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公開番号
2024160758
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-11-15
出願番号
2023076061
出願日
2023-05-02
発明の名称
砂防ダム及び導流堤
出願人
個人
代理人
主分類
E02B
7/02 20060101AFI20241108BHJP(水工;基礎;土砂の移送)
要約
【課題】土石流や火山泥流、流木に対して谷または河川に設置される耐土石流性の高い構造物が得られるものであり、現地において簡易にかつ急速施工が可能な砂防ダム及び導流堤を提供すること。また、軟弱な地盤上において構築する場合においても、地盤の変形に追従する性能を有した土砂等の捕捉機能の高い砂防ダムを提供すること。
【解決手段】コンクリート・ブロック間の噛み合わせ強度及び透水性能が期待できる方塊コンクリート(11)を積み上げた堰堤工(10)と、その堰堤工(10)の上流側に波消ブロック(21)を積み上げた消波工(20)と、を備えている砂防ダム(100)又は導流堤。なお、この2種類のブロックの組み合わせた構造により、土石流(1)に対する安定性能を高めることができる。また、堰堤工(10)の透水性能により、満砂した砂防ダム(100)においても、土石流(1)や火山泥流、流木の捕捉率を高めることができる。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
谷または河川を横切る方向に沿って積み上げられた方塊ブロックと、
前記方塊ブロックの上流側に前記谷または前記河川を横切る方向に沿って積み上げられた消波根固めブロックと、
を備えることを特徴とする砂防ダム。
続きを表示(約 630 文字)
【請求項2】
前記方塊ブロックの鉛直方向に対する上下間の水平接合部において、直方体のコンクリートで構成されるブロックの上下面に設けられた突起により、前記方塊ブロックの水平方向における変位の抑制が図られた特徴を有する請求項1に記載の砂防ダム。
【請求項3】
前記方塊ブロックの鉛直方向に対する上下間の水平接合部において、直方体のコンクリートで構成されるブロックの上下面に設けられた突起により、前記方塊ブロック間の透水性能を有する請求項1に記載の砂防ダム。
【請求項4】
前記方塊ブロックの鉛直方向に対する上下間の水平接合部及び水平方向に対する側面接合部において、直方体のコンクリートで構成されるブロックの上下面に設けられた突起及び側面の前記方塊ブロックの平面形状により、前記方塊ブロックの地盤の変形に追従する屈僥性と最上段に位置する前記方塊ブロックの鉛直下方向への変位を抑制する性能を有する請求項1に記載の砂防ダム。
【請求項5】
前記方塊ブロックと前記消波根固めブロックとの組み合わせ方法または積み上げ方法の変更により、ダム形状を変更が可能な特徴を有する請求項1に記載の砂防ダム。
【請求項6】
河川を交差する方向に沿って積み上げられた方塊ブロックと、
前記方塊ブロックの上流側に前記河川を交差する方向に沿って積み上げられた消波根固めブロックと、
を備えることを特徴とする導流堤。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、土石流や火山泥流、流木を阻止する砂防ダム及び導流堤に関するものである。
続きを表示(約 1,800 文字)
【背景技術】
【0002】
火山噴火直後の状況下で土石流や火山泥流、流木の対策施設を緊急に施工する必要がある場合、コンクリート・ブロック等の工場製品を予め製作することにより、この工場製品を緊急時に施工箇所へ運搬して砂防ダムや導流堤を施工することができる。
このような状況下の場合、通常のコンクリート・ブロックで構築された砂防ダムや導流堤では、土石流や火山泥流、流木の流下時、その流体力により個々が運搬され、ブロックが変位して流出する可能性がある。そこで、緊急施工が可能であるとともに、土石流や火山泥流に対する耐土石流性の高い砂防ダムの対策工法が提案されている。ただし、導流堤については、従来、確立したものはなかった。
なお、コンクリート充填鋼管を軸として立設し、鋼管の貫通孔を形成した方塊ブロックを、このコンクリート充填鋼管に串刺し状に積み上げて形成した砂防ダムまたは導流堤が提案されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2000-290969(土石流等の対策構造物及びその施工法)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、これらは、次のような欠点があった。
緊急の施工を要すため、予め鋼管材料の備蓄を行っておく必要があるが、土石流や火山泥流、流木の規模が変化するに伴って積み上げる高さが異なるため、その高さや作用する外力に対応するための様々な長さや板厚みの鋼管を事前に備蓄しておくことは困難である。その結果として、ダム形状の変更が不可となる。また、鋼管を現地にて掘削等により立設するためには、大規模な掘削や据え付けのための施工機械を確保するとともに、前記施工機械の現地への搬入及び据え付けが困難であることが懸念される。また、前記鋼管内に充填打設するコンクリート材料の確保やその現地での打設に時間を要すため、緊急施工が困難な場合が想定される。さらに、火山等の影響を受けて変形する地盤においては、前記コンクリート・ブロック間の噛み合わせにおいて期待される屈僥性能が期待出来ないため、対策構造物の規模が多大となるおそれがある。一方、土砂等の捕捉効果の高い対策構造物の構築が求められる。
【0005】
そこで、本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、事前に備蓄出来る材料を主とするため、前記鋼管は不要であるとともに、簡易な施工によって緊急施工が可能で耐土石流性の高い構造により、土石流や火山泥流、流木の流出と、それに伴う被害を抑えることができる砂防ダム及び導流堤を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するため、本発明は、谷または河川を横切る方向に沿って積み上げられた方塊ブロックと、 前記方塊ブロックの上流側に前記谷または前記河川を横切る方向に沿って積み上げられた消波根固めブロックと、を備えることを特徴とする砂防ダムである。
【0007】
また、前記方塊ブロックの鉛直方向に対する上下間の水平接合部において、直方体のコンクリートで構成されるブロックの上下面に設けられた突起により、前記方塊ブロックの水平方向における変位の抑制が図られた特徴を有する砂防ダムであることが好ましい。
【0008】
また、前記方塊ブロックの鉛直方向に対する上下間の水平接合部において、直方体のコンクリートで構成されるブロックの上下面に設けられた突起により、前記方塊ブロック間の透水性能を有する砂防ダムであることが好ましい。
【0009】
また、前記方塊ブロックの鉛直方向に対する上下間の水平接合部及び水平方向に対する側面接合部において、直方体のコンクリートで構成されるブロックの上下面に設けられた突起及び側面の前記方塊ブロックの平面形状により、前記方塊ブロックの地盤の変形に追従する屈僥性と最上段に位置する方塊ブロックの鉛直下方向への変位を抑制する性能を有する砂防ダムであることが好ましい。
【0010】
また、前記方塊ブロックと前記消波根固めブロックとの組み合わせ方法または積み上げ方法の変更により、ダム形状を変更が可能な特徴を有する砂防ダムであることが好ましい。
(【0011】以降は省略されています)
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