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公開番号2024155489
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-31
出願番号2023070249
出願日2023-04-21
発明の名称地盤補強工法
出願人ジオファーム株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類E02D 27/01 20060101AFI20241024BHJP(水工;基礎;土砂の移送)
要約【課題】高い沈下抑制効果を維持しつつ掘削土量と砕石量を削減可能な地盤補強工法を提供する。
【解決手段】本発明の地盤補強工法は、地盤を掘削して、建物の基礎Aの底面形状に対応する表面形状の根切り面Bを構築する、根切り工程S1と、根切り面B上に基盤粒材1を敷込んで転圧し、一次粒材層Cを構築する、一次敷込み工程S2と、一次粒材層C上に、帯状の複数の補強シート2を、幅方向に一部重なるように並列配置する、敷設工程S3と、補強シート2の長手方向両端部を地盤にアンカー留めして仮固定端部Eを構築する、仮固定工程S4と、補強シート2上に基盤粒材1を敷込んで転圧し、二次粒材層Dを構築する、二次敷込み工程S5と、仮固定端部E上にコンクリートを打設して地盤に固定する、固定工程S6と、を備え、二次敷込み工程S5において、補強シート2の凹部に敷込んだ基盤粒材1の荷重によって、複数の補強シート2の少なくとも1つに緊張力を付与することを特徴とする。
【選択図】図5
特許請求の範囲【請求項1】
地盤を掘削して、建物の基礎の底面形状に対応する表面形状の根切り面を構築する、根切り工程と、
前記根切り面上に基盤粒材を敷込んで転圧し、一次粒材層を構築する、一次敷込み工程と、
前記一次粒材層上に、帯状の複数の補強シートを、幅方向に一部重なるように並列配置する、敷設工程と、
前記補強シートの長手方向両端部を前記地盤にアンカー留めして仮固定端部を構築する、仮固定工程と、
前記補強シート上に基盤粒材を敷込んで転圧し、二次粒材層を構築する、二次敷込み工程と、
前記仮固定端部上にコンクリートを打設して前記地盤に固定する、固定工程と、を備え、
前記二次敷込み工程において、前記補強シートの凹部に敷込んだ基盤粒材の荷重によって、前記複数の補強シートの少なくとも1つに緊張力を付与することを特徴とする、
地盤補強工法。
続きを表示(約 290 文字)【請求項2】
前記補強シートが、長手方向の線材の引張強度を幅方向の線材の引張強度より大きく構成した織布からなることを特徴とする、請求項1に記載の地盤補強工法。
【請求項3】
前記仮固定工程において、前記補強シートの長手方向端部を合成樹脂製の固定バーに巻き付けて前記地盤にアンカー留めすることを特徴とする、請求項1に記載の地盤補強工法。
【請求項4】
前記仮固定工程において、前記補強シートの長手方向端部を前記固定バーごと幅方向に曲折し、前記一次粒材層の凹凸に追従した状態で前記地盤にアンカー留めすることを特徴とする、請求項3に記載の地盤補強工法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、地盤補強工法に関し、特に高い沈下抑制効果を維持しつつ掘削土量と砕石量を削減可能な地盤補強工法に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
戸建て住宅等を建築予定の敷地が軟弱地盤である等の場合、地盤の支持力を向上させるための地盤補強工法が実施される。
特許文献1には、帯状のスパンボンド不織布からなる補強シートを直交方向に重ね合わせるように地盤上に敷設し、補強シートの両端部を地盤に固定することで、軟弱地盤を補強する地盤補強工法が開示されている。
この地盤補強工法は、(1)地盤の根切り、(2)砕石の敷込みと転圧、(3)砕石上へ補強シートを敷設、(4)補強シートの端部をアンカーで仮留め、(5)補強シート上へ砕石を敷込み転圧、(6)補強シートの端部をコンクリートで固定、(7)埋戻し、の手順で施工する。
補強シートを敷設する際、建物荷重による補強シートの沈み込みを防止するため、作業員が補強シートの端部を引っ張り、補強シートに長手方向の引張力(プレストレス)を付与した上でアンカー留めしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2004-116156号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来技術には、以下のような欠点がある。
<1>本工法は、補強シートを人力で長手方向に引っ張ってプレストレスを付与する技術であるため、シートを敷設する砕石層及びその下の根切り面を平坦にする必要がある。従って、底面に地中梁を有する構造の基礎にこの工法を適用する場合(図11)、基礎の底面(a)ではなく、地中梁の底面(b)から砕石層の層厚を確保した深さに根切り面を設定し、平面状に根切りする必要がある。このため、要求性能に対し(a-b)の厚みに相当する量だけ掘削土量と砕石量が多くなることで、排土の処理コストと砕石の調達コストが嵩む。
<2>補強シートを人力で緊張する構成であるため、付与可能な緊張力に限界がある。
<3>補強シートを引っ張り、緊張力を保持した状態でアンカー留めする作業の難度が高く、作業員の肉体的負担が大きい。
【0005】
本発明の目的は、以上のような従来技術の課題を解決するための、地盤補強工法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の地盤補強工法は、地盤を掘削して、建物の基礎の底面形状に対応する表面形状の根切り面を構築する、根切り工程と、根切り面上に基盤粒材を敷込んで転圧し、一次粒材層を構築する、一次敷込み工程と、一次粒材層上に、帯状の複数の補強シートを、幅方向に一部重なるように並列配置する、敷設工程と、補強シートの長手方向両端部を地盤にアンカー留めして仮固定端部を構築する、仮固定工程と、補強シート上に基盤粒材を敷込んで転圧し、二次粒材層を構築する、二次敷込み工程と、仮固定端部上にコンクリートを打設して地盤に固定する、固定工程と、を備え、二次敷込み工程において、補強シートの凹部に敷込んだ基盤粒材の荷重によって、複数の補強シートの少なくとも1つに緊張力を付与することを特徴とする。
【0007】
本発明の地盤補強工法は、補強シートが、長手方向の線材の引張強度を幅方向の線材の引張強度より大きく構成した織布からなっていてもよい。
【0008】
本発明の地盤補強工法は、仮固定工程において、補強シートの長手方向端部を合成樹脂製の固定バーに巻き付けて地盤にアンカー留めしてもよい。
【0009】
本発明の地盤補強工法は、仮固定工程において、補強シートの長手方向端部を固定バーごと幅方向に曲折し、一次粒材層の凹凸に追従した状態で地盤にアンカー留めしてもよい。
【発明の効果】
【0010】
本発明の地盤補強工法は、以下の効果の内少なくとも1つを備える。
<1>補強シートを基礎の底面の凹凸に沿って敷設しつつ、基盤粒材の荷重や転圧によって事後的に補強シートに緊張を付与することができる。このため、粒材層を基礎の底面に沿った均一の厚みにすることができるため、従来技術に比べ、掘削土量と基盤粒材の量を大幅に削減することができる(図12)。以上によって、根切り工程の作業量を軽減できるとともに、排土の処理コストと砕石の調達コストを大幅に低減することができる。
<2>補強シートを、一次粒材層と二次粒材層との間で基礎の底面形状に対応した凹凸で挟持する構造であるため、粒材層間における補強シートの摩擦力が向上することで、高い沈下抑制効果を発揮することができる。
<3>補強シートを、基盤粒材の荷重で緊張する構造であるため、人力によらず補強シートに大きな緊張力を付与することができる。
<4>補強シートを緊張した状態でアンカー留めする作業がないため、作業員の肉体的負担が少ない。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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