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公開番号2025012688
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-24
出願番号2023115718
出願日2023-07-14
発明の名称ドライフィルムレジスト
出願人三菱製紙株式会社
代理人
主分類G03F 7/023 20060101AFI20250117BHJP(写真;映画;光波以外の波を使用する類似技術;電子写真;ホログラフイ)
要約【課題】基材へのラミネート性に優れ、かつ感光性レジスト層を露光・現像してパターン形成を行う際に、現像液による未露光部分の溶出に起因した、レジストパターンのトップ幅の減少に伴うレジストパターン再現性の低下が改善されたポジ型ドライフィルムレジストを提供する。
【解決手段】支持体フィルム(A)と、前記支持体フィルム(A)上に、特定の構成単位(I)と特定の構成単位(II)とを少なくとも含むレゾール変性キシレンホルムアルデヒド樹脂(b)、及びキノンジアジドスルホン酸エステル(c)を含有するポジ型感光性レジスト層(C)とを有し、前記キノンジアジドスルホン酸エステル(c)がフェノールホルムアルデヒドとо-ナフトキノンジアジドのスルホン酸エステルの重縮合物、あるいはアルキルフェノールホルムアルデヒドとо-ナフトキノンジアジドのスルホン酸エステルの重縮合物である、ドライフィルムレジスト。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
支持体フィルム(A)と、前記支持体フィルム(A)上に、下記一般式(1)で表される構成単位(I)と下記一般式(2)で表される構成単位(II)とを少なくとも含むレゾール変性キシレンホルムアルデヒド樹脂(b)、及びキノンジアジドスルホン酸エステル(c)を含有するポジ型感光性レジスト層(C)とを有し、前記キノンジアジドスルホン酸エステル(c)がフェノールホルムアルデヒドとо-ナフトキノンジアジドのスルホン酸エステルの重縮合物、あるいはアルキルフェノールホルムアルデヒドとо-ナフトキノンジアジドのスルホン酸エステルの重縮合物である、ドライフィルムレジスト。
TIFF
2025012688000009.tif
30
91
TIFF
2025012688000010.tif
33
91
(一般式(1)及び(2)において、Xはそれぞれ独立して、-CH

-又は-CH

-O-CH

-を表し、一般式(2)において、mは1~2の整数を表し、前記した樹脂(b)に構成単位(II)が複数含まれるとき、各構成単位(II)におけるmは同一であっても異なっていてもよい。)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ドライフィルムレジストに関する。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
例えば、メタルマスク、リードフレーム、シャドウマスク、プリント基板等の製造において、各種基材の金属をエッチングする方法が知られている。このエッチングに使用されるレジストとしては、ポリビニルアルコール(PVA)、ゼラチン、カゼイン等の水溶性高分子化合物に、重クロム酸アンモニウム等の光架橋試薬を混合することによる光架橋を利用した感光性樹脂組成物が用いられてきた。しかし、この感光性樹脂組成物は、クロム廃液の処理が難しい等の問題を有しており、現在では、そのほとんどがアルカリ水溶液現像型感光性樹脂組成物を使用したドライフィルムレジストに置き換わっている。
【0003】
現在、このドライフィルムレジストとしてはネガ型感光性レジストが利用されており、アルカリ可溶性樹脂と光重合性架橋剤と光重合開始剤を組み合わせた組成物が一般的である。基材にネガ型感光性レジストを利用したドライフィルムレジストを熱圧着して感光性レジスト層を形成し、画像形成したフォトマスクを通した紫外線露光によって画像状に感光性レジスト層を硬化、難溶性とした後、1質量%炭酸ナトリウム水溶液に代表されるアルカリ性現像液で未露光部を現像液に溶出させてレジストパターンが形成される。そして該レジストパターンをマスクパターンとしたエッチング処理が行われる。
【0004】
しかしながら、ネガ型感光性レジストには、経時変化により組成物の感度変化が生じる問題及び現像後に基材の表面にレジスト成分の残渣が生じる問題がある。また、金属のエッチング加工後にレジストを剥離させる際には、強アルカリ性又は有機アミンを含有する特殊な剥離液を使用する必要がある。
【0005】
一方、ポジ型感光性レジストでは露光部の感光性レジスト層を除去するため、光重合を阻害する空気中の酸素の影響を受けにくく、経時変化による感度変化も小さく、さらには基材のエッチング加工後はレジストを全面露光して現像液等で処理することによって、レジストパターンを容易に溶解剥離できる等の利点がある。また、ネガ型感光性レジストと比較し、レジスト層が現像液に膨潤し難いため、微細パターンの形成に有利である。
【0006】
ポジ型感光性レジストにおいては、液体レジストが広く使用されており、スピンコートやロールコート等で、直接、基材へ塗工する方法が適用されていたが、近年ではその簡便性からポジ型感光性レジストをドライフィルムレジストとして、基材に熱圧着してラミネートする方法が強く望まれている。
【0007】
従来から広く用いられてきたポジ型感光性レジストとしては、キノンジアジド系の化合物とノボラック樹脂を主成分とする材料が挙げられる(例えば、特許文献1)。しかしキノンジアジド系の化合物とノボラック樹脂を主成分とするポジ型ドライフィルムレジストでは、ポジ型感光性レジスト層の剛性及びTgが高く、熱圧着の際に基材との密着不良が発生し易いという問題があった。熱圧着の際に密着不良が生じると、エッチングレジストとして利用できなくなることから、後述する特許文献5のように、ポジ型感光性レジスト層のTgの低下、可とう性の向上のために共縮合ノボラック樹脂の低分子量化を行うという開示もある。しかし低分子量化された共縮合ノボラック樹脂を用いた場合でも、ノボラック樹脂の構造の剛直さに由来する軟化点の高さゆえに、特にロールtoロールプロセスで熱圧着を適用する際には非常に低速での運転を行わなければ密着不良を生じやすい。生産性の観点から、微細なレジストパターンの再現性を保ち、かつ熱圧着時に低速運転を行わずとも基材へのラミネート性に優れたポジ型ドライフィルムレジストが求められている。
【0008】
特許文献2では、置換又は無置換のベンゼン環を有する芳香族炭化水素とホルムアルデヒドとの縮合反応物である芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂及びその変性物を、ネガ型・ポジ型両方に使用できるリソグラフィ用膜形成用組成物として開示している。ドライフィルムにノボラック樹脂よりも柔軟な構造を持つこの膜形成用組成物を用いることで、ポジ型感光性レジスト層の柔軟性、熱圧着による基材への密着力を向上させる方法が考えられる。しかしながらこの文献においては薄膜の液体レジストとしての用途が実施例として示されており、これを単純にドライフィルムに転用するには支持体上での塗膜形成性や現像性において不十分な点が多い。
【0009】
特許文献3~5ではキシリレンユニット、ビフェニルなどのアラルキル基を有するフェノール樹脂とノボラック樹脂を共用することで、ポジ型感光性レジスト層の解像性とドライフィルムとしての塗膜の柔軟性を両立させる方法が例示されている。しかしながら当該技術では、アラルキル基を有するフェノール樹脂は分子内の疎水性ユニットの局在性の高さから塗膜を形成する塗液中での相溶性が低く、ポジ型感光性レジスト層にムラや白化が生じる場合があった。
【0010】
この様な問題に対し本件出願人は、レゾール変性キシレンホルムアルデヒド樹脂を利用することで、塗液と液膜の安定性が高く熱圧着によるラミネートが可能なポジ型ドライフィルムレジストを出願している(特許文献6)。しかしながらレゾール変性キシレンホルムアルデヒド樹脂は、通常のフェノール樹脂と比較してフェノール性水酸基の割合が低いためにキノンジアジドエステル化合物によるアルカリ現像液の溶解抑制効果が不足する傾向にあり、未露光部であっても現像時に一部溶解が生じ、一般的なフェノール樹脂を利用した場合よりも、レジストパターンの頂点部近傍においてレジストパターンのトップ幅が減少することでレジストパターン再現性の低下が生じる場合があり、更なる改善が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
(【0011】以降は省略されています)

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