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公開番号
2024174031
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-12-13
出願番号
2024166400,2020548840
出願日
2024-09-25,2020-07-31
発明の名称
細胞培養用足場材及び細胞培養用容器
出願人
積水化学工業株式会社
代理人
弁理士法人大阪フロント特許事務所
主分類
C12M
3/00 20060101AFI20241206BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約
【課題】容易にかつ効率よく細胞塊を形成させることができる、細胞培養用足場材を提供する。
【解決手段】本発明に係る細胞培養用足場材は、基材と、前記基材上にドット状又はライン状にパターニングされることにより構成された凸部とを備え、前記凸部は、合成樹脂を含み、前記合成樹脂は、少なくともポリビニルアルコール誘導体又はポリ(メタ)アクリル樹脂を含み、前記凸部は、細胞接着性を有し、平面視において前記凸部の中央に位置する部分の前記凸部の平均高さが10nm以上、10μm以下である。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
基材と、
前記基材上にドット状又はライン状にパターニングされることにより構成された凸部とを備え、
前記凸部は、合成樹脂を含み、
前記合成樹脂は、少なくともポリビニルアルコール誘導体又はポリ(メタ)アクリル樹脂を含み、
前記凸部は、細胞接着性を有し、
前記凸部は、平面視において前記凸部の中央に位置する部分の平均高さが10nm以上、10μm以下である、細胞培養用足場材。
続きを表示(約 670 文字)
【請求項2】
前記凸部の前記凸部が設けられていない部分に対するタンパク吸着量の比(凸部/凸部が設けられていない部分)が、2以上である、請求項1に記載の細胞培養用足場材。
【請求項3】
前記凸部は、前記基材上にドット状にパターニングされることにより構成されており、
前記凸部は、平均底面積が0.005mm
2
以上、5mm
2
以下である、請求項1又は2に記載の細胞培養用足場材。
【請求項4】
前記凸部は、周縁部に壁部を有する、請求項1~3のいずれか1項に記載の細胞培養用足場材。
【請求項5】
ナノインデンテーション法により測定した、平面視において前記凸部の中央の位置での前記凸部の25℃における弾性率が1GPa以上である、請求項1~4のいずれか1項に記載の細胞培養用足場材。
【請求項6】
前記合成樹脂は、構成単位中にブレンステッド塩基性基を0.2モル%以上、20モル%以下で含む、請求項1~5のいずれか1項に記載の細胞培養用足場材。
【請求項7】
前記凸部の水膨潤率が50%以下である、請求項1~6のいずれか1項に記載の細胞培養用足場材。
【請求項8】
前記凸部は、表面にペプチド部を有する、請求項1~7のいずれか1項に記載の細胞培養用足場材。
【請求項9】
細胞の培養領域の少なくとも一部に請求項1~8のいずれか1項に記載の細胞培養用足場材を備える、細胞培養用容器。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、細胞を培養するために用いられる細胞培養用足場材に関する。また、本発明は、上記細胞培養用足場材を用いた細胞培養用容器に関する。
続きを表示(約 1,300 文字)
【背景技術】
【0002】
近年、細胞医薬や幹細胞を用いた次世代医療が注目を集めている。なかでも、ヒト胚性幹細胞(hESC)や、ヒト人工多能性幹細胞(hiPSC)などのヒト多能性幹細胞(hPSC)、あるいはそれらから誘導される分化細胞は、創薬や再生医療への応用が期待されている。このような応用を果たすには、多能性幹細胞や、分化細胞を安全に、かつ再現性よく培養し、増殖させることが必要となる。
【0003】
これらの幹細胞は、幹細胞の集団が凝集・接着することによって、スフェロイドとよばれる細胞塊を形成することができる。スフェロイドは、生体内での三次元構造により近い状態で培養または維持できると考えられており、それが通常の平面接着培養と比べ優れた特性を示すことが知られている。実際に、がん細胞を用いた抗がん剤スクリーニング等にスフェロイドが利用されている。
【0004】
例えば、下記の特許文献1では、1つの培養面に複数のマイクロウェルが形成された培養基材において、マイクロウェルの深さを深くしすぎることなく、マイクロウェルからのスフェロイドの移動を抑制し、均一な大きさのスフェロイドを形成することができる細胞培養基材が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
国際公開第2018/123663号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の細胞培養基材は、培養面が細胞低接着面(細胞が接着しない又は接着しづらい面)となっていることから、細胞の培養効率が低いという課題がある。また、培地交換等の振動により培養面から細胞塊が剥がれやすく、細胞塊の形状や大きさを制御することが難しいという課題もある。
【0007】
本発明の目的は、容易にかつ効率よく細胞塊を形成させることができる、細胞培養用足場材及び細胞培養用容器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る細胞培養用足場材は、基材と、前記基材上にドット状又はライン状にパターニングされることにより構成された凸部とを備え、前記凸部は、合成樹脂を含み、前記合成樹脂は、少なくともポリビニルアルコール誘導体又はポリ(メタ)アクリル樹脂を含み、前記凸部は、細胞接着性を有し、前記凸部は、平面視において前記凸部の中央に位置する部分の平均高さが10nm以上、10μm以下である。
【0009】
本発明に係る細胞培養用足場材のある特定の局面では、前記凸部の前記凸部が設けられていない部分に対するタンパク吸着量の比(凸部/凸部が設けられていない部分)が、2以上である。
【0010】
本発明に係る細胞培養用足場材の他の特定の局面では、前記凸部は、前記基材上にドット状にパターニングされることにより構成されており、前記凸部は、平均底面積が0.005mm
2
以上、5mm
2
以下である。
(【0011】以降は省略されています)
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