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公開番号
2025014236
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-01-30
出願番号
2023116607
出願日
2023-07-18
発明の名称
縮合硬化型オルガノポリシロキサン組成物の硬化方法及び縮合硬化型オルガノポリシロキサン組成物の加熱硬化促進方法
出願人
信越化学工業株式会社
代理人
弁理士法人英明国際特許事務所
主分類
C08G
77/06 20060101AFI20250123BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約
【課題】加熱により硬化が促進され、特には深部硬化性及び接着発現性に優れた縮合硬化型オルガノポリシロキサン組成物の硬化方法及び加熱硬化促進方法を提供する。
【解決手段】(A)所定のシラノール基含有ジオルガノポリシロキサン成分及び(B)架橋剤を含む縮合硬化型オルガノポリシロキサン組成物において、(B)成分を、一般式(2)
<com:Image com:imageContentCategory="Drawing"> <com:ImageFormatCategory>TIFF</com:ImageFormatCategory> <com:FileName>2025014236000023.tif</com:FileName> <com:HeightMeasure com:measureUnitCode="Mm">28</com:HeightMeasure> <com:WidthMeasure com:measureUnitCode="Mm">99</com:WidthMeasure> </com:Image> で示される加水分解性シラン及び/又はその部分加水分解物(配合量:(A)成分100質量部に対して0.1~40質量部)とし、更に、(C)一分子中に少なくとも1個の1級アミノ基を有する有機化合物(配合量:(A)成分100gに対して(C)成分中の1級アミノ基が0.001~1モルとなる量)を添加する。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
(A)下記一般式(1):
HO-(SiR
1
2
O)
a
-H (1)
(式中、R
1
は炭素数1~10のハロゲン原子置換又は非置換の一価炭化水素基であり、各R
1
は互いに同一であっても異種の基であってもよい。aは10以上の整数である。)
で示されるオルガノポリシロキサン: 100質量部、
(B)下記一般式(2):
TIFF
2025014236000019.tif
28
99
(式中、R
2
は炭素数1~10の一価炭化水素基であり、nは1~8の正数であり、mは3又は4である。)
で示される加水分解性シラン及び/又はその部分加水分解物: 0.1~40質量部、及び
(C)一分子中に少なくとも1個の1級アミノ基を有する有機化合物:(A)成分のオルガノポリシロキサン100gに対して(C)成分中の1級アミノ基が0.001~1モルとなる量、
を含有する縮合硬化型オルガノポリシロキサン組成物を50~150℃に加熱する工程を含む縮合硬化型オルガノポリシロキサン組成物の硬化方法。
続きを表示(約 1,600 文字)
【請求項2】
(B)成分の加水分解性オルガノシラン化合物及び/又はその部分加水分解縮合物が、加水分解によって環状ケトン化合物を脱離するものである請求項1に記載の縮合硬化型オルガノポリシロキサン組成物の硬化方法。
【請求項3】
(B)成分の加水分解性オルガノシラン化合物が、下記一般式(3)で示される加水分解性オルガノシラン化合物である請求項1に記載の縮合硬化型オルガノポリシロキサン組成物の硬化方法。
TIFF
2025014236000020.tif
31
102
(式中、R
3
はメチル基、ビニル基もしくはフェニル基であり、mは3又は4である。)
【請求項4】
更に、(D)硬化触媒を(A)成分100質量部に対して0.01~10質量部含有するものである請求項1に記載の縮合硬化型オルガノポリシロキサン組成物の硬化方法。
【請求項5】
(D)硬化触媒が、錫触媒、チタン触媒、有機強塩基触媒及び有機ビスマス触媒から選ばれる少なくとも1種である請求項4に記載の縮合硬化型オルガノポリシロキサン組成物の硬化方法。
【請求項6】
前記(A)~(D)成分の沸点が150℃超である請求項4に記載の縮合硬化型オルガノポリシロキサン組成物の硬化方法。
【請求項7】
(A)下記一般式(1):
HO-(SiR
1
2
O)
a
-H (1)
(式中、R
1
は独立に炭素数1~10のハロゲン原子置換又は非置換の一価炭化水素基であり、各R
1
は互いに同一であっても異種の基であってもよい。aは10以上の整数である。)
で示されるオルガノポリシロキサン、及び
(B)架橋剤を含む縮合硬化型オルガノポリシロキサン組成物において、
(B)成分を、
下記一般式(2):
TIFF
2025014236000021.tif
28
99
(式中、R
2
は炭素数1~10の一価炭化水素基であり、nは1~8の正数であり、mは3又は4である。)で示される加水分解性シラン及び/又はその部分加水分解物:(A)成分100質量部に対して0.1~40質量部
とし、更に、
(C)一分子中に少なくとも1個の1級アミノ基を有する有機化合物:(A)成分のオルガノポリシロキサン100gに対して(C)成分中の1級アミノ基が0.001~1モルとなる量を添加することを特徴とする縮合硬化型オルガノポリシロキサン組成物の加熱硬化促進方法。
【請求項8】
(B)成分の加水分解性オルガノシラン化合物が、下記一般式(3)で示される加水分解性オルガノシラン化合物である請求項7に記載の縮合硬化型オルガノポリシロキサン組成物の加熱硬化促進方法。
TIFF
2025014236000022.tif
31
102
(式中、R
3
はメチル基、ビニル基もしくはフェニル基であり、mは3又は4である。)
【請求項9】
(C)成分が、NH
2
基を有するシランカップリング剤である請求項7又は8に記載の縮合硬化型オルガノポリシロキサン組成物の加熱硬化促進方法。
【請求項10】
更に、(D)硬化触媒を(A)成分100質量部に対して0.01~10質量部含有するものである請求項7又は8に記載の縮合硬化型オルガノポリシロキサン組成物の加熱硬化促進方法。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は縮合硬化型オルガノポリシロキサン組成物の硬化方法及び縮合硬化型オルガノポリシロキサン組成物の加熱硬化促進方法に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)
【背景技術】
【0002】
湿気により架橋する縮合硬化型のオルガノポリシロキサン組成物(シリコーンゴム組成物)はその取り扱いが容易なことに加え、耐熱性、接着性、電気特性に優れるため、建材用のシーリング材や電気電子分野の接着剤など様々な分野で利用されている。この縮合硬化型オルガノポリシロキサン組成物は湿気により架橋するために深部硬化性が悪いという問題があり、この問題を改良するため、架橋剤を極限まで減量して加水分解による架橋速度を向上させた1液タイプの材料や、架橋剤と硬化剤とを別梱包とした2液タイプの材料が知られている。
【0003】
しかしながら、上記した1液タイプの縮合硬化型オルガノポリシロキサン組成物は、単に表面からの硬化速度が早いだけであり、深部硬化には一定の時間が必要である。2液タイプの縮合硬化型オルガノポリシロキサン組成物は、深部硬化性に比較的優れるものの、付加硬化型のオルガノポリシロキサン組成物と比べ、完全硬化に要する時間が長いという欠点があった。更に、2液タイプの縮合硬化型オルガノポリシロキサン組成物の場合、深部まで完全に硬化させるためには、架橋剤と硬化剤の添加量を厳密に規定するか、又は深部硬化剤として水を加えることが必要であった。
【0004】
そこで、上記した問題点を解決すべく、本発明者らは、ジオルガノポリシロキサンに対し、C=O基を有する有機化合物とNH
2
基を有する有機化合物とを含有する室温速硬化性オルガノポリシロキサン組成物を提案した(例えば、特許文献1(特許第2811134号公報)参照)。この技術は、組成物中のC=O基とNH
2
基とによるケチミン生成反応から副生する水を利用し、深部硬化性を改良するものである。
しかしながら、上記の特許文献1記載の組成物は室温硬化型であるため、深部硬化性が十分ではなかった。
【0005】
一方、縮合硬化型オルガノポリシロキサン組成物に熱を加えて架橋反応を活性化させ、深部硬化性を改良する場合、1液タイプのものを加熱した場合、架橋反応に必要となる水が深部で生成しないため、深部硬化性を改良することは困難であった。また、脱アルコールによって硬化する2液タイプのものを加熱した場合、加熱するとリバージョンが生じて硬化不良となる問題がある。更に、深部硬化剤として水を加えた2液タイプのものを加熱した場合、反応前の水が気化して硬化物中に泡が入る問題があった。
【0006】
特許文献2(特許第4743511号公報)では、上記問題を解決するため、縮合硬化型オルガノポリシロキサン組成物から生成するケトン化合物とアミノ基を有する化合物との反応により水を発生させ、この組成物を加熱することにより深部硬化性を向上させることができることを見出したが、生産性向上のため、更なる硬化性や接着発現性の向上が求められている。
【0007】
なお、付加硬化型のオルガノポリシロキサン組成物の場合、深部硬化性に優れるが、組成物中の硬化触媒が触媒毒を受けるため、周囲の作業環境が限定されるという欠点があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特許第2811134号公報
特許第4743511号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、加熱により硬化が従来よりも促進され、特には深部硬化性及び接着発現性に優れた縮合硬化型オルガノポリシロキサン組成物の硬化方法及び縮合硬化型オルガノポリシロキサン組成物の加熱硬化促進方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、上記事情に鑑み鋭意研究の結果、大気中の湿気(水分)と接触する表面部分から内部に向かって徐々に硬化が進行する縮合硬化型オルガノポリシロキサン組成物において、縮合硬化時に必要となる水を外部から添加するのでなく、組成物表面において大気と接触する(B)成分の特定の架橋剤が(A)成分中のシラノール基と加水分解縮合して架橋する際に生成(放出)する環状ケトン化合物が、所定の温度に加熱されることによって(C)成分のアミノ化合物とのケチミン反応が促進され、組成物の内部により迅速に水を発生させることで、組成物表面のみならず内部からも硬化するようになり、従来のケチミン反応を利用した速硬化性の縮合硬化型オルガノポリシロキサン組成物よりも更に速硬化性が向上し(即ち、加熱による硬化が促進され)、更には深部硬化性だけでなく接着発現性をも発現させることが出来ることを知見して本発明を完成させた。また、本発明は、加熱により架橋反応を活性化させる熱硬化型の組成物であるため、付加硬化型の組成物のような触媒の被毒がなく、深部硬化性及び接着発現性を向上させることができる。
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPatで参照する
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