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公開番号2024171262
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-11
出願番号2023088239
出願日2023-05-29
発明の名称作業機械
出願人コベルコ建機株式会社
代理人個人,個人
主分類E02F 9/22 20060101AFI20241204BHJP(水工;基礎;土砂の移送)
要約【課題】移動作業において、把持装置が対象物を把持した状態を維持することと、移動作業の開始時におけるブーム、アームなどの部材の動作速度が大きくなることを抑制することと、を両立させる。
【解決手段】作業機械100は、第1ポンプ31と、把持シリンダ29と、把持動作を行う把持装置24と、把持操作を受ける把持操作器40と、把持装置24が把持動作を行うように把持シリンダ29に作動油の圧力が作用することを許容する把持位置に把持操作に応じて切り換わる把持制御弁61と、把持制御弁61が把持位置に切り換えられた状態において第1ポンプ31から把持シリンダ29に向かう作動油の流れを許容する一方でその反対方向の流れを阻止するチェック弁71と、把持操作が単独で行われることにより把持装置24が把持動作を行った後に第1ポンプ31の吐出量を減少させる吐出抑制制御を行うコントローラ90と、を備える。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
作動油を吐出する第1ポンプと、
前記作動油の供給を受けて作動する把持シリンダと、
前記把持シリンダに駆動されて作業の対象物を把持するための把持動作を行う把持装置と、
前記把持装置に前記把持動作を行わせるための操縦者による把持操作を受ける把持操作器と、
前記第1ポンプと前記把持シリンダとの間に介在し、前記把持装置が前記把持動作を行うように前記把持シリンダに前記作動油の圧力が作用することを許容する位置である把持位置に前記把持操作に応じて切り換わる把持制御弁と、
前記把持制御弁が前記把持位置に切り換えられた状態において前記第1ポンプから前記把持シリンダに向かう前記作動油の流れを許容する一方でその反対方向の流れを阻止するチェック弁と、
前記把持操作が単独で行われることにより前記把持装置が前記把持動作を行った後に前記第1ポンプの吐出量を減少させる吐出抑制制御を行うコントローラと、を備える作業機械。
続きを表示(約 1,200 文字)【請求項2】
前記コントローラは、前記吐出抑制制御において前記把持操作が単独で行われることにより前記把持装置が前記把持動作を行った後に前記第1ポンプの吐出量を最小吐出量に制御する、請求項1に記載の作業機械。
【請求項3】
前記コントローラは、前記把持操作が単独で行われ、かつ、前記第1ポンプの吐出圧が所定値以上に達した場合に、前記吐出抑制制御を行う、請求項1に記載の作業機械。
【請求項4】
前記コントローラは、前記把持操作が単独で行われ、かつ、前記第1ポンプの吐出圧がリリーフ圧である状態が所定時間継続した場合に、前記吐出抑制制御を行う、請求項1に記載の作業機械。
【請求項5】
前記コントローラは、前記把持操作器に対する前記把持操作が解除された場合に前記吐出抑制制御を終了する、請求項1に記載の作業機械。
【請求項6】
前記コントローラからの指令に応じた2次圧を前記把持制御弁のパイロットポートに出力可能な圧力調節弁をさらに備え、
前記コントローラは、前記吐出抑制制御において、前記把持制御弁が前記把持位置に切り換えられた状態が維持されるように前記圧力調節弁を制御する、請求項1に記載の作業機械。
【請求項7】
前記コントローラからの指令に応じた2次圧を前記把持制御弁のパイロットポートに出力可能な圧力調節弁と、
シャトル弁と、をさらに備え、
前記把持操作器は、前記把持操作の大きさに応じた2次圧を出力するリモコン弁を有し、
前記シャトル弁は、前記リモコン弁から出力される前記2次圧と前記圧力調節弁から出力される前記2次圧のうち高い方を前記パイロットポートに供給するように構成される、請求項1に記載の作業機械。
【請求項8】
前記操縦者の入力を受ける入力器をさらに備え、
前記コントローラは、前記入力器が前記入力を受けた場合には前記吐出抑制制御を行わない、請求項1に記載の作業機械。
【請求項9】
作動油を吐出する第2ポンプと、
前記第2ポンプが吐出する作動油の供給を受けて作動する第2アクチュエータと、
前記第1ポンプとタンクとを接続する油路に配置されるアンロード弁と、をさらに備え、
前記第1ポンプは、前記把持シリンダと前記把持シリンダ以外の少なくとも一つのアクチュエータとに前記作動油を供給するように構成され、
前記コントローラは、前記把持操作と、前記第2アクチュエータを作動させるための操作と、が行われる一方で、前記少なくとも一つのアクチュエータを作動させるための操作が行われない場合には、前記吐出抑制制御において前記アンロード弁の開度を絞る制御を行う、請求項1~8の何れか1項に記載の作業機械。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、作業の対象物を把持するための把持動作を行う把持装置を備える作業機械に関する。
続きを表示(約 2,600 文字)【背景技術】
【0002】
油圧ショベルなどの作業機械は、上部旋回体に支持される作業装置を備える。作業装置は、例えば、ブームと、ブームの先端に取り付けられるアームと、アームの先端に取り付けられる先端アタッチメントと、を含む。作業機械が地盤の掘削を行う場合には、先端アタッチメントとしてバケットがアームの先端に取り付けられる。また、作業機械が別の作業を行う場合には、その作業の内容に応じてバケット以外の先端アタッチメントがアームの先端に取り付けられることもある。
【0003】
特許文献1は、作業の種類に応じて予備のアタッチメントを取り付ける構造を有する作業機械の油圧回路を開示している。この特許文献1では、予備のアタッチメントとして、油圧で駆動される破砕用アタッチメントが例示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開平9-217385号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、先端アタッチメントとして例えばグラップル、フォーク、ニブラなどの把持装置を備える作業機械は、把持装置が対象物を把持する把持作業と、把持装置が対象物を把持した状態で当該対象物を運搬車の荷台などの移動先の真上に移動させる移動作業と、をこの順に行う。この場合、把持作業において把持装置が対象物を把持すると、把持装置を動かすためのアクチュエータである把持シリンダの作動圧が高くなる。そして、把持作業の後に行われる移動作業において対象物が把持装置によって把持された状態が解除されないようにするためには、移動作業中においても把持シリンダの作動圧が高い状態、すなわち、ポンプ圧が高い状態を維持する必要がある。すなわち、この移動作業では、ポンプ圧が高い状態を維持しながら、ブームシリンダ、アームシリンダなどの他のアクチュエータを動かす必要がある。従って、移動作業が開始される時点において、高いポンプ圧が他のアクチュエータに作用するため、移動作業の開始時におけるブーム、アームなどの部材の動作速度が大きくなりやすい。このことは、作業機械の操作性を悪化させる原因となる。
【0006】
本開示は、対象物が把持装置によって把持された状態で当該対象物を移動させる移動作業において、把持装置が対象物を把持した状態を維持することと、移動作業の開始時におけるブーム、アームなどの部材の動作速度が大きくなることを抑制することと、を両立できる作業機械を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
提供される作業機械は、作動油を吐出する第1ポンプと、前記作動油の供給を受けて作動する把持シリンダと、前記把持シリンダに駆動されて作業の対象物を把持するための把持動作を行う把持装置と、前記把持装置に前記把持動作を行わせるための操縦者による把持操作を受ける把持操作器と、前記第1ポンプと前記把持シリンダとの間に介在し、前記把持装置が前記把持動作を行うように前記把持シリンダに前記作動油の圧力が作用することを許容する位置である把持位置に前記把持操作に応じて切り換わる把持制御弁と、前記把持制御弁が前記把持位置に切り換えられた状態において前記第1ポンプから前記把持シリンダに向かう前記作動油の流れを許容する一方でその反対方向の流れを阻止するチェック弁と、前記把持操作が単独で行われることにより前記把持装置が前記把持動作を行った後に前記第1ポンプの吐出量を減少させる吐出抑制制御を行うコントローラと、を備える。
【0008】
この作業機械では、操縦者が把持操作器に対して把持操作を単独で与えると、把持制御弁が把持位置に切り換わることにより把持シリンダに作動油の圧力が作用して把持装置が把持動作を行い、これにより、対象物が把持装置に把持される。この状態、すなわち、把持制御弁が把持位置に切り換えられた状態では、チェック弁は、第1ポンプから把持シリンダに向かう作動油の流れを許容する一方でその反対方向の流れ、すなわち、把持シリンダから前記反対方向への作動油の流出を阻止するので、把持装置が把持動作とは反対の向きに動作することを阻止することができる。従って、把持操作が単独で行われることにより把持装置が把持動作を行った後に、コントローラが第1ポンプの吐出量を減少させる吐出抑制制御を行うことで第1ポンプの吐出圧であるポンプ圧が低下しても、把持装置が対象物を把持した状態が維持される。このことは、第1ポンプの吐出圧を低下させた状態で移動作業を開始することを可能にするので、移動作業の開始時におけるブーム、アームなどの部材の動作速度が大きくなることが抑制される。よって、この作業機械は、対象物が把持装置によって把持された状態で当該対象物を移動させる移動作業において、把持装置が対象物を把持した状態を維持することと、移動作業の開始時におけるブーム、アームなどの部材の動作速度が大きくなることを抑制することと、を両立できる。
【0009】
前記コントローラは、前記吐出抑制制御において前記把持操作が単独で行われることにより前記把持装置が前記把持動作を行った後に前記第1ポンプの吐出量を最小吐出量に制御することが好ましい。この構成は、第1ポンプの吐出量が最小吐出量に制御されることで第1ポンプの吐出圧を極力低減させた状態で移動作業を開始することを可能にするので、移動作業の開始時におけるブーム、アームなどの部材の動作速度が大きくなることがより効果的に抑制される。
【0010】
前記コントローラは、前記把持操作が単独で行われ、かつ、前記第1ポンプの吐出圧が所定値以上に達した場合に、前記吐出抑制制御を行うことが好ましい。この構成は、吐出抑制制御を行うか否かを判定するための条件として、把持操作が単独で行われることだけでなく、第1ポンプの吐出圧が所定値以上に達することをさらに含む。従って、この構成では、第1ポンプの吐出圧が所定値以上に達した状態、すなわち、把持装置が対象物をより確実に把持した状態で移動作業を開始することができる。
(【0011】以降は省略されています)

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