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公開番号2024179333
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-26
出願番号2023098089
出願日2023-06-14
発明の名称無血清培地中での細胞培養用下地材料
出願人日産化学株式会社
代理人弁理士法人 津国
主分類C12M 3/00 20060101AFI20241219BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】細胞凝集塊の量産製造において、生体由来の血清を用いなくても均質で高品質な細胞凝集塊を製造することができる、細胞培養の下地膜を形成するための下地膜形成剤を提供する。
【解決手段】式(I)及び(II):
<com:Image com:imageContentCategory="Drawing"> <com:ImageFormatCategory>TIFF</com:ImageFormatCategory> <com:FileName>2024179333000038.tif</com:FileName> <com:HeightMeasure com:measureUnitCode="Mm">64</com:HeightMeasure> <com:WidthMeasure com:measureUnitCode="Mm">161</com:WidthMeasure> </com:Image>
で表される繰り返し単位を含むポリマーを含む、細胞培養の下地膜形成剤とする。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
下記式(I)及び(II):
TIFF
2024179333000034.tif
65
161
[式中、

a1
及びU
a2
は、互いに独立して、水素原子又は炭素原子数1~5の直鎖若しくは分岐アルキル基であり、R
a1
及びR
b1
は、互いに独立して、水素原子又は炭素原子数1~5の直鎖若しくは分岐アルキル基であり、R
a2
は、炭素原子数1~5の直鎖若しくは分岐アルキレン基であり、Lは、リンカーであり、Xは、細胞接着性ペプチドの残基である]で表される繰り返し単位を含むポリマーを含む、細胞培養の下地膜形成剤。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
前記ポリマーが、さらに式(III):
TIFF
2024179333000035.tif
27
161
[式中、


は、水素原子又は炭素原子数1~5の直鎖若しくは分岐アルキル基である]で表される繰り返し単位を含む、請求項1に記載の細胞培養の下地膜形成剤。
【請求項3】
前記ポリマーが、さらに架橋構造を含む、請求項1又は2に記載の細胞培養の下地膜形成剤。
【請求項4】
前記架橋構造が、多官能アクリレート化合物、多官能アクリルアミド化合物、多官能ポリエステル又はイソプレン化合物由来の構造を含む、請求項3に記載の細胞培養の下地膜形成剤。
【請求項5】
前記架橋構造が、下記式(IV)、(V)及び(VI):
TIFF
2024179333000036.tif
116
161
[式中、

d1
及びR
d2
は、互いに独立して、水素原子又は炭素原子数1~5の直鎖若しくは分岐アルキル基であり、R
d3
は、互いに独立して、炭素原子数1~5の直鎖若しくは分岐アルキレン基であり、n1は1~50の数である]で表される構造からなる群より選択される少なくとも1種を含む、請求項3又は4に記載の細胞培養の下地膜形成剤。
【請求項6】
前記細胞接着ペプチドが、アルギニン-グリシン-アスパラギン酸(RGD)配列を有するペプチドである、請求項1~5のいずれかに記載の細胞培養の下地膜形成剤。
【請求項7】
細胞の付着抑制能を有する基板上に、請求項1~6のいずれかに記載の細胞培養の下地膜形成剤で形成した、細胞培養の下地膜のスポットを備える、細胞凝集塊製造用基板。
【請求項8】
請求項7に記載の細胞凝集塊製造用基板に、細胞を播種する工程を含む、細胞凝集塊の製造方法。
【請求項9】
下記式(IIa′):
TIFF
2024179333000037.tif
42
161
[式中、R
b11
は、水素原子又は炭素原子数1~5の直鎖若しくは分岐アルキル基であり、R
b12
は、水素原子又はカルボキシル基の保護基であり、R
b13
及びR
b15
は、水素原子又は1級アミノ基の保護基であり、R
b14
は、水素原子又は2級アミノ基の保護基であり、mは、1~5の数である]で表される化合物。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、無血清培地中での細胞培養の下地膜形成剤、前記下地膜を備える細胞凝集塊製造用基板、及び細胞凝集塊の製造方法に関する。
続きを表示(約 3,200 文字)【背景技術】
【0002】
細胞培養を効率的に行うための下地膜形成剤として、様々な材料が提案されている。
特許文献1には、細胞培養の下地膜として使用するポリマーの製造方法及び細胞培養容器が開示されている。特許文献2には、細胞構造体の製造方法が開示されている。
これらの細胞培養の下地膜は、均質な細胞凝集塊の製造(培養)工程においては、細胞の下地膜への均一な接着のために、生体由来の血清を用いる必要があり、個体差による増殖能力をはじめとする品質のばらつきの問題や、人以外の動物由来血清を用いる場合のアレルギー発生やウイルス混入など安全性のリスクが発生するなどの問題があった。
【0003】
特許文献3には、そのような問題を解消するために、生体由来の血清を用いなくても均質で高品質な細胞凝集塊を製造することができる細胞培養の下地膜、それを形成するための下地膜形成剤、及び細胞凝集塊製造用基板が開示されている。前記下地膜形成剤は、特定の構造を有するポリマー、細胞接着性物質、及び溶媒を含み、これにより形成される下地膜を備える基板は、動物由来血清の有無にかかわらず、均質で高品質な細胞凝集塊の量産化が達成できることが示されているが、下地膜に含まれる細胞接着性物質の溶出が懸念される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
国際公開第2020/040247号
特開2017-143755号公報
国際公開第2023/282253号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、先行技術をさらに改良し、細胞凝集塊の量産製造において、生体由来の血清を用いなくても均質で高品質な細胞凝集塊を製造することができ、かつ細胞接着性物質の溶出の懸念のない新たな細胞培養の下地膜、それを形成するための下地膜形成剤及び、細胞凝集塊製造用基板を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は以下を包含する。
[1] 下記式(I)及び(II):
TIFF
2024179333000001.tif
64
161
[式中、

a1
及びU
a2
は、互いに独立して、水素原子又は炭素原子数1~5の直鎖若しくは分岐アルキル基であり、R
a1
及びR
b1
は、互いに独立して、水素原子又は炭素原子数1~5の直鎖若しくは分岐アルキル基であり、R
a2
は、炭素原子数1~5の直鎖若しくは分岐アルキレン基であり、Lは、リンカーであり、Xは、細胞接着性ペプチドの残基である]で表される繰り返し単位を含むポリマーを含む、細胞培養の下地膜形成剤。
[2] 前記ポリマーが、さらに式(III):
TIFF
2024179333000002.tif
27
161
[式中、


は、水素原子又は炭素原子数1~5の直鎖若しくは分岐アルキル基である]で表される繰り返し単位を含む、[1]に記載の細胞培養の下地膜形成剤。
[3] 前記ポリマーが、さらに架橋構造を含む、[1]又は[2]に記載の細胞培養の下地膜形成剤。
[4] 前記架橋構造が、多官能アクリレート化合物、多官能アクリルアミド化合物、多官能ポリエステル又はイソプレン化合物由来の構造を含む、[3]に記載の細胞培養の下地膜形成剤。
[5] 前記架橋構造が、下記式(IV)、(V)及び(VI):
TIFF
2024179333000003.tif
115
161
[式中、

d1
及びR
d2
は、互いに独立して、水素原子又は炭素原子数1~5の直鎖若しくは分岐アルキル基であり、R
d3
は、互いに独立して、炭素原子数1~5の直鎖若しくは分岐アルキレン基であり、n1は1~50の数である]で表される構造からなる群より選択される少なくとも1種を含む、[3]又は[4]に記載の細胞培養の下地膜形成剤。
[6] 前記細胞接着ペプチドが、アルギニン-グリシン-アスパラギン酸(RGD)配列を有するペプチドである、[1]~[5]のいずれかに記載の細胞培養の下地膜形成剤。
[7] 細胞の付着抑制能を有する基板上に、[1]~[6]のいずれかに記載の細胞培養の下地膜形成剤で形成した、細胞培養の下地膜のスポットを備える、細胞凝集塊製造用基板。
[8] [7]に記載の細胞凝集塊製造用基板に、細胞を播種する工程を含む、細胞凝集塊の製造方法。
[9] 下記式(IIa′):
TIFF
2024179333000004.tif
42
161
[式中、R
b11
は、水素原子又は炭素原子数1~5の直鎖若しくは分岐アルキル基であり、R
b12
は、水素原子又はカルボキシル基の保護基であり、R
b13
及びR
b15
は、水素原子又は1級アミノ基の保護基であり、R
b14
は、水素原子又は2級アミノ基の保護基であり、mは、1~5の数である]で表される化合物。
【発明の効果】
【0007】
本発明の細胞培養の下地膜形成剤を用いて形成した細胞培養の下地膜は、動物由来の血清不含培養条件において、前記下地膜に対する細胞の均一な接着を実現できるため、良質な細胞凝集塊を製造できる。また本発明の下地膜では、細胞接着性ペプチドはポリマーに化学結合していることから、下地膜から培養液などへの溶出の懸念がない。これにより前記細胞培養の下地膜形成剤を用いることで、再生医療分野で用いられる均質で高品質な細胞凝集塊の量産化を達成できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
試験例1のヒト脂肪組織由来間葉系幹細胞(ADSC)を用いた細胞接着・細胞凝集塊形成確認試験に付された、実施例1~2、比較例1~2で作製した細胞凝集塊製造用基板の様子を、2時間後、6時間後及び26時間後に撮影した実体顕微鏡写真である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<細胞培養の下地膜形成剤>
本発明の細胞培養の下地膜形成剤は、下記式(I)及び(II):
TIFF
2024179333000005.tif
64
161
[式中、

a1
及びU
a2
は、互いに独立して、水素原子又は炭素原子数1~5の直鎖若しくは分岐アルキル基であり、R
a1
及びR
b1
は、互いに独立して、水素原子又は炭素原子数1~5の直鎖若しくは分岐アルキル基であり、R
a2
は、炭素原子数1~5の直鎖若しくは分岐アルキレン基であり、Lは、リンカーであり、Xは、細胞接着性ペプチドの残基である]で表される繰り返し単位を含むポリマーを含む。
【0010】
(ポリマー)
本発明の細胞培養の下地膜形成剤が含むポリマーは、前記式(I)及び(II)で表される繰り返し単位を含むポリマーである。
(【0011】以降は省略されています)

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