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公開番号2024170738
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-11
出願番号2023087421
出願日2023-05-29
発明の名称気密ブースの避圧弁
出願人株式会社西部技研
代理人
主分類F16K 24/00 20060101AFI20241204BHJP(機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段)
要約【課題】気密ブースの室圧が予め設定した値を超過した場合にのみ稼働し、クリーンブースにおいてはその清浄度に影響を与えることなく、室内外の異常な圧力差を調整することができ、避圧弁自体は簡易な構造で小さくコンパクトであり、電気等の動力を必要とせず、任意に避圧開始の圧力が設定可能で、低コストである機械式避圧弁を提供する。
【解決手段】本発明の避圧弁は、蓋体と本体を備えた避圧弁であって、蓋体はシャフトと円形リブを有し、本体は避圧パッキンと避圧用開口を有し、本体のシャフトを通す穴に前記シャフトを通し、シャフトにはコイルばねが取付けられ、円形リブと避圧パッキンが当接するようにした。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
蓋体と本体を備えた避圧弁であって、前記蓋体はシャフトと円形リブを有し、前記本体は避圧パッキンと避圧用開口を有し、前記本体の前記シャフトを通す穴に前記シャフトを通し、前記シャフトにはコイルばねが取付けられ、前記円形リブと前記避圧パッキンが当接するようにしたことを特徴とする避圧弁。
続きを表示(約 470 文字)【請求項2】
前記シャフトの片端にナット及び/又はボルトを取付けることにより、前記コイルばねの取付長さを調整できるようにしたことを特徴とする請求項1に記載の避圧弁。
【請求項3】
気密ブースの天面に前記避圧弁を設置する場合において、負圧調整の場合、前記蓋体側を下向きに設置し、陽圧調整の場合、前記蓋体側を上向きに設置するようにし、前記避圧弁を天面以外に設置する場合において、負圧調整の場合、気密ブースの内側に前記蓋体側が向くように設置し、陽圧調整の場合、気密ブースの外側に前記蓋体側が向くように設置するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の避圧弁。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の避圧弁を設置した気密ブース。
【請求項5】
請求項1又は請求項3のいずれか一項に記載の避圧弁を3Dプリンタにて製作する避圧弁の製造方法。
【請求項6】
前記蓋体と前記本体が樹脂からなることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の避圧弁。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、クリーンブースやドライブース、不活性ガスブース等気密を保つことが必要なブース(以下、「気密ブース」という。)において、気密ブース内の圧力を一定の室圧に保つための機械式避圧弁に関する。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
精密機器、電子部品、医薬品等の製造工程において、わずかでも塵埃等のパーティクルがあると、製造中の製品に付着して製品不良を起こすため、クリーンブースは高清浄度環境を確保するものとして使用されている。クリーンブース内の高清浄度を保つために、通常処理した空気をHEPAフィルタを通して室内循環させている。また、リチウム電池や有機ELの製造工程等においては、材料が水分や酸素等の活性ガスと反応しやすいため、これらの活性ガスが例えば100ppm以下、好ましくは10ppm以下、より好ましくは1ppm以下の低いレベルでドライかつ不活性ガス環境が必要であり、吸着式の除湿ロータによる低露点空気で空気をパージしたドライブース、液体窒素を気化させたり窒素精製機からの窒素ガスで空気をパージした不活性ガスブースが普及している。ここで、「不活性ガス」とは窒素だけでなく、ヘリウムやアルゴン等の他の不活性ガスであってもよく、活性ガス濃度を可能な限り0ppmに近づけたガスのことをいう。
【0003】
クリーンブースでは、外部からの汚染空気の侵入を防ぐため、室内圧力(以下、「室圧」という。)はブース外雰囲気よりやや高い陽圧に保たれている。しかし、圧力が高すぎると、扉の開け閉めが困難になる等の問題が生じる。また、ハザード物質を扱う場合は、室内を負圧にして漏洩を防止する。また、ドライブースや不活性ガスブースにおいても扉の開閉による人や装置の出入りにより、ブース内と外部の圧力変動が生じて、水分や酸素などの活性ガスがブース内に侵入し、低露点かつ不活性ガス環境が悪化するため、室圧の制御が必要である。このように、気密ブースの室内は、人や物の室内への出入りによる扉の開閉や室温調整のための給気風量変更等の変動にもかかわらず、その圧力を一定に保つ必要がある。
【0004】
このように、気密ブースでは室圧を陽圧あるいは負圧に保つように制御するため、圧力逃し機構(避圧機構)が設置されている。例えば、特許文献1に記載の圧力逃し弁機構は、クリーンルーム等の陽圧に保たれた部屋の室壁に開口部を設け、その開口部を封止するように配置され、かつ部屋の内外の圧力差に応じて揺動可能に設けられた弁板(フラップ)を備えており、室内圧力を所望の一定の陽圧に保つものである。
【0005】
また、特許文献2には空調対象室(クリーンルーム)の室圧を目標室圧に保持する室圧制御システムが開示されている。このような室圧制御システムは、電動ダンパや電磁バルブ、風量センサや圧力センサ、ファンやコントローラ等が電気的に制御されることにより、気密ブース内が予め定められた所定の室圧及び風量となるように室圧制御されている。起動時やドアの開閉時、局排動作時等に、素早く設定した室圧に戻し、常に安定した室圧を確保できるよう高精度に制御される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2002-267034号公報
特許第6959773号
特許第7101094号
特許第4680206号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載の圧力逃し弁機構では、例えばISO Class3(国際規格ISO14644-1)以上の高い清浄度が求められるクリーンブースにおいては、気密度を保つことができず、高い清浄度を確保することができない。ISO Class3以上の高い清浄度が求められるクリーンブースにおいては、室内圧力異常時に、清浄度に影響を与えず、室内外の異常な圧力差を調整することが必要である。
【0008】
特許文献2のような電気的に制御された室圧制御システム(以下、「電気式避圧機構」という。)においては、気密ブースの空調装置が停止あるいは送風量を低減させるような事故や故障、点検時の誤操作、通信システムや各機器、電気式避圧機構の電源や信号喪失等により、これらの設備の運転に連携がとることができず、圧力異常になっても機能を果たせず、例えば、気密ブース内に負圧が生じて汚染物質を気密ブース内に吸引したり、気密ブースの部材破損を招く虞がある。さらには復旧工事や温湿度、室圧、清浄度等の環境検証にかかる期間中は気密ブースの使用が困難となり、事業計画に支障をきたすことがある。
【0009】
そこで、電気的に動作しない独立した、無動力である避圧機構(以下、「機械式避圧弁」という。)として、特許文献3に記載の避圧調整ユニットは、天井に設置し、室内の気圧が異常変動した場合に吸気あるいは排気して、室内の気圧を一定の範囲に保つことができる。また、過陰圧調整装置と過陽圧調整装置を備えており、開放抵抗以上の陰圧が発生した場合に過陰圧パネルが回動して開となり、過陽圧調整装置の開閉板が開口して吸気し、想定以上の陽圧が発生した場合に昇降型の逃がし弁が上昇して排気する。電気等の動力を必要としないので、停電等の非常事態でも作動することができる。しかしながら、装置構造が複雑であるうえ、装置自体が大きいため、本体費用や設置コストが高く、天井への設置に必要な面積が大きいという問題がある。
【0010】
他にも圧力逃し機構として、例えば、特許文献4に記載の圧力逃がし装置は、発電所や変電所に使用される変圧器のタンクに装着し、内部故障によるタンク内の圧力上昇をとらえ、タンク内部の窒素ガスや絶縁油等を瞬時に大気放出することにより、本体及び付帯設備の損傷を防止する安全弁の役割を果たす。しかしながら、対象となる放圧値は、例えば0.04~0.1MPa(40000~100000Pa)と非常に高圧であり、気密ブースのような低圧(例えば-200~400Pa)には向かない構造である。
(【0011】以降は省略されています)

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