した場合において、外板の表面に現れる外観不良を抑制することができる塗料調色方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

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