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公開番号
2025093343
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-06-24
出願番号
2023208925
出願日
2023-12-12
発明の名称
土採取装置
出願人
株式会社forch
代理人
主分類
E02D
1/04 20060101AFI20250617BHJP(水工;基礎;土砂の移送)
要約
【課題】地盤調査機に接続して使用可能であることにより試験の簡便性を損なわず、所望の深度の土以外の土を混入させず、かつ所望の深度の土を確実に採取可能な
土採取装置
を提供する。
【解決手段】先端が一部開口した内管3と、ロッドに接続されて内管に回転を伝達可能に嵌合される回転軸部品4と、回転軸部品と相対回転可能かつ回転を一定角度までに制限するように段違い形状を設けた固定キャップ部品5,6と、以上一式を組合せて挿入した上で固定キャップと係合可能であり先端が一部開口した外管2とを備え、ロッドに一方向の回転を加えると内管と外管の非開口部分が連続し
て軸方向に対して傾斜した
非開口面をなしてかつその状態を保持することにより土の侵入と脱落を防止し、前記回転と逆方向の回転を加えると内管と外管の開口部分が重なり合ってかつその状態を保持することにより土の採取が可能となる。
【選択図】図3
特許請求の範囲
【請求項1】
地盤調査機によって複数の連結可能なロッドと連結されて地中に貫入され、所望の深度の土を採取可能な土採取装置であって、
前記ロッドと接続可能な連結部と、
一方向の先端が開口部分と非開口部分からなる中空の外管と、
一方向の先端が開口部分と非開口部分からなり、前記外管に相対回転可能に挿入され、前記ロッドの軸周りの回転に伴って回転するように構成された中空の内管と、
前記外管と内管を係合する手段と、
前記相対回転を両方向の回転に対して一定の角度までに制限する係止手段と、を具備し、
前記相対回転の一方向の相対回転をする場合には、相対回転のある角度において前記外管の非開口部分と前記内管の非開口部分とが連続した非開口面を形成し、かつ該角度までに相対回転が制限され、
前記方向と逆方向の相対回転をする場合には、相対回転のある角度において前記外管の開口部分と前記内管の開口部分とが少なくとも一部重なり合い、かつ該角度までに相対回転が制限されることを特徴とする、土採取装置。
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【請求項2】
請求項1記載の土採取装置において、前記外管と内管とによって形成される非開口面が、円筒を斜め切りにした形状の軸方向に対して傾斜した面であることを特徴とする土採取装置。
【請求項3】
請求項1又は2記載の土採取装置において、
前記外管と内管の係合手段と、前記相対回転を一定の角度までに制限する係止手段は、
前記内管に回転を伝達可能に嵌合され、軸周りに形成された段違い形状と前記ロッドと螺合可能な連結部とを有する回転軸部品と、
前記回転軸部品と相対回転可能かつ軸方向の相対位置を固定するように軸周囲に挟んで取付けられる二つ組からなる固定キャップ部品で、各二つ組部品の側面にねじ穴を設けてあり、二つ組部品の一方の端部に段違い形状を有する固定キャップ部品と、
前記外管の側面に貫通孔を設けた外管と、
前記内管に回転軸が嵌合する形状を設けた内管と、からなり、
回転軸部品に内管を嵌合し固定キャップ部品を取付けた一式を外管に挿入した状態で、ねじを外管の貫通孔を通して固定キャップ部品に設けたねじ穴に締結することによる係合手段であり、
回転軸部品に設けた段違い形状と固定キャップ部品に設けた段違い形状がこれらの相対回転の両方向に対して一定角度に達すると互いに干渉することにより該角度以上の相対回転を制限することによる係止手段である、土採取装置。
【請求項4】
前記ロッドを回転駆動及び昇降駆動し得る機構を備えた地盤調査機と、
請求項1~3のいずれか記載の土採取装置と、を使用して地中の所望の深度の土を採取するための土採取方法であって、
前記ロッド先端に土採取装置を接続した後、
前記内管にロッドを経由して伝達される回転により、地中の土の抵抗を受ける外管と、内管との間に生じる相対回転が、前記の非開口面が形成される方向の回転(以下、正転という)である回転をロッドに加えながら降下させることにより、採取装置の先端が閉口した状態を保ちつつ所定の深度まで採取装置を貫入させる工程と、
前記内管にロッドを経由して伝達される回転により、地中の土の抵抗を受ける外管と、内管との間に生じる相対回転が、前記外管と内管の開口面が重なり合う状態が形成される方向の回転(以下、逆転という)である回転をロッドに加えることにより、採取装置先端の少なくとも一部が開口した状態を形成させる工程と、
所定の降下長ロッドを降下させることにより、前記の開口部から内管内に土を採取する工程と、
ロッドに正転を加えることにより採取装置の先端を閉口する工程と、
ロッドを上昇させることにより採取装置を地上まで引き上げて、採取装置から地中で採取した土を取り出す工程と、を備えた土採取方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、地盤調査のために用いられる装置を利用して地中に貫入され所望の深度の土を採取するための土採取装置及び同装置を用いた土採取方法に関するものである。
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【背景技術】
【0002】
建築物、構造物が築造される地盤の支持力特性、沈下特性、液状化に対する安定性などを調査する目的で種々の地盤調査が行われる。例えばスクリューウエイト貫入試験方法(JIS A 1221:2020)は、その簡便性から戸建住宅などの小規模構造物の支持力特性を調査する方法として広く利用されている。この方法はロッドを継ぎ足しながら先端のスクリューポイントを地盤に回転貫入させ、地盤の硬軟、締まり具合及び土層構成を評価するための静的貫入抵抗を求める試験方法である。このような、ロッドに取付けた抵抗体を地盤に貫入してその性状を調査する方法は、一般にサウンディング試験と呼ばれる。サウンディング試験には、地中の土の採取を伴う方法もあるが、上記のスクリューウエイト貫入試験方法などのように土の採取を伴わない方法もある。地盤を構成する各土層の土質は、建築物等を支持する地盤としての安全性を検討する上で重要な要素であるが、土の採取を伴わず、他に土質の判定を行うための機能を備えない地盤調査方法では、土質判定を正確に行うことができないという欠点がある。しかし、土質を判定するために別途土を採取するための装置を搬入することは、試験の簡便性を損ない経済的ではない。そこで、サウンディング試験用の地盤調査装置を利用して、土の採取を行うことが考えられる。サウンディング試験用の地盤調査装置は、先端部を地中に貫入させるための機構を備えていることから、地盤調査装置に接続して地中に貫入させて土の採取を行う土採取装置が有効である。これにより簡便性を大きく損なうことなく土の採取が可能になり、高有機質土などの圧縮性の極めて高い土質や、地震時の液状化に対する危険性が高い土質を正確に判定することが可能になる。
【0003】
また、特定の深度の土質を正しく判定するためには、単に土を採取するのみならず、目的とする深度の土以外の土を混入させることなく、かつ目的とする深度の土を確実に採取しなければならない。そのためには何らかの機構を採取装置に備えておき、採取装置を地中に挿入した状態でその機構を操作することにより、特定の深度の土のみが採取されるようにする必要がある。この操作の方法には、機械的伝達手段により操作する方法、流体圧力により操作する方法、電気的信号により操作する方法等が考えられるが、より簡便かつ経済的に土の採取を行うためには、地上から操作手がロッドに対して行える物理的操作手段、即ちロッドの上昇・下降・回転のみによって操作できる機構が望ましい。このような土採取装置が従前より提案されており、例えば特許文献1乃至2に提案される物がある。
【0004】
特許文献1では、相対回転可能な二重筒状の内筒体と外筒体の軸方向にそれぞれ設けられた採取口と、内採取口の長手方向一側において外方へ突出して形成された採取刃を有する土質採取装置を提案している。これは、地盤調査の結果生じた調査孔に挿入し、ロッドを介して正逆方向の回転力を与えることで採取口が開閉され、同時に採取刃によって周辺土砂を取り込むことが可能であり、調査孔を利用することによって簡便に土を採取できるという利点がある。
【0005】
特許文献2では、コアチューブとそのチューブ内を上下摺動可能な栓体を備え、栓体がコアチューブの開放下端を閉塞した状態で結合されて採取を行う孔底部へ挿入された後、栓体をコアチューブ内の上限位置まで上昇させて結合することで、開放されたコアチューブ下端からコアチューブ内に形成された土砂受容空間に孔底部の土を押し込んで採取する採取装置を提案している。これは、貫入方向先端を開放して採取深度に押し込むため、スクリューポイント、その他の貫入具、及び採取装置自身等、何物によっても未だ攪乱されていない土を採取できるという利点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2004-332392号公報
特開2014-156706号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら上記のような土採取装置には課題があった。特許文献1の装置に関しては、調査孔を利用して軸方向に設けた採取口から採取刃によってかきとられた土を採取するため、調査孔側壁が乱れて他深度の土が付着していた場合や挿入時に採取装置に他深度の土が付着した場合、所望の深度以外の深度の土が混入する可能性がある。
【0008】
特許文献2の装置に関しては、下端を閉塞した状態で孔底部へ挿入された後、下端を開放して貫入方向先端から孔底部の土を採取することによって、スクリューポイント、その他の貫入具、及び採取装置自身等の何物によっても未だ攪乱されていない土を採取するため、所望の深度以外の深度の土が混入する可能性を排している。しかし、土の採取後も下端が開放されているため、特に採取対象層が緩い土の場合には採取した土を地上に引き上げるまでに開放下端から土が落下する可能性があり、採取の確実性に課題がある。
【0009】
本発明は以上課題の解決のためになされたものであり、地盤調査に用いられる装置を利用して地中の所望の深度の土のみを他深度の土を混入することなく確実に、かつ簡便に採取できる土採取装置、及び該土採取装置を使用した土採取方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、請求項1の発明は、地盤調査機によって複数の連結可能なロッドと連結されて地中に貫入され、所望の深度の土を採取可能な土採取装置であって、
前記ロッドと接続可能な連結部と、
一方向の先端が開口部分と非開口部分からなる中空の外管と、
一方向の先端が開口部分と非開口部分からなり、前記外管に相対回転可能に挿入され、前記ロッドの軸周りの回転に伴って回転するように構成された中空の内管と、
前記外管と内管を係合する手段と、
前記相対回転を両方向の回転に対して一定の角度までに制限する係止手段と、を具備し、
前記相対回転の一方向の相対回転をする場合には、相対回転のある角度において前記外管の非開口部分と前記内管の非開口部分とが連続した非開口面を形成し、かつ該角度までに相対回転が制限され、
前記方向と逆方向の相対回転をする場合には、相対回転のある角度において前記外管の開口部分と前記内管の開口部分とが少なくとも一部重なり合い、かつ該角度までに相対回転が制限されることを特徴とする、土採取装置である。このような土採取装置は、ロッドに接続されて地中に貫入される際、外管の回転は周囲の土により抵抗を受けるから、ロッドに回転を加えると、それに伴って内管に生じる回転によって内管と外管との間に相対回転が生じる。該相対回転の方向によって土採取装置の先端は非開口状態または一部開口した状態となる。非開口状態は即ち先端から内管内への土の侵入も内管内の土の先端からの流出も抑止された状態であり、一部開口した状態は即ち先端から開口部分を通して内管内への土の採取が可能な状態である。さらに相対回転の角度が該角度までに制限されることから、それ以上ロッドを同方向に回転させても、内管と外管が共に回転するようになり、先端の非開口または開口の状態は維持される。したがって、このような採取装置は、地中への貫入時に先端が閉口する方向の回転(以下、正転という)を加えながら貫入することにより、所望の深度以外の深度の土の混入を防ぐことができ、所望の深度で先端が開口する方向の回転(以下、逆転という)を加えることにより開口した面から土の採取が可能となり、土の採取後に正転を加えて先端を閉口することにより採取した土が落下することを防ぐことができる。前記ロッドの回転に伴って内管を回転させる構成は、内管の先端部と逆側の端点をロッドと直接接続してもよいし、内管及びロッドと接続できる他の部品を設けて該部品を介して回転を伝達する等の構成としてもよい。前記外管と内管を係合する手段は、内管を外管に挿入した上で係合できるようにこれらのうちのどちらかに取付けられる他の部品を設けることによって実施できるし、外管を二つ割の構成としておいて内管を挟むように組み立てて係合することによっても実施できる。前記非開口面及び開口部分が少なくとも一部重なり合う状態を形成する構成は、各管をそれぞれ円筒形状の先端を半円部分のみ開口とすることで実施できるし、非開口面が円錐形状となるように、各管をそれぞれ円錐形状の頂点側から見た投影面の半円部分のみ開口とした構成でも実施できる。この場合各管の開口が重なり合うようにして開口部分を形成することができ、開口が互いに重なり合わないようにすると、先端の全面に連続した非開口面を形成することができる。また各管をそれぞれ円筒形状として、その先端を、四分割した四分円の対角2つの四分円部分のみを開口とした構成でもよい。この場合2つの四分円部分を開口部分とすることができる。非開口面の形状及び形成される開口部分の数・形状は、貫入のし易さと土の採取のし易さを勘案して設定する。前記相対回転を両方向の回転に対して一定の角度までに制限する係止手段は、内管と外管に相対回転の特定の角度で互いに干渉する係止片を設けることで実施できるし、係合のために他の部品を設けて構成する場合は、該部品と相対回転する方の管と該部品に相対回転の特定の角度で互いに干渉する係止片を設けてもよい。
(【0011】以降は省略されています)
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