TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
10個以上の画像は省略されています。
公開番号2024175220
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-18
出願番号2023092797
出願日2023-06-06
発明の名称反射型フォトマスクブランク、及び反射型フォトマスクの製造方法
出願人信越化学工業株式会社
代理人個人,個人
主分類G03F 1/24 20120101AFI20241211BHJP(写真;映画;光波以外の波を使用する類似技術;電子写真;ホログラフイ)
要約【解決手段】基板と、極端紫外線領域光である露光光を反射する多層反射膜と、多層反射膜を保護するための保護膜と、露光光を吸収する光吸収膜と、光吸収膜に接して形成されたハードマスクとを備え、光吸収膜が酸素を含有する光吸収膜の酸化層及び光吸収膜を含む多層であり、ハードマスクが第1層、第2層とを含む多層であり、第2層が、酸素を含有する第2層の上方ハードマスク層2A層及び下方ハードマスク層2Bを含む多層である反射型フォトマスクブランク。
【効果】レジスト膜の厚さを薄くすることができ、レジストパターンの縦横比(アスペクト比)を低くして、線幅が20nm程度のアシストパターンを良好に形成することができ、反射型フォトマスクの転写パターンにおいて、高い解像性が得られる。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
基板と、
前記基板上に形成され、極端紫外線領域光である露光光を反射する多層反射膜と、
前記多層反射膜上に形成された、前記多層反射膜を保護するための保護膜と、
前記保護膜上に形成され、前記露光光を吸収する光吸収膜と、
前記光吸収膜上に設けられたハードマスク膜と、
を備え、
前記光吸収膜は、吸収層と、前記基板から離間する側に設けられた酸素を含有する酸化層、とを含む多層で構成され、
前記光吸収膜の酸化層は、塩素系ドライエッチングに対して耐性を有し、フッ素系ドライエッチングで除去可能な材料で形成され、
前記光吸収膜の吸収層は、酸素を含む塩素系ドライエッチングに対して耐性を有し、酸素を含まない塩素系ドライエッチング及びフッ素系ドライエッチングで除去可能な材料で形成され、
前記ハードマスク膜は、第2層、又は第2層と、第2層の基板から離間する側に形成した第1層を含む多層膜からなり、
前記第1層を含む場合、前記第1層が、塩素系ドライエッチングに対して耐性を有し、フッ素系ドライエッチングで除去可能な材料で形成され、
前記第2層は、基板から離間する側に設けられた酸素を含有する第2層の上方ハードマスク層2A、及び下方ハードマスク層2Bとを含む多層で構成され、
前記第2層の上方ハードマスク層2Aは、塩素系ドライエッチングに対して耐性を有し、フッ素系ドライエッチングで除去可能な材料で形成され、
前記第2層の下方ハードマスク層2Bは、酸素を含む塩素系ドライエッチングに対して耐性を有し、酸素を含まない塩素系ドライエッチング及びフッ素系ドライエッチングで除去可能な材料で構成され、
前記第1層を含まない場合には、前記第2層の上方ハードマスク層2Aを一の条件でフッ素系ドライエッチングした時のエッチングクリアタイムが、前記光吸収膜の吸収層の厚さの1/2を一の条件でフッ素系ドライエッチングしたときのエッチングクリアタイムより短くなり、
前記第1層を含む場合には、前記第1層を一の条件でフッ素系ドライエッチングしたときのエッチングクリアタイムと、前記第2層の上方ハードマスク層2Aを一の条件でフッ素系ドライエッチングしたときのエッチングクリアタイムの合計が、前記光吸収膜の酸化層を一の条件でフッ素系ドライエッチングしたときのエッチングクリアタイムと、前記光吸収膜の吸収層の厚さの1/2を一の条件でフッ素系ドライエッチングしたときのエッチングクリアタイムの合計より短いことを特徴とする反射型フォトマスクブランク。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
前記ハードマスク膜は前記第1層を含み、
前記光吸収膜の吸収層及び前記第1層を前記一の条件でフッ素系ドライエッチングしたときの、前記光吸収膜の吸収層のエッチングレートに対する前記第1層のエッチングレートの比率が0.4以上2.0以下であることを特徴とする請求項1に記載の反射型フォトマスクブランク。
【請求項3】
前記光吸収膜の吸収層及び前記第2層の下方ハードマスク層2Bを前記一の条件でフッ素系ドライエッチングしたときの、前記光吸収膜の吸収層のエッチングレートに対する前記第2層の下方ハードマスク層2Bのエッチングレートの比率が0.7以上1.3以下であることを特徴とする請求項1に記載の反射型フォトマスクブランク。
【請求項4】
前記光吸収膜の吸収層及び前記第2層の下方ハードマスク層2Bを前記一の条件で酸素を含まない塩素系ドライエッチングしたときの、前記光吸収膜の吸収層のエッチングレートに対する前記第2層の下方ハードマスク層2Bのエッチングレートの比率が0.7以上1.3以下であることを特徴とする請求項1に記載の反射型フォトマスクブランク。
【請求項5】
前記ハードマスク膜は前記第1層を含み、
前記第1層が、ケイ素を含有し、クロムを含有しない材料で形成されていることを特徴とする請求項1に記載の反射型フォトマスクブランク。
【請求項6】
前記第2層の上方ハードマスク層2A及び第2層の下方ハードマスク層2Bが、タンタルを含有する材料で構成されていることを特徴とする請求項1に記載の反射型フォトマスクブランク。
【請求項7】
前記ハードマスク膜は前記第1層を含み、
前記第1層の厚さが、2nm以上12nm以下であることを特徴とする請求項1に記載の反射型フォトマスクブランク。
【請求項8】
前記第2層の上方ハードマスク層2A及び第2層の下方ハードマスク層2Bを合計した厚さが、8nm以上30nm以下であることを特徴とする請求項1に記載の反射型フォトマスクブランク。
【請求項9】
前記ハードマスク膜は前記第1層を含み、
前記第1層の厚さと、前記光吸収膜の酸化層の厚さと前記光吸収膜の吸収層の厚さの合計との差が、30nm以上であることを特徴とする請求項1に記載の反射型フォトマスクブランク。
【請求項10】
前記光吸収膜の酸化層及び光吸収膜の吸収層が、タンタルを含有する材料で形成されていることを特徴とする請求項1に記載の反射型フォトマスクブランク。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体デバイスなどの製造において使用される反射型フォトマスクの製造方法、及び反射型フォトマスクの素材として、その製造に用いられる反射型フォトマスクブランクに関する。
続きを表示(約 3,000 文字)【背景技術】
【0002】
半導体デバイスの微細化に伴い、特に、大規模集積回路の高集積化により、投影露光に、高いパターン解像性が求められている。そこで、フォトマスクにおいては、転写パターンの解像性を向上させる手法として、位相シフトマスクが開発された。位相シフト法の原理は、フォトマスクの位相シフト膜の開口部を通過した透過光の位相が、開口部に隣接する位相シフト膜の部分を通過した透過光の位相に対して約180度反転するように調整することによって、開口部と開口部に隣接する部分との境界部で、透過光が干渉して光強度が低下し、その結果として、転写パターンの解像性及び焦点深度が向上するものであり、この原理を用いたフォトマスクは、総じて位相シフトマスクと呼ばれる。
【0003】
位相シフトマスクの製造に使用される、位相シフトマスクの素材としての位相シフトマスクブランクは、ガラス基板などの透明基板上に、位相シフト膜が積層され、位相シフト膜上にクロム(Cr)を含有する材料で形成された膜が積層された構造のものが、最も一般的である。位相シフト膜は、通常、露光光に対して、位相差が175~185度、透過率が6~30%程度であり、ケイ素(Si)を含有する膜、特に、モリブデン(Mo)とケイ素(Si)とを含有する材料で形成されたものが主流である。また、クロムを含有する材料で形成された膜は、位相シフト膜と合わせて所望の光学濃度となる厚さに調整され、クロムを含有する材料で形成された膜を、遮光膜とすると共に、位相シフト膜をエッチングする際のハードマスク層とするのが一般的である。
【0004】
透明基板上に、ケイ素を含む材料で形成された位相シフト膜と、クロムを含む材料で形成された遮光膜とが、この順に形成された位相シフトマスクブランクから、位相シフト膜をパターニングして、位相シフトマスクを製造する方法として、具体的には、以下のような方法が一般的である。まず、位相シフトマスクブランクのクロムを含有する材料で形成された遮光膜上にレジスト膜を形成し、このレジスト膜に、光又は電子線によりパターンを描画し、現像して、レジストパターンを形成する。次に、レジストパターンをエッチングマスクとして、クロムを含有する材料で形成された遮光膜を、塩素系ガスを用いてエッチングして、遮光膜のパターンを形成する。更に、遮光膜のパターンをエッチングマスクとして、ケイ素を含有する材料で形成された位相シフト膜を、フッ素系ガスを用いてエッチングして、位相シフト膜のパターンを形成し、その後、レジストパターンを除去し、遮光膜のパターンを、塩素系ガスを用いてエッチングして除去する。
【0005】
この場合、位相シフト膜のパターン(回路パターン)が形成されている部分より外側に遮光膜を残存させて、位相シフトマスクの外周縁部を、位相シフト膜と遮光膜とを合わせた光学濃度が3以上の遮光部(遮光パターン)とすることが行われる。これは、ウエハ露光装置を用いて回路パターンを、ウエハに転写する際、位相シフトマスクの外周縁部から露光光が漏れて、回路パターンより外側に位置する部分から、ウエハの隣接するチップ上のレジスト膜に照射されることを防ぐためである。このような遮光パターンを形成する方法としては、位相シフト膜のパターンを形成し、レジストパターンを除去した後、レジスト膜を新たに形成し、パターン描画、現像によって、位相シフトマスクの外周縁部にレジスト膜が残ったレジストパターンを形成し、このレジストパターンをエッチングマスクとして、クロムを含有する材料で形成された膜をエッチングして、位相シフトマスクの外周縁部の遮光膜を残す方法が一般的である。
【0006】
高精度なパターン形成が要求される位相シフトマスクでは、エッチングは、ガスプラズマを用いたドライエッチングが主流である。クロムを含有する材料で形成された膜のドライエッチングには、塩素系ガスを用いたドライエッチング(塩素系ドライエッチング)、ケイ素を含有する膜や、モリブデンとケイ素とを含有する膜のドライエッチングには、フッ素系ガスを用いたドライエッチング(フッ素系ドライエッチング)が用いられる。特に、クロムを含有する材料で形成された膜のドライエッチングでは、エッチングガスを、塩素ガス(Cl
2
ガス)に対して10~25体積%の酸素ガス(O
2
ガス)を混合したエッチングガスとすることで、化学的な反応性が高くなり、エッチング速度が向上することが知られている。
【0007】
回路パターンの微細化に伴い、位相シフトマスクの回路パターンにも、微細に形成する技術が求められている。特に、位相シフトマスクのメインパターンの解像性を補助する、ラインパターンのアシストパターンは、ウエハ露光装置を用いて回路パターンをウエハに転写する際、ウエハに転写されないように、メインパターンよりも小さく形成する必要がある。ウエハ上での回路のラインアンドスペースパターンのハーフピッチが10nmの世代の位相シフトマスクにおいては、位相シフトマスク上の回路のラインパターンのアシストパターンの線幅は、40nm程度が求められる。
【0008】
微細なパターンを形成することができる化学増幅型レジストは、ベース樹脂、酸発生剤、界面活性剤などからなっており、露光により発生した酸が触媒として作用する多くの反応が適用できることから、高感度化が可能であり、化学増幅型レジストを用いることで、線幅が0.1μm以下の微細な位相シフト膜のパターンなどのマスクパターンの形成を可能にしている。レジストはレジスト塗布機で、スピンコートによってフォトマスクブランク上に塗布される。
【0009】
先端品の位相シフトマスクブランクに使われるレジスト膜の厚さは、100~150nmである。位相シフトマスクに、より微細なアシストパターンを形成することが困難な理由は、クロムを含有する材料で形成された遮光膜上に形成された、アシストパターンを形成するためのレジストパターンの縦横比(アスペクト比)が高いために、レジストパターン形成の現像工程において、現像液による衝撃、又はリンスプロセス時の純水による衝撃により倒れてしまうからである。
【0010】
そこで、現像液による衝撃、又は純水による衝撃の影響を小さくするためにレジストパターンの縦横比(アスペクト比)を低くすることが考えられた。その場合、レジスト膜を薄くすることになる。しかし、レジスト膜を薄くした場合、クロムを含有する材料で形成された遮光膜のドライエッチング中にレジスト膜が消失してしまうと、クロムを含有する材料で形成された遮光膜に、ピンホール欠陥が形成されることになり、クロムを含有する材料で形成された遮光膜をエッチングマスクとして位相シフト膜をドライエッチングする際に、位相シフト膜のエッチング時のプラズマが、ピンホールを通して位相シフト膜に到達し、位相シフト膜にもピンホール欠陥が形成されてしまうことになり、正常な位相シフトマスクを製造することができない。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する
Flag Counter

関連特許

信越化学工業株式会社
レジスト材料及びパターン形成方法
5日前
信越化学工業株式会社
超音波カップリング材組成物、超音波カップリング材膜、及び超音波検査方法
5日前
信越化学工業株式会社
熱硬化性マレイミド樹脂組成物
5日前
信越化学工業株式会社
ダイボンディング用有機変性シリコーン樹脂組成物、その硬化物、及び光半導体素子
5日前
信越化学工業株式会社
自動車ロングライフクーラントシール用室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物、自動車ロングライフクーラントシール剤及び自動車ロングライフクーラントシール材
5日前
個人
露光方法
5日前
個人
表示装置
1か月前
株式会社シグマ
撮像装置
5日前
株式会社シグマ
フードキャップ
1か月前
キヤノン株式会社
光学機器
1か月前
キヤノン株式会社
撮像装置
5日前
株式会社リコー
画像形成装置
1か月前
株式会社リコー
画像形成装置
1か月前
株式会社リコー
画像形成装置
1か月前
株式会社リコー
画像形成装置
2か月前
国立大学法人広島大学
撮像装置
1か月前
キヤノン株式会社
画像形成装置
5日前
信越ポリマー株式会社
スポンジローラ
12日前
キヤノン株式会社
画像形成装置
1か月前
キヤノン株式会社
画像形成装置
1か月前
沖電気工業株式会社
画像形成装置
1か月前
三洋化成工業株式会社
トナーバインダー
1か月前
沖電気工業株式会社
画像形成装置
1か月前
三洋化成工業株式会社
トナーバインダー
1か月前
キヤノン株式会社
定着装置
1か月前
三菱製紙株式会社
ドライフィルムレジスト
5日前
キヤノン株式会社
画像形成装置
9日前
キヤノン株式会社
画像形成装置
9日前
日本放送協会
レンズアダプター
2か月前
キヤノン株式会社
画像形成装置
12日前
ブラザー工業株式会社
ドラムユニット
1か月前
キヤノン株式会社
画像形成装置
1か月前
キヤノン株式会社
画像形成装置
1か月前
キヤノン株式会社
画像形成装置
9日前
キヤノン株式会社
画像形成装置
1か月前
シャープ株式会社
画像形成装置
20日前
続きを見る