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公開番号2024176628
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-19
出願番号2023095339
出願日2023-06-09
発明の名称サブマージアーク溶接システム
出願人株式会社ダイヘン
代理人個人,個人
主分類B23K 9/18 20060101AFI20241212BHJP(工作機械;他に分類されない金属加工)
要約【課題】台車を用いたサブマージアーク溶接において、台車の転倒を防止できるサブマージアーク溶接システムを提供する。
【解決手段】サブマージアーク溶接を行うための溶接システムA1において、インバータ回路25を有し電力を供給する溶接電源装置2と、溶接ワイヤを送給するワイヤ送給装置5と、溶接ワイヤの先端を突出させ、被溶接物Wの溶接を行う溶接トーチ3と、溶接トーチ3が搭載され、溶接線に沿って移動する台車4と、溶接電源装置2およびワイヤ送給装置5を制御する制御装置1と、を備えた。制御装置1は、溶接ワイヤと被溶接物Wとの短絡を検出する短絡検出部12と、短絡が検出された場合に、ワイヤ送給装置5による溶接ワイヤの送給を停止させる送給制御部13と、を備えている。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
サブマージアーク溶接を行うためのサブマージアーク溶接システムであって、
インバータ回路を有し電力を供給する溶接電源装置と、
溶接ワイヤを送給するワイヤ送給装置と、
前記溶接ワイヤの先端を突出させ、被溶接物の溶接を行う溶接トーチと、
前記溶接トーチが搭載され、溶接線に沿って移動する台車と、
前記溶接電源装置および前記ワイヤ送給装置を制御する制御装置と、
を備え、
前記制御装置は、
前記溶接ワイヤと前記被溶接物との短絡を検出する短絡検出部と、
短絡が検出された場合に、前記ワイヤ送給装置による前記溶接ワイヤの送給を停止させる送給制御部と、
を備えている、
サブマージアーク溶接システム。
続きを表示(約 480 文字)【請求項2】
前記溶接ワイヤの先端と前記被溶接物との間の第1電圧を検出する電圧センサをさらに備え、
前記短絡検出部は、前記第1電圧が所定電圧以下の状態が第1時間継続した場合に、短絡を検出する、
請求項1に記載のサブマージアーク溶接システム。
【請求項3】
前記送給制御部は、前記ワイヤ送給装置に前記溶接ワイヤの送給を停止させた後、前記溶接ワイヤを反対方向へ送給させる、
請求項1または2に記載のサブマージアーク溶接システム。
【請求項4】
前記台車の傾きを検出する傾き検出部をさらに備え、
前記送給制御部は、前記傾き検出部が、前記台車が水平状態になったことを検出するまで、前記溶接ワイヤを反対方向へ送給させる、
請求項3に記載のサブマージアーク溶接システム。
【請求項5】
作業者に異常を報知する異常報知部をさらに備え、
前記異常報知部は、前記短絡検出部が短絡を検出した場合に、異常を報知する、
請求項1に記載のサブマージアーク溶接システム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、サブマージアーク溶接を行うためのサブマージアーク溶接システムに関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
従来からサブマージアーク溶接が知られている。サブマージアーク溶接は、被溶接物の上に粒上のフラックスを散布し、フラックスの中に溶接ワイヤを送給して、溶接ワイヤの先端と被溶接物との間にアークを発生させて溶接を行うものである。サブマージアーク溶接では、例えば台車を溶接線に沿って移動させることで、溶接個所を移動させながら溶接を行う。サブマージアーク溶接では、太径の溶接ワイヤに大電流を流すことで、厚板を高能率で溶接することができる。特許文献1には、サブマージアーク溶接装置の一例が開示されている。当該サブマージアーク溶接装置は、溶接ワイヤが巻かれたワイヤリール、フラックスが充填されたホッパ、および溶接ヘッドなどが走行台車に搭載されている。走行台車は、溶接線に沿って設けられたレール上を走行する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2007-90410号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
サブマージアーク溶接では、溶接個所がフラックスによって覆われている。したがって、溶接ワイヤが被溶接物に接触して短絡が発生しても、作業者は短絡に気付きにくい。短絡に気付かずに溶接ワイヤの送給が継続されると、台車が転倒する場合がある。
【0005】
図6は、短絡による台車の転倒について説明するための簡略図である。図6(a)に示す溶接システムA100において、ワイヤリール6、ワイヤ送給装置5、および溶接トーチ3が台車4に搭載されている。同図は、台車4の走行方向の後方から見た簡略図である。ワイヤ送給装置5によって送給された溶接ワイヤの先端が溶接トーチ3の先端から電極8として突出し、電極8と被溶接物Wとの間にアークが発生して溶接が行われる。電極8の先端は、フラックス79によって覆われている。なお、図6では、フラックス79を透過させて電極8が見えるように記載している。溶接中に溶接ワイヤ(電極8)の先端が被溶接物Wに接触して短絡が発生しても、実際には外部から視認できない。したがって、作業者は短絡に気付かず、溶接を停止しない。よって、ワイヤ送給装置5は、溶接ワイヤの送給を継続し、溶接ワイヤ(電極8)の先端が被溶接物Wの溶融池に突き刺さる。サブマージアーク溶接では、一般的に、太径の溶接ワイヤが用いられている。したがって、さらに溶接ワイヤの送給が継続すると、図1(b)に示すように、点Xを中心として、台車4を矢印Yの方向に回転させるモーメントが働く。これにより、台車4は傾いた不安定な状態になり、台車が転倒する場合がある。溶接が進むと、台車に搭載されたホッパ内のフラックスの量が減少し、また、台車に搭載されたワイヤリールの溶接ワイヤが減少するので、台車の重心は変化する。台車の重心が溶接個所とは反対側にずれて、バランスの調整が行われる直前に短絡が発生すると、台車が転倒する可能性が高くなる。
【0006】
本発明は、上記した事情のもとで考え出されたものであって、台車を用いたサブマージアーク溶接において、台車の転倒を防止できるサブマージアーク溶接システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によって提供されるサブマージアーク溶接システムは、サブマージアーク溶接を行うためのサブマージアーク溶接システムであって、インバータ回路を有し電力を供給する溶接電源装置と、溶接ワイヤを送給するワイヤ送給装置と、前記溶接ワイヤの先端を突出させ、被溶接物の溶接を行う溶接トーチと、前記溶接トーチが搭載され、溶接線に沿って移動する台車と、前記溶接電源装置および前記ワイヤ送給装置を制御する制御装置と、を備え、前記制御装置は、前記溶接ワイヤと前記被溶接物との短絡を検出する短絡検出部と、短絡が検出された場合に、前記ワイヤ送給装置による前記溶接ワイヤの送給を停止させる送給制御部と、を備えている。
【0008】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記溶接ワイヤの先端と前記被溶接物との間の第1電圧を検出する電圧センサをさらに備え、前記短絡検出部は、前記第1電圧が所定電圧以下の状態が第1時間継続した場合に、短絡を検出する。
【0009】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記送給制御部は、前記ワイヤ送給装置に前記溶接ワイヤの送給を停止させた後、前記溶接ワイヤを反対方向へ送給させる。
【0010】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記台車の傾きを検出する傾き検出部をさらに備え、前記送給制御部は、前記傾き検出部が、前記台車が水平状態になったことを検出するまで、前記溶接ワイヤを反対方向へ送給させる。
(【0011】以降は省略されています)

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