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公開番号2024167020
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-11-29
出願番号2023092759
出願日2023-05-19
発明の名称プラズマ化ガス噴射装置
出願人カーボントレードネオ株式会社
代理人弁理士法人磯野国際特許商標事務所
主分類H05H 1/26 20060101AFI20241122BHJP(他に分類されない電気技術)
要約【課題】ガスを連続的にプラズマ処理することが可能であり、製造時の作業性に優れ、コンパクトな装置とすることが可能なプラズマ化ガス噴射装置を提供する。
【解決手段】プラズマ生成部と電源部とガス流動部とを有するプラズマ化ガス噴射装置であって、前記プラズマ生成部は、断面が同軸の複数の層から構成される円筒形構造を有し、中心部に棒状の第1電極、前記第1電極の外側に同軸でチューブ状の第1誘電体層、前記第1誘電体の外側に同軸でチューブ状の空間、前記空間の外側に同軸でチューブ状の領域内に第2電極、前記第2電極の外側に同軸でチューブ状の第2誘電体層を有し、前記電源部は前記第1電極と前記第2電極との間に交流電圧を印加し、前記ガス流動部は前記空間にガスを流し、前記空間内にプラズマを発生させて、前記空間を流れるガスをプラズマ処理し、前記円筒形構造の他方の端から噴射させることを特徴とするプラズマ化ガス噴射装置ある。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
プラズマ生成部と電源部とガス流動部とを有するプラズマ化ガス噴射装置であって、
前記プラズマ生成部は、断面が同軸の複数の層から構成される円筒形構造を有し、
前記円筒形構造は、長さ方向に沿って中心部に、棒状の第1電極を有し、
前記第1電極の外側に、同軸でチューブ状の第1誘電体層を有し、
前記第1誘電体の外側に、同軸でチューブ状の空間を有し、
前記空間の外側に、同軸でチューブ状の領域内に第2電極を有し、
前記第2電極の外側に、同軸でチューブ状の第2誘電体層を有し、
前記電源部は、前記第1電極と前記第2電極との間に交流電圧を印加することができ、 前記ガス流動部は、前記円筒形構造の長さ方向の一方の端から他方の端に向かって、前記空間にガスを流し、前記他方の端からガスを噴射させることができ、
前記円筒形構造の長さ方向の一方の端から他方の端に向かって、前記空間にガスを流し、前記第1電極と前記第2電極との間に交流電圧を印加して、前記空間内にプラズマを発生させて、前記空間を流れるガスをプラズマ処理し、プラズマ処理されたガスを前記円筒形構造の前記他方の端から噴射させることを特徴とするプラズマ化ガス噴射装置。
続きを表示(約 670 文字)【請求項2】
前記空間の外側で、前記第2電極の内側に、同軸でチューブ状の第3誘電体層を有することを特徴とする請求項1に記載のプラズマ化ガス噴射装置。
【請求項3】
前記円筒形構造の長さ方向のガスを流入させる側であって、前記第1誘電体層と前記第2電極とで挟まれた領域に、円周方向に沿って、長さ方向にガスが通過できる複数の貫通孔を有する、同軸でチューブ状の支持体を有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のプラズマ化ガス噴射装置。
【請求項4】
前記空間に、円周方向に沿って、内部をガスが通過できるチューブであって、誘電体で構成された複数のチューブが設置されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のプラズマ化ガス噴射装置。
【請求項5】
前記第1電極、前記第2電極および前記誘電体を可撓性材料で構成して、前記円筒形構造の長さ方向のプラズマ処理されたガスを噴射させる側の形状を外力で変形させて、当該ガスを噴射させる方向を変えることができることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のプラズマ化ガス噴射装置。
【請求項6】
前記第2電極が、同軸でチューブ状の領域内であって、前記円筒形構造の長さ方向に沿って線状の導電性材料をらせん状に巻いた形状を有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のプラズマ化ガス噴射装置。
【請求項7】
微生物を殺菌または不活化する装置である請求項1または請求項2に記載のプラズマ化ガス噴射装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、プラズマ化ガス噴射装置に関する。特に、コンパクトな装置として製造することが可能なプラズマ化ガス噴射装置に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
近年、新型コロナウィルスのパンデミック感染という事態が発生したため、世界的にウィルスや細菌に対する防御手段についての関心が非常に高まっている。そのような背景の中にあって、ウィルスや細菌に対する新たな防御手段の一つとしてプラズマ処理という方法が開発されつつある。プラズマ処理技術に関しては、誘電体バリア放電(Dielectric Barrier Discharge、DBD)という手法が近年開発されて、大気圧下で低温度のプラズマを発生させることが可能となった。
【0003】
空気等の酸素や水分を含有するガスは、プラズマ処理されることによって、一重項酸素、過酸化水素、OHラジカル、ペルオキシドラジカル、オゾン等の活性酸素種(Reactive Oxygen Species、ROS)を生成させる。これらの活性酸素種は、酸化反応等によって、微生物を分解したり、死滅させたり、不活化させたりすることができる。微生物としては、各種の細菌、ウィルス、カビなどが挙げられる。
そのため、ガスをプラズマ処理したり、プラズマ処理されたガスを噴射することによって、ガス中や物体表面の微生物を殺菌したり、不活化したりする用途に展開することが可能となっている。
【0004】
ガスを連続的にプラズマ処理するプラズマ処理装置については、既に、複数の先行文献に装置が開示されている。特許文献1には、平板状の導電材料を筒状に形成してなる第1電極と、平板状の導電材料を筒状に形成してなり、前記第1電極の外周を所定の間隙をおいて取り囲むように配置されている第2電極と、前記第1電極と前記第2電極との間に介在するように配置された筒状の誘電体層とが設けられてなるプラズマ生成部を備えたプラズマ発生装置が開示されている。
【0005】
また、特許文献2には、ガス媒体を処理するための反応器であって、入口ポートと出口ポートと2つの同軸の円筒形の電極とを有するチャンバから構成される上記反応器において、前記電極の少なくともひとつの対面する表面はこれと密接する誘電体材料の層を有し、電極の少なくともひとつには打抜き孔ないし開口が備えられて、これを通してガス媒体が通ると共に、電極及び関連する構造はガス媒体が電極の間の領域を強制的に通過するように構成され、反応器に入ってから出る間のガス媒体の流れが軸線方向と半径方向と円周方向との成分を有するように組み合わせたことを特徴とする反応器が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
国際公開第2022/265007号
特表2003-500195号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に記載のプラズマ発生装置では、プラズマ生成部を製造するためには、複数の平板状の導電材料と誘電体を中間に空間が形成されるように筒状に巻く作業が必要となる。剛性の異なる複数の平板状の部材を均一に巻き取る作業は一般に困難である。また、複数の平板状の部材を巻き取る際に、均一な隙間の空間を形成することも一般に困難である。したがって、特許文献1に記載のプラズマ発生装置は、製造時の作業性に劣り、コンパクトな装置とすることが困難なものであった。
【0008】
特許文献2に記載の反応器は、主として内燃機関の排ガスの処理に用いられるものであり、高温に耐え得るように、ステンレス鋼やセラミックス材料から構成され、内部に触媒物質を詰め込んで排ガス成分の分解処理に使用するものであり、電極の少なくともひとつには打抜き孔ないし開口が備えられており、複雑な構造の金属加工によって製造されるものである。したがって、特許文献2に記載の反応器は、製造時の作業性に劣り、コンパクトな装置とすることが困難なものであった。
【0009】
本発明は、上記のような状況に鑑みてなされたものである。すなわち、本発明の課題は、ガスを連続的にプラズマ処理することが可能であり、製造時の作業性に優れ、コンパクトな装置とすることが可能なプラズマ化ガス噴射装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
プラズマ生成部の断面が同軸の複数の層から構成される円筒形構造を製造するためには、電極と誘電体層で挟まれたチューブ状の空間を均一に形成することが必要である。本発明者は、既存の技術である同軸ケーブルや押出チューブ等の技術を利用することによって、断面が同軸の複数の層からなる円筒形構造を比較的簡便に製造することが可能であり、コンパクトな装置とすることが可能となることを見出し、本発明を完成させるに至った。すなわち、本発明は、以下のような構成を有するものである。
(【0011】以降は省略されています)

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