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公開番号2024179762
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-26
出願番号2023098889
出願日2023-06-16
発明の名称マツモの付着器の培養方法
出願人理研食品株式会社,学校法人北里研究所
代理人個人
主分類C12N 5/04 20060101AFI20241219BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】本発明は、直立体の発芽に適した生育状態の良好なマツモの付着器を培養する方法を提供することを目的とする。
【解決手段】マツモの付着器に、500nm以上600nm未満の波長域の光を照射する工程を有する、マツモの付着器の培養方法。
【選択図】 図3
特許請求の範囲【請求項1】
マツモの付着器に、500nm以上600nm未満の波長域の光を照射する工程を有する、マツモの付着器の培養方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、マツモの付着器の培養方法に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
マツモは、日本の北西及び北東太平洋沿岸を中心に生息し、地元では高級食材として珍重されてきた海藻である。マツモは、そのままでも食べられる他、湯通しマツモや乾燥マツモとして、様々な食品に利用されており、栄養成分を豊富に含むこと、風味や食感が良好なことから需要が拡大している。そのため、マツモの安定した供給を確保するために、マツモの養殖に関する技術の確立が望まれている。
【0003】
マツモの養殖に関する技術としては、天然採苗による遊走子、接合子を撚糸に着生させ養殖する技術(非特許文献1~3)等が開示されている。しかし、天然採苗では、遊走子、接合子等の種苗を採取できる時期が限定されており、安定した品質、数量の種苗が得られるとは限らない。また、マツモの成長過程において、種苗から直立体が発芽する段階を経ることになるが、直立体が発芽するには、生育状態の良好な種苗でなければ直立体が発芽し難く、仮に直立体が発芽したとしても養殖段階で死滅する恐れがある。さらに、発芽のタイミングも重要であり、種苗の生育中に、直立体の発芽があまり進行した場合、ただちに養殖に用いればよいが、しばらくこれを養殖に用いず、直立体の発芽が進行した状態のままで種苗の培養を続けると、種苗が死滅するといった課題も存在する。マツモの養殖用に、適時に用いることができる生育状態の良好な種苗を得るための、マツモの付着器の培養方法に関する技術が求められている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
堤 眞治「撚糸を用いたマツモの養殖試験」水産増殖30巻2号 126-130貢(1982年)
堤 眞治「撚糸を用いたマツモの養殖試験-II」水産増殖31巻4号 196-199貢(1984年)
堤 眞治「撚糸を用いたマツモの養殖試験-III」水産増殖33巻2号 72-75貢(1985年)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、直立体の発芽に適した生育状態の良好なマツモの付着器を培養する方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、前記課題に対して鋭意検討を行った結果、マツモの付着器に、特定の波長域の光を照射することで、適時に直立体を発芽させることの可能な生育状態の良好なマツモの付着器を培養できること、さらに、これを養殖用の種苗としても利用できることを見出し、この知見に基づいて本発明を成すに至った。
【0007】
すなわち、本発明は、マツモの付着器に、500nm以上600nm未満の波長域の光を照射する工程を有する、マツモの付着器の培養方法、を含む。
【発明の効果】
【0008】
本発明のマツモの付着器の培養方法により、マツモの付着器の質量が増加し、適時に直立体を発芽させることの可能な生育状態の良好なマツモの付着器を得ることができる。すなわち、本発明によれば、生育中は、直立体の発芽が抑制されるので、良好な生育状態を維持したマツモの付着器が得られる。得られた付着器は、しばらくの間保存することも可能であるし、適時に付着器から直立体を発芽させることも出来るため、養殖用の種苗として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1は、マツモの生活環を示す図である。
図2は、マツモの生活環サブサイクルを示す図である。
図3は、マツモの付着器の培養試験1における、マツモの付着器の質量(g)の推移を示すグラフである。
図4は、マツモの付着器の培養試験1における、マツモの付着器の相対成長率(RGR)を示すグラフである。
図5は、マツモの付着器の培養試験2における、マツモの付着器の質量(g)の推移を示すグラフである。
図6は、マツモの付着器の培養試験2における、マツモの付着器の相対成長率(RGR)を示すグラフである。
図7は、マツモの付着器の培養試験3における、マツモの付着器の質量(g)の推移を示すグラフである。
図8は、マツモの付着器の培養試験3における、マツモの付着器の相対成長率(RGR)を示すグラフである。
図9は、マツモの付着器の培養試験4における、マツモの付着器の質量(g)の推移を示すグラフである。
図10は、マツモの付着器の培養試験4における、マツモの付着器の相対成長率(RGR)を示すグラフである。
図11は、マツモの付着器の培養試験4における、培養21日後の付着器の生育状態を示す写真である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明において「マツモ」とは、褐藻綱イソガワラ目イソガワラ科(Ralfsiaceae)マツモ属に属するマツモ(Analipus japonicus)をいう。
(【0011】以降は省略されています)

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