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公開番号2024176909
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-19
出願番号2023095779
出願日2023-06-09
発明の名称化粧シート及び化粧シートの製造方法
出願人TOPPANホールディングス株式会社
代理人個人,個人
主分類B32B 27/00 20060101AFI20241212BHJP(積層体)
要約【課題】層間剥離等の発生を抑制し、より高い耐候性を有する化粧シートを提供する。
【解決手段】化粧シート10は、基材層1と絵柄層2と接着層3と透明樹脂層4と表面保護層5とがこの順に積層されてなり、接着層3は、接着性樹脂と硬化剤とを含み、さらに紫外線吸収剤及び光安定化剤を含み、紫外線吸収剤は、2-(4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジン-2-イル)-5-ヒドロキシフェニルとオキシラン[(C10-C16アルキルオキシ)メチル]オキシランとの反応生成物を含み、光安定化剤は、デカン二酸ビス(2,2,6,6-テトラメチル-1-(オクチルオキシ)-4-ピペリジニル)エステルと1,1-ジメチルエチルヒドロペルオキシドとオクタンとの反応生成物を含み、これらの添加量が、接着性樹脂の質量を100質量部としたとき、それぞれ0.5質量部以上5質量部以下である。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
樹脂基材と絵柄層と接着層と透明樹脂層と表面保護層とがこの順に積層され、
前記接着層は、接着性樹脂及び硬化剤を含むと共に、さらに紫外線吸収剤及び光安定化剤を含み、
前記紫外線吸収剤は、2-(4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジン-2-イル)-5-ヒドロキシフェニルとオキシラン[(C10-C16アルキルオキシ)メチル]オキシランとの反応生成物を含み、
前記光安定化剤は、デカン二酸ビス(2,2,6,6-テトラメチル-1-(オクチルオキシ)-4-ピペリジニル)エステルと1,1-ジメチルエチルヒドロペルオキシドとオクタンとの反応生成物を含み、
前記接着性樹脂の質量を100質量部としたとき、前記紫外線吸収剤の添加量が0.5質量部以上5質量部以下であり、前記光安定化剤の添加量が0.5質量部以上5質量部以下であることを特徴とする化粧シート。
続きを表示(約 640 文字)【請求項2】
前記接着性樹脂は、反応基を有するポリエーテル系ウレタン樹脂であり、
前記接着層は、0.5μm以上3μm以下の範囲内の厚みを有することを特徴とする請求項1に記載の化粧シート。
【請求項3】
樹脂基材と絵柄層と接着層と透明樹脂層と表面保護層とがこの順に積層される化粧シートの製造方法であって、
前記接着層は、接着性樹脂と硬化剤と紫外線吸収剤と光安定化剤とを含み、
前記接着性樹脂としての、反応基を有するポリエーテル系ウレタン樹脂と、前記紫外線吸収剤としての、2-(4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジン-2-イル)-5-ヒドロキシフェニルとオキシラン[(C10-C16アルキルオキシ)メチル]オキシランとの反応生成物を含む前記接着性樹脂と、デカン二酸ビス(2,2,6,6-テトラメチル-1-(オクチルオキシ)-4-ピペリジニル)エステルと1,1-ジメチルエチルヒドロペルオキシドとオクタンとの反応生成物を含む前記光安定化剤と、前記硬化剤と、を含む水性塗工液を、前記絵柄層の前記樹脂基材とは逆側の面に塗布することで、前記接着層を0.5μm以上3μm以下の厚さで形成する工程を備え、
前記接着性樹脂の質量を100質量部としたとき、前記紫外線吸収剤の添加量が0.5質量部以上5質量部以下であり、前記光安定化剤の添加量が0.5質量部以上5質量部以下であることを特徴とする化粧シートの製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、化粧シート及び化粧シートの製造方法に関する。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
建築物の内外装や建具、家具等の表面等に使用される化粧シートは、近年の使用環境の多様化に伴い、高機能化への要望が高くなってきている。物性面では、耐傷性、耐汚染性、耐候性など、一部トレードオフとなる物性を両立するため、様々な工夫が施され、優れた性能の化粧シートが開発されている。特に光、熱、水などの複合要因で劣化が著しく生じるのが耐候性であり、内装用途であっても高性能が要求されている。耐候性向上対策としては、紫外線吸収剤や光安定化剤の添加で対策を講じるのが一般的である。なお、化粧シートにおける耐候性向上を意図し、紫外線吸収剤や光安定化剤を添加した技術としては、例えば特許文献1に記載の技術がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2018-203866号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
化粧シートは、近年、外装用途にも展開しており、耐候性、耐傷性、耐汚染性などの物性向上とその安定性が課題になっている。化粧シートにおいては、耐候性を向上するため、紫外線吸収剤や光安定化剤等を、表層側に添加することが一般的であり、例えば、最表層となる表面保護層、およびその下に位置し、膜厚の大きい透明樹脂層に添加するのが一般的である。耐候性を向上するためにはこれら紫外線吸収剤や光安定化剤の添加量を多くすることが一般的であるが、表面保護層においては、紫外線吸収剤や光安定化剤の添加量を多くすると、その他の重要物性である耐傷性や耐汚染性等を低下させる可能性がある。つまり、従来の化粧シートにおいては、耐候性の向上と、耐傷性や耐汚染性の向上とは、所謂トレードオフの関係にある。特に、化粧シートを外装用途で用いた場合等には、化粧シートの表層側に耐候剤を添加しても層間剥離等が生じることがあり、より高い耐候性を有する化粧シートが望まれていた。
【0005】
本発明は、上記のような点に着目してなされたものであり、層間剥離等の発生を抑制し、より高い耐候性を有する化粧シート及び化粧シートの製造方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は、鋭意検討を重ねた結果、特に接着層を備えた化粧シートにおいては、外装用途で用いた場合に接着層の部分で劣化が生じ、これにより層間剥離が生じることで化粧シートの耐候性が低下することに着目し、接着層に特定の耐候剤を添加することによって、化粧シートの耐候性が向上することを見いだした。
本発明の一態様に係る化粧シートは、樹脂基材と絵柄層と接着層と透明樹脂層と表面保護層とがこの順に積層され、前記接着層は、接着性樹脂及び硬化剤を含むと共に、さらに紫外線吸収剤及び光安定化剤を含み、前記紫外線吸収剤は、2-(4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジン-2-イル)-5-ヒドロキシフェニルとオキシラン[(C10-C16アルキルオキシ)メチル]オキシランとの反応生成物を含み、前記光安定化剤は、デカン二酸ビス(2,2,6,6-テトラメチル-1-(オクチルオキシ)-4-ピペリジニル)エステルと1,1-ジメチルエチルヒドロペルオキシドとオクタンとの反応生成物を含み、前記接着性樹脂の質量を100質量部としたとき、前記紫外線吸収剤の添加量が0.5質量部以上5質量部以下であり、前記光安定化剤の添加量が0.5質量部以上5質量部以下であることを特徴としている。
【0007】
また、本発明の他の態様に係る化粧シートの製造方法は、樹脂基材と絵柄層と接着層と透明樹脂層と表面保護層とがこの順に積層される化粧シートの製造方法であって、前記接着層は、接着性樹脂と硬化剤と紫外線吸収剤と光安定化剤とを含み、前記接着性樹脂としての、反応基を有するポリエーテル系ウレタン樹脂と、前記紫外線吸収剤としての、2-(4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジン-2-イル)-5-ヒドロキシフェニルとオキシラン[(C10-C16アルキルオキシ)メチル]オキシランとの反応生成物を含む前記接着性樹脂と、デカン二酸ビス(2,2,6,6-テトラメチル-1-(オクチルオキシ)-4-ピペリジニル)エステルと1,1-ジメチルエチルヒドロペルオキシドとオクタンとの反応生成物を含む前記光安定化剤と、前記硬化剤と、を含む水性塗工液を、前記絵柄層の前記樹脂基材とは逆側の面に塗布することで、前記接着層を0.5μm以上3μm以下の厚さで形成する工程を備え、前記接着性樹脂の質量を100質量部としたとき、前記紫外線吸収剤の添加量が0.5質量部以上5質量部以下であり、前記光安定化剤の添加量が0.5質量部以上5質量部以下であることを特徴としている。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一態様によれば、天候に起因する接着層における劣化を抑制し、化粧シートの耐候性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本発明の一実施形態に係る化粧シートの一例を模式的に示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明について詳細に記述する。なお、図1は模式的に示した図であり、各部の大きさや形状等は理解を容易にするため適宜誇張して示している。また、以下に示す実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための構成を例示するものであって、本発明の技術的思想は構成部品の材質、形状、構造等が下記のものに限定されるものではない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
(【0011】以降は省略されています)

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