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公開番号2025011419
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-24
出願番号2023113521
出願日2023-07-11
発明の名称自動車ロングライフクーラントシール用室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物、自動車ロングライフクーラントシール剤及び自動車ロングライフクーラントシール材
出願人信越化学工業株式会社
代理人弁理士法人英明国際特許事務所
主分類C08L 83/04 20060101AFI20250117BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】硬化性が良好であり、耐LLC性能及び耐熱性に優れると共に、良好な接着性を有する硬化物を与え、さらにVOC含有量を低減した、FIPG用の材料として好適な、自動車ロングライフクーラントシール用室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物、該組成物からなるシール剤、及び該シール剤を硬化してなるシール材を提供する。
【解決手段】下式(3)で示される化合物を特定量含有する組成物。
<com:Image com:imageContentCategory="Drawing"> <com:ImageFormatCategory>TIFF</com:ImageFormatCategory> <com:FileName>2025011419000020.tif</com:FileName> <com:HeightMeasure com:measureUnitCode="Mm">49</com:HeightMeasure> <com:WidthMeasure com:measureUnitCode="Mm">104</com:WidthMeasure> </com:Image>
(R4、R6は脂肪族不飽和結合を除く非置換又は置換の炭素数1~12の一価炭化水素基、R5は水素原子又は炭素数2~12の脂肪族不飽和一価炭化水素基、Aは炭素数2~8の二価炭化水素基、kは0~2、mは3~6、k+mは3~8、nは0~100。)
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
(A)下記一般式(1)で示される23℃における粘度が2,000mPa・s以上のオルガノポリシロキサン:100質量部、
HO-(SiR
1
2
O)
a
-H (1)
(式(1)中、R
1
は炭素数1~10の非置換又は置換一価炭化水素基であり、各R
1
は互いに同一であっても異種の基であってもよい。aは100以上の整数である。)
(B)無機質充填剤:1~500質量部、
(C)(A)成分及び(D)成分以外の、一分子中にケイ素原子に結合した加水分解可能な基を少なくとも3個有する加水分解性オルガノシラン化合物及び/又はその部分加水分解縮合物:0.1~50質量部、
(D)(A)成分以外の、下記一般式(2)で示されるシランカップリング剤及び/又はその部分加水分解縮合物:0.01~10質量部、

2

3
b
SiX
1
3-b
(2)
(式(2)中、R
2
は、窒素原子、硫黄原子及び酸素原子から選ばれるいずれか1種以上の原子を少なくとも1個有する炭素数1~20の一価炭化水素基であり、R
3
は炭素数1~10の非置換又は置換一価炭化水素基であり、X
1
は加水分解性基である。bは0、1又は2である。)、
(E)硬化触媒:0.01~20質量部、及び
(F)下記一般式(3)で示される環状オルガノポリシロキサン化合物:0.1~10質量部
TIFF
2025011419000019.tif
49
104
(式中、R
4
は独立に脂肪族不飽和結合を除く非置換又は置換の炭素数1~12の一価炭化水素基であり、R
5
は独立に水素原子又は炭素数2~12の脂肪族不飽和一価炭化水素基であり、R
6
は独立に脂肪族不飽和結合を除く非置換又は置換の炭素数1~12の一価炭化水素基であり、Aは独立に炭素数2~8の二価炭化水素基であり、kは0~2の整数であり、mは3~6の整数であり、k+mは3~8の整数であり、nは0~100の整数である。)
を含有する自動車ロングライフクーラントシール用室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物。
続きを表示(約 610 文字)【請求項2】
(B)成分の無機質充填剤が、表面処理剤により疎水化処理された、炭酸カルシウム、煙霧質シリカ、沈降性シリカ及び酸化アルミニウムから選択される少なくとも1種、又はカーボンブラックである請求項1に記載の自動車ロングライフクーラントシール用室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物。
【請求項3】
組成物中のVOC残存量が5,000ppm以下である請求項1に記載の自動車ロングライフクーラントシール用室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物。
【請求項4】
初期状態と比較して、自動車ロングライフクーラントに120℃、240時間浸漬する耐LLC試験後の引張り強度、切断時伸びそれぞれの変化率が-50%以上100%以下であり、120℃、1,000時間の耐熱試験後の引張り強度、切断時伸びそれぞれの変化率が-50%以上50%以下である硬化物を与えるものである請求項1に記載の自動車ロングライフクーラントシール用室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項に記載の自動車ロングライフクーラントシール用室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物からなる自動車ロングライフクーラントシール剤。
【請求項6】
請求項5に記載の自動車ロングライフクーラントシール剤を硬化してなる自動車ロングライフクーラントシール材。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物、特には、自動車ロングライフクーラント(Long Life Coolant、以下、LLCともいう)シール材(自動車ロングライフクーラントシーラント)として好適に用いられる自動車LLCシール用室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物等に関する。本発明は、特に、硬化性が良好であり、耐LLC性能及び耐熱性に優れると共に、良好な接着性を有する硬化物(シリコーンゴム)を与える、該自動車LLCシール用室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物、該組成物からなる自動車ロングライフクーラントシール剤、及び該シール剤を硬化してなる自動車ロングライフクーラントシール材(自動車ロングライフクーラントシーラント)に関する。
続きを表示(約 3,500 文字)【背景技術】
【0002】
自動車のLLC周辺のシール材については、従来、コルク、有機ゴム、アスベストなどで作られたガスケット、パッキング材が使用されている。しかしこれらの従来のガスケットやパッキング材は在庫管理及び作業工程が煩雑であるという不利があり、さらに、それらのシール性能には信頼性がないという欠点がある。その欠点を解消するため、LLCシール材として、室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物をFormed In Place Gasket(FIPG)方式で形成したもの(液体ガスケット)が採用されている。
【0003】
近年、クーラントの性能向上を目的として、LLCには種々の添加剤が配合されている。そしてFIPGには、より高い耐LLC性能が要求されている。LLCは基本的に水と混合させて使用される。そのため自動車LLCシール材は、LLCと水の混合物という、攻撃性の高い薬品存在下で高温条件に耐える必要がある。
【0004】
特開2002-226708号公報(特許文献1)においては、二液混合型FIPGに疎水化処理を行った充填剤を添加することにより、耐LLC性能が向上することが報告されている。しかし、二液混合型FIPGでは混合工程が追加されることから、生産工程での管理が煩雑になるという欠点がある。また、特開2016-199687号公報(特許文献2)においては、耐水性の高い接着性付与剤を添加することで、耐LLC性能の向上が報告されている。しかし、近年、100℃、168時間の浸漬条件より厳しい条件での耐LLC性能向上が要求されている。
【0005】
さらに特開2018-184520号公報(特許文献3)として、三次元網状構造のオルガノポリシロキサン樹脂を組成物中に添加することで、耐LLC性能を向上できることが知られている。しかし、三次元網状構造のオルガノポリシロキサン樹脂を添加した組成物は、残存シラノール基が縮合反応してしまうため、高温環境にさらされるとゴムの伸び率低下が避けられない。
【0006】
また、近年の環境保護の高まりや現場作業員の健康管理の観点から、組成物中の揮発性有機化学物質(Volatile Organic Compounds、VOC)を含む材料は好ましくない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2002-226708号公報
特開2016-199687号公報
特開2018-184520号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、硬化性が良好であり、耐LLC性能及び耐熱性に優れると共に、良好な接着性を有する硬化物(シリコーンゴム)を与え、さらにVOC含有量を低減した、FIPG用の材料として好適な、自動車ロングライフクーラントシール用室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物、該組成物からなる自動車ロングライフクーラントシール剤、及び該シール剤を硬化してなる自動車ロングライフクーラントシール材(自動車ロングライフクーラントシーラント)を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意研究を重ねた結果、シラノール基含有オルガノポリシロキサンを側鎖に有する環状オルガノポリシロキサン化合物を特定量含む自動車ロングライフクーラントシール用室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物からなる自動車ロングライフクーラントシール剤が、該シール剤を硬化してなる自動車ロングライフクーラントシール材(自動車ロングライフクーラントシーラント)の耐LLC性及び硬化性が大幅に向上することを見出した。また、該組成物においては、三次元網状構造のオルガノポリシロキサン樹脂(いわゆるシリコーンレジン)を用いなくても、得られる硬化物が十分な耐LLC性を有し、耐熱性(高温暴露時の伸び率低下)も大きく改善することを知見し、本発明をなすに至った。
【0010】
従って、本発明は、下記の自動車ロングライフクーラントシール用室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物、自動車ロングライフクーラントシール剤、及び自動車ロングライフクーラントシール材(自動車ロングライフクーラントシーラント)を提供するものである。
1. (A)下記一般式(1)で示される23℃における粘度が2,000mPa・s以上のオルガノポリシロキサン:100質量部、
HO-(SiR
1
2
O)
a
-H (1)
(式(1)中、R
1
は炭素数1~10の非置換又は置換一価炭化水素基であり、各R
1
は互いに同一であっても異種の基であってもよい。aは100以上の整数である。)
(B)無機質充填剤:1~500質量部、
(C)(A)成分及び(D)成分以外の、一分子中にケイ素原子に結合した加水分解可能な基を少なくとも3個有する加水分解性オルガノシラン化合物及び/又はその部分加水分解縮合物:0.1~50質量部、
(D)(A)成分以外の、下記一般式(2)で示されるシランカップリング剤及び/又はその部分加水分解縮合物:0.01~10質量部、

2

3
b
SiX
1
3-b
(2)
(式(2)中、R
2
は、窒素原子、硫黄原子及び酸素原子から選ばれるいずれか1種以上の原子を少なくとも1個有する炭素数1~20の一価炭化水素基であり、R
3
は炭素数1~10の非置換又は置換一価炭化水素基であり、X
1
は加水分解性基である。bは0、1又は2である。)、
(E)硬化触媒:0.01~20質量部、及び
(F)下記一般式(3)で示される環状オルガノポリシロキサン化合物:0.1~10質量部
TIFF
2025011419000001.tif
49
104
(式中、R
4
は独立に脂肪族不飽和結合を除く非置換又は置換の炭素数1~12の一価炭化水素基であり、R
5
は独立に水素原子又は炭素数2~12の脂肪族不飽和一価炭化水素基であり、R
6
は独立に脂肪族不飽和結合を除く非置換又は置換の炭素数1~12の一価炭化水素基であり、Aは独立に炭素数2~8の二価炭化水素基であり、kは0~2の整数であり、mは3~6の整数であり、k+mは3~8の整数であり、nは0~100の整数である。)
を含有する自動車ロングライフクーラントシール用室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物。
2. (B)成分の無機質充填剤が、表面処理剤により疎水化処理された、炭酸カルシウム、煙霧質シリカ、沈降性シリカ及び酸化アルミニウムから選択される少なくとも1種、又はカーボンブラックである1に記載の自動車ロングライフクーラントシール用室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物。
3. 組成物中のVOC残存量が5,000ppm以下である1又は2に記載の自動車ロングライフクーラントシール用室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物。
4. 初期状態と比較して、自動車ロングライフクーラントに120℃、240時間浸漬する耐LLC試験後の引張り強度、切断時伸びそれぞれの変化率が-50%以上100%以下であり、120℃、1,000時間の耐熱試験後の引張り強度、切断時伸びそれぞれの変化率が-50%以上50%以下である硬化物を与えるものである1~3のいずれかに記載の自動車ロングライフクーラントシール用室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物。
5. 1~4のいずれかに記載の自動車ロングライフクーラントシール用室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物からなる自動車ロングライフクーラントシール剤。
6. 5に記載の自動車ロングライフクーラントシール剤を硬化してなる自動車ロングライフクーラントシール材。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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