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公開番号
2024140136
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-10-10
出願番号
2023051140
出願日
2023-03-28
発明の名称
貴金属ナノ粒子の製造方法
出願人
三菱マテリアル株式会社
,
公立大学法人大阪
代理人
個人
,
個人
,
個人
,
個人
主分類
B22F
9/24 20060101AFI20241003BHJP(鋳造;粉末冶金)
要約
【課題】酵母を用いて生成した貴金属ナノ粒子を、低コストで効率的に酵母から分離することが可能な貴金属ナノ粒子の製造方法を提供する。
【解決手段】貴金属イオンを含む溶液に酵母を加えて撹拌して、前記酵母の表面に貴金属を吸着させる貴金属吸着工程と、貴金属が吸着された前記酵母に還元剤を加えて、前記酵母の表面に前記貴金属のナノメートルサイズの粒子である貴金属ナノ粒子を生成させるナノ粒子化工程と、を有し、前記還元剤は、ヒドロキシルアミン、アスコルビン酸、ギ酸、過酸化水素のうち、少なくとも1種を含む。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
貴金属イオンを含む溶液に酵母を加えて撹拌して、前記酵母の表面に貴金属を吸着させる貴金属吸着工程と、
貴金属が吸着された前記酵母に還元剤を加えて、前記酵母の表面に前記貴金属のナノメートルサイズの粒子である貴金属ナノ粒子を生成させるナノ粒子化工程と、を有し、
前記還元剤は、ヒドロキシルアミン、アスコルビン酸、ギ酸、過酸化水素のうち、少なくとも1種を含むこと、を特徴とする貴金属ナノ粒子の製造方法。
続きを表示(約 570 文字)
【請求項2】
前記ナノ粒子化工程は、前記貴金属吸着工程の完了後、48時間以内に行うこと、を特徴とする請求項1に記載の貴金属ナノ粒子の製造方法。
【請求項3】
前記ナノ粒子化工程は、表面に貴金属が吸着した前記酵母または前記還元剤を、30℃以上、100℃未満の範囲にすること、を特徴とする請求項1または2に記載の貴金属ナノ粒子の製造方法。
【請求項4】
前記酵母は、サッカロマイセス属、ジゴサッカロマイセス属、シゾサッカロマイセス属、デバリオマイセス属のうち、いずれか1種または2種以上を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の貴金属ナノ粒子の製造方法。
【請求項5】
前記貴金属は、金、白金、銀、パラジウム、ロジウム、イリジウム、ルテニウム、オスミウムのうち、いずれか1種または2種以上を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の貴金属ナノ粒子の製造方法。
【請求項6】
前記貴金属ナノ粒子は、平均粒子径が1nm以上、100nm以下の範囲であることを特徴とする請求項1または2に記載の貴金属ナノ粒子の製造方法。
【請求項7】
前記ナノ粒子化工程は、pH-3~4の酸性で行うこと、を特徴とする請求項1または2に記載の貴金属ナノ粒子の製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
この発明は、貴金属イオンを含む溶液から貴金属ナノ粒子を生成させる貴金属ナノ粒子の製造方法に関する。
続きを表示(約 1,700 文字)
【背景技術】
【0002】
貴金属(Au,Ag,Pt,Pd,Rh,Ir,Ru,Os)をナノサイズの粒子状にした貴金属ナノ粒子は、触媒、バイオセンサー、メモリ、医療材料、抗菌材料などの分野での利用が増大しつつある。こうした貴金属ナノ粒子の安定した供給源として、貴金属を含む廃棄物が着目されている。
例えば、特許文献1には、廃棄物由来の貴金属溶出液に酵母を加えて貴金属を吸着させた後、貴金属が吸着された酵母に還元剤を加えて貴金属ナノ粒子を生成する貴金属回収方法が開示されている。
また、例えば特許文献2や特許文献3には、化学還元剤を用いずに微生物を反応場として金属ナノ粒子を作製する手法として、微生物独自の還元作用、いわゆるバイオミネラリゼーションを利用して金属ナノ粒子を生成する方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2023-004079号公報
特開2018-035413号公報
特開2017-020100号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1~3に開示されているような、酵母を用いた貴金属ナノ粒子の製造方法では、生成される貴金属ナノ粒子の多くが、酵母の内部で生成されることが確認されている。即ち、酵母の表面で貴金属イオンは吸着されるが、時間の経過に伴って貴金属イオンが酵母の細胞壁内部に取り込まれた後に貴金属イオンの還元が開始されることによって、酵母の細胞壁内部で貴金属ナノ粒子が生成すると考えられている。
【0005】
このように、酵母の内部に貴金属ナノ粒子が取り込まれると、貴金属ナノ粒子を酵母から分離する際に、酵母の細胞壁を破壊して細胞構成物と貴金属ナノ粒子とを分離する工程が必要となる。しかしながら、物理的に細胞壁を破壊する場合、貴金属ナノ粒子と細胞構成物が強固に結合、混合してしまうため、分離が非常に困難であるという課題があった。一方、化学的に細胞壁を破壊する場合、例えば酵母に対するザイモリアーゼ等といった高価な酵素を用いる必要があり、分離に係るコストが高くなるという課題があった。
【0006】
この発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであって、酵母を用いて生成した貴金属ナノ粒子を、低コストで効率的に酵母から分離することが可能な貴金属ナノ粒子の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の一実施形態の貴金属ナノ粒子の製造方法は、以下の手段を提案している。
(1)本発明の態様1の貴金属ナノ粒子の製造方法は、貴金属イオンを含む溶液に酵母を加えて撹拌して、前記酵母の表面に貴金属を吸着させる貴金属吸着工程と、貴金属が吸着された前記酵母に還元剤を加えて、前記酵母の表面に前記貴金属のナノメートルサイズの粒子である貴金属ナノ粒子を生成させるナノ粒子化工程と、を有し、前記還元剤は、ヒドロキシルアミン、アスコルビン酸、ギ酸、過酸化水素のうち、少なくとも1種を含むこと、を特徴とする。
【0008】
(2)本発明の態様2は、態様1の貴金属ナノ粒子の製造方法において、前記ナノ粒子化工程は、前記貴金属吸着工程の完了後、48時間以内に行うこと、を特徴とする。
【0009】
(3)本発明の態様3は、態様1または2の貴金属ナノ粒子の製造方法において、前記ナノ粒子化工程は、表面に貴金属が吸着した前記酵母または前記還元剤を、30℃以上、100℃未満の範囲にすること、を特徴とする。
【0010】
(4)本発明の態様4は、態様1から3のいずれか1つの貴金属ナノ粒子の製造方法において、前記酵母は、サッカロマイセス属、ジゴサッカロマイセス属、シゾサッカロマイセス属、デバリオマイセス属のうち、いずれか1種または2種以上を含むことを特徴とする。
(【0011】以降は省略されています)
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