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公開番号
2024169167
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-12-05
出願番号
2023086409
出願日
2023-05-25
発明の名称
建築物とその施工方法
出願人
株式会社フジタ
代理人
個人
,
個人
主分類
E02D
5/20 20060101AFI20241128BHJP(水工;基礎;土砂の移送)
要約
【課題】建物の地下部の側壁に対して、ソイルセメント柱列式連続壁が接合されてなる建築物に関し、建物から芯材に作用する引抜力に対する引抜抵抗力が高められた建築物とその施工方法を提供すること。
【解決手段】地盤G内にあって建物10の備える地下部11の少なくとも側壁15と、建物10の周囲に設けられているソイルセメント柱列式連続壁20とが接合され、ソイルセメント柱列式連続壁20は、ソイルセメント30の内部に芯材40が埋設されている、建築物200であり、芯材40には、その下端47とソイルセメント30の下端35の間の下方領域38に延びる鋼製の延伸部材60が接合されている。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
地盤内にあって建物の備える地下部の少なくとも側壁と、前記建物の周囲に設けられているソイルセメント柱列式連続壁とが接合され、前記ソイルセメント柱列式連続壁は、ソイルセメントの内部に芯材が埋設されている、建築物であって、
前記芯材には、該芯材の下端と前記ソイルセメントの下端の間の下方領域に延びる鋼製の延伸部材が接合されていることを特徴とする、建築物。
続きを表示(約 960 文字)
【請求項2】
前記延伸部材が、軸状部材であることを特徴とする、請求項1に記載の建築物。
【請求項3】
前記軸状部材が、直線状の部材であることを特徴とする、請求項2に記載の建築物。
【請求項4】
前記軸状部材が鉄筋であることを特徴とする、請求項2又は3に記載の建築物。
【請求項5】
前記軸状部材が形鋼材であることを特徴とする、請求項2又は3に記載の建築物。
【請求項6】
前記側壁の下端から前記延伸部材の下端までの範囲にある、前記ソイルセメントと周辺の地盤との間の周面摩擦力が、少なくとも前記側壁から前記芯材に作用する引抜力以上となるように、前記延伸部材における前記芯材の下端から下方への延伸長さが設計されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の建築物。
【請求項7】
前記芯材にシアコネクタが接合され、該シアコネクタが前記地下部の側壁に埋設されることにより、前記側壁と前記ソイルセメント柱列式連続壁が接合されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の建築物。
【請求項8】
地盤内にあって建物の備える地下部の少なくとも側壁と、前記建物の周囲に設けられているソイルセメント柱列式連続壁とが接合されている、建築物の施工方法であって、
削孔内のソイルセメントの内部に、建物側の第1フランジと、前記建物と反対側の第2フランジと、ウェブとを備えるH形鋼により形成されている芯材を建て込むことにより、ソイルセメント柱列式連続壁を施工する、A工程と、
前記ソイルセメント柱列式連続壁の上端にあるソイルセメントを切削して、前記第1フランジの一部を露出させ、前記第1フランジの露出部にシアコネクタを接合する、B工程と、
前記建物のうち、前記第1フランジと当接する少なくとも前記側壁を施工し、前記側壁に前記シアコネクタを埋設することにより、前記地下部の側壁と前記ソイルセメント柱列式連続壁とを相互に接合する、C工程と、を有し、
前記A工程において、前記芯材には、該芯材の下端と前記ソイルセメントの下端の間の下方領域に延びる鋼製の延伸部材が接合されていることを特徴とする、建築物の施工方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、建築物とその施工方法に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)
【背景技術】
【0002】
山留め壁には、親杭横矢板壁や鋼製矢板壁等の既製矢板壁と、柱列山留め壁や連続地中壁等の場所打ち壁とがあり、柱列山留め壁には、場所打ち鉄筋コンクリート柱列山留め壁や鋼管柱列山留め壁、ソイルセメント柱列山留め壁(ソイルセメント柱列式連続壁)等がある。
【0003】
例えば上記するソイルセメント柱列式連続壁は仮設構造物である一方、本設構造物である建物の備える地下部の側壁と連結されることにより、ソイルセメント柱列式連続壁を本設構造物である建築物の基礎の一部として利用する形態も存在する。このように、ソイルセメント柱列式連続壁を山留め壁としてのみならず、本設構造物の基礎の一部としても利用することにより、本設構造物の基礎の構造をよりシンプルにでき、例えば基礎のコンクリート数量や鉄筋数量を低減できることから、施工コストの大幅な削減を図ることができる。例えば、特許文献1には、ソイルセメント柱列壁の構築後に建物の地下構造を施工する際に、ソイルセメント柱列壁にシアコネクタ等を取り付け、ソイルセメント柱列壁と建物の地下構造とを一体に構築する方法が提案されている。
【0004】
ここで、上記するソイルセメント柱列式連続壁を本設構造物である建築物の基礎の一部として利用する形態の具体的な構成を、図5と図6を参照して説明する。図5は、建築物の一例を示す縦断面図であり、図6は、図5のVI-VI矢視図である。
【0005】
図示例の建築物100は、地盤G内にある建物10の備える地下部11の側壁15及び底盤17と、建物10の周囲に施工されているソイルセメント柱列式連続壁20とが接合されることにより、構成されている。例えば平面視矩形の建物10の地下部11の側壁15の周囲に、平面視矩形枠状のソイルセメント柱列式連続壁20が造成され、複数箇所にて双方が接合される。図5は、建物10の側壁15と底盤17、柱16の一部のみを取り出して図示している。
【0006】
ソイルセメント柱列式連続壁20は、平面視円形のソイルセメント30の一部が相互にラップするようにして造成され、平面視円形の削孔G1内にあるソイルセメント30の内部には、ウェブ41と、建物10側にある第1フランジ42と、建物10と反対側の第2フランジ43とを有する、H形鋼により形成される芯材40が埋設されている。ここで、芯材40は一般に、その下端47とソイルセメント30の下端35の離間t1が1m程度となるようにソイルセメント30内に挿入されることになる。
【0007】
ソイルセメント30に埋設される芯材40のうち、上方の建物10側の第1フランジ42には、複数のシアコネクタ50が溶接等により接合されて側方に張り出し、張り出しているシアコネクタ50が地下部11の側壁15や底盤17に埋設されることにより、建物10とソイルセメント柱列式連続壁20の一体化が図られている。建物10の自重や、建物が地震時に変位した際に生じる押込力N1は、建物10からシアコネクタ50を介して芯材40に伝達される。
【0008】
芯材40のウェブ41の下方には、複数のシアコネクタ45が溶接等により接合されてウェブ41の側方に張り出し、ソイルセメント30の内部に埋設されている。芯材40に伝達された押込力N1は、芯材40の先端や周面、シアコネクタ45を介して芯材40の周囲のソイルセメント30に伝達され、ソイルセメント30と周囲の地盤Gとの間の周面摩擦力を介して押込力N1がソイルセメント30から周囲の地盤Gに伝達されることにより、ソイルセメント柱列式連続壁20の支持力が確保される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
特許第4466418号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ところで、地下水位が高いケースでは、ソイルセメント柱列式連続壁20に止水性が期待されることになるが、芯材40の下端付近にある地盤が透水性の砂質地盤等である場合は、ソイルセメント30のみを下方にある粘性土等の不透水層や難透水層まで伸ばし、地下水のX1方向への回り込みを防止する対策が講じられることになる。例えば、図7に示すように、ソイルセメント30のみが、下方にある不透水層GA等まで伸ばされることにより、地下水の回り込みが防止される。土留め壁として必要な強度を備えた芯材40の長さと不透水層GAの位置等に応じて、離間t2の長さは10m乃至20m程度に及ぶこともあり得る。
(【0011】以降は省略されています)
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