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公開番号2025014822
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-30
出願番号2023117689
出願日2023-07-19
発明の名称カルボン酸クロライドの製造方法
出願人日産化学株式会社
代理人弁理士法人英明国際特許事務所
主分類C07C 51/60 20060101AFI20250123BHJP(有機化学)
要約【課題】 高純度で色相(APHA)が良好なカルボン酸クロライドを高収率で製造するための新たな方法を提供すること。
【解決手段】アミド化合物の存在下、炭素数8~26の脂肪族分岐状カルボン酸とオキシ塩化リンとを反応させてカルボン酸クロライドを合成する(A)工程と、得られたカルボン酸クロライドを有機溶媒で分液精製する(B)工程とを含むカルボン酸クロライドの製造方法。
【選択図】 なし
特許請求の範囲【請求項1】
アミド化合物の存在下、炭素数8~26の脂肪族分岐状カルボン酸とオキシ塩化リンとを反応させてカルボン酸クロライドを合成する(A)工程と、得られたカルボン酸クロライドを有機溶媒で分液精製する(B)工程とを含むカルボン酸クロライドの製造方法。
続きを表示(約 890 文字)【請求項2】
上記脂肪族分岐状カルボン酸が下記式(1)で表され、上記脂肪族分岐状カルボン酸クロライドが下記式(2)で表される請求項1記載のカルボン酸クロライドの製造方法。
TIFF
2025014822000008.tif
32
66
(式中、R
1
およびR
2
は、それぞれ独立して、炭素数3~12の直鎖状または分岐状アルキル基を表す。)
【請求項3】
上記R
1
およびR
2
が、それぞれ独立して、炭素数5~12の直鎖状または分岐状アルキル基である請求項2記載のカルボン酸クロライドの製造方法。
【請求項4】
上記アミド化合物が、N,N-ジメチルホルムアミドである請求項1記載のカルボン酸クロライドの製造方法。
【請求項5】
上記アミド化合物が、触媒および溶媒である請求項1記載のカルボン酸クロライドの製造方法。
【請求項6】
上記(A)工程において、反応温度を15~55℃とする請求項1記載のカルボン酸クロライドの製造方法。
【請求項7】
上記アミド化合物の使用量を、上記オキシ塩化リンに対して0.2~10当量とする請求項1記載のカルボン酸クロライドの製造方法。
【請求項8】
上記(B)工程において、有機溶媒として、疎水性溶媒と親水性溶媒とを用いる請求項1記載のカルボン酸クロライドの製造方法。
【請求項9】
上記疎水性溶媒が、炭素数5~16の脂肪族炭化水素類および炭素数6~12の単環芳香族炭化水素類からなる群より選ばれる少なくとも1種であり、上記親水性溶媒が、ニトリル類、エステル類、エーテル類、ケトン類およびアミド類からなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項8記載のカルボン酸クロライドの製造方法。
【請求項10】
上記疎水性溶媒がヘプタン、上記親水性溶媒がアセトニトリルである請求項9記載のカルボン酸クロライドの製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、カルボン酸クロライドの製造方法に関する。
続きを表示(約 1,200 文字)【背景技術】
【0002】
カルボン酸クロライドは、多くの化学製品、例えば、化粧品基剤、有機過酸化物、アルキルケテンダイマー等を合成する際の工業的に重要な中間体である。このカルボン酸クロライドは、カルボン酸と塩化リン、ホスゲンまたは塩化チオニル等のクロロ化剤(以下、Cl化剤と表記することもある。)とを反応させて得られる。
【0003】
ホスゲンは、毒性が高いため、取り扱いが困難である。塩化チオニルは、容易にカルボン酸クロライドが得られるが、色相に悪影響を与える硫黄の混入が避けられず、カラーカプラー用原料として用いうるレベルまで硫黄分を除去するには、収率の低下が避けられない(特許文献1参照)。
【0004】
塩化リンには、五塩化リン、三塩化リンまたはオキシ塩化リンがあるが、それぞれ以下のような問題がある(特許文献2参照)。
【0005】
五塩化リンは、反応性の面で最も優れており、低い過剰量でカルボン酸をほぼ完全にカルボン酸クロライドに変換できるが、不揮発性であるため、その過剰分を分離するのが困難である。また、他の塩化リンに比べて高価な上に、有効塩素も20%と低いため、経済的に著しく不利である。また、吸湿性固体であるため、他の塩化リンに比べてハンドリング性が悪い。
【0006】
三塩化リンは、すべての塩素が有効に働くため、経済的に最も有利であり、また得られる製品の色相が良好なため、工業的に広く用いられている。しかし、五塩化リンに比べて反応性が劣るので、高純度であることが要求される場合は、反応後に蒸留による精製が必要となり、収率が落ちる。
【0007】
オキシ塩化リンは、N,N-ジメチルホルムアミド等の触媒を使用すると、反応性に優れるが、副生成物が主に飴状のメタリン酸であり、反応混合物が高粘度スラリー状になるので、静置分離後のメタリン酸の除去に長時間を要する上、除去時に分層不良によりカルボン酸クロライドが損失し、収率が低下する。
【0008】
特許文献2では、脂肪族直鎖状のカルボン酸と三塩化リンとの反応、これに引き続く少量のオキシ塩化リンとの反応により、高純度で色相の良好な(着色が少ない)カルボン酸クロライドを高収率で得られる製造方法が提案されている。しかしながら、この製造方法は、2段階の反応工程を経るため、生産効率に課題が残る。
【0009】
そのため、高純度で色相が良好な(着色が少ない)カルボン酸クロライドを高収率で製造するためのより効率的な方法の開発が望まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
特開2003-26630号公報
特開平10-287611号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
(【0011】以降は省略されています)

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