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公開番号
2024167059
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-11-29
出願番号
2024073488
出願日
2024-04-30
発明の名称
二軸延伸ポリプロピレンフィルム及び積層体
出願人
フタムラ化学株式会社
代理人
個人
主分類
B32B
7/022 20190101AFI20241122BHJP(積層体)
要約
【課題】リサイクル原料を使用しても剛性や耐熱性を損なわずに製膜性に優れた二軸延伸ポリプロピレンフィルム及び積層体を提供する。
【解決手段】基材層にリサイクル原料が配合されてなる積層フィルムのうち、縦方向の弾性率が2.0GPa以上かつ横方向の弾性率が4.0GPa以上、縦方向の寸法変化率L
140
(%)と寸法変化率L
120
(%)との差が15以下、縦方向及び横方向の熱収縮率が10%以下であって、基材層は、メソペンタッド分率が95%以上であるポリプロピレン樹脂(A)55重量%以上と、MFRが3.0~11.0g/10minであり、融解ピーク温度が145~170℃でありかつ融解エンタルピー(ΔH)が87.0J/g以上であるリサイクル原料(B)5~25重量%と、プロピレン・α-オレフィンランダム共重合体(C)を0~10重量%とを含む少なくとも2種以上の異なる樹脂が混合された樹脂混合体よりなる。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
基材層と、前記基材層の一側又は両側に表層が積層されてなり、
前記基材層にポリプロピレン樹脂を主体とする成形物を由来とするリサイクル原料が配合されてなる積層フィルムのうち、
JIS K 7127(1999)に準拠して測定した縦(MD)方向の弾性率が2.0GPa以上かつ横(TD)方向の弾性率が4.0GPa以上であり、
熱機械測定装置(TMA)にて測定した30℃から150℃まで20℃/minで昇温し縦(MD)方向に荷重0.32Nを加えた際の140℃における縦(MD)方向の寸法変化率L
140
(%)と120℃における寸法変化率L
120
(%)との差(L
140
-L
120
)が15以下であり、
150℃・5分の加熱処理における縦(MD)方向及び横(TD)方向の熱収縮率がそれぞれ10%以下である前記積層フィルムであって、
前記基材層は、
メソペンタッド分率(mmmm)が95%以上であるポリプロピレン樹脂(A)55重量%以上と、
メルトフローレート(MFR)が3.0~11.0g/10minであり、示差走査熱量計(DSC)でJIS K 7122(2012)に準拠して測定した融解ピーク温度が145~170℃であり、かつ、融解エンタルピー(ΔH)が87.0J/g以上である前記リサイクル原料(B)5~25重量%と、
を含む少なくとも2種以上の異なる樹脂が混合された樹脂混合体よりなる
ことを特徴とする二軸延伸ポリプロピレンフィルム。
続きを表示(約 780 文字)
【請求項2】
前記リサイクル原料(B)は、示差走査熱量計(DSC)でJIS K 7122(2012)に準拠して測定した結晶化温度が105℃以上である請求項1に記載の二軸延伸ポリプロピレンフィルム。
【請求項3】
前記リサイクル原料(B)は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)測定で求められる分子量分布(Mw/Mn、Mz+1/Mw)の関係がMw/Mn<Mz+1/MwかつMz+1/Mw≧4.7を満たす請求項1又は2に記載の二軸延伸ポリプロピレンフィルム。
Mw:重量平均分子量
Mn:数平均分子量
Mz+1:Z+1平均分子量
【請求項4】
前記基材層にプロピレン・α-オレフィンランダム共重合体(C)が10重量%以下含まれる請求項1又は2に記載の二軸延伸ポリプロピレンフィルム。
【請求項5】
前記基材層にプロピレン・α-オレフィンランダム共重合体(C)が10重量%以下含まれる請求項3に記載の二軸延伸ポリプロピレンフィルム。
【請求項6】
請求項1又は2に記載の二軸延伸ポリプロピレンフィルムにシーラントフィルムが積層された積層体。
【請求項7】
請求項3に記載の二軸延伸ポリプロピレンフィルムにシーラントフィルムが積層された積層体。
【請求項8】
請求項4に記載の二軸延伸ポリプロピレンフィルムにシーラントフィルムが積層された積層体。
【請求項9】
請求項5に記載の二軸延伸ポリプロピレンフィルムにシーラントフィルムが積層された積層体。
【請求項10】
前記シーラントフィルムが無延伸ポリプロピレンフィルムである請求項6に記載の積層体。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、二軸延伸ポリプロピレンフィルム及びこのフィルムを用いた積層体に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)
【背景技術】
【0002】
従来、延伸ポリプロピレンフィルムは、その優れた透明性、機械的強度、防湿性、剛性等を活かして包装材料をはじめ種々の用途に広く用いられている。近年では環境負荷低減の観点から、ポリプロピレンの使用量の削減を目的に、厚みを減らす等の工夫がされる。
【0003】
厚みの薄い延伸ポリプロピレンフィルムにあっては、使用感を損なわないためにユーザーから剛性の維持が求められていることから、従来の延伸ポリプロピレンフィルムよりも、著しく剛性を向上させる必要がある。また、延伸ポリプロピレンフィルムには印刷やラミネート加工が行われるため、剛性を向上させつつも、十分な耐熱性、寸法安定性も要求される。そこで、フィルムの縦(MD)方向及び横(TD)方向の熱収縮率や、衝撃強度(耐衝撃性)を調整することによって、高い耐熱性や剛性等が付与された二軸延伸ポリプロピレンフィルムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、持続可能な開発目標(SDGs)の推進により、環境へ配慮した循環型社会の実現に向けた取り組みとして、例えば、温暖化の原因の1つとされる二酸化炭素等の温室効果ガスの排出を抑制するために再生可能エネルギーを利用すること等が挙げられる。そこで、樹脂フィルムの分野においては、石油由来の原料に替えて植物由来の原料(バイオマス原料)を使用するフィルムが提案されている(例えば、特許文献2参照)。植物由来の原料は、カーボンニュートラルな資源であるから、石油由来の原料と比較して環境負荷低減に貢献することができる資源として有効である。
【0005】
さらに、環境に配慮した取り組みとしては、リサイクル原料の使用が挙げられる。フィルムを構成する材料として使用が想定されるリサイクル原料としては、再利用されるフィルムをはじめとして、フィルム生産時に発生する端切れ等のスクラップや余剰生産品等、市場に出る前の製品製造工程で発生した材料を再利用するポストインダストリアルリサイクルによるリサイクル材料と、市場で使用済みの製品を回収、再生資源化したポストコンシューマーリサイクルによるリサイクル材料等が挙げられる。また、これらリサイクル原料を成形する手法として、再利用の際に粉砕、溶融しペレット状に成形するメカニカルリサイクルという手法が一般的に用いられることが多い。
【0006】
これらメカニカルリサイクル原料の中で、延伸ポリプロピレンに使用されるものは、主にポリプロピレンが主原料として用いられている。その中でも種類が異なる樹脂や、帯電防止剤、アンチブロッキング剤等の添加剤のほか、これら添加剤のマスターバッチに用いられる樹脂等、主原料の樹脂と異なる材料が不特定の割合で含有されることがある。そして、リサイクル原料に含有されるこれら異材料は、技術的又は経済的に除去することが困難である。そのため、リサイクル原料は、異材料が残留したまま再利用される。
【0007】
このようなリサイクル原料が使用された高剛性・高耐熱の二軸延伸ポリプロピレンフィルムでは、リサイクル原料に含有される異材料の影響により、弾性率等のフィルムの剛性や耐熱性等のフィルム性能が低下する傾向がある。そのため、従来では、高剛性・高耐熱の二軸延伸ポリプロピレンフィルムの製造に際して、この種のリサイクル原料を使用することは適しているとはいえず、実用に至らなかった。
【0008】
しかしながら、環境へ配慮する社会的要請により、温室効果ガス排出削減や石油資源の効率利用等に寄与することを目的として、リサイクル原料を使用することが求められる。また、リサイクル原料の使用は、経済的合理性にも適うものであり、有用性が高まっている。そこで発明者らは鋭意検討を重ね、異材料が含有されるリサイクル原料を使用しても各フィルム性能を損なわずに製膜性にも優れたフィルムを発明するに至った。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
特開2014-055283号公報
特開2021-133509号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、前記の点に鑑みなされたものであり、リサイクル原料を使用しても剛性や耐熱性を損なわずに製膜性に優れた二軸延伸ポリプロピレンフィルム及び積層体を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)
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