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公開番号
2024174743
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-12-17
出願番号
2023092739
出願日
2023-06-05
発明の名称
レジスト下層膜形成用組成物及びパターン形成方法
出願人
信越化学工業株式会社
代理人
個人
,
個人
,
個人
主分類
G03F
7/11 20060101AFI20241210BHJP(写真;映画;光波以外の波を使用する類似技術;電子写真;ホログラフイ)
要約
【課題】優れた埋め込み特性と基板密着性を有するレジスト下層膜形成用組成物、これを用いたパターン形成方法を提供する。
【解決手段】多層レジスト法に用いられるレジスト下層膜形成用組成物であり、(A)樹脂と、(B)塩基発生剤、および(C)有機溶剤を含有し、前記(A)樹脂の重量平均分子量が、3,000~10,000であり、前記(A)樹脂が、(A-1)フェノール性水酸基とフェノール性水酸基が修飾された基を含む樹脂、または(A-2)フェノール性水酸基を含む樹脂とフェノール性水酸基が修飾された基を含む樹脂の混合物であり、前記(A)樹脂中に含まれるフェノール性水酸基の割合をa、フェノール性水酸基が修飾された基の割合をbとした場合、a+b=1、0.1≦a≦0.5、0.5≦b≦0.9の関係を満たすものであることを特徴とする、レジスト下層膜形成用組成物。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
多層レジスト法に用いられるレジスト下層膜形成用組成物であり、(A)樹脂と、(B)塩基発生剤、および(C)有機溶剤を含有し、
前記(A)樹脂の重量平均分子量が、3,000~10,000であり、
前記(A)樹脂が、(A-1)フェノール性水酸基とフェノール性水酸基が修飾された基を含む樹脂、または(A-2)フェノール性水酸基を含む樹脂とフェノール性水酸基が修飾された基を含む樹脂の混合物であり、
前記(A)樹脂中に含まれるフェノール性水酸基の割合をa、フェノール性水酸基が修飾された基の割合をbとした場合、a+b=1、0.1≦a≦0.5、0.5≦b≦0.9の関係を満たすものであることを特徴とする、レジスト下層膜形成用組成物。
続きを表示(約 2,600 文字)
【請求項2】
前記(A)樹脂が、スチレン単位、ノボラック型フェノール単位、ノボラック型ナフトール単位のいずれかを含む請求項1に記載のレジスト下層膜形成用組成物。
【請求項3】
前記(A)樹脂が、下記一般式(1-1)または下記一般式(1-2)で示される構成単位を有する樹脂であることを特徴とする請求項1に記載のレジスト下層膜形成用組成物。
TIFF
2024174743000096.tif
35
158
(前記一般式(1-1)中、R
00
は水素原子またはメチル基であり、R
01
は炭素数1~30の飽和又は不飽和の1価の有機基、R
02
は水素原子又は置換されてもよい炭素数1~30の飽和又は不飽和の1価の有機基であり、前記R
02
を構成する構造のうち、水素原子の割合をa’、1価の有機基の割合をb’とした場合、a’+b’=1、0.1≦a’≦0.5、0.5≦b’≦0.9の関係を満たすものである。m
1
は0~4の整数、n
1
は1~5の整数、m
1
+n
1
は1以上5以下の整数である。)
TIFF
2024174743000097.tif
26
158
(前記一般式(1-2)中、R
01
は炭素数1~30の飽和又は不飽和の1価の有機基、R
02
は水素原子又は置換されてもよい炭素数1~30の飽和又は不飽和の1価の有機基であり、前記R
02
を構成する構造のうち、水素原子の割合をa’、1価の有機基の割合をb’とした場合、a’+b’=1、0.1≦a’≦0.5、0.5≦b’≦0.9の関係を満たすものである。Xは炭素数1~30の2価の有機基であり、pは0又は1であり、pが0のとき、m
2
は0~3の整数、n
2
は1~4の整数、m
2
+n
2
は1以上4以下の整数であり、pが1のとき、m
2
は0~5の整数、n
2
は1~6の整数、m
2
+n
2
は1以上6以下の整数である。)
【請求項4】
前記一般式(1-1)及び(1-2)中、前記R
02
が水素原子、炭素数1~10のアルキル基、及び下記一般式(8)で示される構造のいずれかであることを特徴とする請求項3に記載のレジスト下層膜形成用組成物。
TIFF
2024174743000098.tif
16
158
(前記一般式(8)中、*は酸素原子への結合部位を表し、R
A
は置換されていてもよい炭素数1~10の2価の有機基、R
B
は水素原子又は置換されていてもよい炭素数1~10の1価の有機基である。)
【請求項5】
前記一般式(1-2)中、pが0であることを特徴とする請求項3に記載のレジスト下層膜形成用組成物。
【請求項6】
前記一般式(1-1)中、n
1
が1であることを特徴とする請求項3に記載のレジスト下層膜形成用組成物。
【請求項7】
前記一般式(1-2)中、n
2
が1であることを特徴とする請求項3に記載のレジスト下層膜形成用組成物。
【請求項8】
前記a及びbが、a+b=1、0.15≦a≦0.4、0.6≦b≦0.85の関係を満たすものであることを特徴とする請求項1に記載のレジスト下層膜形成用組成物。
【請求項9】
前記(B)塩基発生剤が、熱分解により塩基性を発現する化合物であることを特徴とする請求項1に記載のレジスト下層膜形成用組成物。
【請求項10】
前記(B)塩基発生剤が、下記一般式(2)、(3)及び(4)で示されるいずれかであることを特徴とする請求項1に記載のレジスト下層膜形成用組成物。
TIFF
2024174743000099.tif
50
158
(上記式中、R
01
~R
03
は、それぞれ独立に、ヘテロ原子で置換されていてもよく、ヘテロ原子が介在してもよい直鎖状、分岐状又は環状の炭素数1~10のアルキル基、アルケニル基、または炭素数7~18のアラルキル基を示すか、あるいはヘテロ原子で置換されていてもよく、ヘテロ原子が介在してもよい炭素数6~18のアリール基を示す。また、R
01
、R
02
及びR
03
のうちいずれか二つが相互に結合して式中の硫黄原子と共に環を形成してもよい。X
-
は対イオンとなる有機もしくは無機のアニオンを示す。ただし、X
-
はOH
-
を含まない。R
04
及びR
05
は、それぞれ独立に、ヘテロ原子で置換されていてもよく、ヘテロ原子が介在してもよい炭素数6~20のアリール基であり、これの水素原子の一部又は全部が、炭素数1~10の直鎖状、分岐状又は環状の、アルキル基又はアルコキシ基で置換されていてもよい。また、R
04
及びR
05
が相互に結合して式中のヨウ素原子と共に環を形成してもよい。R
06
、R
07
、R
08
及びR
09
は、それぞれ独立に、水素原子、又はヘテロ原子で置換されていてもよく、ヘテロ原子が介在してもよい直鎖状、分岐状、環状の炭素数1~20のアルキル基、アルケニル基、または炭素数7~18のアラルキル基を示すか、あるいはヘテロ原子で置換されていてもよく、ヘテロ原子が介在してもよい炭素数6~18のアリール基を示す。また、R
06
、R
07
、R
08
及びR
09
のうちいずれか二つ以上が相互に結合して式中の窒素原子と共に環を形成してもよい。)
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、レジスト下層膜形成用組成物及びパターン形成方法に関する。
続きを表示(約 2,600 文字)
【背景技術】
【0002】
LSIの高集積化と高速度化に伴い、パターン寸法の微細化が急速に進んでいる。リソグラフィー技術は、この微細化に併せ、光源の短波長化とそれに対するレジスト組成物の適切な選択により、微細パターンの形成を達成してきた。その中心となったのは単層で使用するポジ型フォトレジスト組成物である。この単層ポジ型フォトレジスト組成物は、塩素系あるいはフッ素系のガスプラズマによるドライエッチングに対しエッチング耐性を持つ骨格をレジスト樹脂中に持たせ、かつ露光部が溶解するようなスイッチング機構を持たせることによって、露光部を溶解させてパターンを形成し、残存したレジストパターンをエッチングマスクとして被加工基板をドライエッチング加工するものである。
【0003】
ところが、使用するフォトレジスト膜の膜厚をそのままで微細化、即ちパターン幅をより小さくした場合、フォトレジスト膜の解像性能が低下し、また現像液によりフォトレジスト膜をパターン現像しようとすると、いわゆるアスペクト比が大きくなりすぎ、結果としてパターン崩壊が起こってしまうという問題が発生した。このため、パターンの微細化に伴いフォトレジスト膜は薄膜化されてきた。
【0004】
一方、被加工基板の加工には、通常、パターンが形成されたフォトレジスト膜をエッチングマスクとして、ドライエッチングにより基板を加工する方法が用いられるが、現実的にはフォトレジスト膜と被加工基板の間に完全なエッチング選択性を取ることのできるドライエッチング方法が存在しない。そのため、基板の加工中にレジスト膜もダメージを受けて崩壊し、レジストパターンを正確に被加工基板に転写できなくなるという問題があった。そこで、パターンの微細化に伴い、レジスト組成物により高いドライエッチング耐性が求められてきた。しかしながら、その一方で、解像性を高めるために、フォトレジスト組成物に使用する樹脂には、露光波長における光吸収の小さな樹脂が求められてきた。そのため、露光光がi線、KrF、ArFと短波長化するにつれて、樹脂もノボラック樹脂、ポリヒドロキシスチレン、脂肪族多環状骨格を持った樹脂と変化してきたが、現実的には基板加工時のドライエッチング条件におけるエッチング速度は速いものになってきてしまっており、解像性の高い最近のフォトレジスト組成物は、むしろエッチング耐性が弱くなる傾向にある。
【0005】
このことから、より薄くよりエッチング耐性の弱いフォトレジスト膜で被加工基板をドライエッチング加工しなければならないことになり、この加工工程における材料及びプロセスの確保は急務になってきている。
【0006】
このような問題点を解決する方法の一つとして、多層レジスト法がある。この方法は、フォトレジスト膜(即ち、レジスト上層膜)とエッチング選択性が異なるレジスト下層膜をレジスト上層膜と被加工基板の間に介在させ、レジスト上層膜にパターンを得た後、レジスト上層膜パターンをドライエッチングマスクとして、ドライエッチングによりレジスト下層膜にパターンを転写し、更にレジスト下層膜をドライエッチングマスクとして、ドライエッチングにより被加工基板にパターンを転写する方法である。
【0007】
多層レジスト法の一つに、単層レジスト法で使用されている一般的なレジスト組成物を用いて行うことができる3層レジスト法がある。この3層レジスト法では、例えば、被加工基板上にノボラック樹脂等による有機膜をレジスト下層膜として成膜し、その上にケイ素含有膜をケイ素含有レジスト中間膜として成膜し、その上に通常の有機系フォトレジスト膜をレジスト上層膜として形成する。フッ素系ガスプラズマによるドライエッチングを行う際には、有機系のレジスト上層膜は、ケイ素含有レジスト中間膜に対して良好なエッチング選択比が取れるため、レジスト上層膜パターンはフッ素系ガスプラズマによるドライエッチングによりケイ素含有レジスト中間膜に転写することができる。この方法によれば、直接被加工基板を加工するための十分な膜厚を持ったパターンを形成することが難しいレジスト組成物や、基板の加工に十分なドライエッチング耐性を持たないレジスト組成物を用いても、ケイ素含有膜(ケイ素含有レジスト中間膜)にパターンを転写することができ、続いて酸素系又は水素系ガスプラズマによるドライエッチングによるパターン転写を行えば、基板の加工に十分なドライエッチング耐性を持つノボラック樹脂等による有機膜(レジスト下層膜)のパターンを得ることができる。上述のようなレジスト下層膜としては、例えば特許文献1に記載のものなど、すでに多くのものが公知となっている。
【0008】
一方、近年においては、メモリを3次元化する3D-NANDメモリが主流となりつつあり、この3D-NANDメモリの製造には、多層レジスト法において、厚みの大きいレジスト下層膜を1回のプロセスで形成することが求められている。そのため、レジスト下層膜材料中の樹脂濃度を10質量%以上の高い値とする必要がある。また、最近では3D-NANDメモリの高積層化が活発化しており、これに呼応して、レジスト下層膜にはパターン内を空隙(void)無く膜で埋め込む(gap-filling)特性について従来以上の優れた性能を求められるようになってきている。
【0009】
厚みの大きいレジスト下層膜を形成できるレジスト下層膜材料として、例えば特許文献2では、オレフィン系重合体やノボラック系重合体に架橋剤を含有した材料が提案されている。しかしながら、上記材料では、最先端プロセスで用いられる深いパターンを有する被加工基板への埋め込みに対し、上記重合体構造中に含まれる水酸基量が多く流動性が低下するため、voidが発生する懸念がある。
【0010】
一方、重合体中に含まれる水酸基を保護した構造を有する化合物を含むレジスト下層膜材料として、ノボラック系重合体中に含まれる水酸基を、三重結合を含む基で保護した材料が知られている(特許文献3)。しかしながら、上記材料は被加工基板に対する密着性が不十分のため、プロセス中に剥がれ等の不良が発生する懸念がある。
(【0011】以降は省略されています)
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