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公開番号
2024158209
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-11-08
出願番号
2023073208
出願日
2023-04-27
発明の名称
異種接合体の分離方法
出願人
国立大学法人金沢大学
,
公立大学法人大阪
代理人
個人
,
個人
主分類
B29B
17/02 20060101AFI20241031BHJP(プラスチックの加工;可塑状態の物質の加工一般)
要約
【課題】金属体と樹脂体を接合させた異種接合体に対して、必要に応じて金属体と樹脂体を分離できる方法の提供を目的とする。
【解決手段】金属体の粗面に対して樹脂体を接合させた異種接合体から、該金属体と樹脂体とをそれぞれ分離する異種接合体の分離方法であって、前記異種接合体に気泡核生成ガスを含浸させる気泡核生成工程と、前記異種接合体に含浸させた気泡核生成ガスを発泡させる発泡工程とを備える。
【選択図】 図2
特許請求の範囲
【請求項1】
金属体の粗面に対して樹脂体を接合させた異種接合体から、該金属体と樹脂体とをそれぞれ分離する異種接合体の分離方法であって、
前記異種接合体に気泡核生成ガスを含浸させる気泡核生成工程と、
前記異種接合体に含浸させた気泡核生成ガスを発泡させる発泡工程とを備える、異種接合体の分離方法。
続きを表示(約 310 文字)
【請求項2】
前記気泡核生成工程は、前記異種接合体と気泡核生成ガスとを耐圧容器内に封入し、該耐圧容器内を高圧状態にする、請求項1記載の異種接合体の分離方法。
【請求項3】
前記発泡工程は、前記気泡核生成工程により気泡核生成ガスを含浸させた異種接合体を所定の温度に加熱する、請求項1記載の異種接合体の分離方法。
【請求項4】
前記気泡核生成工程において、前記耐圧容器内を10MPa以上にする、請求項2記載の異種接合体の分離方法。
【請求項5】
前記発泡工程において、前記所定の温度は、前記樹脂体を構成する樹脂のガラス転移温度以下である、請求項3記載の異種接合体の分離方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属体と樹脂体を接合させた異種接合体の分離方法に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)
【背景技術】
【0002】
接着剤を使用しないで金属体と樹脂体を直接接合させる技術が注目されている。
例えば特許文献1には、金属表面にレーザー光を照射して凹凸を形成し、凹凸形成部位に樹脂等を射出成形する電気電子部品の製造方法が開示されており、金属表面に凹凸を形成してアンカー効果を高めている。
特許文献2には、金属成形体の接合面に対してレーザー光を連続照射して粗面化し、樹脂成形体との接合強度を高めた複合成形体の製造方法が開示されている。
【0003】
このような接合体は、接合界面が強固に安定化されて分解が容易でない。
しかしながら、資源循環型社会実現への貢献が必要不可欠な現代社会においては、異種接合体を金属体と樹脂体とに分離して、各々のリサイクル化が望まれている。
そして、廃棄時等では安定な接合界面を分解して接合体を解体できる一方で、使用時等では接合体が脆弱でないことが求められており、両者を両立可能な技術が望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開平10-294024号公報
特開2015-142960号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、金属体と樹脂体を接合させた異種接合体に対して、必要に応じて金属体と樹脂体を分離できる方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る異種接合体の分離方法は、金属体の粗面に対して樹脂体を接合させた異種接合体から、該金属体と樹脂体とをそれぞれ分離する異種接合体の分離方法であって、前記異種接合体に気泡核生成ガスを含浸させる気泡核生成工程と、前記異種接合体に含浸させた気泡核生成ガスを発泡させる発泡工程とを備えることを特徴とする。
【0007】
強固に安定化された接合界面を剥離して分解するには、界面の凝縮エネルギーに打ち勝つほどの熱力学的な仕事、すなわち体積膨張を接合界面で起こす必要がある。
そこで本発明は、外部刺激に誘起された気泡核生成を起点とする発泡現象により、マクロな体積膨張を起こして、異種接合体の接合界面を自在に分解する。
外部刺激(気泡核生成工程)を第1刺激とし、発泡誘因刺激(発泡工程)を第2刺激として、複数の刺激により金属体と樹脂体を分離することで、使用時等に異種接合体が脆弱となる(偶発的に分離する)のを防止できる。
【0008】
本発明において、前記気泡核生成工程は、前記異種接合体と気泡核生成ガスとを耐圧容器内に封入し、該耐圧容器内を高圧状態にしてもよい。
例えば、異種接合体と気泡核生成ガスとを耐圧容器中に封入するステップと、耐圧容器内を高圧状態にするステップと、耐圧容器内を降圧するステップを有してもよい。
異種接合体と気泡核生成ガス(例えば、二酸化炭素ガス)を耐圧容器内に封入して高圧状態にすることで、樹脂に気泡核生成ガスが含浸し、接合界面に気泡核が生成される。
【0009】
本発明において、前記発泡工程は、前記気泡核生成工程により気泡核生成ガスを含浸させた異種接合体を所定の温度に加熱してもよい。
例えば、耐圧容器内から気泡核生成ガスを含浸させた異種接合体を取り出すステップと、気泡核生成ガスを含浸させた異種接合体を所定の温度に加熱するステップを有してもよい。
気泡核生成ガスを含浸させた異種接合体に加熱処理を施すことによって、気泡核生成工程で出現した気泡核が膨張し、接合界面に隙間が形成されて強度が低下する。
【0010】
例えば、気泡核生成工程において、前記耐圧容器内を10MPa以上にしてもよい。
これにより、発泡工程において、加熱温度が低温域であっても金属体と樹脂体の分離に必要なエネルギーを小さくしやすい。
例えば、発泡工程において、前記所定の温度は、前記樹脂体を構成する樹脂のガラス転移温度以下であってもよい。
これにより、金属体と樹脂体の接合界面を分解して異種接合体を解体した際に、金属体表面に残留する樹脂体の割合を低くしやすい。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)
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